山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

大阪公演☆膝栗毛【感謝】

2011-10-31 09:35:36 | No.56「KAGUYA」
KAGUYA・大阪公演
ご来場頂きました皆さまに感謝申し上げます。






大阪から劇団員一同、無事に熊本へ帰り着きました。10月30日。
公演の10月28日(金)29日(土)両日共に野外劇日和。秋晴れの夜、大阪市谷町9丁目にある高津宮特設野外劇場で「大阪野外フェスティバル」「演劇エクスプレス」がおこなわれました。
競演した大阪の劇団☆流星群さんには並々ならぬ努力と公演の成功に感謝致します。又、舞台美術の夢宙屋さん、照明さん、ビデオや写真の記録スタッフさん、会場の高津宮さん他、協力頂いたすべての方々にお礼申し上げます。

【膝栗毛☆大阪への珍道中】

■10月26日(水)の夜。

最終通し稽古を終えて車へ道具を積み終えたのが夜中の11時半になった。陸送車組の5名は夜中の3時発の予定だから2時間くらいは眠れるだろうと思っていたのだが、それが大間違い。車中で眠れば良いと徹夜の旅支度となった。一方、飛行機組の7名は昼発だから余裕あり。ここに格差はあったが車組からの不平不満は出なかった。熊本ー大阪の陸送はそれはそれで旅の醍醐味を味わえると思っていたのだった。





■10月27日(木)

夜中3時に車組は集合出発した。まるで夜逃げの一座のように・・・。夜だから九州を上る景色は闇ばかり。朝が待ち遠しい。おっとっと、熊本のお土産を買うのを忘れていたことに気付き第一回目の休憩所「めかり」で買う。海の向こうは本州下関。私のフルサト。今は異国だ。若かりし頃の悪行を思い出したが振り払った。
二回目の休憩が広島県の入口「宮島」。あれだけ望んでいた朝だったが、差し込む光で目が痛い。朝食はおにぎりとコーヒー。このあたりで腰が重くなった。最終休憩が岡山県の「吉備」。腰に激痛を覚える。ヤバイ!眠れない。吉備団子を食べて痛みを誤魔化す。桃太郎の子分になって鬼退治かい?・・・違う。
高速道路の宝塚インターを出て伊丹の冬馬のマンションへアンプを受け取りに行く。この頃、飛行機組が大阪伊丹空港到着の連絡有り。移動スケジュールは計画通りである。
午後2時には予定通り、会場(高津宮)近くの宿泊所(ウィクリ―マンション)で各自個人荷物などを置くために部屋へ分散する。

公演会場である高津宮は前日に照明や舞台美術などのセットが組まれており、わが劇団は照明合わせと音響の確認などをおこなう。それにしても明るい内の照明合わせは初体験。想像以上に手間取ったが「独断と偏見」が役に立った。結果オーライである。
流星群さんたちとバカ話をしながらもゲネプロ体制は進んでいた。・・・今回は野外公演とあって両劇団共、火を使うことになっている。ゲネプロ前に火の実験をおこないメドは立ったが危険物ではある。気が抜けない。神経は集中する。
午後6時~9時半までの2劇団ゲネプロは終了したが、現地での変更を余儀なくされた。夢桟敷は一部ナマ演奏があり、楽器を置く場所を変更する。連動して役者たちの入退場も若干の変更あり。ちょっとした変更が連鎖する。

ゲネプロ終了後、中華料理屋で流星群さんたちとの「団結式」という名のもとに吞み会。ビールが美味い。昨年の暮れ以来の再会で劇団員たちは打ち上げの席のように盛り上がっていた。まだ始まっちゃあいない。これからだ。





■10月28日(金)

