山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

鉄不足【貧血】

2015-03-31 20:44:30 | がん治療日記2015-
昨夜は10時消灯だった。通常、10時というと稽古が終ってファミレスか居酒屋食堂へGo!の時間です。寝るには早過ぎる。しかし、これが入院の生活。長い夜だった。眠れない夜だった。病室では目には見えないが「日本を戦争ができる国にしてはいかん!」と第8師団陸軍の若い英霊達の声が聞こえる。
劇団では昨夜、通常通りの稽古だったようだ。演出が座長=夢現(さかもとまり)で細かいことをチクチク言っているのではないかと心配?している。座長は細かいからねえ。丁寧に仕上がれば良いではないか!心配してもハジマラナイ。信用すること。自分のことを心配せい。
採血で貧血していることが判った。鉄分が足りない。今日は点滴でテッテ的に鉄分を体に入れることになった。目指せ、鉄人ヘモグロビン男!そうしなければ抗がん治療に取りかかれないのです。…どうやら明日も採血ー鉄分補給の点滴はつづく。ふらつきもめまいも自覚症状はないのだが…。
今日の夜は座長同伴でイシャ(教授)から詳しい説明を受けることになった。耳で聞いても通り抜けることがあるのでメモを残しておこう。
「このまま貧血が長引くようだと手術を先行することもあり得る。」白い巨塔のイシャ(教授)は素早く言ってくれた。

入院初日

2015-03-30 17:43:11 | がん治療日記2015-
手術前化学療法(リンパ節に転移したがん細胞を抑制する)で短期入院になりました。短期とは1週間くらいと聞いていますが「くらい?」は具合によっては長引くこともあるらしい。
実はベッドが空かず、先週には入院する筈が1週間遅れになり、4月5日(日)に予定している舞台で使う映像撮影に参加できるかどうかビミョーです。しかし、そこはイシャ(教授)と話し合いをしなければなりません。話し合いもビミョーなことばかりを予感しています。体の事は自分の気分だけでは図れず、キッチリ数値で図られます。
もう一つ、熊本と札幌公演のスケジュールの調整もしなければ!…今までも綱渡りだったから、ケ・セラ・セラと表向き不安な顔はしません。デキテイタからです。
体と演劇はどちらが大事なのよ?…「それは命です。」つまり、欲張りだから体と演劇が「命」です。命は二つのみならずどんどん広がる。場合によっては無限大になります。
入院1日目。いよいよ検査から治療に入りました。血液検査をしたところ貧血気味と言われた。貧血?自覚症状はない。兎に角、鉄分を基準値まで投入することになった。
午後3時過ぎに座長が仕事を早く切り上げて「白い巨塔」にやって来た。「何か欲しいものは?」と言うので「鉄」と言った。
劇団は夜稽古です。稽古場にいれないことが残念。もう少し落ち着いたら抜け出すのだが…。
初日は白い巨塔で迷いそうになった。うっかりして自分の部屋番号を覚えていなかったからです。

おやじ男優Z(2)

2015-03-29 12:10:29 | 企画2009~2015
Mr.Pink池島ゆたか監督「おやじ男優Z」主演のなかみつせいじさんが熊本にやって来ました。というより、帰って来ました。
なかみつさんは山鹿出身であり、高校卒業後の浪人時代は熊本市でも暮らした経験があります。旧友で腰痛持ちの私の知人でもある元サザンカンフォートのメンバーだった人とも30年ぶりに会いました。名前を出してもいいのかしら?
東京でもたつのすけさん(ミュージッシャン;元リオ)や山本修生君(漫画家)とも交流があり、初対面にしては古くからの友人だったようにも思える程だった。愉快に酒を呑む人に悪い人はいない!
なかみつさんはピンク映画やドラマ、舞台でも活躍されており、今年の6月末には熊本市で自主上映作品「おやじ〜」を上映する会場を選定下見することで帰って来たのです。
夕張国際ファンタスティック映画祭でも高い評価を得ており、日本各地でも上映会が開催されており、熊本でも是非、成功させたいと応援していこうと思います。とりわけ、熊本では彼のふるさと上映会として盛り上げたいものです。
AV業界の裏のウラが人情ドラマとして見れます。
さて、明日より短期入院なのだが、この作品をどうアプローチするか作戦を病室で練ります。女性や精力が落ちた男たちを巻き込みたいですね。
芸術か娯楽か?私は良いクスリになるとオススメです。

