夏の終わりに

　この夏は猛暑や殺人事件、台風や火山の爆発危機、安保法＝戦争法＝憲法違反・原発再稼働・東京オリンピック予算などに対する不信爆発、言わば激動の暑い時だった。
　テレビのニュースを見る限りではその激動は感じられない。言論や報道の制限が始まっているのでしょう。しかし、確実に若い世代も含めて社会の動きに対して敏感になり行動的になっていることも事実です。励まされます。
　そんな時に、私は直腸癌やリンパ節癌の摘出手術で2週間の入院をしていた。入院していると世界は萎縮する。大きな声が出なくなる。体重も７kg減った。ベッドの生活では他人任せになってしまう。自分で拳を上げることをしなくなる。口数も減りました。
　死んだふりをしよう！と思っていたのですが洒落にならないので出来ないでいます。やっぱり芸を見せるには関係と環境を整えなければなりませんね。
　我慢！もうしばらくの我慢です。
　夏は終わり、真っ赤なモミジが山を染める季節に向かいます。この季節はスキです。儚さがスキです。このような燃え方がスキです。
　（注）本文と写真は何ら関係がありませんでした。　

日々、ジワッ。

　ブログやフェイスブックを更新していなかったら、「身体の具合が悪くなったのではないか？」とご心配を頂いております。
　生身を切られたり、綣の横あたりからウンコを放出したりしていると気が滅入ります。人工肛門を繋ぐ袋の具合が悪く、隙間からウンコが漏れたりしています。不器用です。
　今日は強制的に更新しました。生きている証です。8月いっぱいはリハビリの為、我が部屋にてジワッとさせて頂きます。
　9月より術後の化学療法、11月には人工肛門を閉じる手術に入ります。こりゃ、時間がかかりそうです。
　

お盆、8.15

昨日より熱はないのだが頭痛がする。頭痛と言ってもキリキリ痛むようなものではない。どんより暴虐の雲が覆っているような気分である。モヤモヤには匂いがある。ジュルジュルした耳垢のような匂いで吐き気をもよおす。
8月15日。日本ではお盆であると同時に昭和天皇が70年前に玉音放送「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の日本がアメリカと連合軍との戦争に負けた日だ。いわゆる終戦記念日だった。
アベ談話が発表された。彼の未来志向がはっきりわかるものに見えた。「もう日本の子どもたちや孫たちが謝ることをしないで済む日がくることを」望んでいたのだった。そんなレベルだったのかい？戦争は彼に言わせると「喧嘩に負けたのだから、もう許してけれ。」に過ぎなかったのか。遠い過去のことなのかい？本質的にはそのような談話だった。情けないのが日本の首相になったもんだ。
未来志向は恐ろしい。着々とアメリカの世界戦略の罠にハマるニッポン、チャチャチャである。
お前(アベシンゾー)には子どもたちや孫たちを心配する資格はない。原発の再稼動や安保法をやめろ。
お盆も終わった。日本民族の大移動も今日で終わる。

お盆、子ぼん

熊本県山都町(旧、矢部町)では確実に人口が膨らんでいる。
盆と正月は里帰りの季節だ。車も県外ナンバーが目立つ。小さな子連れも目立つ。
我が息子ファミリーも集まり、明日はカブト虫採集をすると言う。ゴキブリの如く空を大量に舞っているから空振りすることはないだろう。
お盆ですよ。心の中では殺生は辞めなさい！と言いたいのだが、昨日と今日は美味しいものを食べ過ぎて言葉数が減っているのも事実です。

お盆(山都町)

熊本市内と5℃涼しい高原に来ています。
早いもので退院して3日経ちました。ベッドー起きるー食べることを基本に寝るのが大半だと時間の流れがわからなくなります。
今日は山都町(旧、矢部町)に来ています。座長の実家です。サキたちも墓参りして沢山の幽霊を連れてきて大変賑やかになりました。

