山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

熊大演劇部

2009-05-30 23:20:59 | モノローグ【エトセトラ】
 今日の稽古では熊大演劇部の連中が見学に来てくれた。
  部長のumeちゃん(「演劇大学」で初めて演技を見た時にエロスを感じた。)は「笠戸丸」ブラジル公演(2月)で一緒だったため、もう家族感覚である。行きの飛行機では隣の席、息苦しかったに違いない。
 しばらく見なかったam女史、かわいくなっていたなぁ。今までは女性として意識していなかったからだろう。吸い込まれるような目をしている。
 
 世間では演劇にうつつを抜かす女性はブスばかり(タモリの発言!)なんて思われているが、アレは偏見だね。
 ダイヤの原石だと思う。
 新入部員さんたちもいいねぇ。
 演劇をやると、間違いなく輝く。

 この学生演劇が将来のポスト小劇場を築くことになるだろう。
  
 私も学生演劇出身である。
 昔の学生演劇はバカ(男子限定)ばかり。
 考えていることと行動が一致しなかった。
 下半身が爆発していた。
 ロゴスとパトスの論争に明け暮れていた。

 稽古の帰り際、50男の大ちゃん(旗揚げメンバー)が「みんな、頭が良さそうだった。」と振り返る。卓さん(大将)もニコニコ。優香ちゃんはアイドル。ましまんは肉体美。クドシンはオートロック。肥後丸ちゃんセクシー。座長は肝っ玉。BBは新茶である。  
  田中幸太。

大阪の女(仮)

2009-05-28 23:03:35 | モノローグ【エトセトラ】

坂本咲希(24/左)

劇団夢桟敷では座長=夢現に並ぶ看板女優である。
明日5月29日より大阪に行く。

尼崎ロマンポルノさんで客演として「機械少女」公演に出演するために稽古合流である。
弟(冬馬・大阪事務所音楽担当)のところで宿泊する。生活費節約。
大阪事務所所長のk氏に滞在期間中は甘えないようにしてもらいたい。
「迷惑はかけるな!」と言う自分も結構、迷惑をかけている。

彼女には「ガンバレヨ。」と言いたいのだが、それが口に出せない。
「済まないねえ、・・・ゴホゴホ」と言いながら、私は彼女の前で口から血を吐きたい。(実はケチャップ。)

大阪での客演は二度目。これまでにも三回、大阪で公演しているから仲間もボチボチ。まったく知らない場所でもない。

■7月3日ー5日/大阪ウイングフィールドにて。
尼崎ロマンポルノ「機械少女」
http://www.amagasaki-rp.com/menu.html

写真は今日最後の稽古。明日より彼女抜きで一ヶ月強つづく。

外国人力士の活躍

2009-05-22 23:05:44 | モノローグ【エトセトラ】
大相撲を久しぶりに見る。
今日(金曜日)の時点で・・・
全勝  白鵬/1敗  朝青龍、日馬富士
いずれもモンゴル出身のお相撲さんたちだ。

私は外国人力士たちが大相撲を盛り上げてくれていることに感動する。
これまでもハワイ出身の高見山、曙、小錦も大好きだった。

お相撲さんはモンスターである。
力持ちは外国人だろうが日本人だろうが憧れる。
大相撲の変遷を感じるこの頃。
大鵬ー柏戸の時代は遠くになったもんだ。

インフル不安

2009-05-19 23:52:13 | モノローグ【エトセトラ】
 大阪・兵庫で「人から人へ感染する新型インフルの流行」で世は混乱気味。
 マスク不足は熊本まで影響している。買いだめ傾向か。
 最早、一部地域の問題ではない。世界同時多発時代である。

 テロからインフルに!
 
 昨年の夏、寺山劇「疫病流行記」公演をしたが、それが現実として迫っている感。
 劇と現実が交差する。劇の社会的貢献?
 
 劇で不安には慣れている。
 私は箱の中に閉じこもる役を演じていた。
 ここは中なのか外なのか。

 逆転の発想は不安を吹き飛ばす新しい力を生み出すことがある。
 
 五寸釘で封じ込めるパーカッションの音が聞こえる。音楽である。

恋愛

2009-05-17 23:20:18 | モノローグ【エトセトラ】
 基本、劇団内での恋愛は禁止である。単純に言うと、劇団内でカップルが孤立したり、恋愛という関係がバレてしまうとファンは逃げる。
 私が言うと説得力がない。この手の話になると顔が緩む。厳しさに欠ける。
 この30年、妄想のもやもやの中で常に劇団内「自由恋愛」をしてきた私だ。一歩間違うと妄想が爆発しそうになる。・・・演出家は危険な立場に立たされる。禁欲に迫られる。性格が歪む。
 今回の演出もそうだ。自由恋愛しながら役者のいいところを引き出すことが仕事である。嫌いじゃダメになる。
 正直に言おう。演出と俳優は危険な蜜の味がする。

