山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

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2008-11-30 23:43:26 | unit劇団「笠戸丸」
 「夢の下張り」公演 
 一夜明けて目が覚める。今日から劇団笠戸丸の制作に奔走します。
 だが二日酔い。三日酔いかも知れない。曖昧なふらふら。 

 ところでみなさん。
 先日公演の際、お客様から頂いたお酒が家(自宅事務所:熊本市清水亀井町15-26-102)にあります。
 何を言いたいか、と言うと、ここにあると私が全部飲んでしまう危険。・・・仕事に差し支えありです。
 要相談。

 「ボクノフルサト。」ブラジル公演へ
 2009年2月■ブラジル移民101年へスタートする。
  【ブラジル公演・日程と会場】
  2月7日◎ユバ農場劇場
  2月10日◎プロミッソン市劇場
  2月13日◎ピラールドスール日本語学校
  2月15日◎サンパウロ市・ブラジル日本文協ホール
  2月15日◎サンパウロ市・熊本県人会館(打ち上げ交流会)

公演楽日(3)御礼

2008-11-28 23:06:53 | 「夢の下張り~」vol.50
 =公演終了=
 ご来場の皆様、ご協力頂いた皆様に感謝致します。
 劇団夢桟敷 第50回公演 【旗揚げ30周年】
 「夢の下張り~梅川事件'79」


 本番中、いきなり回想する。胸が詰まる。
 舞台に立つ役者陣の背後に時代と通り過ぎて行った元劇団員たちの幻影がよぎる。舞台と同時進行で時間が逆流した。
 緊張した筈だ。
 遠くは大阪から、そして道に迷いながらご来場頂いた皆様、終演後の二度の打ち上げ、応援メッセージをくれた方々、感謝してもしきれない。

 やはり特別な思いがあった。込み上げてきた。

只今、公演中(2)

2008-11-27 23:55:44 | 「夢の下張り~」vol.50
 明日、28日(金)、楽日です。
 今日は二日目。雨の中、ご来場ありがとうございました。
 地下小劇場

 平日の夜、通常は7時開演を8時にずらしたことにより、昼間働いている方々への時間的な余裕もあったように感じます。これは地元のお客様にはいえますが、遠方の方には平日は厳しいようで。
 
 満席の二日間につづいて、いよいよ明日楽日。「夢の下張り」30年目の最終公演です。・・・アンケートを読ませて頂くと応援メッセージばかりです。
 嬉しい反面、ほめ殺しに注意!役者を殺すには刃物はいらぬ。
 
 舞台では殺された筈の犯人や被害者が「自分が死んでいるにも関わらず生きている」錯覚の世界を作りました。
 舞台だからできるのです。・・・虚構を送り出し現実の心の中に感動を生み出すことができるか!ここが勝負です。
 
 演劇だからできる。そればかりでなく、演劇でしかできないことをやり続けた30年。
 専門家の評価より「意味がわからない。」「夢桟敷は怖い!」の一般(日常では演劇に関わりのない人たち)普通の意見に叩かれて生きてきたのです。・・・理屈を通り越して、生理的な喜怒哀楽(感情表現)は進化してきました。

 誰のために演劇はあるのか。
 理解されない立場の人々、もの言えぬ人。
 舞台では狂人となって現れてきます。・・・狂気が露骨にお客様との対面を余儀なくされる場所。これが小劇場だと考えていました。ここに役者たちの身体を作る。

只今、公演中(1)

2008-11-26 23:08:28 | 「夢の下張り~」vol.50
 
 11月26日より28日まで 「夢の下張り」始まりました。皆様のご来場をお待ちしております。

 地下室の劇場。文字通り、アンダーグラウンドです。今回はJaranJaranさんのご協力により、公共ホールでは出せない空間を演出することができました。出演者も絶好調で臨むことが出来、終演後のお客様との一杯を楽しみます。
【出演者】

