山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

冷え込んできた!

2013-11-12 11:56:51 | 遊戯療法~レミングより
連日の稽古がつづいている。
昨日、言ったことややっていたことが変わる。
出演者にとっては混乱の極みだ。
変化を楽しむことができれば、俳優業の極意を自分で発揮することもできる。
座長=夢現の提案が多く出るようになった。
座長はキャリア35年!私とはツーカーの関係ではあるが、意見の食い違いは日常茶飯事である。
劇団を立ち上げた若い頃は稽古中に議論することで時間を費やして終わったこともある。
時間がもったいない。早く決めないと前に進まない。一見、不毛な議論のように見えていたのだ。
今は不毛な議論ではないと思うようになった。
稽古が終ってレストランで食事する時に次の稽古で議論を活かすようにしている。
この食事の時間は大切である。誰が何を考えているのかよくわかる。

今回、影山影子(肥後丸.)、その影(サキ)、花嫁(MAMI)の三人の役が重要な位置にある。繊細な場面だ。
女優の設定であるから、大真面目に女優を演じていたのだが、二枚目の看板を壊すことを稽古中に発見した。
今日から客演=玉垣哲郎(劇団みちくさ)天文学者も壊れた。まるで殺人鬼のような冷たい男に見えるようになった。
そもそも、この劇では二枚目・三枚目の役柄の設定自体が間違っていることに気付いた。
舞台では「壊れた人間たち」を総がかりで取り組んだ方が、全体として見えやすくなる。
気を抜くと笑ってしまう。薄っぺらい喜劇になる。これも違う!
悲しすぎて笑うことしかできない舞台へ!
主演/出口君(クドシン)とその母、壁女(夢現)のラスト場面が決定的なものとなる。

秋の深まりを感じる今日、鼻水が止まらなくなりティッシュ一箱を手放せなくなった。
一番の強敵は風邪である。健康一番!・・・肉体大切。演劇は体育か?

次回公演「遊戯療法」ご案内

公演ごあいさつ(案内)

2013-11-11 16:08:17 | 遊戯療法~レミングより
劇団夢桟敷 公演ご案内
寺山修司 没後30年 第2弾
「遊戯療法~レミングより」

拝啓、秋も深まってまいりました。皆さま、ご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素よりご注目頂き厚くお礼申しあげます。
さて、劇団夢桟敷、63回目の公演のご案内をさせていただきます。
今年4月、寺山修司「レミング」を上演しましたが、それに続く《没後30年第2弾》として「遊戯療法」を上演致します。

舞台はアパートなのか病室なのか、はたまた屋根裏か床下か。
殺人事件の真犯人は出口君ではない!
彼は世界の涯てまで外野フライを追い続けていたのだった……。
一体、誰の夢の中か。
誰が患者で誰が医者か。
影山影子(女優)がその影と花嫁に分裂増殖した。
美女は謎めいている。
母は消えてしまった壁に閉じ込められて、その中で墓を作っていた。

合言葉は「飛び出すネズミがたった一匹!」
受付でそう言って下されば、良い席をご案内致します。
まずはご覧いただきたくご案内申し上げます。
満席でご入場できないことも予想されますので、事前に観覧日をご指定いただければ幸いです。

【問】劇団夢桟敷 090-4581-5190(制作)
Mail:yumesajiki@ybb.ne.jp  
件名は<日時指定>でお願いします。

【時】 11月28日(木)①19:30-
11月29日(金)②19:30-
11月30日(土)③14:00-(注)オープニングストリート劇あり
 ※15:40-17:30 演劇ティータイム(無料)
④18:00-
12月 1日(日)⑤14:00-(注)オープニングストリート劇あり

【場】河原町 ギャラリーADO(熊本市中央区河原町問屋街2)
市電 河原町下車 電話096-352-1930

次回公演「遊戯療法」ご案内

母の場

2013-11-09 23:38:25 | 遊戯療法~レミングより
ここ2~3年前から結婚ラッシュが続いていたが、今度はベビー誕生ラッシュである。
劇団の関係者だけでも次から次へとスッポンスッポンである。

今日11月9日(土)、murakami夫妻(元劇団員)が娘4ヶ月を連れて稽古場にやってきた。
目が合うなりニッコリ笑う。かわいいね~。人見知りしない娘さんだ。
誰に抱かれてもニコニコ笑っている。
「おばちゃんだよ~!」(肥後丸.)