ホンキートンク

2009-05-16 23:12:49 | モノローグ【エトセトラ】
 次回公演で使用するBGMの選曲(稽古用)の手際が良い。担当は田中幸太。ましまんのPCを使って編集しているのだが、「こんな感じの曲はない?」と聞くと、1発で出てくる。
 音がはずれている、太鼓と笛の音。ホンキートンクである。
 台本では思いもつかなかった場面が広がる。yuka嬢がいい加減に笛を吹くと、これまたピッタリ味が出てくる。
 オープニングから鳥肌が立ってきた。
 音・明かり・美術まで今は抽象的だが、具体的になったら前作は上回れそうな確信。

白い粉

2009-05-15 23:56:24 | モノローグ【エトセトラ】
 クドシン(劇団員)の引っ越し祝い、次回公演の計画や役作りについての会合をする。新居は貧乏人にしては高級マンション(オートロック、1LDK)。
 名付けて「白い粉会議(1)」である。何故、「白い粉」かというと小麦粉をメインにした食事会(当然、アルコール付き)である。メニューは「だご汁」と「煮込みうどん」。
 全員、飲んでいたと思っていたが、肥後丸ちゃんが帰りの運転の為にノンアルコールだった。連れて帰ってもらう。申し訳ない。

薔薇色之三部作

2009-05-14 23:50:17 | 「薔薇色之病室Ⅰ」三部作
劇団夢桟敷<第51回公演>
「薔薇色之病室」

公演予定は2009年9月~2010年8月までの不連続を予定。
「薔薇色之三部作シリーズ」。日本列島縦断の旅公演を予定。
会場・日程については決定次第、発表致します。


【登場人物】
おばぁ夢 現■少女椿1坂本咲希
少女椿2石崎優香■少女椿3倭屋つづり(新人)
タマゴ頭之男工藤慎平■タマゴ頭之女湊肥後丸(新人)
カリガリ博士田中幸太■ミチロー過眞嶋憲法(新人)
日本兵1山南純平■日本兵2卓草四郎

お月さまが見ている

2009-05-10 23:16:49 | モノローグ【エトセトラ】
誰もいないだろうと思って、台詞を吐いてみた。
 
「あ~、お月さまが見ている。」

これは「少女椿」みどりちゃんが見世物小屋の男から勧誘された時の台詞。
活字を声に出してみたくなる夜である。

 
ところが、誰もいないだろうと思っていたのが大間違いで、隣の住人101号室のおばあちゃんが見ていた。
玄関の前で、一瞬、固まった。
私の秘密を見られたような気がした。ぶつぶつ、ひとり言をいう人間に思われたくない。職業だ。 
 
おばあちゃんはアルツハイマーを装っており、「あんた、誰だったかね。」と何度も聞いてくる。
夜中に駐車場をうろうろ歩くおばあちゃんである。車で出る時は轢いてはならないと細心の注意を払っている。
アルツハイマーは仮の姿である。正気なのだ。
その証拠に「さて、私は誰だったのでしょう!」と応えると、腹の底から笑い転げて「あんたは隣の旦那さんですよ。」と指をさす。
その笑顔は天使の微笑み。
 
お月さまが笑っていた。ほぼ満月。

マグニチュード7

2009-05-07 23:28:56 | モノローグ【エトセトラ】
「薔薇色の怪物」より。
 
 5月連休、終わりました。
 この連休中は台本を書きまくった。
 何故、頑張れるのだろうか。不思議な一週間だった。
 久々の劇作家体験にどっぷり漬かる。・・・言葉が氾濫した。大洪水だった。溺れた。

 一応は書き終えたが、読み返して驚いた。
 
 二本の台本を同時進行で書いていたのだが、ピッタリ同じことだったのだ。

 二本を一本化にしよう!

 今日の稽古で劇団員たちに提案した。
 タマゴ頭の男が疑問符を投げかけてくれた。・・・これまでに言ってきたこととは違うことを言ったからだ。嬉しい限り。

 同じである。・・・だが、劇団員たちは大きく揺れた。私がマグニチュード7くらい揺れていたからだと思う。

 明日も稽古。・・・揺れれば揺れるほど大した劇になります。
 楽しもう。

バッカヤロー!