朝10時に会場集合。名古屋からの客演=矢野健太郎さんが境内の掃除をしていた。板についていた。
夢宙屋さんから舞台美術の使用を許可され、劇団員一同大喜びである。打ち合わせなしで流星群さんとの共通する場面などもあり、二つの劇団の公演が重なる意味がアト出しでわかる。
こちらは裏スタッフも出演することになっており、急遽、照明・音響(卓さん⇔はる君)を入れ替える。席が離れている故、出ハケにも問題があった。キュー出し、強弱に課題はあったが信頼することができた。いい加減と言われるか、臨機応変と言われるか、いずれにしても海千山千である。

本番前、新人まなみ~が緊張していた。「笑って舞台に立て。」と最後の注文をつける。笑っていれば通用する役柄なのだ。ブーイングや石が飛んできたら演出責任だと開き直ればよし。
開演前は本堂でお祓いをして頂く。気が引き締まると同時に毒が抜けきらないように息を殺す。
知り合いの劇団さんも来てくれた。大阪で働いているご存知ましまんも公演途中より駆けつける。まさか、明日はましまんが出演や裏スタッフ(照明)になろうとは誰が想像しただろう。私は腹黒いのである。
前の桟敷席に空白もあったが、後ろでは立ち見のお客さんがいた。
初日公演の評判は上々。
初日打ち上げも盛り上がった。境内の楽屋は大宴会場と化す。本打ち上げは明日。まだ、終わちゃあいない。





■10月29日(土)

午前中より、道頓堀に遊びに出掛けた肥後丸、犬彦、まなみ~。川に放り投げられたのではないかと心配ではあった。妄想だった。
この日で楽日。・・・ましまんを客席よりオドリの場で引っ張り出すことにした。冬馬もヘラヘラしながら顔を出した。新妻が出産直前だというのにヘラヘラしている。男はどっしりしたいものだ。
流星群さんたちはケータリング(自炊)の準備で大わらわである。何から何までお世話になり恐縮するばかり。
小島さん(大阪事務所)から頂いた腰のシップ薬が効いていた。まだ大丈夫。

やまなみ「先生」を訪ねて来ている人がいる、という。「え?先生?」・・・「先生」と呼ばれることに不思議さを覚えつつ出てみると知人のあこさんとよっこさんだった。お友達も連れてきてくれてありがたい限り。東京からも新幹線で来てくれた。遠くは長崎から作曲したのわーるさん。近畿大学の先生の顔も見えたが挨拶が出来ずじまい。
オドリを褒めてくれたり、劇団は美男美女揃いだと持ち上げてくれたが、一体、誰が美男だ?わからん。
流星群さんはレーザー光線を使ったり、お客さんの目を驚かせていた。
共通する「みんなでオドル」場面では砂埃が舞いつつ、これも照明効果としては面白かった。劇場では味わえない。
夜の境内に火。溶け込んだ。火は演劇の原点に思えた。神様が宿っている。劇場で適用できないものか。危険神話を変えたい。
ダンサーのまみちゃん、大輔さんは客演だったが、これを機会に身内、劇団員ファミリーにもなった。はる君もこきつかった。

公演後のバラシ、道具の積み込みを終えてからの楽日打ち上げ。改めて「何故、演劇を?」に戸惑いなく「美酒」の答えが返る。流星群さんの手作り料理が並び、両劇団スタッフさんたちとの楽しい宴は宿泊所の二次会まで続いた。
私は車の運転があるため夜中零時には切り上げたが、朝の4時まで続いたと後から聞いた。



■10月30日(日)

車組は朝8時出発。道路には警察が総動員されて並んでいた。私たちを逮捕するつもりか。否、この日は大阪マラソンだった。ベトナムから来られて日本での生活が長い流星群さんの日本名・愛川春希さんも走るそうである。え?
小雨が降り始めた。主宰の岩倉さんが朝から送って頂く。涙もろくなったもんだ。笑顔が歪んでしまった。
来年、これだけのことが熊本でおこなえるだろうか。
熊本の劇団が野外劇で参加できるところがあるだろうか。石橋を叩いても渡らない風土に一石を投げてみおうと思う。

