A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ブラウンのベースの袋を開けると・・・・

2007-06-16 | CONCORD
Brown's Bag / Ray Brown

JAZZのベースというとその低音の魅力。特にレイブラウンの重低音は人一倍凄い。
確実にビートを刻みながらリズム隊の一角を担い、ソロプレーヤーと掛け合いをし、時にはソロの出番がある。裏方のベースが表に立つ時だ。
チャーリークリスチャンが単にリズムを刻んでいたギターを1、ジャズ&ロックの世界で管楽器のようなソロ楽器にした立役者とすると、ベースをソロ楽器としたのはジミープラントン。
それを引き継ぐモダンジャズ創世記のベースプレーヤーはオスカーペティフォードやスラムスチュワート、そしてパーシーヒースやチャーリーミンガス、ポールチャンバースと続く。が、その時代から幅広い領域で最近まで(といっても亡くなってから5年が経ってしまったが)長年活躍してきたのが「レイブラウン」。
やはり風貌を含めてJAZZベースの大御所であろう。

ジャズを聴き始めた頃、図太い音でオスカーピーターソンとコンビを組んでいたレイブラウンはすぐに覚えたプレーヤーだ。その頃のピーターソンのアルバムには、SJ誌の最優秀録音賞を受けた「WE GET REQUEST」もあり、オーディオのチェック用としても重宝されていた。
こんなアルバムをJAZZ喫茶で大音量にして聴いた時、改めてレイブラウンの良さに惚れ入ったものだ。

そんなレイブラウンも1966年にはピーターソンの元を離れてロスでスタジオ入り。
その後は、様々なセッションに顔を出していた。アルバムをひっくり返してクレジットのベースのところにレイブラウンの名前があると何故か安心して聴けた。

Concordレーベルが発足した時から、レイブラウンはドラムのJake Hannaと共にこのコンコルドレーベルのレギュラーメンバーのような存在。
L.A.4にも加わっていたし、以前ピーターソントリオで一緒だったEllisとのコンビでも。

このアルバムは、そのRay BrownのConcordでの初リーダーアルバムだ。
ここでは裏方ではなく前面に出て、いつものレイブラウンとは違ったプレーが聴ける。

中身は2つのグループに分かれてて、ひとつはキーボードのDON GURUSINとのコラボ。
そう、あのFusionの世界で有名はグルーシン。シンセサイザーなども加えてベースを引き立てる。ブラウンもソロをオーバーダビングしたり音作りを楽しんでいる。
ブラウンのソロ(あくまでもアコースティックベースでさすがエレキベースは使っていないが)を徹底的に前面に出したアルバム作り。Concordの今までのストレートなJAZZとは少し嗜好を変えている。

もうひとつは、ブルーミッチェルとリッチーカムカの2管を加えた、よくあるモダンジャズコンボの標準編成。スタイルもあくまでもジャズメッセンジャー風に。そして、正統派ウォーキングベースを中心に。
ドラムのJohn Guerinはロックをプレーする異色。ドラムのサウンドもチューニングを含めてオーソドックスなものとは少し色合いを変えているのが面白い。彼の起用もたまたまなのか、意図的なのか?

いずれにしても、ブラウンのすべてが袋にぎっしり詰まった、BROWN’ BAGだ。

Blues For Eddie Lee
A Time For Love
Keep On Pumpin’
Surry With The Fringe On
You Are My Sunshine
Emily
Surry With The Fringe On Top

Blue Michell (tp)
Richie Kamuca (ts)
Art Hillery (p)
Ray Brown (b)
John Guerin (ds)

Dave Grusin (keyboard)
Ray Brown (b)
Jhon Collins (g)
Jimmy Smith (ds)

Recorded in 1976 (CJ-19)
コメント
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