幻視力【げんしりょく】

2015-03-24 02:01:34 | 透明人間三部作-2014-2015
原子力ではない。幻視力のことである。
幻視は自家発電する。こころから発電する。

「ねじ式」で登場する「謎の産婦人科の女医」がいます。思いがけないことになります。
キャスト紹介では「謎」と表記している女医です。
プロレスに例えると覆面レスラーのつもりでした。
さぁ、どうする?
謎のままに通り過ぎてしまうのか?
今のところネタ公開はできませんが、思いがけないこととは衝撃的です。
今回は2ヶ所、映像を舞台に取り入れます。その台本に取り掛かります。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり
■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2
■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【出演】
工藤慎平/坂本咲希/肥後丸./太郎ピーチマンション
海幸大介/東田まなみ/夢現/山南純平
【スタッフ】
坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
予約■yumesajiki@ybb.ne.jp
ウェブ予約■https://www.quartet-onlie.net/ticket/nejishiki

■(余談)
最近、春の陽気に誘われて散歩をすることが多くなりました。
糖尿の傾向もあるらしい。テッテ的に身体を調べられ、生活習慣を変えなければなりません。
今週から一週間の入院です。白い巨塔のイシャは闘ってくれています。演劇とビョーキのバランスをとったり、スケジュール調整が大変です。
安静に?
現実はそうもいきません。元気の素(演劇)が生き甲斐になるからです。

開花宣言。

2015-03-22 12:04:56 | モノローグ【エトセトラ】
熊本では昨日の春分の日に開花宣言されました。
一本の桜(ソメイヨシノ)の木に5~6枚ひらくと気象庁より開花宣言されることになっています。
日本人のアホの一人として「呑めや歌えや!」花見シーズンは楽しみです。海外の人から見れば「何故、そんなにバカ騒ぎするのだろう?」と不思議の国ニッポンに思われます。
「キサマとオレとは同期のサクラ♪」と短い命を戦争で散らされた軍国時代もありました。うん?過去形なのだろうか?
戦後資本主義を担った経済戦士が朝早くから花見の領土を確保するために争ってブルーシートを敷く姿は逞しくもあり、滑稽でもあり、悲しくも見えます。
イベントとは何でしょう。文化とは何でしょう。
悲喜交々、新しい春がやって来たのです。
今年も一杯やっか。・・・残念ながら私は酒を禁じられております。お茶で一杯やっか。
今週より一週間の短期入院になっており、それが明けたら満開になっているでしょう。その時は楽しく騒ぎましょう。

路地裏の下見

2015-03-21 19:27:39 | 透明人間三部作-2014-2015
メメクラゲに噛まれた青年が「イシャはどこだ?」と町を彷徨っている舞台場面では映像を取り入れることにした。
その撮影現場の下見でタロー君(劇では新田のマサジ役)と河内漁港(熊本市西区)に行った。
昭和のレトロ感あり、路地裏あり!廃墟の倉庫もあり。
画面が揺れながら、青年の目線で風景が流れる。通りすがりのキツネたち、マント姿の鳥人間(大きなカラス)たちも登場する。
ロケとしてはハマった場所だと思った。雨天ではない場合、ここに決定!
今から映像用の台本も作成する。
撮影許可をとるための事務的な手続きをとった方が良いだろう。
タロー君が調べたところ、撮影支援などをおこなう部署が県庁(観光経済)や市役所(観光文化)にあることがわかった。ここがサポートの窓口になっている。
来週から手術前治療で1週間の入院になっているのだが、今からは自由に動ける時間調整で骨が折れる。ま、困難な時の方が集中力は高まるというものだ。
撮影日は4月5日(日)を予定している。さて、出演者たちの調整は如何なることになるか?集団での時間調整も容易なことではない。

テスト投稿(iPadより)