2009-05-04 23:46:28 | モノローグ【エトセトラ】
今日は朝からTVを見ていると
忌野清志郎さんのニュースが流れていた。
私の学生時代、トランジスタラジオで
「僕の好きな先生」を聞いた。

あの頃は「同棲時代」(漫画・上村一夫)も流行っていて、貧乏学生たちは風呂屋の前で石鹸をカタカタ鳴らしていた。

私は喧嘩が弱いくせに「バカやろう!」ばかり叫んでた。
喧嘩、大好きだった。



5月連休で冬馬(ムスコ)が熊本に帰っている。
親子で忌野清志郎さんのことを話す。
いいもんだ。

連載【3】ワークショップ

2009-05-02 23:50:28 | 企画2009~2015
 演劇ワークショップの連載は今回で終了。
  
 本来、演劇の稽古は本番に向けてそのネタを未公開=秘密裏に進めることが前提となる。
 本番を見てのお楽しみ!・・・という訳だ。

 ワークショップは言わば、演劇の運動だと位置づけることができる。
 潜在的に「タレント志向」は近年、高まってきたのではないだろうか、と演劇の現場から思うようになった。
 舞台人の量の減少化からは反比例するが、メジャーへの憧れは市民社会の中では確実に増大している。
 お茶の間から見えてくる芸能は豊かさのシンボルのようにも錯覚するようになった。
 
 演劇界はどうだろうか。・・・ワークショップに参加して頂くことで豊かさの基準をメジャーとは違うところで体験してもらいたい。
 これが「ワークショップ」を運動と位置づける動機である。 
 
 公開型の実験室である。
 以下、テキストを公開する。

 ■

 劇団夢桟敷企画
 演劇ワークショップ
 (第1回)


 「薔薇色ノ怪物」(丸尾末広)より
 2009年4月29日(水)
 午後6時~9時(3時間で短編劇を作る/演じる)
 会場:熊本市中央公民館3F(和茶室)

 【タイムスケジュール】

18:00-18:15 簡単な自己紹介
       二人一組になってお互いに名乗りながら
       ピストルで撃つ側、撃たれる側の関係を作る。
       演技する。条件は幸せそうに!

18:15-18:30 読む。・・・配役など役割の分担。
18:30-19:30 パートを分ける。(1)~(4)・・・見る・演じる。部分を作る。
19:30-19:40 休憩
19:40-20:30 音を入れながらの通し。ダンスと歌が加わる。(作り方の公開/劇団員のみ)
20:30-20:40 休憩
20:40-21:00 短編劇の発表
21:00-21:30 感想会、後片付け



ここは病院である。・・・

(1)

ミチロー「6月8日。その日が来ました。」
カリガリ「ミチロー君、この日から君は永遠に抜けることはできない。」
ミチロー「そう言えば、昨日も6月8日だったのです。」
カリガリ「そう、その前の日も、その前の日も・・・、ずーと、その日だ。」
ミチロー「先生。ぼくはいつも同じ夢を見ています。」
カリガリ「6月8日から時間が止まったままになっている。」
ミチロー「どうなってしまったのでしょうか。」
カリガリ「心配することはない。私にもミチロー君の夢は見えている。」
ミチロー「医学の進歩です。・・・まさか、ここに立っているカリガリ博士はマボロシではないでしょうか。」
カリガリ「そのまさかです。・・・私は君のマボロシということだ。」
ミチロー「マボロシ?」
カリガリ「君の見ているものは全てマボロシ。」
ミチロー「先生は同じことを何度も言います。」
カリガリ「そうだよ。君はとても重い病気にかかっている。そう簡単には抜け出せない危険な状態だから、同じことを繰り返す夢をみるばかり・・・。」
ミチロー「ぼくは死んでいるのですか、生きているのですか。」
カリガリ「生きているから夢をみることができる。」
ミチロー「死んでしまったら夢も見れない。」
カリガリ「そうだよ。いつも同じ会話をしているから、私の言うべき台詞を君が語るようになった。」
ミチロー「死んでしまったら夢もみれない。・・・これはぼくの台詞じゃなかったのですか。」
カリガリ「それは私の台詞だった。」

(1)の出演者に戻る。

ミチロー「6月8日、これもぼくの台詞ではないのですか。」
カリガリ「それは他人の出来事です。君の6月8日ではない。」
ミチロー「ぼくは他人の夢を見ているのでしょうか。」
カリガリ「ミチロー君、君は生まれ変わろうとしているのです。」
ミチロー「ぼくは他人に生まれ変われるのですか。」
カリガリ「そうですよ。何度も6月8日をみることで君は他人にすり替わる。」

(3)

