山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

萬(よろず)の役者たち

2011-04-26 23:14:49 | モノローグ【エトセトラ】
いよいよ稽古はラストスパートにかかります。
超小劇場、独自な演劇空間と役者体を表すために熱気を帯びてきた。
限定120名様のキャパ(注:4ステージで120だから1ステージ30の限られた小スペース)での公演です。限られた時間に限られた(先着順)お客様との独占的な劇をお見せします。
前回3月の「ねじ式」公演では入場をお断りするという事態が発生しましたが、今回はご迷惑をおかけしないように受け入れます。予約はお早めにお願い致します。
さて稽古日記です。

【22】4月23日(土)武蔵ヶ丘教会
【23】4月24日(日)武蔵ヶ丘教会





稽古中に震度3の揺れがあった。来た~。東日本大震災は九州でも他人事ではない。九州電力は原発を二つ持っている。豊かさのシンボル?核エネルギーの安全神話は完全に崩壊した。
公演する「KAGUYA」は崩壊した神話の上に立つ。人の痛みがわかる人間の物語にしなければ!
泣いてばかりではおられない。人間が神の領域に立ち入ることなどできる訳がない。萬の神ではなく、萬の役者たち!・・・いよいよラストの場面を煮詰める段階に来た。虚構のドラマも天変地異と重なりつつある。

【オフタイム】■4月25日(月)大分県佐伯市へ行く。

海鮮丼!・・・じゅんこさんと娘さんに感謝します。


※気分転換に。(つれづれ)

丼と言えば・・・私はどんぶり人間である。

細かいことはどうでもいいか~
若かりし頃、十二指腸潰瘍で胃を三分の二切除してからというもの、クヨクヨ悩んでストレスを貯めることを辞めた。
するとどうだ!妊婦のように腹が出てきた。切腹して腹が大きくなった。
身長173cm、体重56kg。・・・言わばヤセッポ青年が、堂々の73kgの還暦を迎える。

丼が好きです。
ご飯の上に乗せる。混ぜる。ご飯に味が染みる。
見た目も味も良し!・・・豪快に生きる。

日本の食文化に丼は欠かせない。

どんぶりの道を極めたいと思っております。



熊本⇔大分県佐伯市、日帰り往復300kmのドライブをして来ました。
名古屋のじゅんこさんが娘さん夫婦のところ(大分県佐伯市)へやって来たので会うことになった。
昨年暮れは大分から阿蘇→熊本市の稽古場にも顔を出してくれ、その時の私のご案内の仕方が「丼」だった。どんぶり、大ざっぱだった。

大分?な~んだ、熊本の隣の県ではないですか。会いましょー。

今回もそういう気持ちで佐伯市に行った。
熊本から九州山地を超え、九州を横断すると瀬戸内海に面して来る。
海はいいな~。
じゅんこさんの娘さんのご案内で塩湯温泉に行く。海水を沸かした銭湯である。
腰痛が浮力で軽くなった。キクキク~ッ。
細胞が人類の先祖が海の生命体だったことを覚えている。記憶とは恐ろしい。細胞から生き返ってくる。
人間、海を忘れちゃいかん。

温泉の食堂で海鮮丼を頂いた。
水槽で泳ぐ魚をその場でさばいていた。
いくら、うに、海老、カニ、アジ、ぶりなどの刺身がご飯の上でオドル。
震災や原発で暗いニュースばかりが続いていたが、忘れて踊りたくなった。
ごちそうさまでした。