2015-03-19 09:55:14 | がん治療日記2015-
「からだ」の問題は役者体に留まらず、健康を回復するための癌治療に直面することになりました。このことが日常生活で頭から離れず、日々の治療現場や思いなどを書こうと思います。
来週より1週間、白い巨塔にて手術前治療で入院の予定です。
その後、3ヶ月くらい通院しながら、根治切除可能な進行直腸癌に対する術前化学療法に入ります。
手術のための入院は6月下旬からか?
何れにしても秋までは演劇の活動と治療のスケジュールの調整がうまくいくかどうか。そこのところをこなさなければなりません。
「山南ノート」では癌治療日記をテーマにしたカテゴリーを新たに設けます。
今日は初iPad投稿です。
テスト投稿として掲載しました。
あくまでも「生きる!」を念頭に置いておりますが、舞台で倒れるのか、ビョーキで倒れるのか、こころの弱さなどもさらけ出せる日記になれば!とも思っています。

春ですね。

2015-03-16 23:39:05 | モノローグ【エトセトラ】
春らしい陽気が続いている。日一日と食欲と性欲が旺盛になる気分だ。欲望に任せることはしない。制御しつつ春を生きる。我慢する力を確かめています。
先日の日曜日に男三人(大介、太郎君と私)で福岡の仮面工房の稽古場まで見学に出かけた。
「安静にしろ!」と言われれば外に出かけたくなる。誰かに会いたくなる。そうすれば気分が晴れるのです。
以下、仮面工房の熊本公演ご案内です。(写真は仮面工房の皆さんです。)

劇団仮面工房第31回公演 「不夜城~FUYAJYO~」
作、演出 大谷 豪
日時  4月25日(土) 15:00~、19:00~
   4月26日(日) 15:00~ 
(3回上演、いずれも開場は開演の30分前)
会場  GALLERY ADO (熊本市中央区河原町2)
料金 前売券 1,200円  当日券 1,500円
お問合せ  080-5600-2971(賀久)
mail  kamenkoubou2010@gmail.com
街の喧騒から逃れるように、薄暗い地下倉庫、喫茶「不夜城」には珈琲の香りとともに静かな時間が流れる。
弱いものとは何なのか、
強いものとは何なのか、
地下からの薄暗い階段は昇りづらく用心しないと踏み外してしまう。
仲間を装い
正義を装い
この街は何だか、
彼らに似ている。

窓を開けて春の匂いを感じたいと思った。いかん!花粉症か?涙とくしゃみが止まらなくなった。窓を閉めて景色を眺めることにした。
明日はMRIの検査で白い巨塔に出かける。直腸周辺のリンパ節に癌が転移している。手術前に化学療法でこれを抑えることになった。ステージ3である。欧米では一般的に行われる療法だが、日本では珍しいらしい。「手術後の再発の確立を抑えるためだ。」と白い巨塔が言っているので従いましょう。副作用があるらしいが、それも我慢する。未だ、演劇を続けたい意志が強まっているからです。

母+エロスの謎

2015-03-14 03:50:00 | 透明人間三部作-2014-2015
「ねじ式」に登場する「切っても切っても金太郎飴のおっかさん」と「産婦人科の女医のエロス」について書こうとするも、今日の私的日常の直腸癌検査結果が気になって台本を書くのに集中できなかった。情緒不安定です。気持ちがふらふらしている。なんて小さいおっさんなのだ!と情けなさもある。
まるで「ねじ式」に登場する青年の彷徨い「イシャはどこだ?」を追体験しているようでもある。追体験というのは青年の金太郎飴の婆さんに対して「もしや、あなたはぼくのおっかさんではありませんか?」の問いかけと「できたら産婦人科の女医が絶対必要なのです。」に同意共感してしまったことだ。
何だ?この妄想と現実の密着した距離感は?あたかも社会不安と私の体の内部の不安が溶け合ったかのようにも思える。
予定では今月の中旬から入院手術のつもりだったのだが、手術前に放射線治療と抗がん剤治療を行ったあと、切除手術を行う方針が固まった。再発の確立を下げるための処置だと言われた。
白い巨塔と泣く子にはかなわない。稽古や公演スケジュールに不都合があってはならないのだが、座長=夢現の演出と劇団の出演者たちの力を発揮する良い機会だと思う。ある意味、災い転じて福となす。
明日(土)には「母+エロス」の場「産婦人科」を書く。
台本上では産婦人科の女医は謎の登場人物になっている。誰が配役かを決めていない。ミステリアスな場面という訳だ。書きごたえがある。
隠し技は公演当日までは秘密にします。それは見られてナンボーの劇としてお楽しみにしておきたいからだ。
「夢日記」は私小説を突破します。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり





(注)ここに掲載されている写真は2011年「ねじ式~復活篇」の舞台写真より。

■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2

■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【登場人物・・・出演】
青年・・・工藤慎平
キクチサヨコ・・・坂本咲希
コバヤシチヨジ・・・肥後丸.
新田のマサジ・・・太郎ピーチマンション
天狗堂・・・海幸大介
金太郎飴の母・・・夢現
無能の人・・・山南純平
産婦人科の女医・・・謎
【スタッフ】
東田まなみ/坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
予約■yumesajiki@ybb.ne.jp
ウェブ予約■https://www.quartet-onlie.net/ticket/sejishiki

PETーCT検査

2015-03-12 12:39:09 | モノローグ【エトセトラ】
昨日はほぼ一日中、造影剤を点滴されて放射線による検査だった。
途中、4年目3.11追悼のアナウンスが院内に流れた。
検査は二重扉の奥の奥で隔離された所で行われた。
携帯も本も持ち込み禁止で完全安静でなければならなかった。
検査中は身動きしてはならず、両腕を縛られていた。言わば監禁されていた。独房の囚人気分だった。
終わったら検査結果と入院手術の説明があると聞いていたのだが、明日に引き伸ばされた。
手際よくサッサとやってくれないものかと不満が残ったが、白い巨塔の都合は個人には合わせてくれないことがわかった。
それにしても同じ境遇に置かれた人たちの多いことよ。待たされることにも慣れてしまった。

穴を塞ぐ

2015-03-09 14:06:25 | 透明人間三部作-2014-2015
早朝AM5:00-より悪夢にうなされて目が覚めた。
どんな夢だったかと言うと、・・・体の穴という穴から抜け出していくナニガシである。
ナニガシとは何か?何かわからないから、ナニガシと言おう。透明なものだ。
目が覚めてから、とりあえずティッシュで栓をした。夢だとわかっていても、そのよな行動で自分の身を守ろうとしたのだった。
せっかく早起きをしたのだから台本を書こう!
ところがエンジンがかからない。こういうこともあるさ。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり





(注)ここに掲載されている写真は2011年「ねじ式~復活篇」の舞台写真より。

■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2

■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【登場人物・・・出演】
青年・・・工藤慎平
キクチサヨコ・・・坂本咲希
コバヤシチヨジ・・・肥後丸.
新田のマサジ・・・太郎ピーチマンション
天狗堂・・・海幸大介
金太郎飴の母・・・夢現
無能の人・・・山南純平
産婦人科の女医・・・謎
【スタッフ】
東田まなみ/坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
予約■yumesajiki@ybb.ne.jp
ウェブ予約■https://www.quartet-onlie.net/ticket/sejishiki

小春日和の家族一景

2015-03-08 23:06:51 | モノローグ【エトセトラ】
昨日より横浜から友だちの結婚式に出席するために息子の冬馬が熊本へ帰って来た。ということでファミリーがわが狭いレトロアパートへ集まった。
次男悠夢の三番目の孫(9ヶ月女子)を中心に「おぉ、この子は愛嬌笑いをする!」と大いに盛り上がる。「笑って!」と言うとそれに応えるところが愛嬌だ。
天使がいると家庭は明るくなる。嫌なことを忘れる。
そう言えば、わが娘、息子たちが小さかった頃も、貧乏のどん底にあっても笑顔で救われたものだった。天使の笑顔が親を親として育ててくれたように思う。
「親はなくても子は育つ。」と言うが「親があっても子は育つ。」ばかりでなく親として育ててくれる。
子は授かりものだ。血は繋がっていなくても年齢的に子どものような劇団員たちと接していても天使に思える。こちらは大きな天使たち。見ようによっては怪物にも見える。愛嬌がある。
今日は朝から座長の実家(熊本県山都町)に出かけた。大おじいちゃんの退院祝いも兼ねていた。
冬馬の帰省も一泊二日だったが、大家族を味わった。
大家族と言えば、明日からも劇団の厳しい稽古もつづくよ。
私の身体の検査も残すところ後一回。PET検査でシリツ(手術)と入院の方針が出る。苦しい時の愛嬌を忘れないようにしようと思う次第である。