クドシンとまみちゃんは大阪から札幌へ飛ぶ。はる君は大阪で遊ぶためもう一泊。犬彦は大阪でのウンチが気持良かったとの感想。矢野健太郎さんは京都に寄って名古屋に帰ると。帰りはバラバラになりつつも、車組の5人(座長、サキ、田中、肥後丸と私)は雨の高速を走る。飛行機組は揺れたそうだが、無事に熊本へ帰り着いた。
夜8時、家は劇団の道具が散乱している。

次は11月5日の子ども劇「キッズミュージカルかぐや姫」と12月3日の鹿児島指宿公演へ向かう。

皆々様、お疲れ様でした。

稽古ラストワン⇒大阪へ。

2011-10-26 12:33:00 | No.56「KAGUYA」

劇団夢桟敷「新☆KAGUYA」
劇団流星群「まほろば」
第11回大阪野外演劇フェスティバル参加■演劇エクスプレス大阪⇔熊本 第2弾!
於:高津宮 特設野外劇場 (最寄り駅:地下鉄谷町線「谷町9丁目」駅)


10月28日(金)
午後5時半開場 午後6時開演
10月29日(土)午後5時開場 午後5時半開演
料金:前売 2,500円 当日 3,000円(二劇団通し券のみ)小学生以下1,000円 ※雨天決行

☆登場人物・出演者
かぐやの母・・夢現/妖怪かぐや・・坂本咲希/妖怪 おと姫・・田中幸太
妖怪 桃太郎・工藤慎平/妖怪 瓜子姫・・肥後丸.かぐやの父・・赤井犬彦
火の国の女・・・東田まなみ(新人)/アマテラスの女・山本真実
アマテラスの男・中村大輔/山伏・はる(客演・劇団「魂」)/月光仮面1号・山南純平
月光仮面2号・矢野健太郎(客演・てんぷくプロ)・月光仮面3号  卓草四朗
☆スタッフ
原作◎夢現/構成演出◎山南純平/作曲◎中村のわーる
編曲◎坂本冬馬(大阪事務所)・タカハシユウジ/キーボード演奏◎工藤慎平
パーカッション◎田中幸太/音響◎西岡卓/照明◎天はる
制作◎さかもとまり/制作賛助(大阪事務所)◎小島将晴・過眞嶋憲法
稽古代行(12月指宿公演出演)◎海幸大介/KAREN                

リアルタイムで大阪の旅と公演を発信中です。

http://star.nibi.jp/d/yumesajiki/

■10月26日(水)
秋の日本晴れ、雲一つ浮かんでいない。空気は乾ききっている。鼻の粘膜が痒い。そん中、只今、道具や事務整理をしています。
劇団員たちも明日夜中からの旅立ちの準備に追われている。大阪の流星群さんたちは公演会場で今日から仕込み。野外公演のためイントレの組み立てや照明の吊りなど肉体労働だ。
10月28日(金)29日(土)の公演は流星群さんとの二本立て公演のため上演時間が制限されており、90分のものを60分に短縮しての公演となった。昨日の稽古で時間の短縮は成功した。そういう意味で「引き算」の劇作りは満足いくものとなった。
私たちの劇表現は大阪の方々に満足して頂けるだろうか。今回は台本を配布(500円)することにした。それは読み物としての劇と見る聞く劇との差を感じてもらいたいためである。台本をお客さんに公開した経験が少なく上演後の反応も楽しみだ。

大阪へ。
10月27日(水)の夜中3時に出発する車組と昼に出発する飛行機組、その日は現地で集合する。3泊4日、10月30日までの大阪を楽しもう。
大阪の皆さま、「日本の恥⇔熊本名物」が参上致します。逆説あり!「熊本の恥は日本の名物」として世界へ発信しております。

尚、帰熊後、ぼちぼち「旅日記」を綴る予定ですが、さてはて、直後に「キッズミュージカルかぐや姫」11月5日(土)の発表会も迫っており、どうなることやら!
「KAGUYA」は12月3日、鹿児島県指宿市居酒屋「かわき」でシリーズ最終公演となります。お見逃しの方は九州南端でお待ちしております。

