山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

稽古納め

2008-12-28 23:59:03 | モノローグ【エトセトラ】
 とりあえず稽古納め。
 年末の区切りとして納めるが、これで休みという訳ではない。追い立てられている。止まったらバタリと倒れそうになる。
 全くもって今年は異常なまでの2008年演劇一年!
 劇団員たちは演劇の毒気にやられて、振り回されても泣かなくなった。打られ強くなったもんだ。
 
 2008年。
 1月■ユニット劇団「笠戸丸」結成!
 2月ー3月■熊本市国際交流会館(自主文化事業)「照明・音響ワークショップ」開催協力
 4月29日■ブラジル移民100周年記念事業、劇団笠戸丸「ボクノフルサト。」公演(熊本市国際交流会館)
 5月■演劇大学in熊本/山鹿市八千代座+熊本県立劇場(日本演出者協会主催/企画協力参加)
 6月18日■ブラジル移民100周年【第一回移民団サントス港着】記念パーティー・パフォーマンス出演(ギャラリー武智)
 8月2-3日■寺山修司没後25周年企画・劇団夢桟敷「疫病流行記」公演(熊本市同仁堂スタジオライフ)
 8月30日-9月10日■ブラジルへ。公演企画下見の旅。 
 11月26-28日■劇団夢桟敷 創立30周年「夢の下張り~梅川事件'79」公演(JARAN JARAN)
 12月~■劇団笠戸丸ブラジル公演(2009年2月)に向けて制作・稽古に入る。

 □ 

 2009年演劇公演(企画書)は1月10日まで延期してもらうことになった。
 自分で勝手に決められればよいが、相手さんあっての計画である。
 目先に追われて半年後さえ考えられなくなっている。フル回転。自転車操業。
 こうやって30年、走り続けて来たのです。

ポスター

2008-12-26 23:37:13 | モノローグ【エトセトラ】
 変な歌が耳の奥から聞こえてくる。・・・ひとつ山越しても、又、高い山が見えてくる。
 幻聴か、 ヨッサホイのホイ 
 マボロシを見ているのか、 ヨッサホイのホイ 
 
 ブラジルからポスターデザインが送られてきました。
 これは目の前の現実である。 ヨッサホイのホイ

 (注)ヨッサホイのホイについて

 「ヨッサホイのホイ」とは一種の労働歌のようなもの。・・・穴を掘る歌。
 穴を掘る。
 地の底に向かって登るために。
 地球の反対側に向かって穴を掘っているのです。

 ☆
 
 移民団の苦労から労働歌も生まれてきたのではないだろうか。
 黒人がJAZZを生み出したように!

遊んでいる時に

2008-12-25 23:23:02 | モノローグ【エトセトラ】
 皆が遊んでいる時に稽古です。浮かれている時に稽古です。・・・4月の公演に比べれば確実にUPして来た。やり過ぎるくらいパワーが出てきた。harukaちゃんが面白いくらいに乗ってきた。ここまでやれれば、あとはそぎ落とせる。力を抜く段階になった。全体的に固まってきた~ア!・・・norinori君の足が地に着いた。みんな、苦労や努力を楽しんでいる。・・・ところで、クドシン。折角、ケーキを持って来てくれたのに食べる時間がなかった。・・・一歩ずつブラジルが近づいていることを実感した。
 問題がある。ラストの場面が見えてこない。眠れない夜も続く。

 (注)隠れてコソコソできないものだ。ここでもサンタさんが目撃された。

X'masイブ

2008-12-24 23:08:58 | モノローグ【エトセトラ】
 告白します。
 坂本咲希は何故かサンタさんに、田中幸太が何故かトナカイになって別の時間、別の場所で出現したと聞いた。・・・稽古中ではそんなことを聞かなかったのに、何故か情報が飛び込んでくるのが早い。
 お仕事先でのこと。内緒にはできない。えっ、明日は他にもサンタさんになるって?!
 笑っている場合ではない。ブラジル行きの資金を作るためにみんな一生懸命になって働いている。

 X'masイブ。稽古終了後pm10:00頃、熊本の繁華街(通り町筋)を車で走ったが、思ったより人通りが少ない。世情を反映しているのか。
 これで木枯らしでも吹き荒れていようものなら悲しくなるが、今夜は生ぬるい。
 明日も稽古はつづく。

 (注)よく見ると、トナカイではなくコアラだったの??