そんな中、稽古は「母-息子」の愛憎の場だった。ラスト場面を煮詰めているところだ。
殺す、殺される、血の匂いがする。・・・劇血だ。
激しい場面ではセンチメンタルな音を!役者はその音を背景に叫ぶ。
今日はライブ音楽のタカハシユウジさんも来ているので、ゆっくり打ち合わせをしたがったが、未だ、全体の音楽プランが固まっていない。
あと、ひと押しである。音だし切っ掛けのタイミングがずれると変になる。繊細な局面にきた。

次の舞台では二枚目ー三枚目を登場人物としてきっぱり分けているつもりで進めている。
いつものことだが、稽古では思い通りにはならない。だから稽古をするのだが・・・。
もしかしたら、この二枚目ー三枚目の設定自体が間違っているのではないか!とも思った。
二枚目だった筈の登場人物が、新たなアクションを見せた。壊れた。
だが、これもアリか?イキイキしているではないか。
このアクション、秘密にしておこう。

稽古終わって、murakami夫妻には、「もう来年からブラジル劇、始めるよ」と言ってわかれた。

次回公演「遊戯療法」ご案内

出口君の野球メモ

2013-11-08 23:04:59 | 遊戯療法~レミングより
4月公演「レミング」の『6.都市の孤独』では客演:劇団仮面工房さんが総力で作った場面だった。
稽古では、その中の『フリークス3』を取り組んだ。
10月の市街劇「ポータルゲート1m国家」では座長=夢現がクライマックスとして受け持った場面だった。
名前は出口君(クドシン)のこと。
原作では『全国少年野球大会に五反田チームで出場して、4回裏の裏にレフトを守っていたら、フライが飛んできた。それで、出口君はオーライと言いながらバックしていったんですが、フライはどんどん伸びて、出口君もどこまでも追いかけていくことになってしまった。・・・』
アトランティス大陸、ジラルタル海峡の北、ピレネー半島、、アフリカ大陸を囲む大西洋の一部、・・・。
参考にしながら、更に「密室劇」へ応用している。

【暗転】・・・闇の中で!
■2号室からマッチの火。
(出口君が外野フライをとる場面へ)
(注)市街劇「1m国家」より【メモ】
(案)甲子園大会で9回裏、逆転ホームランされたピッチャー出口君がいる。
最後の一球、足に痙攣が走り、甘い球を投げてしまった。
町中の人たちから責められた。
それ以来、少年は「この足が悪いんだ!」と自分の足を責める。
自虐行為に走りだす。
ナイフで自分の足を突き刺すことを繰り返すようになった。
■スポットとしてこの場を作る。
「世界の涯てまで外野フライをとりにいく少年」につづく。
これは劇が始まる前から断片的につづく。

次回公演「遊戯療法」ご案内

裏方の仕事

2013-11-07 23:51:56 | 遊戯療法~レミングより
演出をしていると自分の役は後回しとなる。
だから、相手に迷惑がかからないよう絡む場面を少なくしている。
つまり、あってもなくても良いポイント出演。だが、それでもワクワクする。
基本的には裏方の立場にあって「どーん」と構えていれば良い。劇団員たちはそれを望んでいる。
役者魂が騒ぐのだ。

劇団では出演者たちが裏方の仕事も兼ねている。役者も全体のことを考えるようになっている。

忙しいクドシンが照明を持って来て、それらしく稽古場では点検できるようになった。
本格的に設置しようと思えば半日はかかる。簡易であれ、雰囲気だけはつかめる。
今までは照明は図面を用いて公演会場でのぶっつけでやっていた。
稽古場ではプランニングシートの上で照明を想像することしかできなかった。

そろそろ美術にも取り掛からなければならない。忙しい肥後丸.にお願いしようか。
衣裳は忙しいサキとmamiちゃんになり、小道具は忙しい東田まなみである。
今日からチラシや受付清算券の郵送になる。早すぎると忘れられたりする。遅すぎると予定がつきにくいこともある。
微妙な時期は3週間前くらいが妥当だと経験上わかっている。予定が入っていても変更が効く微妙な時期だ。
制作は忙しい座長である。

おっと、忙しい赤井犬彦は何を?忙しい太郎ピーチマンションは?・・・道具や美術関係が得意だった筈。明日、確認することにする。
今回は早めにライブ音楽を忙しいタカハシユウジさんと打ち合わせをしなければならない。ま、10月の市街劇を経験そているから安心しているのだが。

いずれにしても裏方スタッフの作業やプラン会議を稽古とは別に時間を設けなければならない。
生活や仕事に追われながら劇に取り組んでいる忙しい仲間たちだ。
出演と裏方の仕事も兼ねながら公演に向かっている。