オフタイム!・・・身も心もスッキリしました。
どうもごちそうさまでした。

劇団員たち、ついて来れなくて残念でした。
おみやげをいっぱいもらったので・・・許してね。

【24】4月26日(火)中央公民館



夕方6時から熊本演劇人協議会の会計監査が入った。稽古とのダブルブッキングである。
商学部を卒業した身としては会計監査は得意分野だと思われがちだが・・・会計学と簿記で留年してしまった劣等生だったのである。今更、「会計って何~?」である。
年をとるとお飾り的な役になってしまう慣例があるが、私はそれか?・・・嘆かわしい限り。反省。
会計監査の会場が熊本県立劇場だったから、いつものように事務所駐車場に車を置かせてもらって挨拶すると、「駐車場代400円頂きます。」と言われてしまった。あれれ?いつから有料になったの?・・・堂々と払いませんでした。事務所の駐車場ですから。
会議を途中で退散する。ここでテンションを上げる場合ではない。稽古が気になる。テンションは稽古場で上げよう!

稽古場に到着したのが7時半を回っていた。役者たちは一汗流し終えていた。ダンスのマミ先生が指導してくれていた。みんなの顔がイキイキしているではないか。おや、私は稽古場でも煙たがられているのだろうか?・・・お飾り的な演劇人協議会の場合だったらはわかるのだが。

旅公演スケジュールの件や6月~のイベントの件などをチェックして、ラストの場をあたる。
稽古場の熱気が心地良い。先に光が見える。
しかしまぁ、この劇団は萬の役者が揃っていると自慢したくなる。

稽古【19】【20】【21】

2011-04-22 23:33:44 | モノローグ【エトセトラ】
身体の在りか

「ことば」又は舞台では「台詞(せりふ)」と言うが、今、小劇場では「ことばの時代」だとも言われるようになった。基本は台詞である。つまり、一個人である劇作家の脳内に反映された「物語」を再現させる道具が俳優という位置づけになる。
演出の仕事は「伝える」ために台本ー役者ー観客の関係を整理する。つまり、稽古場では交通整理する役目があると考えられている。
一見、合理的なようだが・・・。演劇の現場は「ことば」を「整理」することでは簡単に流れていかないことの方が多い。本を読んでいるだけでは劇にならないと思っている。

劇作家、演出家、俳優、スタッフも生身の人間である。
生身であるが故に、ロボットのように一寸の狂いもなく同じことを繰り返すことを良しとしない。
様式だけを作っていても、作り手に感動がなければ送り出すことはできない。

昨日と今日のズレが「進化した。」と思えることが正しいと思うのだ。ズレを肯定しながら新しいことを発見する。・・・同じことの繰り返しに安心はするが、それは覚えたことを発表するだけの「ロボット演劇」に過ぎない。悲しいことである。人間の業ではなくなる。

肉が語る。血が語る。オドル。歌う。そして、私は役者の身体を復権させようと稽古場にいる。
美しき役者たち。お客さんが対面するのは役者たちなのである。ここにはロボットではない肉体がある。呼吸もすれば涙も血も流れる。生きているのだ。



【19】■4月20日(水)中央公民館

「身体の在りか」は「KAGUYA」に通じる。「命」とは何だろう?生きている者たちが背負う大きな課題だ。そして死んだ者たちから学ぶことが大きい。
稽古場では泣き台詞の時に笑いながら表現する。すると、悲しみが深まる。テクニックでは通用しない。ある場面で「無言」に挑戦した。テーマはあるのだが、そうは見えない。突然、他の「あらすじ」が横切る。

【20】■4月21日(木)清水市民センター

販売機でコーヒーを買ったら誰かがコーヒーを取り忘れたのか、受け口に2本あった。私は拾得物を着服した。ドロボー!・・・新人=赤井犬彦さんと分けた。これで共犯者となった。罪は私の方が重い。
犬彦さんに手で話す演技を言う。手話ではなく、唐十郎さんが喋る時の特徴をパクル。芸を盗む。ドロボーだが、これは犯罪になるのだろうか。