稽古:悲喜こもごも(last2)

2011-10-25 01:51:35 | No.56「KAGUYA」
大阪へ出発するまでにアト2回の稽古となった。
引き算の劇作りも板についた感じ。全体の流れも起伏がある。
これからラスト2の稽古は底上げから劇団のトップランナーたちを昇りつめさせよう。苦労した分だけ喜び倍増。

今、キッズミュージカルで頑張っている劇団のアイドル=KARENちゃん親子も見学に来てくれた。和みます。彼女は12月の指宿公演でデビュー(座敷童子)するのだが、稽古場にいるだけでイメージは広がる。
昨夜は元劇団員のMURA君も来てくれ、稽古終了後にオメデタイ話も聞けた。私には大阪公演終了後に初孫誕生の予定もあり。
反面、タイの水害やトルコの大地震、この地球はどうなっているのだろうかというくらい異変がつづいている。世界中の政治や経済も不安定になっている。独裁も民主主義も資本主義も崩壊寸前のようになった。

今回上演する「KAGUYA」も自然界、社会の異変には関係している物語になっている。だが、それを説明し伝える劇ではない。
ラストの場面に不安があったが、今日の稽古で一発ストライク、一発逆転のホームランの手応えを感じた。
直球の台詞が生きてきた。劇はことばを超える。身体やこころが爆発して見えた。泣ける。
このネタは劇団の旗揚げ「梅川事件」の時に、困り果てたところから生まれた場面である。それが蘇った。超えた。

昨年末からシリーズ化した「KAGUYA」であるが、民話や伝説、日本の昔ばなしに発見したことがある。・・・人間底辺の部分から湧き起こってくる叫びのようなものを感じた。
怖いものは妖怪や幽霊などではない。人のこころ、自然界に怖さや不思議を感じる。宇宙の一片としてある私たちだ。劇と関わっていることも不思議である。古代も未来も繋がる。
この「日本の昔ばなし」シリーズは、夢桟敷ならではの様式でつづけてみたい!欲求にかられている。

いよいよ大阪公演間近!流星群の皆さま、ご来場予定の皆さま、よろしくどうぞ。



■劇的とは「怖いモノみたさ」(笑) 

劇団夢桟敷が2010年12月から取組んできた「KAGUYA」は一年をかけて四回の改訂を繰り返すことになった。
原作は劇団夢桟敷の座長=夢現(ゆめうつつ)である。

当初のイメージは【月と胎児幻想】として捉えた。
それをコラージュ(構成)する方法で、無限に想像力を広げていく演劇実験のテキストとして行った。

日本の昔話「かぐや」には劇団夢桟敷の独自な劇作法を現す仕掛けがある。
物語は変化する。
物語は人間のイメージであり、言葉により形付けられる。

「イメージは進化する。」のである。この点に於いて、劇は想像力と役者という身体の戯れである。

劇は傾(かぶ)く。目に見える形として歌舞伎(かぶく)のである。アングラ劇の源流は歌舞伎か。怖い様式に美しさを。そして、滑稽である。

かぐやは桃太郎にもみられるように人間ではないものから生まれている。
ここに奇形としての出生の謎を読み取ることができる。

妖怪の伝説である。

胎児幻想が妖怪の物語にすり替わった。
暴力的解釈へと飛躍したのである。飛躍から後戻ると人間が見える。

かぐやを人間として捉えると千年前の口減らしの子に見えた。
美しい娘の悲劇であり、生き延びるためには村社会から避難場所としての「月」になるのである。避難すること、逃亡することには勇気がいる。

戦争の時代だったら非国民、国賊、裏切り者として村八分か自決(死)に迫られる。
今日のような天変地異の時代だったらどうだろうか。危険な場所から避難すること、逃亡することは容易なことではない。