次回公演「遊戯療法」ご案内

必見!見えない舞台あり

2013-11-06 23:15:45 | 遊戯療法~レミングより
見えない舞台に興味が深まった。
稽古を重ねるたびに「見えないこと」の面白さが膨張する。
見えないことを劇で体験すると想像力は爆発する。
芸術は爆発する。岡本太郎のように・・・。
演劇を芸術と定義することは大風呂敷であるが、見えないことによって新しいものが見えてくるから不思議だ。
ゲージツである。
逆に、現実では「見えないこと」は恐怖。今、その不安は膨張し続ける。
放射性物質、偽装食品、国家機密法など、時代は「見えないモノ」に包まれていく。
劇は虚構を作る。現実と対峙するのだ。
寺山修司は熊本の地で火の鳥のように舞って永遠に生き続けている。

<影山影子の場面>のヌキ稽古をした。
設定では記憶喪失の往年のスターということになっている。
影山影子(肥後丸.)+影子の影(坂本咲希)+花嫁(まみダンサー)が重なると美しい怪物=女優たちになる。
一般には怪物は男のイメージである。ところが女三人集まると美しい怪物になる。
演劇=虚構の組織化とは?舞台では幻想や妄想が形になるから不思議だ。

自己満足では終わらないから人に見せたくなる。
見せることによって「見えないこと」が作られていく。それは見る側も作ることになる。
見る側×見せる側の共同作業の場が小劇場=地下演劇の醍醐味なのだ。

世界のすべての人々へ見てもらいたいと思う。
ところが、スペースには限りがあり1ステージ40人が限界の5ステージだ。そんな密室空間(ギャラリーADO)で上演する。
制作は予約の調整で頭を悩ませている。会場のパンクが予想されている。
予約は今すぐ、お早めにお願いします。当日券では入場できなくなります。
(問)yumesajiki@ybb.ne.jp

次回公演「遊戯療法」ご案内

改めて追悼第2弾へ

2013-11-05 14:00:12 | 遊戯療法~レミングより
昨日の稽古で完全に次回公演No.63「遊戯療法」ギアTOPになった。
加速する。
今年の劇団夢桟敷はキッズミュージカル「とうめい人間」を除いて、寺山修司没後30年の演劇へ突っ走っている。

4月「レミング~世界の涯2013」(熊本市現代美術館アートロフト)
7月-8月 ワークショップ「寺山修司研究会」(黒髪コミュニティー)
10月 市街劇「ポータルゲート1m国家」(熊本市上通りパビリオン)
11月28日~12月1日 「遊戯療法」(河原町ADOギャラリー)へ!

この4つの公演や活動は寺山修司の評価と追悼の意を込めて位置づけている。
この間、行政主導のイベントなどへの出演依頼もあったが全てお断りしていた。
地域で生きている劇団としてはお断りする「政治的利用・意図」のつもりは一切なし。むしろ税金を演劇や文化に投入して頂けるなら積極的に参加する。
時間の問題だった。あれもこれも手を広げると薄くなる。集団で動くことは小回りが利かなくなる。それが大きな理由だった。

スピードがアップすると外の景色が見えなくなることもある。
これは恐ろしいことで、劇が内向してしまう。社会との関係が切れる。
作家として役者として集中することは大切である。これは限られた稽古時間には言える。形にしなければならない。
だが、こころの問題ではない。思っているだけではダメ。動かないと何も見えない。
稽古場では身体が問題になる。
闇?・・・目をひっくり返せば内臓も骨も感じる。身体の中に闇が広がっている。
息や血の流れる音も!
皮膚と皮膚が重なる人間たち。板(舞台)は肌である。

次回公演に向けての構成がまとまりつつある。
終わりのないパズルゲームである。
今年はあと1本!・・・死ぬまであと何本?

三枚目「女優」誕生

2013-11-04 23:38:02 | 遊戯療法~レミングより
「遊戯療法」で登場する看護ふ/(1)赤井犬彦と(2)東田まなみ
この二人は照明スタッフの仕事を兼ねながら舞台出演になる。
つまり診察室は照明を操作する場所として丸見えという訳だ。
わざと見えない場面を作った。
看護ふ(1)(2)の女優は闇の中で危険な関係になる。
それは見えない舞台を見てのお楽しみに!
稽古場では実際、照明を落としてやってみた。いける!どう転んでもいける。

稽古初めに「まなみ~、今回は三枚目でいこう!」と言ってやった。
宝塚女優の夢破れる、とがっかりするのではないかと思っていたが、本人は簡単に受け入れてくれた。
これは意外だった。説得するのに時間がかかるのではないかと思っていたのだが。
方針が決まれば話は早い。
あれもできる、これもできる、である。妄想は膨らみ、稽古場で形にしていける。
赤井犬彦は男であるが女優として扱う。
今度こそは「イケメン俳優でやろう!」と言っておいて一度もやらせなかった。
裏切られることには慣れっこになってしまった男だ。男が女優とは?
自分で好きにやるとバケモノになる。失礼、彼は怪物としての素質を持っている。

三枚目はゲイ達者でなければならない。公演当日ギリギリまでプレッシャーをかけよう。
今、構成を大幅に変更中。
妥協はしない。お客さんのためです。
ちなみに、次回の稽古からは「中途半端はやめて」になる。
合言葉は「世界の涯まで連れてって」である。ギリギリを狙う。

キッズ終了!