退院です。

7月26日より直腸癌及び転移したリンパ節癌切除手術のため入院していましたが、本日8月10日(月)に退院することが出来ました。追い出されたのではありませんよ。白い巨塔発言で問題視されたのでもありません。円満な退院です。術後の経過も良く退院です。手術の大失敗で命の補償金を貰える夢は潰えました。それを期待していたファミリーや劇団員もいました。期待に応えられなくてザンネンムネン。分配はなくなりました。
今年1月末に公演が終わった直後より肛門から出血があり「これは痔だ。」と思い込み、軽い気持ちで町医者に飛び込んで検査をしてもらったところ、「直腸癌です。ここでは処置できませんので大病院を推薦します。」と言われた日にゃ、死を覚悟しました。生前葬の台本を書かなくちゃ。
ソルジェニーツィン「癌病棟」を想起しました。身近な方々も癌で亡くなられた。遂に私の番だ。
癌＝不治の病。ガ～ン！駄洒落を連発する日々が続きました。術前化学療法に入り、同時進行で公演が2本(熊本ー札幌)、ピンク映画上映会のお手伝いなど、治療と劇団の活動をやっていました。自分のことも心配だが、この社会も心配！ストレス解消にアベ叩きは心の健康にも繋がりました。叩かないとビョーキが大きくなる。最後には役に立てる人間として幕を閉じたい。
そして手術当日。直腸癌切除、リンパ節切除、人工肛門設置！一度に３つの手術をしたようなものです。穴を開けられ、電気メスでヘソ下を切られ、小腸末端から排泄できるように仕込まれ、まるで腹の部分はターミネーターのようになりました。
合併症も見られることもなく(男の一物は立派に勃起します。)、血圧、心拍、肺活量、血液検査による異常も見られないので退院することになりました。貧血も解消です。
さて、これからです。オマケを宣言したものの言動一致と行きたいものです。
グリコのキャラメルで言うならば、キャラメルよりはオマケを欲しがるものを作ります。はてさて、それはこれからの作戦です。
いきなりですが、「冠うんこのかい」を発足します。食べたり(嘘。うんこに近い美味しいカレーを開発)、うんこデザインを表現したり、うんこと健康が如何にカンケーしているか！追求します。
尚、人工肛門の期間は3ヶ月程度です。又、手術をして肛門と大腸を繋げます。この期間限定での冠うんこの会！お楽しみにして下さい。
なんちゃって、これが退院の挨拶かい？
ご心配して頂き、皆様にはご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます。そして感謝致します。どうもありがとうございました。

うんこ観察

暑い日が続いています。外では健康な人でも具合が悪くなるそうです。「暑くて気が狂いそうだ」と言っていました。午前中は見舞いに来られた自衛隊員さんたち数名と雑談していました。安保法を聞くと退席されました。
茶飲みロービーには誰がいるかわからない。因みに、患者さんで九州電力の幹部の方もおられます。知らん振りして、川内原発は再稼動中止すべし！と持論を語ると退席されました。人が散っていきます。
午後から劇団仮面工房の賀久さん、関さんが見舞いに来られ大福餅を頂きました。4時間程度話し込んでしまいました。話を聞いてくれるって、嬉しいったらありゃしない。
夜は息子のユウムファミリーが来る。島に行こう！と遊ぶ計画を練ったのだが、そんな時間が取れるだろうか？その前に自分の体力のことも考えなければ！腹を切ったばかりです。
明日もモーレツな暑さだそうです。モーレツが退院日となりました。厳しい娑婆で生きていけるだろうか。
逃げ足は遅くなりました。だが、秘密兵器が装備されております。人工肛門から飛び出すうんこ発射は武器にもなるだろう。
因みに今日の昼病院食はカレーライスでした。自分に装備している中味に似ている。こんなにウンコを見て生活すること自体、私にとってカルチャーショックであります。
知らぬ間にウンコを検索しているのであります。

なんと贅沢な日常

朝5時起きが習慣になった。寝るのに飽きた。なんと贅沢なことなのでしょう。
窓を眺めると雲一つない青い空が広がっている。テレビでは熱中症注意を促している。外界は猛暑で大変なんだ。
ベッド生活では至れり尽くせりである。朝から「午後の紅茶」である。なんと贅沢なことなのでしょう。
グッドモーニング「午後の紅茶」を飲みながら甲子園を観戦中です。なんと贅沢なことなのでしょう。
このような生活が続くとビョーキになるでしょう。
そろそろ社会の矛盾に目を向けよう。
戦後70年で何がどう変わってきたのか、気になることが多すぎる。

