A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Duetの良さは、まるで2人が語りあっているような感じになったとき。

2007-06-06 | MY FAVORITE ALBUM
THE POWER OF POSITIVE SWINGING / CLARK TERRY & BOB BROOKMEYER

Duetの良さは、2人のコラボレーションにより、1+1が2ではなく、3にも4にもなっていくこと。
それには2人の相性と、息の合ったプレーが必要だ。
Duetの名盤には、そのような作品が多い。

普通のコンボ編成でも、その中の2人の相性がぴったりあうことがある。
George Barnsもそのようなプレーを好んだが、Bob Brookmeyerもその一人かもしれない。
必ずといっていいほど相棒がいる。
BILL EVANSとピアノで共演したりしたが、これは余興のようなもの。BROOKMEYERの本職はやはりトロンボーン。

真夏の夜のJAZZで有名なJimmy Giuffre とのコンビや、GERRY MULLIGANとの共演も有名だが、楽しくスイングする演奏は、CLARK TERRYとのコンビに軍配が上がる。
この2人は、マリガンのコンサートジャズバンドでのメンバー同士。
ブルックマイヤーはマリガンと行動を伴にしていたし、テリーはクインシーのオーケストラから転じてきた。

TERRYとフリューゲルホーンとBROOKMEYERのバルブトロンボーンのアンサンブルとソロは、まさに低音の魅力。
何かもごもごした感じで切れ味は悪そうだが、実際は歯切れよくスイングする。
彼らのコンビは、よく出演していたHALF NOTEでは、mumble(もぐもぐ) & grumble(ぶつぶつ)と呼ばれていたそうだが、そのあだ名どおりの演奏だ。
低音域は人の声とも近いので、ピッタリした表現かもしれない。
この2人は、61年から65年まで長い間コンビを組んでいた割には一緒に録音したアルバムは少ない。
ブルックマイヤーは、この後サド・メルに加わっていく。
そして、テリーは自分のバンドへ。

また、このアルバムのタイトルが実にいい。”Positive Swinging”、これも2人の演奏にぴったりのタイトルだ。
ちなみに、NEGATIVE SWINGINGとはどんなSWINGなのだろうか。少し興味がある。
バンド全体がスイングしているのは、ピアノのROGER KELLAWAYの影響も大きい。
60年代の初頭、だんだん難しくなっていったJAZZの世界に、こんな楽しい演奏もあったのにほっとする。

お気に入りは、軽快なGAL IN CALCO。
有名なリパブリック賛歌は、レギュラー出演していたハーフノートの料理長のお気に入りでテーマソングだったそうだ。

DANCING ON THE GRAVE
BATTLE HYMN OF THE REPUBLIC
THE KING
ODE TO A FLUGELHORN
GAK IN CALCO
GREEN STAMPS
HAWG JAWZ
SIMPLE WALTZ
JUST A OLD MANUSCRIPT

 CLARK TERRY (tp,flh)
 BOB BROOKMEYER (vtb)
 ROGER KELLAWAY (p)
 BILL CROW (b)
 DAVE BAILY (ds)

Recorded in 1964 

東京オリンピックの年の録音だ。
コメント
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