A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ブロードウェイ音楽をジャズでやるが、ジャズでショーはできるか?

2007-06-03 | MY FAVORITE ALBUM
The Real Ambassadors / Louis Armstrong ,Dave Brubeck ,Carmen McRae& L.H.R

JAZZの世界には意外な組み合わせというのが良くある。
これも、その一例だと思うが、メンバーだけを見るとおよそお互いのコラボレーションのイメージができない。
でも、この一枚はよく聴くと実によくプランされ、それに応えてメンバーが“好演”したアルバムだと思う。

アメリカ政府お墨付きの文化使節として、JAZZ大使を任命されたのが、ガレスピーサッチモなどのJAZZの巨人たちであったのは以前紹介した。
そのサッチモ達の各国での熱狂的な歓待ぶりを見て、その集大成とでもいうべき「組曲」が企画された。
企画したのはデーブブルーベック。そして、その妻のイオラ・ブルーベックの2人の願いからこのアルバムが誕生した。

企画を暖めていたのは、ガレスピーがJAZZ大使の大役を果たした1956年から。ブロードウェイのミュージカルをJAZZで演奏するのは誰もがやるが。ジャズのショーをブロードウェイ風にというのが、ブルーベック夫妻の基本的な考えだったそうだ。

主役はやはり「サッチモ」しかいない。そして、サッチモに時間ができた1961年になって、このアルバムが録音された。サッチモのバンドにブルーベックのグループも加わる。それに、カーメン・マクレーとランバート,ヘンドリックス&ロスのグループも加わる。

曲はすべてブルーベックの書き下ろし。ショー仕立てされた曲は、ソロありデュエットあり、そしてコーラスあり。JAZZ大使を称えた、組曲に構成されている。
このアルバムでは、結局ブルーベック夫妻が用意した曲の半分しか収録されなかったようである。

実際に、このショーを、このメンバーで、実際にライブでやったかどうかは知らない。
今でもこの組曲が、ショー仕立てで舞台で演奏そして歌われるようなことがあればぜひとも見てみたいものだ。

普通では一緒に演奏することなどありえないミュージシャン達が、単にジャムセッションや顔合わせではなく、このようなJAZZを共同で作り上げるのも素晴らしいことだ。
最後に、「吹けよサッチモ!」と全員でフィナーレを迎えるのは圧巻。
普通のアルバム作りではこうはいかない。

そういえば、QUINCYのオーケストラがヨーロッパ遠征の時、途中で取りやめになったミュージカル「FREE&EASY」は、ミュージシャンが衣装を着て舞台に上がって演奏したそうだ。
まさに、JAZZをショーで見せる舞台だったのかもしれない。
その、QUINCYも晩年にはこんなアルバム作りをしているのも、何かの因果か。

Everybody’s Comin’
Cultural Exchange
Good Reviews
Remenber Who You Are
My One Bad Habit
Summer Song
King For A Day
Blow Satchmo
The Real Ambassador
In the Lurch
One Moment Worth Years
They Say I Look Like God
Since Love Had Its Way
I Didn't Know Until You Told Me
Swing Bells :Blow Satchmo :Finale

Louis Armstrong(vcl,tp)
Carmen McRae(vcl)
Dave Brubeck(p)
Trummy Young(tb)
Paul Desmond(as),
Gene Wright(b)
Joe Morrello(d)

New York, September13,18,22, December 16,1961


コメント
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