A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

音楽の世界で「昔世話になった恩返し」は、やはり演奏で返さねば・・・・

2007-06-26 | MY FAVORITE ALBUM
This is how I feel about Quincy / PHIL WOODS

Quincyの最初のアルバムが、“This is how I feel about JAZZ”
1956年に吹き込まれた名作である。そこに参加しているPhil Woods。
今度は、そのWoodsがQuincyに捧げて彼のSONG BOOKアルバムを作成したのは比較的最近の話。50年近く時間が経過した2004年のことだ。
タイトルも、そっくりそのまま「お返し」することになった。
曲はおなじみのQuincyの曲。50年近く前に毎日彼が演奏をしていた曲も含まれる。

QUINCYのオーケストラの苦難のヨーロッパツアーに、ずっと付き合い、そして帰国後も行動を共にした何人かのメンバーの一人がPhil Woods。
レギュラーのツアーオーケストラが解散した後も、スタジオのセッションを含めてQuincyとは60年代の半ばまで行動を共にした。

その後67年にヨーロッパに渡って、自らのバンド「ヨーロピアンリズムマシーン」を結成。
アメリカでストレートなジャズをやる環境が悪くなっていたという事情もあった。
ヨーロッパ各地で、ストレートなJAZZを演奏して受け入れられたということを、Quincyと共に身を持って体験した記憶が残っていたこともあったのであろう。

67年といえば、サドメルの活動が活発化した時。行動を共にしたもう一人のキーパーソンJerome Richardsonと一緒にこのオーケストラに参加してもおかしくなかったが。
ここは心機一転、自分のグループで自分のプレーを極めたいと思ったのだろう。
たしかにリズムマシーンでのウッズのプレーは、少しモーダルなプレーも取り入れ何か吹っ切れたような演奏だ。ソロプレーヤーとして、この時期の熱いプレーはひとつのピークであったと思う。
その後、アメリカに戻ったWoodsがQuincyとまた交流があったかどうかは分からない。というよりもあまり詳しく追いかけていないので、そのうち接点を紐解いてみよう。
きっと太い絆で結ばれていることだろう。

アレンジは殆どWoodsがやっているが、原曲のイメージを壊さないようにやっている。
クインテットの小編成から管楽器を加えた大型コンボまででBIG BAND編成はないが、QUINCYサウンドがうまく再現されている。
クインシーの曲はメロディーもシンプルで覚えやすいが、特に編曲でフレンチホルンの使い方、フルートとミュートをかけたトランペットのアンサンブルは、クインシーの得意技であった。
ウッズも負けじとチャレンジしている。
これが、「Woodsが感じたQuincyなのだろう。」

普通のSONG BOOKとは一味違う「QUINCYの名曲集だ。」
もちろん、Woods演奏が年を感じさせずに素晴らしいのは言うまでも無い。

1. Stockholm Sweetnin'
2. Quintessence,
3. Meet Benny Bailey
4. For Lena And Lennie
5. Pawnbroker
6. Hard Sock Dance
7. Midnight Sun Will Never Set
8. Q's Delight
9. Evening In Paris
10. Jessica's Day
11. Birth Of A Band
12. Lullabye For Jolie
13. Belly Roll

<Quintet & Little Big Band>
Phil Woods (as,cl)
Tom Hamilton (ts)
Nelson Hill (bs,ts,fl)
Bobby Routch, Brian Lynch (tp,flugelhorn,Frenchhorn)
Rick Chamberlain (euphonium,tb)
Bill Charlap (p)
Steve Gilmore (b)
Bill Goodwin (ds)

Recorded Feburuary 22-24 , 2004
コメント
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