密室から飛び出す

2015-03-07 12:33:05 | 透明人間三部作-2014-2015
密室を意識しています。どうやら、この時代は秘密めいている。本当に知りたいことがニュースで流れなくなってきているように思っているからです。
福島の原発汚染はどうなっているのだろう?沖縄の軍事基地は?どうも都合の悪いことが伏せられているように思えて仕方ないのです。
情報は操作、誰かに管理されてしまっている。不信感が積もる。
同時に秘密をこじ開けたい衝動に駆り立てられる。そのためにはアンテナで受信する性能をアップしなければ!

次回公演「ねじ式~夢日記より」の台本を半分くらい書き終えた。
これより台本を持って稽古に入れる。
「透明人間 三部作」のエピローグだと位置づけた台本。「完結篇」としているが、劇で完結することはない。謎が謎を呼ぶようなものだ。
登場人物やキャストは決定したものの、「産婦人科の女医」「キツネ」「カラス」は誰がやるのかは決めていない。何故ならば、ここに透明性、空想を広げていくバネになる仕掛けを企んでいるからです。
書く方は面白がっているのだが、演出や出演者は苦労するに違いない。面倒くさい、容易なことではできないことが劇だと思っている。
地道に取り組もう。・・・合言葉は「ハメを外そう!」である。想像の翼を広げよう。

誤植が不思議さを増した

2015-03-05 16:59:40 | 透明人間三部作-2014-2015
「ねじ式」(つげ義春)の冒頭では「メメクラゲ」からハジマル。
原作者は「××クラゲ(ばつばつくらげ)」と記されていたが、写植する際、「××」を「メメ」と読み間違えて出版された話は有名である。
いずれにしても実在するクラゲではないらしい。実在しないから「××」としたのだろう。更に誤植によって「メメ」が普及され、「メメ」が一人歩きを始めた。
メメクラゲは血管を食い千切る程、凶暴なクラゲであり、人の命を奪う程、猛毒を持つクラゲであるに違いない。
例え火の中、水の中、夢の中の出来事であろうと、メメクラゲに噛まれた夏の日の青年はたまったものではない。
「ぼくは死ぬかもしれないのです。」
誤植によって名付けられた「メメクラゲ」は恐怖のリアリズムである。実在しないモノは、実在するあらゆる恐怖をも連想してしまう。
メメクラゲを現実に置き換えると、私たちには見えないもの、目を逸らしたくなるようなもの、言わば「透明な恐怖」と対面することになる。つまり、隠し通せない理不尽が見えてしまうのだ。
青年はふらふらとイシャを探し求めて漁村を彷徨う。その姿が孤独だ。ここに共感するのです。
右向け右!・・・青年は孤独に歩いているのです。
文明から取り残されたノスタルジックな風景に逆流する世界がある。
妄想ー空想ー想像は「現実逃避」とレッテルを貼り付けて馬鹿にする諸君には理解し難い力があります。
避難しましょ。たんたんとしなければならないのです。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり





(注)ここに掲載されている写真は2011年「ねじ式~復活篇」の舞台写真より。

■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2

■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【登場人物・・・出演】
青年・・・工藤慎平
キクチサヨコ・・・坂本咲希
コバヤシチヨジ・・・肥後丸.
新田のマサジ・・・太郎ピーチマンション
天狗堂・・・海幸大介
金太郎飴の母・・・夢現
無能の人・・・山南純平
産婦人科の女医・・・謎
【スタッフ】
東田まなみ/坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
予約■yumesajiki@ybb.ne.jp
ウェブ予約■https://www.quartet-onlie.net/ticket/sejishiki