右や左のだんな様

2008-12-21 23:23:28 | モノローグ【エトセトラ】
 いよいよ大詰め!
 あっと言う間に年が暮れようとしている。
 
 この暮れまでは「右や左のだんな様」と言いながら金集めに奔走する。・・・何とかアト$$ドル!!
 円高には救われているが、日本経済は大変だなぁ。
 金歯でも集めて金に代えるか。ペンチを持っている。
 
 大掃除や忘年会どころではない。
 年が越せなければ二ヶ月くらい先延ばししてもよい。
 ブラジルから無事に帰って来て、やっと年が越せることになる。

 景気づけと団結を固めるために12月29日に笠戸丸メンバーによる飲み会をする。忘年会ではない。忘れてはならないから・・・。
 「右や左のだんな様」の大合唱である。これは劇を志す者にとって大切な根性。河原乞食の原点でもある。脈々と流れる劇血。
 
 今、百年前の移民団の苦労と私たちはクロスしている。この若者の中から大きな一石を投じる将来の演劇人は生まれてくるのである。
 
 只の劇発表会に行くのではない。移民団の苦労を追体験するだろう。

写楽のように

2008-12-19 23:05:59 | モノローグ【エトセトラ】

 劇団きらら、真夜中ミサイル、熊本大学演劇部の連中が本番に入る為、稽古の人数が最低を記録した。6名。他はバイトだったりして来れず。
 今日の亀井公民館での稽古は、コーヒーと駄菓子で盛り上がる。
 「写楽だ!」・・・方向性が固まる。欠席者に伝えるのに苦労はあるが、次回の稽古場からのお楽しみに!!

コミュニケーション

2008-12-18 23:07:56 | モノローグ【エトセトラ】
  「表情が乏しい。会話が成立しない。」・・・そう思い始めたのはこの10年くらいである。裏返しに、「伝えたい。」という言葉を耳にするようになった。演劇を「コミュニケーション学」として捉えられるようにもなった。最近の傾向である。大学に呼ばれて講師などを務める者まで多数いる。
 
 昔から日本人は感情をむき出しにすることやボディーランゲージ(身体ごと表現すること)は苦手な民族だと言われてきた。
 狩猟の歴史が浅かったからだろうか。農耕民族である。周囲を海で囲まれた島国である。閉鎖的な環境で私たちは暮らしてきた。群れに同化することには優れている。逆に言えば排他的。強いものには従順になれるが、弱い者や小さい文化には高飛車に出る。
 
 「表情が乏しい。会話が成立しない。」はこの環境とは無縁ではないような気がする。情報過多、群れの少数化と価値観の多様化が、これまでの社会通念に亀裂を生じ始めた現象だと思っているのは私だけだろうか。個の狭い世界と社会の大きな世界のつながりが見えていない。対立回避からくる現象だ。
 
 コミュニケーションをとるための居場所や方法が見つからない若者が増えてきている。逆手にとって、演劇の意味を考えてみる。
 稽古場は異文化を製造する工場のようなものだ。常に「新しさ」を無意識に求めている。・・・劇団笠戸丸ではコミュニケーションから大切にしていこう。
 今日の稽古では表情の出し方などから入った。「もっともっと!」「10倍出せ!」が飛び交う。はじけてきた者が出てきた。悩まなくなるとはじけるもの。これより停滞は許されない段階に入った。年末までが同じ方向へ固まる勝負どころである。

青年たち

2008-12-17 23:17:37 | モノローグ【エトセトラ】
 稽古場に集まったら各自、体操をしておいて下さい。てなことを言うと、いかにもチャラチャラした呼びかけのように思われるが、身体の準備は大切です。改めて「役者の身体」について言及する。・・・「言葉」は体力である!
 自分に体力が衰えてきたことを痛感している。40代になって中学生に腕相撲で負けた。村上精一に負けた。今、彼は23才。ブラジル行きの資金(自己負担金)を確保するために郵便局でバイトをしている。ここのメンバーたちはバイトをひとつずつ増やして頑張っているのである。稽古場だけでなく、日常生活が濃縮されている。不満を言う者がいない。不満を思う暇がないのだ。息つく暇がない。そんな者たちが集まっている。
 周りも「金はあるのか。」と心配している。・・・百年前にブラジルに渡った移民団も金があって渡った訳ではない。渡った先でも苦難が待ち受けていた。資料を読んで「移民の歴史」を勉強しただけでは劇を作れはしない。演劇はそんな簡単なものではない。それを劇団笠戸丸の青年たちは身をもって経験している。きっと、いい芝居になる。