夢現       村上精一        坂本咲希       石崎優香

田中幸太       工藤慎平        卓草四郎     山南純平

モードーニモトマラナイ

2008-11-25 23:59:51 | 「夢の下張り~」vol.50
 いよいよ公演。

 地下演劇、アンダーグラウンド、・・・文字通り、そのような小劇場が出来ました。・・・来てからのお楽しみに。怖くない、怖い、大丈夫です。
 劇団夢桟敷30年。夢から覚めると、また夢で、夢の夢で見た、爪の間の物語。はじまります。
 
  ☆公演 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「夢の下張り~梅川事件'79」 
 【会場】JARAN JARAN(熊本交通センター裏)
 
 【11月】☆いずれも夜8時開演。開演の30分前にはご入場できます。 
 ■26日(水)/27日(木)/28日(金)
 ☆前売り(大人1500円/学生1000円)/当日300円UP
 ■29日(土) パーティーのみ。昼3時より2時間程度。
 ☆参加ご希望の方はお問い合わせ下さい。yumesajiki@ybb.ne.jp  

多神【3】

2008-11-23 23:32:41 | モノローグ【エトセトラ】
 ☆村上精一(梅川)ウンパーア/☆座長=夢現(梅川の母)ギンノスイ
 ☆坂本咲希(山本リンダ)ウンラウンラ/☆石崎優香(欧陽菲菲)ラバーズヒヒ・・・につづく。

 まな板の鯉たちシリーズ3

 田中幸太(マザコン)オッパンマ/工藤新平(ロリコン)カナアチン
 卓 草四郎(支店長)ヒーデキン
 

【多神】(2)

2008-11-22 23:41:57 | モノローグ【エトセトラ】
 ☆村上精一(梅川)=「ウンパーア」。/座長=夢現(梅川の母)=「ギンノスイ」。・・・「夢の下張り」は犯人と犯人の母の物語である。
 につづく山本リンダ、欧陽菲菲の命名について。

 まな板の鯉たちシリーズ2
 
 
 ☆坂本咲希(女子銀行員あるいは山本リンダ)=「ウンラウンラ」
 ☆石崎優香(女子銀行員あるいは欧陽菲菲)=「ラバーズヒヒ」

 稽古場は一歩間違うと「セクハラ」の危険地帯になりつつある。煩悩をかなぐり捨て「世のため人のため」なる呪文が飛び交っている。明日の「ノート」では稽古写真公開予定

【多神】(1)

2008-11-21 23:45:25 | モノローグ【エトセトラ】
 とうとう降りてきた。必ず本番前になると降りて来るのが、「ひんがらもんじゃら」という演劇の妖怪。私にとってその妖怪こそが演劇の神様だ。
 熊大演劇部三名様、見学に来る。「ひんがらもんじゃら」は見えただろうか。・・・劇団夢桟敷の劇団員たちは個々バラバラの神様に支えられている。
 今日から出演者の紹介を兼ねて個々の神様を勝手に名づけます。多弁はしません。舞台が全てだ。
 
 まな板の鯉たちシリーズ1

 
 今夜は村上精一(梅川)に「ウンパーア」が降りた。彼に言わせると名前が違うだろう。
 座長=夢現(梅川の母)に「ギンノスイ」が降りた。彼女に言わせると名前が違うだろう。
 犯人と犯人の母の物語である。

「蜜と疎」の味

2008-11-20 23:33:32 | モノローグ【エトセトラ】
 鼻水が流れる。涎(よだれ)も流れる。唾が飛ぶ。汗が飛び散る。日常生活では見られたくないものが体内から流れてきても、劇ではそれがきれいに見えるのは何故だろうか。・・・劇は「非日常」の世界である。劇団なる集団は「日常」を背負った俳優たちが稽古で「非日常」を共有する作業を繰り返す。まるで宗教のようでもある。見る側を自由の世界と草木がなびいていく風へ運びたい。 

