HOT TRACKS / Herb Ellis – Ray Brown Sextet
Concordレーベルが誕生した70年代、西海岸のハリウッドは映画に代わってテレビ番組制作の全盛期。ドラマのサントラ、コマーシャル、そしてバラエティーショーのオーケストラと、ミュージシャンが活躍する場所は山ほどあった。
かって、JAZZの世界で活躍していたミュージシャンの多くが、この時代はスタジオ入りしてテレビの世界で仕事をしていた。
このConcordレーベルが活躍を始めると、一人また一人とそんな境遇のミュージシャンが集まってくた。久しぶりに集まった人もいるだろうし、同じ世界にいながら初めてあった者同士も。
ところが、ひとたび「JAZZの言語」で語り出だすと、お互いコミュニケーションをとるのに面倒な解説や説明はいらない。
集まったメンバーには、ジャムセッションの伝統と若き日に鍛えた技が脈々と引き継がれている。
「あれをこうしよう」「それでいこう」・・・・、簡単な言葉のやりとりだけで、演奏は続く。結果は特に何の編集もいらない、オーバーダビングもいらない。その当時のロックのアルバムの録音はスタジオを長期間占有して、その後も加工・編集のプロセスが延々続くようになってきたのとは好対照だ
彼らにとって、別に楽器を止めたわけではない。JAZZをやっていなかっただけ。
いつもは譜面とにらめっこしながらのプレーが多い中、久々に顔を見合わせながらのプレーを楽しんでいる様子が目に浮かぶ。
EllisとBrownのコンビも3作目で絶好調。
今回は、いつもの仲間に新たにMike Melvoinのピアノが加わった。ほとんど無名に近いスタジオワーク中心のMelvoinだが、メンバー間のコンビネーションはますますこなれてきている。
とても、ジャムセッションもどきの演奏とは思えない。
最近、学生時代の仲間が、昔やっていたバンドを再編して練習を始めたらしい。
先日、そのリーダー格のピアノを弾く女性と久々に一緒にライブを聞きにいったら近況を話してくれた。
「みんな大変なのよ。指は動かなくなるってるし」、「譜面は眼鏡をかけなければよく見えないって言うし」、「ボーカルは高い声が出なくなってキーを下げると、みんなついてこれなくて・・・」と。
彼らの再デビューにはもう少し時間が掛かりそうだ。
当の彼女は、しばらく前にプレーに復帰して、最近ではもっぱらJAZZにはまっている。それも、セミプロ並みの活動をしているとか。
「昔とった杵柄」、餅つきの杵を使いこなす「技」も技術のうちとよく言うが。
一度身に付けた技術は一生ものとはいうものの、たまには腕を磨いておかないといざというときにはやはり役立たずだ。
「昔の杵柄を生かしている」のは結局彼女だけ。
年をとっても何か自慢できるものをきちんと身に付けておきたいものだ。
1 Onion Roll Ellis 4:21
2 Spherikhal Brown 4:50
3 But Beautiful Burke,VanHeusen 5:19
4 Blues for Minnie Brown 4:36
5 Bones Johnson 5:49
6 So's Your Mother Melvoin 5:15
7 Squatty Roo Hodges 3:04
8 Sweetback Edison 4:24
Harry Sweets’ Edison (tp)
Plas Johnson (ts)
Mike Melvoin (p)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Concordレーベルが誕生した70年代、西海岸のハリウッドは映画に代わってテレビ番組制作の全盛期。ドラマのサントラ、コマーシャル、そしてバラエティーショーのオーケストラと、ミュージシャンが活躍する場所は山ほどあった。
かって、JAZZの世界で活躍していたミュージシャンの多くが、この時代はスタジオ入りしてテレビの世界で仕事をしていた。
このConcordレーベルが活躍を始めると、一人また一人とそんな境遇のミュージシャンが集まってくた。久しぶりに集まった人もいるだろうし、同じ世界にいながら初めてあった者同士も。
ところが、ひとたび「JAZZの言語」で語り出だすと、お互いコミュニケーションをとるのに面倒な解説や説明はいらない。
集まったメンバーには、ジャムセッションの伝統と若き日に鍛えた技が脈々と引き継がれている。
「あれをこうしよう」「それでいこう」・・・・、簡単な言葉のやりとりだけで、演奏は続く。結果は特に何の編集もいらない、オーバーダビングもいらない。その当時のロックのアルバムの録音はスタジオを長期間占有して、その後も加工・編集のプロセスが延々続くようになってきたのとは好対照だ
彼らにとって、別に楽器を止めたわけではない。JAZZをやっていなかっただけ。
いつもは譜面とにらめっこしながらのプレーが多い中、久々に顔を見合わせながらのプレーを楽しんでいる様子が目に浮かぶ。
EllisとBrownのコンビも3作目で絶好調。
今回は、いつもの仲間に新たにMike Melvoinのピアノが加わった。ほとんど無名に近いスタジオワーク中心のMelvoinだが、メンバー間のコンビネーションはますますこなれてきている。
とても、ジャムセッションもどきの演奏とは思えない。
最近、学生時代の仲間が、昔やっていたバンドを再編して練習を始めたらしい。
先日、そのリーダー格のピアノを弾く女性と久々に一緒にライブを聞きにいったら近況を話してくれた。
「みんな大変なのよ。指は動かなくなるってるし」、「譜面は眼鏡をかけなければよく見えないって言うし」、「ボーカルは高い声が出なくなってキーを下げると、みんなついてこれなくて・・・」と。
彼らの再デビューにはもう少し時間が掛かりそうだ。
当の彼女は、しばらく前にプレーに復帰して、最近ではもっぱらJAZZにはまっている。それも、セミプロ並みの活動をしているとか。
「昔とった杵柄」、餅つきの杵を使いこなす「技」も技術のうちとよく言うが。
一度身に付けた技術は一生ものとはいうものの、たまには腕を磨いておかないといざというときにはやはり役立たずだ。
「昔の杵柄を生かしている」のは結局彼女だけ。
年をとっても何か自慢できるものをきちんと身に付けておきたいものだ。
1 Onion Roll Ellis 4:21
2 Spherikhal Brown 4:50
3 But Beautiful Burke,VanHeusen 5:19
4 Blues for Minnie Brown 4:36
5 Bones Johnson 5:49
6 So's Your Mother Melvoin 5:15
7 Squatty Roo Hodges 3:04
8 Sweetback Edison 4:24
Harry Sweets’ Edison (tp)
Plas Johnson (ts)
Mike Melvoin (p)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)