裏の仕事

2008-12-16 23:27:33 | unit劇団「笠戸丸」
 「裏の仕事」と言っても悪い仕事のことではありません。裏方のことです。この二日間は制作、特に各会場との打ち合わせ、お金の計算などをする。煙草の量が増える。健康には悪いが、肺がんで死ぬのは納得するだろう。ニコチンが入らないと頭が沈没する。
 
 今回は4会場に担当者がついている。若いなりに頑張っている。稽古もさることながら、頑張った分は満足のいく形にしなければ!・・・問題は金だ。世界不況と言われるが、演劇は経済にどのような影響があるのだろうか。不況に強いことが演劇だと思うのだが・・・。演劇で元気を出せ!と叫ぼう。

石川五右衛門

2008-12-14 23:56:16 | モノローグ【エトセトラ】
 只今、「ボクノフルサト。」構成中です。(台本の構成は12月17日に完成予定!)

 台本を読み返している内に突然、思いもよらなかった登場人物が新たに見えることがある。
 百年前、第一回移民船笠戸丸が神戸港からブラジルへ渡る際、シンガポール付近で船員による人質事件が発生した。金銭の要求である。
 これをどう描けばよいだろうと思案していたところ、船内での「劇中劇」に仕立てる方法を思い浮かべた。
  劇では「真実」を表すために「虚構」を使う方法を用いることがある。それは「劇中劇」として設定。・・・長い航海で、お祭りや宴会などがおこなわれていた。ここに事件を導入した。犯人は石川五右衛門
 移民のリーダーである上塚周平が「人の為に生き、人の為に死ぬ。」生き様を表すのには、事実とは反してもこの方法がより強く描けるように感じた。
 思った通りに見えた。だが、犯人=石川五右衛門の役は決まらない。慌てることはない。稽古中に突然、ハマルのである。
 人質役の女性は決まっている。ダンス振り付けの先生だ。今日は欠席の為、代役でharukaちゃんがする。明らかに4月公演の時よりも彼女は存在感が出てきた。面白い!
 上塚周平の人となりが光った。

濃厚なスープの作り方

2008-12-13 23:47:33 | モノローグ【エトセトラ】
 固形物が残らないようにどろどろに溶かしたい。時間はかかる。火はとろ火。全体を溶かしてみたい。

 今日は翻訳家の今田えりかさん家族(産山村在住・日系3世)と友人の原口マリスさん(植木町在住)がポルトガル語指導に来られる。
 色々な方々にお世話になっている。
 夜、ブラジルコーヒーを売って資金を集めないか、という電話もあった。制作会議では経費計算などに時間を使う。

 ブラジル行きまで2ヶ月を切った。だしの効いた美味しいスープの作り方は心得ているつもり。あせらないことだ。じっくりじっくり。

師走か。

2008-12-12 23:53:12 | モノローグ【エトセトラ】
 とにかく走っている。一時期、借金取りから逃げ回って走っていたが、今は違う。この数年は劇作りに走り回っている。膝と腰が弱くなっているが20センチ程度だったら飛ぶことはできる。羽根が欲しい。(元バスケットの選手だったのだ。)

 今日は携帯電話を家に忘れて外出してしまった。帰り着くまで全く気づかず。返信で手こずるも、何とかクリアーする。まだまだ、確認事項などが遅れている。
 稽古場は緊張感がでてきた。久しぶりに熊大演劇部の方が見学に来られた。ニコニコしながら「劇団夢桟敷に入団しないか。」と言った。簡単に「希望あり。」だった。私としては引かれるくらいが丁度良いのだが、一部、支持者がいることに感動する。
 世界中、経済や政治で「変」であるが、こちとら、「変」には慣れている。大丈夫!が演劇の力だ。
 
 追う。時間からは追われる。・・・好きで追い込まれているのです。