【21】■4月22日(金)中央公民館



役者は伏せるが、下ネタがアドリブで出る。猥褻(わいせつ)?・・・叩かれたら闘う覚悟はあるやなし?下ネタはおおらかにはなる。だが、・・・。
個人感情の幅は一定ではなく、それを聞くと不愉快と思う者もいるだろう。東京都では「不愉快条例」なる訳のわからないものが成立したと聞く。一見、アニメに対して過激な性描写禁止条例なのだが、個人の想像力までも管理され思想信条まで及ぶことになるだろう。
さて、猥褻を形としてゲージツに昇華させましょうか。・・・チホーえせ文化人、立つ。息子さん、起立!元気が出る。

KAGUYA 鏡よ

2011-04-16 23:10:31 | モノローグ【エトセトラ】
鏡は使い方によっては不思議な世界を写し出すことがある。
私が子どもの頃、家で目の下に手鏡をかざして歩くと天井が地面に見えた。天井を歩いて見える。
天と地が逆さまになる。電球をまたいで歩く。うっかり縁側から転げて落ちた。
痛い目に会って、鏡の世界から帰り着く。

【18】■4月16日(土)武蔵ヶ丘教会





「KAGUYA」18回目の稽古。アドリブが飛び交う。私たちの劇団はアドリブを軽くみない。
本番中のアドリブは良しとしないが、稽古中では劇の潤滑油になる。
アドリブがアドリブではなくなる。まるで「天の声」のように流れが良くなる、こともある。

小道具として手鏡を使っている。道具が劇を思わぬところへ運んでしまう。
明かりが反射する。光が壁を走る。偶然が劇を生み出す。モノも生きている。モノも劇に参加してくる。モノが主張する。

こっちにおいで~

月と地球を結ぶ穴が無数に広がる。天と地が逆さまになる。不思議さは怖くて面白い。

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公演告知
劇団夢桟敷No.56「KAGUYA」
5月13日(金)pm7:00
5月14日(土)pm3:00/pm6:00
5月15日(日)pm3:00
会場:ギャラリーADO
熊本市河原町2 問屋街通路
料:1500円 
メール予約: yumesajiki@ybb.ne.jp■tel/fax 096-343-0334
作◎夢現/構成演出◎山南純平/音楽◎中村のわーる
出演◎夢 現/坂本咲希/田中幸太/工藤慎平/肥後丸./赤井犬彦(新人)
ダンス振付POP編◎山本真実/中村大輔

kAGUYA 実験

2011-04-15 23:39:55 | モノローグ【エトセトラ】
人生、山あり谷あり。日常の起伏をもっと大きく!それが劇だ。
最近、稽古場で吐くことば、「中途半端はやめて」である。スカッとさせたい。来て下さるお客さんが日常のモヤモヤをスカッとするような劇を作る。
稽古は劇の作業場。私たちは実験室と呼ぶ。失敗は成功の元。大いに失敗する。あ~でもない、こ~でもない!失敗することで学ぶことが大きい。

公演までの稽古日記を綴っています。


【16】■4月14日(木)清水市民センター

「KAGUYA」の稽古に入って16回目。場面の意味を語りながら進めている。内部では通用するのだが、こんなことを劇で説明するとシラケルだろう。
私は稽古の1時間前は「今日の稽古のプラン」を練っている。タイムスケジュールではなく謎を持ち込む。

その1、千年前から蘇るとは?
その2、あり得ないことが起こるとは?
その3、今、一番長く生き続けている生命とは・・・?

劇は謎を残したまま終わっても良いのではないだろうか。
登場人物たちはこの世の者ではない。そして、人間である。

【17】■4月15日(金)亀井公民館


怨念女優である。頭ごなしに怖い。

ダンス振付の中村大輔さんが来られた。
筋肉がPOP用にできていない役者陣が肉体的に改良されていく。
あともう少し!今のところ動きが重い。表情だけでも笑え!苦しい時に笑え。