劇的とは何か。アラタメテ自問自答スル。

避難、逃亡することも危険な行為である。劇的とは安全ではない。危険なモノを現そうと右往左往しながら「怖いモノ」を探しつづける。
しかし、安全神話が崩壊したように、危険神話も崩壊する。

物語を崩壊させることにより「怖いモノ」が「笑いモノ」になったりするのである。
この時代にナンセンスが飛び交うことの意味は深い。劇では唐突にナンセンスが飛び交う。

稽古:未来日記(last3)

2011-10-24 03:51:31 | No.56「KAGUYA」
今、10月24日午前3時30分です。大阪公演まで残り3回の稽古となりました。
これより書く日記は24日(月)の午前9時~午後11までの未来日記です。この通りに行動することになるでしょう。

午前9時・・・座長からの電話で目が覚める。「今日はゴミ出し日よ。」
        慌ててゴミを出しに行くとカラスから襲われる。
午前10時・・・九州電力の集金人が来る。
        「月末までに振り込まないと電気を止める。」と脅迫される。
午前10時半・・・朝食。パン、コーヒー、スクランブルエッグ。
        テレビをつけるとトルコの地震の話題。
午前11時~午後3時・・・座長の部屋に忍び込み、小道具や衣裳などを整理する。
              すると、座長のへそくりを発見!
              なんと3万円が封筒に入っているではないか。
              自分の懐に入れる。
午後4時・・・稽古スケジュールを立てる。事務整理。台本の確認。

午後6時~9時半【稽古】武蔵丘教会      
①火の玉の実験②赤井犬彦をシゴク③まなみ~を興奮させる
④肥後丸から腰を揉んでもらう⑤コータが壊れる
⑥クドシンがキレる。⑦サキがトイレから帰って来ない
⑧座長がキツネにとりつかれて狂う
楽しいことや辛いことがあるが、無事に通し稽古を終える。

午後10時・・・ファミリーレストランにて会食。私はビールとポテチ。
午後11時・・・帰宅。

稽古:魔法の粉と体力(last4)

2011-10-23 12:57:32 | No.56「KAGUYA」
■10月23日(日)・・・今日の稽古は昼=「キッズミュージカル」、夜=劇団の「KAGUYA」、二本立て。
いつものことだが稽古前は限られた時間内での稽古プログラムを立てる。

そろそろ「キッズ」も強引に通してみるか。発表会は11月5日である。ダンスが完成されていない。じっくりダンスを覚えるための稽古をやると時間は全部潰れる。ダンスの部分抜き稽古を20分程度で仕上げようと企む。秘策はある。今日は子どもたちに魔法の粉をふりかけることにした。大人には見えない魔法の粉。これまでの稽古でも何度となくふりかけたことがある。

大阪公演に向けてlast4の稽古となった。劇団では魔法の粉は通用しない。ひたすら集中するのみ。詰めの段階に入ると体力の勝負とも言える。全体的に前かがみの姿勢が目につく。これを修正することと発声のボリュームを増大する工夫がテーマとなっている。発声も体力である。
この数日、腰痛だった。腰をかばいながらの稽古。だが昨夜、掟を破って飲酒したら腰痛はなくなった。酒は妙薬である。改めて体力の大切さを実感した。

あれこれ思いながら、今から稽古に出かけます。

稽古:全力(last5)

2011-10-22 16:43:48 | No.56「KAGUYA」

大阪の流星群さんが駅にポスター看板を設置している写真です。

いよいよ稽古も大詰め。やり残しの点検作業である。
本日22日(土)から熊本を発つ27日までの稽古はアト5回となった。
稽古の点検は事務的なことから役者スタッフの顔色覗いまで含めて神経戦となった。
神経過敏であると同時に大胆不敵な直前の練り直しもある。
へたをすると大混乱である。せっかく覚えたのに何よ!ではある。
ギリギリまで詰めていく作業が大切。基準はテンションの高まりである。目の色が変わるのである。黒が白に!
白を黒と言うこともある。切羽詰まってくると逆転の発想に気付く。物語の解釈ではなく空気感のよなもの。
本気になると「ことば」以外のものが溢れ出てくるのだ。
空気を読むとか読まないではなく、今まで見えなかったものが見えてくるようになる。役者が気付き発見する。
日常生活のことはどうでもよくなってくる。演劇は麻薬である。こころの栄養になる麻薬。

