山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

公演楽日(3)御礼

2008-11-28 23:06:53 | 「夢の下張り~」vol.50
 =公演終了=
 ご来場の皆様、ご協力頂いた皆様に感謝致します。
 劇団夢桟敷 第50回公演 【旗揚げ30周年】
 「夢の下張り~梅川事件'79」


 本番中、いきなり回想する。胸が詰まる。
 舞台に立つ役者陣の背後に時代と通り過ぎて行った元劇団員たちの幻影がよぎる。舞台と同時進行で時間が逆流した。
 緊張した筈だ。
 遠くは大阪から、そして道に迷いながらご来場頂いた皆様、終演後の二度の打ち上げ、応援メッセージをくれた方々、感謝してもしきれない。

 やはり特別な思いがあった。込み上げてきた。

只今、公演中(2)

2008-11-27 23:55:44 | 「夢の下張り~」vol.50
 明日、28日(金)、楽日です。
 今日は二日目。雨の中、ご来場ありがとうございました。
 地下小劇場

 平日の夜、通常は7時開演を8時にずらしたことにより、昼間働いている方々への時間的な余裕もあったように感じます。これは地元のお客様にはいえますが、遠方の方には平日は厳しいようで。
 
 満席の二日間につづいて、いよいよ明日楽日。「夢の下張り」30年目の最終公演です。・・・アンケートを読ませて頂くと応援メッセージばかりです。
 嬉しい反面、ほめ殺しに注意!役者を殺すには刃物はいらぬ。
 
 舞台では殺された筈の犯人や被害者が「自分が死んでいるにも関わらず生きている」錯覚の世界を作りました。
 舞台だからできるのです。・・・虚構を送り出し現実の心の中に感動を生み出すことができるか!ここが勝負です。
 
 演劇だからできる。そればかりでなく、演劇でしかできないことをやり続けた30年。
 専門家の評価より「意味がわからない。」「夢桟敷は怖い!」の一般(日常では演劇に関わりのない人たち)普通の意見に叩かれて生きてきたのです。・・・理屈を通り越して、生理的な喜怒哀楽(感情表現)は進化してきました。

 誰のために演劇はあるのか。
 理解されない立場の人々、もの言えぬ人。
 舞台では狂人となって現れてきます。・・・狂気が露骨にお客様との対面を余儀なくされる場所。これが小劇場だと考えていました。ここに役者たちの身体を作る。

只今、公演中(1)

2008-11-26 23:08:28 | 「夢の下張り~」vol.50
 
 11月26日より28日まで 「夢の下張り」始まりました。皆様のご来場をお待ちしております。

 地下室の劇場。文字通り、アンダーグラウンドです。今回はJaranJaranさんのご協力により、公共ホールでは出せない空間を演出することができました。出演者も絶好調で臨むことが出来、終演後のお客様との一杯を楽しみます。
【出演者】

夢現       村上精一        坂本咲希       石崎優香

田中幸太       工藤慎平        卓草四郎     山南純平

モードーニモトマラナイ

2008-11-25 23:59:51 | 「夢の下張り~」vol.50
 いよいよ公演。

 地下演劇、アンダーグラウンド、・・・文字通り、そのような小劇場が出来ました。・・・来てからのお楽しみに。怖くない、怖い、大丈夫です。
 劇団夢桟敷30年。夢から覚めると、また夢で、夢の夢で見た、爪の間の物語。はじまります。
 
  ☆公演 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「夢の下張り~梅川事件'79」 
 【会場】JARAN JARAN(熊本交通センター裏)
 
 【11月】☆いずれも夜8時開演。開演の30分前にはご入場できます。 
 ■26日(水)/27日(木)/28日(金)
 ☆前売り(大人1500円/学生1000円)/当日300円UP
 ■29日(土) パーティーのみ。昼3時より2時間程度。
 ☆参加ご希望の方はお問い合わせ下さい。yumesajiki@ybb.ne.jp  

=ご案内①=

2008-11-06 23:23:19 | 「夢の下張り~」vol.50
公演ご案内
旗揚げ30年企画(第一弾)
劇団夢桟敷 第50回公演
「夢の下張り~梅川事件'79」

【時】11月26日(水)/11月27日(木)/11月28日(金)●夜8時開場開演
11月29日(土)●昼3時~(パーティーのみ実施!!)
【場】Jaran Jaran【地下特設劇場】熊本交通センター裏

 早いもので劇団夢桟敷(旧名:劇団ブラックホール/1979-1984 in 東京)は30年目に入りました。
 これまでに10周年、20周年もあったのだろうが、まったく意識したことがなかった。振り返ってみれば、もう十年、二十年やってきたのか・・・それで良かったのだ。
 30周年?・・・時間の長さと日々追われた劇作りに狼狽している。・・・地域(熊本)では「はぐれ雲」のような演劇集団になっていたように思う。それは「アングラ劇」あるいは「新劇批判」なる小劇場の運動として劇団を主張してきたからだろう。・・・時は流れている。演劇は進化してきたのだろうか。
 この機会に、30年前の旗揚げ台本を使って公演してみようと思った。劇団としての初志=原点だからだ。メンバーは何度も入れ替わり立ち代り、いつまでも若き俳優たちに囲まれていた。世代交代はこの期間で3回4回。旗揚げからの生き残りは座長の夢現と山南のみ。
 30年で、この劇団に入団してきた者は百人以上になる。時間の長さに関係なく一定期間は演劇を共有した者たち。そして、協力者や観客として関わってきた人々は如何ほどいるのだろうか。
 それを想うと、この小劇団が気の遠くなるような数の人々との関わりがあったことを痛感する。



 昔の台本を読み返すと「恐ろしいことをやったもんだ。」と震えた。それは、30年前に私(山南)が書いた「四畳半夢の下張り~梅川の死のような微笑み」である。上演は1979年11月(東京)/12月(熊本)。私と夢現のふたり芝居。・・・全面的にアジテーションだった。観客を監禁状態にした。つまり、「ここから一歩も出てはならぬ!」と脅迫した。役者は犯人であり、観客を人質としていた。役者による独裁を劇で表現しようとした。
 「発想が幼稚だった」と今思えば反省しきりである。演劇は「そんなに甘いものではない。」と思うようになる。その後、何度か「改訂版」として上演した。悲劇は喜劇と表裏一体にもなってしまう。この劇は危険なブラックジョークで包み込まれる。リアルとは何か?それはクソ食らえ!だと思う。劇は虚構化する原動力だ。虚構化には勇気が必要。それが30年の劇団夢桟敷の伝統芸であり個性として培われてきた。虚構の中に真実を見せたいと思い続けている。それが劇だ。小劇場の得意技でもある。シュールさに癒される人々と出会いたい。
 ☆
 1979年1月。三菱銀行大阪北畠支店、銀行員を監禁して警察に撃ち殺された梅川事件を題材にした犯罪劇である。密室で何がおこなわれていたのだろうか?を妄想したのだった。
 あれから30年。妄想は現代を暗示していたように犯罪自体が劇的になってきた。いわゆる劇場型犯罪の日常化。
 この劇は長い年月をかけて発酵した。それを新しい若い俳優たちとの感性で共同作業する。
 「狂気と凶暴さの中に優しさが垣間見られる。」劇作りとなってきた。
 ☆
 そして思う。若い俳優(劇団員たち)にとっての30年(生まれる前からの)も他人事ではない。劇団に所属することの共犯。・・・お客様との共犯関係を劇場の密室の中で味わいたいと思っています。