ある場面でBGM無しのオドリに挑戦している。これはPOPに繋げていくための実験です。

KAGUYA 劇的に

2011-04-13 23:28:10 | モノローグ【エトセトラ】
熊本チホーは桜も散りミドリに変わっています。
声なき声が聞こえる。

「時が来ました。この世での修行も終わりました。滅私不死の新たな修羅場へ参ります。」
かぐやはそう言い残して月に帰った。
あれから千年。・・・再び、かぐやは戻って来た。人間の姿をしているが、妖怪となって戻ってきたのである。

公演までの稽古日記を綴ります。


【15】■4月13日(水)中央公民館



公演まで一ヶ月になった。慌てない。じっくり腰を据えている。傍からみればノンビリしているように見えるだろうが、役者の身体作りとヒラメキに集中する。

今日はダンスレッスンに1時間をかける。ほぼ振り付けが見えた。
場面の繋ぎに課題を残しているが、頭の中の計算と現実の食い違いを見極めることが大切。身体で覚えていることを優先したい。
MAMI先生(通常はマミちゃんと言っている!)にはお世話になっております。
彼女とはユニット笠戸丸「ボクノフルサト。」ブラジル公演(2009。2)でタップダンスのコーチ、振付、出演からの仲間として関係が続いている。身内、家族同然。

劇団夢桟敷でのオドリは日本の伝統芸能、パントマイム、暗黒舞踏などの様式をサルまねのように据えてきたが、POPダンスを経験することにより、オドリの幅は広がってきている。同時に共通点も発見するようになった。
オドリに流派なんてものは関係ないとも思えるようにもなった。オリジナルはより多くのものを吸収した中から芽生えるのです。

いよいよ稽古も後半戦へとススム。じっくり行こう。

KAGUYA コロス

2011-04-11 17:24:27 | モノローグ【エトセトラ】
このブログで「反原発」を表明したら匿名さんから「コロス」とコメントが返ってきた。穏やかではないが、カタカナの「コロス」であるから「ことば遊び」だと思って軽く流した。
原発の推進派からチェックされているようである。否、内容は韓国や中国が「福島原発放射能汚染について情報を明らかにしていない。」と日本政府に抗議したことに差別意識丸出しにした脅迫文であった。ネットウヨクの嫌がらせだろう。・・・「お前は中国人や朝鮮人を味方するのか?」だと。私は敵ではないと思っている。友人だ。ともだち。
韓国や中国に限らず世界は日本の原発事故を危機として捉えている。放射能汚染は一国では止まらない。汚染に国境などない。海や空は繋がっている。

さて、「KAGUYA」公演まで一ヶ月に迫ってきた。こんな時だからこそ劇作りにも熱が上がる。演劇も混沌としてきた。現実を映す拡大鏡となる。現実の歪みが大きく映る。

【13】■4月9日(土)/武蔵ヶ丘教会

新人=赤井犬彦(38)さんが頑張っている。面白いキャラクターの持ち主。ワンポイントでの出演デビューになるが、このキャラは演劇界では希少価値になるだろう。笑いが豪快。今、この豪快さが必要なんだ。
海幸大介(32年前の旗揚げメンバー)が稽古場に来た。稽古終了後、彼のお酒持ち込みで自宅事務所でお楽しみ会となる。
彼と呑む時は昔話に花が咲く。そう言えば、「殺す!」という台詞を頻繁に使っていた。犯罪事件をテーマにしていたからである。現実で起こったことを舞台に転がすとは?演劇は世の中の拡大鏡の役割がある。

【14】■4月10日(日)/武蔵ヶ丘教会





ダンス振付のDAI&MAMI両先生が来られた。基本的なレッスンを受けているが笑えてしまう。ぎこちないところが見える。徐々に身体がPOPになっていくのだろう。
タナカコータ(写真上)は大丈夫だろうか。頑張り過ぎて肉離れしないか心配である。クドシン(写真下)の足の開き具合が小さい。二人とも身体が固いからな~。
私は見てヘラヘラしているだけ。自分は安全な場所にいる。・・・東京電力の社長か?~

稽古終了後、両先生たちと自宅事務所で呑む。新しい風を感じる。
7月の河原町「アートの日」ではPOPダンスや劇団夢桟敷、コスプレ大会などのコラボをやろう!
美術の人たちとのコラボ「エロチズム」物語も発案している。

混沌の時代には新しい価値が生まれる。この波を送り出そう!