旅と演劇、大阪へ。

2011-10-21 15:01:35 | No.56「KAGUYA」
大阪公演が1週間後に迫ってきました。
10月27日(木)に熊本を出発するため、実質5回の稽古で本番である。
今回は劇団夢桟敷のメンバーは客演さんと大阪事務所を入れて総勢17名。大阪公演では流星群さんとの競演プログラムであるため、40名近くのメンバーが同一会場で同じ釜の飯を食べることになります。大家族である。
宣伝活動や会場のプランニングや設営などは流星群さんにお任せという形になり恐縮しています。

旅はいいものです。新しい人たちとの出会いがあります。現地へ着くまでにもドラマが生まれます。日常の感覚から離れて冒険気分も楽しめます。
「演劇は旅そのものだ」と思います。劇場は現実から虚構へ連れていく宇宙船のようにも思えます。・・・今回は野外劇場。

11回目の大阪野外演劇フェスティバルを学ぶことも目的にしており、次は熊本でできないものかと考えています。
今年の3月より関わった熊本市河原町界隈。ここで発想した「町の劇場化計画」に繋げてみようと思っています。

稽古中のハッピー

2011-10-19 23:07:03 | No.56「KAGUYA」
毎月のよに誰かの誕生会がある。それを稽古中に突然に仕掛ける本人の誕生日だったから、今回はなしだろと思っていたら、やっぱりあった。女盛りの27才。これで女盛りが2名になった。花が開いている。来月はクドシンだ。酒が呑めることにしよう。12月はhigomaru。なんと、彼女の出身地である指宿市公演の月ではないか!盛り上がること間違いなしだ。まずは年末までハッピー!

大阪公演まで一週間だよ!

稽古終了後、座長・大ちゃん、コータ君と私の4人で鍋料理を食す。ハイエナの如く大ちゃんの食糧を漁る。彼はダイエット中であり、自宅から武蔵丘の稽古場まで9kmを歩いて通っている。人の弱みにつけ込んでの収奪だった。
私も80kgを超えたらダイエットを考えようと思うのだが、未だ3kgは太れる。公演まで休みなしで走れば否が応でも太れなくなるのです。

今回の日記は劇についてノーコメント。・・・稽古中に全部吐き出してしまっているのでスッキリした日になった。
ラブ&ジョイ。・・・ハッピー!

注:人の心の中に不思議を発見中です。劇では妖怪やバケモノとして現しましょう。お、ネタバレ?グリコのおまけです。

稽古はパズルゲーム

2011-10-16 23:37:33 | No.56「KAGUYA」
唐突に歌う、オドル。脈絡があるようでない。物語に「魔」がやってきたのです。
結果、「魔」が新しい物語を生み出す。魔が射すのです。
「魔」を感じるのは霊感があるなしに関係なく、公演が近づくと思いもよらぬ発想が降りてきます。出演者も異常行動が生まれます。異常や狂気が安心を生み出します。
こんな劇もある。それを大阪へ運びます。
大阪公演までカウントダウンである。
ここまで来ると演技術や台本の解釈を巡ってアレコレ悩んでいる暇はありません。もっともっと!である。

伸るか反るか。・・・以下、「新☆KAGUYA」の暗号につき意味不明のメモを列挙しまーす。天下御免のパズルゲーム。

満月の夜/竹/呪いの藁人形/骨箱/天の羽衣/天変地異による大飢饉/間引きされた少女は生きていた/出生の謎/妖怪?/いえいえ、バケモノだと母は叫ぶ/死んだ人間が生き返る筈はない/これは妄想か、ホラーか/日本昔話は謎ばかり/この世も謎が多過ぎる/鬼門は何処じゃ/彷徨う鬼火/歴史は繰り返された/千年もの長い間眠っていた魔が目を覚ます/なんて眩い闇なんだ/撃て/浮世の自分探し/撃て/自分の中の他人探し/月は黄泉?/黄泉が帰るところ?/月を見上げれば喜劇になった/腹を抱えて笑う観客席・・・