 【蜜】濃厚な部分がある。だからと言って繰り返したりして煮詰めたりはしない。本番の一発触発の為にとっておくのだ。稽古中はイライラするほど溜める。不足があるからストレスも溜まる。一発の爆発の為だ。
 【疎】どうでもよいところがある。これは場面をなごやかにしたり空気を変える為のテクニックが要求されるところ。
 
 限られた場所と限られた時間で「無限大」を作る。これが演劇でもある。
 犯罪者=梅川のリアリズムはない。これは母親からみた息子へのドラマとして、今、2008年の劇場型犯罪を問うものともなっているからである。
 【蜜】は筋。【疎】は娯楽。使い方を間違えると危険な劇になる。
 LIVEは危険と隣り合わせにある。その味を楽しんで欲しいものだ。

女が服を脱ぐ時

2008-11-19 23:10:52 | モノローグ【エトセトラ】
 寒いです。昼間の気温は10℃を切った。
 ついこの前まで稽古場である教会の礼拝堂(このスペースを「梅川事件」で使わせてもらっている。)は冷房を効かせていたのだが、今日、初めて暖房を入れた。
 衣装をつけての稽古。
 梅川役の村上が「女は服を脱げ!」という場面がある。これまでは「脱いだつもり」で稽古を進めていたが、実際に服を脱ぐところでクレームを入れる。
 言うのは簡単。演じるのは大変。この簡単と大変は劇の稽古ではいつも衝突する。衝突とは演出と演技の関係ではなく、葛藤の共有である。「ダメ」一発で自己の内部が衝突する。
 「ならば、あんたがやってみれば!」と言われたことが、この30年間一度もない。これを言われてしまう演出家はその役割として、まず失敗である。私の場合は「俳優としてはうまくない。」ことを知っているから言わないだけのことだろうが・・・。

 演技とは何だろう。最近、演技しなくていいよ!という演出家も増えてきた。リアルを求める先には演技を邪魔者として気づいてきたからだろうが、そのリアルそのものが邪魔だと思った時、「見せる演技」の必要にこだわる。
 男をギラギラ欲情させるだけではダメ。女性を欲情させる脱ぎ方とは・・・。否、この現場は梅川の独裁を表現しているのだ。恐怖と欲情は対立する。
 お風呂で脱いでいるのではない。この場は何なんだ!が見える脱ぎ方はないのか。

 事件で梅川は女性銀行員を全員全裸にしたそうだ。男は上半身のみ。理由は「男の裸は汚い」らしい。「女の裸は見慣れているから、どうということはない。」と言ってのけた。・・・どうといういことはないことはない。

 このつづきは明日。稽古は熱くなるばかり。暖房だけの理由ではない。

気、引き締まる

2008-11-18 23:59:17 | モノローグ【エトセトラ】
 昼間でも気温10度前後。冬到来である。
 いよいよ公演まで10日を切った。いつものことながら冬は風邪をひかないように注意している。喉をやられたらアウト!
 今日は午前中に熊日記者クラブにて取材を受けた(梅川役である村上と)。・・・以前(むかしむかし)、私もフリーライターをやったことがあるので、取材の難しさや時間の使い方は痛いほどわかる。彼女のうまさには驚かされた。記者にとって一番厄介なことは無口な人への取材。しかし、私はいつもながら多くを喋るタイプ。実はこれも厄介なのである。まとまりがつかなくなる。
 今回は劇団の旗揚げから30年ということもあり、取材は過去に振り返っての質問を受けることになった。1970年代の演劇や犯罪を語れば底なしである。勝手に独り言でも息をしないで2時間以上喋れる。ほとんどの聞き手は気絶する。
 ☆
 稽古は詰めに入っている。まだまだ進化している。
 会場入りが公演の3日前ということもあり、現場に入ってからの詰めも予想しながら余裕をもっている。直前での変更が決定的に良くなるからだ。
 今回の劇場は美容室の地下倉庫。面白い空間になります。