2013-11-02 23:21:40 | キッズ劇2013-2014講座
キッズミュージカル「とうめい人間」の発表会、楽しく幕を閉じることができました。
清水公民館講座として取り組んで4年目、子供たちとの劇作りの環境を与えてもらっていることに感謝しています。
講座自体は9月末から(土)(日)を中心に全12回の劇作りの稽古だったが、昨年同様、先行して7月より数名の子供たちと準備は進めていた。
常連の子供たちである。家族のような関係になっている。この流れで新しく加わった子供たちも家族のように!
劇団からの担当は咲希を中心に座長、クドシンと私の4名で臨んだ。
昨年の台本「ざしきわらし」は座長=夢現が書いたが、今回は咲希が書いた。
実は子供相手に台本を書くことの難しさはよくわかる。ことばに制限が生じる。子供たちに理解できることばを選択するのに苦労する。
講座の対象は小学1年生から中学生まで。幅が広い。これは意図している。
昭和30年代の子供たちの遊びは小さい子から中学生くらいまでが混じり合って上の子が下の子の面倒をみるような関係があった。
いわゆる縦社会があった。一歩間違えると上の子が下の子を支配すうようになる。パシリの関係が生まれる。
縦社会は危険さも含まれる。強い者が弱い者をいじめることになる。大人社会の縮図となる。
間違わなければ上の子が下の子をいたわるようになる。こうでありたい。

発表会当日、子供たちは元気に集まってきた。
晴れ舞台である。親御さんたちも楽しみにわが子を期待している。
幕が開くと可愛い子供たちが突っ張り=暴走族のような格好でポーズを決めている。
「今日はどんな悪いことをしたか!」自慢し合う。・・・あれれのれ?である。
エンディングは透明になって誰からも見えない「淋しさ」を訴える。話は単純だ。
見えない恐怖である。
やっている子供たちは何を感じただろう。見ている大人たちは何を?

オドリを振りつける時に「無表情」をテーマにしていた。
子供たちは笑顔いっぱいで踊りたがっていた。ところが、笑いはない。
クライマックス=透明になった場面をオドリで抽象画のように表現することを試みたのである。
ストーンと落ちる瞬間に劇は凝縮される。・・・ゲージツ?

写真は楽屋で撮ったもの。
終演後、子供たちは又、来年も参加したいと言っていた。
この劇は劇団として取り組みたいと思っている。今の時代を象徴していると思ったからである。










リハーサル

2013-11-01 23:39:44 | キッズ劇2013-2014講座
今回で4年目の子供劇です。
「とうめい人間」リハーサルが終わった。
子供たちの表情が明るくなった。いよいよ明日がキッズミュージカル発表会!
熊本市中央東西南北のみなさん。
清水公民館によってらっしゃい、みてらっしゃい。
お祭りですよ。

【登場人物】
◎暴走族グループ
出口・・・kanako(小6)
本村・・・yuuka(小3)
西原・・・momi(小4)
坂下・・・hana(小4)
田辺・・・ryuuto(小1)
◎博士グループ
きゅうり博士・・・ryuunoseke(小5)
きゅうり夫人・・・saki(中1)
助手なすび・・・nana(小3)
助手とまと・・・koudai(小2)
◎雷おやじ・・・工藤慎平
◎少女たち
あっちゃん・・・rina
ゆうこ・・・kanna
ともちん・・・mai
◎隣村のカレーなる一族
てっぺい・・・non(小3)
だいすけ・・・wakana(小3)
さなえ・・・airi(小3)
わかめ・・・kotomi(小2)
◎オドル天使・・・yuuri(4才)


11月2日(土)~3日(日)am9:30~
第25回 清水地域市民のつどい
場所:熊本市北区役所出張所清水公民館ホール(入場無料)

◎清水公民館講座キッズミュージカル
「とうめい人間」14:40開演
作:坂本咲希/演出:山南純平
演技指導:劇団夢桟敷さかもとまり(座長)
協力:肥後丸./太郎ピーチマンション/赤井犬彦