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偽メール問題、民主党の処分人事

偽メール問題をめぐって、民主党の処分・人事は、①永田議員:懲罰委員会に付議(今のところ多分1月くらいの登院停止か。議員辞職は無しの形勢)、②野田国対委員長が辞任、③前原代表、鳩山幹事長は留任、④後任の国対委員長に渡辺恒三氏(73歳、最年長)、となった。

三つ感想を述べておこう。

(1) 処分が、遅くて・軽い。これでは、ダメなのだ(=ダメな野田!)。これは民主党の党勢にとっても、与党を追求するという目的にとっても不適切だった。ここには、会社員の日常に応用できる一般原則が二つ(裏目に)働いている。

アウトプットは、一つは、早く処理するほど「軽い」もので済む、ということ。企画書などの出来映えがあまり多くを望めない時には、早く提出する方が良い。同様に、提出が遅くなる書類は高いレベルに仕上がっている必要がある。「早さ」と「アウトプットのレベル」にはトレード・オフが働くのだ。今回の民主党の場合も、超初期なら、永田議員の辞職で済んだだろう。これは、問題が起こったときに、短時間で見極めを付けることが出来なかった前原氏、野田氏の、能力の問題だと思う。彼らは、多分、ネタがつながるのではないかという、根拠のない希望を捨てきれずに、数日の時間を空費した。無能である。

もう一つは、引責処分には、サプライズが必要だということ。世間の期待の一歩先を行くレベルの処分をしないと、ムードの流れを逆転することはできない。たとえば、事態発生後に2日くらいで前原氏が代表を退けば、民主党は反転攻勢に出ることが出来ただろう。この場合も、相手や世間の期待は時間と共にどんどん膨らむから、早く手を打つことが肝心だ。

(2) 次に、永田議員の身の処し方だが、割合最近の「議員辞職」という意味で思い出されるのは、昨年3月の中西一善議員(自民)のわいせつ行為(六本木の裏通りで、酒に酔って、通りがかりの女性の乳を揉んだ)による議員辞職だ。乳揉みは間違いなく悪いことだが、今回の永田氏の根拠薄弱な質問の方が悪質だし、国民全体にかけた迷惑は大きい。「正義」を売り物にするしかない少数野党が、与党よりも身内への処分が甘いのでは話にならない。

(3) 最後に、なり手が居なくて渡辺恒三議員が就任した国対委員長人事。管直人氏ら3人ほどが、候補に挙がって、就任を依頼されたらしいが、何れも固辞したので、渡辺氏が就任した。この状況の国対委員長は確かに得なポストではないが、「困ったときだから、私が一肌脱ごう」という人物が民主党にはいない。負け試合のリリーフは嫌だとごねるようなピッチャーしかいない。

これで思い出すのは、かつて、横路孝弘氏(私の実家のある北海道一区選出で、歳は随分違うが高校の先輩にもなる)が長らく日本社会党のプリンスと言われ、党首を期待されながら、結局、御神輿が整うまで首を縦に振らず、そうこうしているうちに、社会党自体が衰退してしまった経緯だ。

伝統的に、野党の幹部が保身に傾斜するようになるような、独特の雰囲気と伝統が日本の政治にはあるようだ。民主党には、男気のある奴が(女でもいいが)がいないのか!?
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