KAGUYA 妖怪

2011-04-09 17:12:29 | モノローグ【エトセトラ】
竹から生まれた?かぐや。桃から生まれた?桃太郎。瓜から生まれた?瓜子姫。日本のおとぎ話の主人公は人間なんだろうか?乙姫さまから色仕掛けで溺れた浦島太郎は精気を吸い取られた色男?・・・そして、登場するはみんな妖怪である。
稽古は新たな妖怪探しに明けくれている。

【10】■4月6日(水)/中央公民館

5月公演(13日-15日、河原町ギャラリーADO)に向けた「KAGUYA」稽古の10回目である。
肥後丸女史(瓜子姫のウリリン役。クリリンのことではない)がチラシデザインを持って来た。モノクロで女性の顔が浮かぶ。公演に向けての熱が高まった。イメージはデザインからも繋がる。もう、始まっている。
稽古終了後、クドシン(小さいタロー、桃太郎役)から人生設計を聞く。将来に向けて一生懸命なんだなぁ。私は目先の劇に目が奪われているというのに・・・。

【11】■4月7日(木)/清水市民センター

ダンスのMAMI、DAI両先生が来て、早くも振り付けが始まった。

リズムとスピードに乗れるだろうか。心配無用だった。軽やかさと激しい動きを楽しんでいる。
理屈抜きに乗る。身体ごとメリハリ、波を送れる確信がある。

稽古終了後、我が家にて・・・新人歓迎会をする。たこ焼きパティー。

(新人=赤井犬彦38才。写真中央)
前回公演「ねじ式」3月ではカツラのカットなどでお世話になったが、そのまま入団となった。音楽の中村さんにしろ、肥後丸女史の関係なんだが、彼女の人脈は多才な方が多い。

【12】■4月8日(金)/亀井公民館

福岡からの見学者(Nさん・大谷短大生、演劇専攻)が来られた。来年の卒業で入団の希望あり。
福岡から「疫病流行記」と「ねじ式」を見てもらっている。夢桟敷の劇がどのようなものかわかって入団してくる人は馴染むのも早い。
ハタチにはなっているので近くの居酒屋で一杯!いきたかったが、彼女は大学で5月の京都公演準備のため帰られた。



昨年末で上演した、演劇エクスプレス 大阪⇔熊本「かぐや」の妖怪たちは進化し続けております。
ところで、5月公演の一週間前に下関市で母の49日と姪の結婚式がある。三泊四日になりそう。
う~、や~、た~。・・・私の劇団員バナレも短期間ではあるが試される。
親の子離れ、・・・ちょっと苦しい。

うんこ パワー

2011-04-06 23:20:58 | モノローグ【エトセトラ】
天変地異。

3,11東日本大震災から1ヶ月が過ぎようとしている。
大地震・大津波、自然災害からの復興は遅々として進まないが、それでも希望はある。
人類の歴史は災害からの立ち直りの繰り返しだったのだ。ここにドラマが生まれ、私たち演劇人がなすべきことは勇気を送り出すこと。
つまり、この時こそ、パワーが問われる。

一方、原発破壊による放射能汚染なる人災。
原発に未来はないという警告を受け止めたい。これは危機であり、私たちが大いに反省しなければならない利益や豊かさの裏返しだ。
懐柔策を見破ることが、人類の英知なのだ。

声をあげる!
今ある原発を潰せ。原発に頼るな。・・・繰り返すな、ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ。