ナニガシの奴

2008-11-17 23:47:31 | モノローグ【エトセトラ】
 公演前だ。・・・久しぶりにナニガシの奴が現れる。
 彼が現れるとパニック状態になる。寝る時にパニックは起きた。心臓が激しく動き始めて口からナニガシがはみ出てきた。
 こいつは見苦しい奴!
 「ナニガシ」とは心の中にすみついている不安感である。
 稽古中、彼は現れない。封じ込めるからだ。出てきたら殺す。それが優しさというもの。
  
 どうやらナニガシの奴、楽天家が嫌いなようだ。
 三十年目の旗揚げ劇。あの頃から潜んでいやがった。
 夜、初心に戻って「ハラハラドキドキ」を味わう。昔を思えば、不安だらけだったのである。
 稽古にどっぷり漬かって、ナニガシの奴を眠らせてやろう。

演劇と教育

2008-11-16 23:10:52 | モノローグ【エトセトラ】
☆梅川事件について。←ここをクリックすると事件の概略を解釈することができます。

 最近、演劇を「コミュニケーション学」のテキストに捉えられたり、「伝える道具」として耳にすることがある。
 日本の教育現場(中学・高校)では演劇を「国語又は文学」の分野として位置づけられていたりする。音楽や美術のように学科として独立していない。
 一方、現実の表現ジャンルとして演劇は音楽や美術のように自立しており、芸術や娯楽として認識されている。
 このギャップは何だろう。
 実は大きな落とし穴がある。教育と現実生活の時間のスピードの違いからくる落とし穴である。

 (1)美術の中にアニメを取り入れてはどうだろうか。
 (2)音楽に演歌や現代ROCK、ラップもあっても良い。
 そう考えると、演劇は娯楽として教育に関わる必然を感じる。

 古典やクラッシクの落とし穴に入り込むと<現在>を見失う場合が多々ある。
 それが原因で、本来面白い筈の芸術が堅苦しいものになってしまう。
 つまり興味は半減されてしまうのである。
 古典があって現在があるかのように、人間の興味の持ち方が逆さまになってしまう。古典に向かう力は現在の興味の深まりから遡っていくものだろう。

 稽古場で口をついて出てくる。
 口先で説明すると演劇ではなくなる。

 次回公演では台詞として事件を説明する部分もある。ここには表情もアクションも体も見える劇として現したいために苦労する。
 言葉を理解するだけで満足できるものであったら活字だけでも充分だろう。
 ところが演劇は覚えた台詞だけでは物足りない。劇作家の代弁を仕事とする俳優などはいない。
 舞台では劇作家や演出家以外の他者としての登場人物を生み出す俳優が関わってくる。見えるものは、この他者が全てのようにできて完成する。
 敢えて言おう。
 事件の概略を説明する劇ではない。「夢の下張り」は観客が一枚、上張りをはがしてくれる楽しみ方を企んでいる。
 上張りをはがす観客と下張りに潜んでいる俳優の赤裸々。限られた狭い会場と時間の中で関係を作りたい。

 明らかに舞台はお客さんを教育する場ではなく、逆にお客さんから学ぶ繰り返しですらある。

ぱんぱん。

2008-11-15 23:24:57 | モノローグ【エトセトラ】
 ぱんぱん!とは何か。

 私の幼少の頃、頭の中は造語でいっぱいだった。ボールのことを「オロ」。スプーンのことを「ギガ」。社会で通用する「ことば」に対して「それは違うだろう。」と思っていた。自分で名詞を作っていた。
 その癖は今でも抜けない。
 劇の稽古中、口には出さないが「ひんがらもんじゃら!」が見えてくる。これは演劇の妖怪。つまり、この世には存在するはずのない幻想である。

 今日の一日は「ぱんぱん」が見えた。
 村上精一流に言えば「テンパっている。」状態。
 つまり、こころが膨張して破裂した時に現れる虫たちである。まるで蜘蛛の卵から無数に飛び出すものたち。うごめく粒たち。
 稽古終了後、田中幸太、ましまん、座長と飲んで治まった。