食べる。

半径3メートル(私生活の人間関係)で「白い巨塔」とはどこの病院なのか、バレバレになっていた。お世話になっている病院のことを「白い巨塔」と言うセンス、反感をもたれた実感はありません。四角四面の人だと叩かれるでしょうが、いい加減さを理解してくれて助かっています。
何処の病院なのか匿名にするつもりで「白い巨塔」と記したつもりだったが逆効果だった。小説や映画、テレビドラマで見たことがある人には容易に連想できる病院だった。大学の学長の椅子を狙って堕落する財前教授、いかにもありそうな病院である。いかにも名付け方が悪意あるものに思われる。その悪意はなかった。
だって、命を預けるのですよ。現金ではありません。命です。銀行と病院は比較出来ないのです。この病院のドロドロしたところは何も知りません。
意外にも私の担当医関係者がブログ「山南ノート」を見つけたそうで、「白い巨塔」と表記しているのを見て腹を抱えて笑ったと言う。自分では笑えるような面白いことを書いた記憶はありませんが。
この入院期間中に短編ドラマを一つ書こうと思っていましたが、「ぬ！」退院が8月10日(月)に決まりました。早すぎる！
と言う訳で「食」をテーマにこれからのステージ、美味しいものを探します。やっぱり、楽しみは食べることですね。

NEXTオマケ！

調子は良い。トイレの中でウンコ処理もできる。肛門から出すよりも人工肛門はウンコに対して愛着が湧く。愛おしく思える。装備の取り出しや貼り付け諸々の作業も自分で出来るようになった。
とりあえず、ネクストステージである。これからのステージはオマケだと考えます。このオマケをどうやって楽しみましょうか。
一度は死を覚悟した身。今こうして生きていること、もう少し生きて行けそうなことで「自分だけでなく、どうやってみんなを楽しませるか。」がオマケです。
今朝、イシャから来週には退院出来る！の報が届きました。思ったより早い。
喜び勇んで、リハビリをいつもより長い時間行いました。気づけば、1Fのグッドモーニングコーヒーのラウンジでアイスコーヒーを飲んでいるのでありました。

癌封じ

直腸とリンパ節の癌は切除された。この段階で癌患者ではなくなったと思ったのだが、リンパ節では見えない癌細胞もあるかも知れない。それが増殖して再発することも予想される。油断はできない。完全なる復活とは言えない。様子を見ながら過ごさなければならない。脳梗塞でパタっと動かなくなるかも知れない。流れ弾に当たるかも知れない。更に更に気をつけい、礼！である。
これが正直なところ、今の心境です。ところが、どこの誰かは知らないけれど「山南純平、末期癌からの生還。」なる風評を飛ばしている者がございます。ネットの中です。「完全無敵の癌封じ男」と？
正確に言うと末期癌ではない。その一歩手前です。癌には４ステージあって、末期は第４に当たります。この病棟には第４ステージの患者さんたちも多くいます。頑張ってますよ。戦後70年と言われていますが、病棟のお茶飲みロビーでは人生ドラマを見ます。
私は第3ステージで転移の量によってレベルが3a、レベル3bに分けられます。私は末期に近い3bでありました。
今年の2月に見つけられ、化学療法を受けるための入院や6月まで通院による抗癌化学療法を受けていました。
同時進行で劇団の公演などもありました。約束したイベントも！これまでが最後の詰めだと根を詰めていましたが、根は治めましょう。
さてさて、人の手(美しき白衣の天使)を借りて身体を拭いてもらったりしていましたが、これからは何でも自力で出来るようになりました。

体重7kg減

LLの病院服がダブダブになった。ズボンが下がりそうになった。Lに代えてもらった。 これで人様の前で下半身を露出することはなくなる。誤解されることもない。
歩くリハビリは一人でおこなえるところまできた。歩きながら「スイカが食べたい。」と念じていると昼食のデザートは血のように赤いスイカだった。
声もかすれ気味だが出るようになった。小腸から排泄されるアレも固形化されてきてウンコスープからグリコワンタッチカレーに見えるようになった。
流動食から普通食へ。この「普通」が尊い。

リハビリ中

7月28日(火)手術をしました。11時間かかりました。本人は麻酔を打たれて気持ちよく落ちました。
目が覚めると夜の9時になっていた。早朝より座長が付き添ってくれたのですが、どうのようにして時間を潰したのか見当がつきません。
あくる日より「身体を動かせ！」と言われます。傷は深いぞ、ゆっくり起き上がろうと思いますが介助が必要です。タンを切ろうとすると傷口が痛みます。
2日目よりリハビリ開始です。ベッドから立ち上がる。ふらつきました。動悸息切れ生汗。
3日目より身体を支える車輪付きターミネータを使って廊下を歩く。
術後、1週間が過ぎました。
昨日より流動食です。人工肛門からビニール袋の中へ流れます。今日からその処理の仕方や洗浄なども学びます。
それにしてもオミマイの方々、私としてはビミョ～に見えます。笑わし隊に乗れば腹に悪いし、問題はオミマイがオイワイに見えたりします。