計算づくの感動なんてないだろう。だが、稽古を重ねる度に感動を発見します。まだ小さい。もっともっとである。
ぎりぎりまで、役者たちは苦しみ、そして楽しませることができるのです。

キッズとアダルト

2011-10-14 23:26:51 | モノローグ【エトセトラ】
明日15日(土)の午後は「キッズミュージカル」(公民館講座)、夜は劇団の大阪公演の稽古。
今月に入って、キッズとアダルトの「かぐや」二重構造で劇作りに励んでいる。
大きな違いは、キッズは直球、劇団は変化球の投げ合いになること。キッズはスピードも緩やかであり、劇団では速球である。
同時進行でいくと違いが実感できる。この経験は面白い。
だが、大人と子どもの枠はどこにあるのかわからなくなる時がある。子どもに大人のような表情を感じる時もある。大人に子どものような無邪気さを感じる時もある。
大人と言われる者たちはその無邪気さを忘れてしまう。役者は大人であれ無邪気さを発揮しなければならない。
キッズから学べる。邪気を捨てよう。一緒にいるだけで洗われる。

あ、大阪公演まで2週間を切った。キッズは3週間後が発表会。どちらも気が抜けなくなった。

ナンセンスの力(ちから)

2011-10-13 23:06:25 | No.56「KAGUYA」
「新☆KAGUYA」大阪公演の稽古は大詰めを迎えた。

時代が急変する時、エログロナンセンスが急浮上する法則がある。
稽古中はその「エログロ」を妄想しながらわくわくドキドキすることがある。
今回は引き算で劇に取り組んでいるため「エログロ」の存在は薄くなっている。
反面、ナンセンスは増殖する。ここにわくわくドキドキする。

ひっちゃかめっちゃか、劇という名のおもちゃ箱がひっくり返っている感じだ。
さて、明日の昼間は冷静にナンセンス(無意味)を肯定しよう。劇で扱うと力(ちから)がみなぎってくるのです。
これより化けの皮を食してみよう。カニバリズムです。

あそぼー!キッズ【3】

2011-10-10 23:54:19 | ワークショップ
10月9日(日)10日(月)昼は連日の「キッズミュージカル」(清水公民館講座)。それが終わって夜は劇団の大阪公演へ向けての稽古。キッズとアダルトの両刀を使ってのてんやわんやの日々でありました。
子どもたちとの劇遊びは体力勝負です。腰に爆弾を抱えていることも忘れます。劇団員のサキ、田中幸太がいるから助かっているものの、一人だと腰が抜けるに違いありません。
10月10日で4回目の講座。小学1年から中学1年までの14名(劇団員含む)は新世代の波を送り出すキッカケになるだろうか。
今回驚いたのは小学3年男子(R君)が台詞を全部覚えていたこと。昨年に比べるとペースが早い。
後6回の講座で発表会となります。20分の短編劇「かぐや姫」ですが、歌やオドリ、ギャグも入れ込んで楽しい舞台になりそうです。
さて、アダルト「新☆KAGUYA」も大詰めを迎えます。名古屋から稽古に参加された矢野さん、どうもお疲れ様でした。

