山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

必見!「劇」

2009-08-28 23:57:18 | 「薔薇色之病室Ⅰ」三部作
公演まで6日。

稽古場は活気に溢れているが、不安も絶頂といったところ。
後は腕力である。元気が勝負。
小さな集団ではあるが、小さくまとまりたくはない。
スカっと良いリズムを送りだしたい。お客さんに感動してもらいたい。薄っぺらな劇ではない。分厚い。だからスッキリしたいのです。 
 
さて、この劇の見どころは!

同時進行で秋葉原事件と沖縄の悲しい戦争が重なる。
場面は精神病棟。・・・狂気は手段である。劇的な世界を送り出す方法論。これが小劇場の力だと確信する。

日常感覚の喪失。壊れ者たちが舞台を徘徊する。悲しくて嬉しい。この喜びが「台詞の時代」に反旗をひるがえします。

見て欲しい!
 
 おばぁ◎夢 現
 
 少女椿1◎坂本咲希
 少女椿2◎石崎優香
 
 少女椿3◎倭屋つづり
 少女椿4◎香織(客演)
 
 少女椿5◎香西佳耶 (元劇団員・客演)
 
 タマゴ頭之男◎工藤慎平
 タマゴ頭之女◎肥後丸.
 
 カリガリ博士◎田中幸太
 ミチロー◎過眞島憲法
 
 日本兵◎卓草四郎
 追っかけ◎馬場真治(客演)
 ある男◎山南純平

役者“命”よ。

パンツ一枚の日々

2009-08-23 23:40:17 | モノローグ【エトセトラ】
 公演直前である。

 自分で言うのも恥ずかしいが・・・
 「私の書いたホンはつまらん。」
 だが、劇はいい。
 劇は集団の力だと確信する。

 パンツ一枚で過ごす日が続いている。もちろん、一人で部屋にいる時だけ。
 朝からシャワーを浴びた時は全裸である。・・・玄関には鍵をかけていないので、外で車の音がすると慌ててパンツをはく。

 あ~、秘密をバラシタイ。
 何もかも赤裸々になりたい。
 だが、公演直前である。
 ネタばれは怖い。

 見てからのお楽しみ!
 口が軽い私にとって、辛い日々は続く。

 穴があったら叫びたい。

 秘密の一つ。
 元劇団員、香西kayaちゃんが飛び入り出演します。
 
 まだ、秘密はあります。
 公演まで我慢できるだろうか、不安です。

 ああ・・・ああぁぁ。

伊藤弘子さん

2009-08-18 11:16:56 | モノローグ【エトセトラ】
 短かった夏休み(15日-17日)。
 さてと、いよいよ9月4日-5日の「薔薇色之病室」公演に向けて制作・稽古の再始動です。
 
 舞台セットの大幅な変更あり。
 これが原因で早朝より目が覚める。夢にまで劇のことが現れるようになった。日常感覚喪失。私にとっては<正常>を取り戻した。

 昨夜(17日)、流山児事務所のトップ女優=伊藤弘子さんと会う。
 御船町カルチャーセンターでユニット上演される「踏み石~富田至誠と教え子たちのきずな」のために熊本に来られた。
 座長・田中幸太・香西佳耶(元劇団員)と私の4名でホテル近くの居酒屋で飲む。
 6年前の 流山児事務所「盟三五大切」九州ツアー以来の再会だった。
 あの時、夢桟敷は高校生が主力メンバーで、今思えば、ツアーのお手伝いをさせてもらって急速に成長した時期でもあった。
 当時、こちらは十代後半、彼らは三十~四十代のメンバーである。多くを語るよりも実践の中で学ぶことが大きい。

 ビールを飲みながら劇団員も「大人の会話」ができるようになったことが嬉しい。あの頃は未成年であったため酒の席にはついていない。
 
 流山児さんとは30年来のお付き合いであり、私にとっては兄貴のような存在であるが、劇団にとっても流山児事務所は大きな存在になっている。
 
 小劇場がピーターパン化(幼児化)している中、きっちり大人の時間を送り出す劇団夢桟敷を目指そう。
 気取ることはない。世代を超えて関係を持てるかどうかが「大人」というものだ。

ご先祖さまー。

2009-08-15 10:46:21 | モノローグ【エトセトラ】
お盆ですね。
テレビでは帰省ラッシュの渋滞情報が流れています。

劇団は今日から三日間お休みです。(15日-17日まで。)
頭を空っぽにする三日間になります。

この数日、四国松山市より劇団さんが阿蘇にやって来られたり、息子の結納(食事会)があったり、CM撮影があったりして、足が地についていない状態でこころがフワフワしていました。

「ご先祖さまー!」を思い、暫くの間、瞑想致します。
祖父母、父、親戚の方々、友人、知人・・・随分、私の周辺でも亡くなられた方々が増えてきました。

座長=夢現の実家へ今日から一泊二日で帰ります。
熊本県山都町(旧、矢部町)で九州山地のど真ん中です。九州の“へそ”とも言われているところ。
放水で有名な通潤橋があります。文楽の里「文楽館」、空気が澄み切っていて天文台から眺める宇宙は最高!