ミチロー「すると、ぼくは何も出来ない能無しで臆病者で、みんなから相手にもされなかった負け犬のような人生から立ち直れるのですか。」
カリガリ「そうですよ。君には薔薇色の人生が待っている。」
ミチロー「薔薇色の・・・」
カリガリ「さぁ、目を開けてごらんなさい。君の目の前に薔薇色の夢が広がる。」
ミチロー「なんて眩い闇だ!」

ゲストによる口合わせ。集団で息を合わせる。
(4)+アルファー/

 「君は人を殺したくなる。
  私たちは君の夢の中に住み着く邪悪な天使たち。
  暗黒の天使舞踏団。
  さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。
  ここは古き良き時代の見世物小屋だ。
  御代は見てのお楽しみ!」

 「眠り男、目覚めよ。
  お前は 余の言葉のままに動く
  余はお前であり お前は余である。
  さぁ行け!そして殺すのだ。」

 ☆
 催眠術の場面にダンスを加える。(踊りの組み立てを公開する。)
 同時に「殺す側」「殺される側」のアクション。
 死んだ筈の人間たちが起き上がり、

看護師「さぁ、ちっとも痛くありませんよ。」
医者「あなたは病気なのです。」
少女椿「病気?何の病気?」
医者「こころ、です。」
少女椿「うそ、うそ、私は病気なんかじゃないわ。先生の方こそおかしいのよ。」
医者「ほう、…わたしのどこがおかしいのです。」
少女椿「だって、変な妄想をしていたでしょう。」
医者「変な妄想をしていたのはあなたです。」

 ☆
 繰り返す殺人場面。

ミチローたち「6月8日。その日が来ました。」
カリガリたち「君の見ているものは全てマボロシ。」
ミチローたち「なんて眩い闇だ!」
看護師「さぁ、ちっとも痛くありませんよ。」
医者「あなたは病気なのです。」
少女椿「病気?何の病気?」
全員「夢から覚めない病気です。」
少女椿「さぁ、もういっぺん!」

 繰り返す。スピードアップする。言語が見えなくなる。ストップモーションでエンド。
 
 ■
 
 通常の「物語」には「起・承・転・結」の構造を用いるが、今回の短編劇では
 ローリング方を用いる。ラストらしくなるとオープニングに戻る。
 その部分の回転速度を高める。
 エンドレスとして、印象と残像をインパクトに代えていく方法を体験する。

連載【2】ワークショップ

2009-05-01 18:22:27 | 企画2009~2015
 ※4月29日に実施された劇団夢桟敷「演劇ワークショップ」つづきの記事です。

 ■「ことば=台詞」以上に感動を生み出す場面作りのために。

 今回はテキストを使う。・・・いわゆる台本である。
 「読んでいるだけでは劇にならない。」
 これは「戯曲以上のものが舞台に現れてこないと演劇とは言えない!」
 という、私たちの一貫した取り組み姿勢である。

 役者体、肉体言語。

 「劇を作る/演技すること。」のサブタイトルを付け加えた。
 通常、物語には「起・承・転・結」を用いる。
 漫画で言う「四コマ」のようなもの。
 短編劇では「四コマ」で遊ぶこともある。
 しかし、今回の構成は「四コマ」を無視する。
 「起・承・転・結」がない。
 だから、テキストを読んだだけでは「物語」が見えない。
 こういう場合、<音>や<絵>を組み合わせることによって、感情のあり方を探る。

 ハサミで切り取って糊でくっつける作業を繰り返す。・・・感情を切ったり張り合わせること。

 この時点で「言っている意味がわからない。」と言われることがある。
 今回の参加者(高校生、演劇部三名)は、首を傾げていた。

 死んだら二度と立ち上がってはならない。
 それが現実=リアルな世界である。
 私はリアルではない現象を生み出さないと面白くない!と思っている。
 だから、殺されても何度も起き上がり「もういっぺん!」と繰り返す場面を組み入れる。
 殺す側は何度も殺す。
 死なない。
 生きているのか、死んでいるのかわからない演技を組み立てる。

 見る側に何が見えてくるか。
 これを演技者が想像する。
 見る側は俳優の汗を見ているだけかも知れない。
 この時に静かな曲を流すと、同じ演技が変わったように見える。

 それを体験する。
 高校生たちは「不思議な感覚に襲われた。」と言った。
 つまり、感情が多面的に転がったのだ。

 「ことば=台詞」から、演技することによって「身体」探しをしていたのである。
 「物語」は身体の中にもある。
 自分の中の他人。
 繰り返すことによる「ローリング」。

 二重人格。夢遊病。・・・

 言わずとも、それが浮かび上がっていたのである。

 つづく。