矢野健太郎 参上

2011-10-07 15:45:34 | No.56「KAGUYA」
明日8日(土)~10日(月)まで、名古屋の劇団てんぷくプロの矢野健太郎さんが稽古に参加してきます。
彼は元TPO☆師団(劇作家、北村想さんを誕生させた劇団)のトップスターでもありました。その後、卓草四朗(現、夢桟敷の劇団員)らと1984年に「てんぷくプロ」を立ち上げ、現在、名古屋演劇界の影のドン(ご本人はシャイなので言われのないことと言うでしょうが・・・私の調査ではこのように認識しています。)のような存在になっております。
2005年の近畿大学の「唐十郎フェスティバル」で劇団夢桟敷「愛の乞食」を公演した際に見に来られ、その後、2006.8「ねじ式3」名古屋-大阪-熊本-福岡■2007.8「アリスの証言」名古屋/七ツ寺共同スタジオ■2010.4「薔薇色之病室Ⅲ」名古屋/七ツ寺共同スタジオ では客演として出演してもらっています。
名古屋での公演では矢野さんをはじめとして「てんぷくプロ」さんには大変お世話になっており、名古屋公演成功の原動力になってきました。
さて、いよいよ大阪公演の客演さんを迎えての合同稽古です。矢野さんは「かぐや出産」の場では怪しいイシャ、「正義の味方」の場では月光仮面として登場します。舞台上でパーカッションもやる予定です。
この期間、はりきって美味しいモノを食べましょう、呑みましょう。
そうすることによって、劇は新たな地平を築きます。

☆旅へ出よう

2011-10-05 23:59:47 | No.56「KAGUYA」
■10月5日(水)

今日の稽古での覚書
①9日(日)全体稽古。名古屋てんぷくプロより矢野健太郎参上
②パーカッション打ち合わせ
③おお、熊本が揺れた。pm11:33

演劇は旅そのものである。人生の旅、ジプシー、旅芸人に演劇の原点を感じる。
見る側にとっても旅は楽しいものです。風景を眺めながら、時間を楽しみながら、旅はいいものですよ。

熊本県民の皆さま、大阪へ行こう!@❤

キッズミュージカル「かぐや姫」【2】

2011-10-02 23:56:01 | ワークショップ
昨年につづき、第2回目の公民館講座「こども劇を作る」。いよいよ10月1日より始まった。
劇団より座長、サキ、コータ、KAREN、私も加わり16名、それに親御さんも見てくれているので会場は和やかな雰囲気だ。
劇団では大阪公演に向かっての稽古も盛り上がっており、昼・夜の稽古漬けになった。

■10月1日(土)







この日は顔合わせと台本読み。配役の選考をする。じっくり子どもたちの表情や性格などを眺めていたが、全体的に積極的な子どもたちが集まったもんだ。・・・小学1年生から中学1年生、打ち解けるのも早かった。
学年が違う子どもたちが集まり、同じ目標「劇を作る、発表する。」ことを経験することは、子どもたにとっても大きな財産になることだろう。
ふと思った。・・・親子で劇を作るというのはどだろう。今年は無理だが、次回に向けては提案したいものだ。
思ったことは劇団で企画実施してみるか。新しい発想も生まれつつある。

■10月2日(日)

二日目である。いきなりの配役発表!そして、歌オドリ、オープニング場面、スピードが速い。水を得た魚のようである。
単純な動作でオドリを組み立てた。なんと、新しいジャンルのダンスになるではないか。子どもたちには未知数の可能性があるもんだ。一生懸命に楽しんでいる。



二人一組(肩車で登場)にすると身長が2メートルを超えた巨人となる。みんな大喜びだった。子どもたちの感性、想像力は柔らかい。これをバネに劇は大きく広がる。



2時間1コマの講座であるが、子どもたちには集中力がある。3時間でもいけるのではないだろうか。この子どもたちが劇団に入団(ジュニア部門)してくれると、未来の演劇界は明るい。そのような邪(よこしま)な考えも浮かんでくるのだった。



両日とも、子ども劇「かぐや姫」→劇団の「KAGUYA」の稽古。キッズバージョンとアダルトバージョンを同時進行で進めることで、実は今まで気付かなかったことを発見した。
昔話は後ろを振り向いていない。未来に向けてのメッセージがある。これは、キッズだろうがアダルトだろうが共通している。
喜劇と悲劇はくっついている。感動がある。