少年時代から独り言をいう癖があり、ひとりで何役もの妄想世界へ入ることができます。
実はご先祖様と会話しているのです。(半分嘘。)
この時期になると降りてきます。
空っぽになって、声なき声を聞いて参ります。(半分神秘的。)

民間交流○友好

2009-08-06 23:22:54 | 企画2009~2015
今日で訪日中のエイコム(韓国のミュージカル劇団)の人とお別れであった。
次は10月のハイライト公演「明成皇后」で会うことに!

朝から熊本県庁でご挨拶する一方、私は技術面でのバックアップを図るため、舞台関係の会社の方と打ち合わせをする。

今回の動きでつくづく思うことあり!!
熊本ー韓国の関係は深い。それほど近い国なのだ。
戦争の歴史は古くからある。熊本の人も深く関わっていたものだと感慨深くなる。

喧嘩するほど仲がいい。・・・といきたいものだ。
現実は、私が考えている程、軽くはないが、軽い人間なりの役割はある。

すべて、オープン!すると笑顔にもなれる。

仲良くなるためには、「自由な表現」を保障したい。
私は表現者として当たり前のことをしているだけ。
それは、私自身の表現を自由にするための仕事だとも思う。
「私」の範囲は越えているものの、人間同士、同じ目線に立てたことは大きな成果だった。

文化や演劇の交流はいい。暗い歴史も明るくモノが言える。
民間人としての新しい地平が見えてきた。

言葉が通じない不自由さはあるものの、やはりココロは通い合うものだ。

近況・心境など

2009-08-03 23:42:29 | モノローグ【エトセトラ】
■7月24日

毎回のことだが、演劇の稽古は淡々と順調に進んだことはない。
難産の時こそ、お客さんにもその感動が伝わり易い。
簡単なことではない。

ここまで言うと暴言だが、生まれながらにして俳優に向いている人がいるように思うようになった。
裏返せば、生まれながらにして演劇には向いていない人がいる。
 
概ね、「好き嫌い」「憧れ」で入ってしまった人たちだ。
そういう人々は自爆し易い。・・・仕事でもそうではないだろうか。
  
暴言だが、・・・
 
生まれながらにして俳優に向いている人は、「何度も自分は演劇には向いていない」と悩んで努力してきた人たちだと思う。

■7月26日

あるプロデューサーと仕事の件で打ち合わせをする。
Project-KASATOMARU(旧ユニット劇団笠戸丸)ブラジル公演後の活動としてVシネマ制作の案が浮上してきた。
 
映画となると演劇・舞台とは違う。
プロデュースが生命線である。資金も半端ではない。
原案→シナリオ→技術スタッフ・俳優の選定。慣れ合いや興味本位では、すぐ潰れる。
9月末を目標に案を煮詰めることになった。

考えるだけはタダである。
しかし、これがスタートライン。

7月の「韓国特集演劇講座」から10月には韓国ミュージカルを熊本に呼ぶことになっている。
このVシネマ案も国際交流事業として関連付ける。

空論になるや否や。最近、大きな風が吹いてきたもんだ。

■7月28日

おや?ここは何処だろう。
早く学校へ行かなくては!・・・オレは何をしているのだ。
試験勉強はしていない。落第するのか。
えっ?夏休み。・・・待てよ、何処の学校だったのだろう。

寝ぼけていたのである。
もう、学校を出て34年経っている。遠い昔のことを今と間違っていた。
久々の学生気分に襲われた。
 
私と同年輩の諸君は「若い頃に戻りたい!」と言う。
歯は抜け、皺も増え、白髪、禿もいる。体力も衰えた。
若い頃は万能だったように勘違いしている。
とんでもないことだ。

最近、後戻ることが面倒臭いと思うようになった。
この歳になってやれることがある。
復習できる教材が山ほど身についている。
失敗は成功のもと!とは、よく言ったもんだ。慌てなくなった。

次回公演まで一ヶ月チョイ。
正面から向かい合うと見えないものが、どんどん見えてくる。
天からも面白いものが降りてくる。怪と遊ぼう。

若い頃は悩むだけだったのだが、何やら不可視と怪を楽しめるようになってきた。

歳をとるって、まんざらでもないんだなぁ。

■8月3日

ミュージカル「明成皇后」熊本ハイライト公演

2009年10月8日 in 熊本学園大学

韓国よりミュージカル劇団エイコムさんが、熊本ハイライト公演下見のために4名来られた。(代表・舞台監督など・・・この劇団は日本で言うと劇団四季に当たる。ブロードウェーイ・ロンドン・中国でも高く評価されている。)
先日の「国際演劇交流セミナー韓国特集」に続く第二弾です。

この公演については日韓の新しい交流の在り方が見えてくる筈。
先日セミナーの講師であったソン先生(韓国の国宝級演劇人)と代表のHo-Jin Yunさんは大の親友だと判明。
 
100年前、明成皇后を暗殺した日本人の中に熊本関係者も多く、その内のお孫さんに当たる方が謝罪したことによって、韓国では民間レベルで大きな変化をもたらした。
その方を訪問した際、まるでドキュメントを体験したような感動を覚えた。

ホールの打ち合わせ、新聞社での取材を受け、韓国料理を八代市まで食べに行く。
夢桟敷からの同行者は、koutaとhigomaru,と私。

明日は受け入れ実行委員会が結成される。
尚、この活動はproject Kasatomaruの関連事業として位置づける。
テーマは移民・在日・歴史。
演劇の力を国際交流の視点から持続的に掘り下げよう。

同時進行で次回公演「薔薇色之病室」も進める。