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なんとなく怖かった話

今日、午後3時半頃、銀座の路地を歩いていた(シャツとネクタイを買いに行くつもりで)ところ、高級乗用車が近づいてきて(いかにもというような黒のベンツなどではないが、高級車だということは分かる)、助手席の窓が開いて、50-60代くらいのグレーのスーツを着た紳士に呼び止められた。

彼は、私を呼び寄せて、和光の袋の中から箱を取りだし、「これを差し上げますので、使ってください」と、私に渡そうとする。見ると、(たぶん)ロレックスのペア・ウォッチだ。「奥さんと一緒に使って下さい」。

「こんな大層なものを頂くいわれはありません」と断ると、「あなたはまじめそうな顔をしているし、名刺を貰いたいとか、名前を聞きたいと言っているのではないのだから、安心して受け取って下さい。私は御徒町に宝石屋を開業しようとしており、その宣伝の意味もあって、差し上げるものです」と言う。さらに、木の箱に入った財布を見せて「これも持って行って下さい。オーストリッチの財布で十数万円くらいの品物です」と説明する。(幸か不幸か、ロレックスは私の趣味ではないし、横長タイプの高級財布を使うほどのお金持ちでもない)

昨日来の寝不足もあって、どうしたらいいか分からなくなりかけたが、リスク回避の本能が働いて、「お気持ちだけで結構です。私はマジメなので、やはり、受け取ることは出来ません」と言って、頭を下げて固辞した。

私が去ろうとすると、件の男性は「いいですか。人生はまじめなだけでは、うまくいかないのですよ」と言う(これは、これで、印象的ないい台詞だ!)ので、私は「はい。ありがとうございます。お言葉を胸に刻んでおきます」と言って、車から離れた。念のため、車のナンバーを見てはおいたが、さて、一体、彼(正確には運転者がいたので彼ら)が何を意図していたのかは分からない。

何か落とし穴があるとしても、それは何なのだろうか?ただ、たとえば、たまたま今日の読売新聞の一面には私の顔写真が出ているし、雑誌やテレビなどで、私の顔と名前が割れることは十分考えておかなければならない。場合によっては、相手が既に私の顔を知っていた可能性もゼロではない。でも、何なのだ?

可能性の問題としては、純粋な親切だったのかも知れないし、私は具体的な危害にさらされたわけではないので、「被害に遭った」と言うつもりはないし、だから車のナンバーも書かないが、何となく不気味な出来事ではあった。何くれとなく、身の周りに気をつけることにしよう。

記録方々、ご報告しておきます。
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