3.11。その時、私たちは演劇「ねじ式」公演初日だった。
惨状の最中、ネタとして「うんこパンツ」「うんこスープの作り方」などをヘラヘラと演じた。
今、思えば、これもパワーだ。「うんこ」に信念さえ感じる。冗談のつもりが、本気の真面目な「うんこ」になってしまった。


次回公演「KAGUYA」の宣伝美術(デザイン(C)higomaru)より。

KAGUYA 黄泉

2011-04-03 23:10:33 | モノローグ【エトセトラ】
現実の出来事なのか、嘘っぱちの舞台なのか。・・・私は舞台ではリアリズムを追求しない。ホンモノでなくても良いと思っている。つまり、虚構である。
だから、KAGUYAは一度も見たことがない黄泉=あの世を表わそうと思う。行ってきたような嘘の舞台。虚構をご覧あれ!という訳である。こんなバカげたところで本気になっている。

【7】■4月1日(金)/亀井公民館

エイプリルフール。今日は4月バカでした。・・・この日を毎年、楽しみにしている友人知人が多い。自分のジョークのセンスを大手を奮ってご披露してくれる。ツイッターやブログなどで「会社、クビになりました。」とか「火事です。」など自虐的なことから「貸したカネ返せ。」の脅迫めいたことまで・・・。はっきり言って、付き合ってはいられない。知りつつ、私は直球返しをした。

「この、嘘つき!」

四月バカとは関係ない真面目なメールや電話などでもそう答えた。会議のお知らせ、電話代の請求にも「この、嘘つき!」である。腹の底から笑えたのだが、相手様は困ったことだろう。地方選挙の立候補者たちにも同様に答えた。私は洒落のセンスがない。

稽古の方は全体の3分の1くらいまでは見えるようになったが、後は闇。暗中模索である。追いつめられていく感覚が良い。平安な大道などない。竹藪にハマった迷路の中にいる。・・・おや?光るものがある。何だろう。

稽古終了後、クドシン、サキ、座長とブラジルの酒ピンガを呑む。演劇論一切無し。生活の厳しさが胃肝臓(イカンゾー)に染みわたる話。若さは悩みが特権である。落ちれ!そして這い上がれ。この時代に通用するだろうか。へへへっ。

【8】■4月2日(土)/武蔵ヶ丘教会

トラブル発生!田中幸太、目の筋肉痛。ずっと横目流しを続けていたために眼球に痙攣を覚えたそうである。笑う者はいなかった。笑ってはいられない。
場合によって人の痛みを笑う者もいるが、この劇団にはいなかった。

クドシンに元気がない。これも心配であった。
落ちて這い上がれの精神は通用するか。役者として伸び盛りの時期だと思っているのだが、自分で克服するしかない。
もしや、「ねじ式」で燃焼してしまったのではないだろうか。そうだとすると救いようがある。
演劇は燃焼の繰り返しだからだ。

新人さんのテンネンパワー炸裂するか。私は新鮮な気持で彼と付き合う。


【9】■4月3日(日)/武蔵ヶ丘教会



POPなオドリを!・・・今日はMAMI先生、DAI先生のお二人が稽古場にやって来てくれた。
1時間ばかりダンスの基礎レッスンを受ける。座長もついて行っている。年齢の割にタフだな~。
昨日の眼球疲労の田中幸太、落ち込んでいたクドシンも元気になった。
ヘタではあるが、劇団員一同、オドルことで明るくなる。目指せ!POP。
サキ、肥後丸のセンスは良い。冗談抜きでPOPになろうとしている。先が楽しみになる。
さて、私は構成の仕事に追われる。其々の役柄にドラマを持たせようと思う。脇役だろうが遣り甲斐がなければ熱が入らない。



稽古終了後、自宅事務所でダンス先生方と呑む。呑み過ぎた。
キッチンが揺れているようでこけた。只の酔っ払いお爺さんになってしまった。
私も落ちて這い上がらなければ!