山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

夢は夜ひらく

2011-01-31 01:34:40 | 稽古動画2011
■1月30日(日)

稽古動画第2弾は歌「夢は夜ひらく」です。
まだ、形にはなっていないが、この3名が名付けて「おかっぱ未来少女」。
2月からの稽古で「ねじ式 復活」の面白さ、せつなさがあらわになって来るという計画です。

菊池さよ子・・・・・・・坂本咲希
もッきり屋のチヨジ・・・肥後丸
女医あるいは義春の母・・夢 現

今日の稽古では「愛の乞食家族一場」を台本通りと即興の二つのパターンでやってみた。即興とはいうものの一応、台本には沿うような流れにした。但し、台詞が入っていない段階で台本を手放すという方法です。この方法は中々面白い。思いつきや本音、場をつなぐ苦し紛れの遊びが出てくる。

さて、いよいよ2月からの稽古で3月公演体制になる。
公演以降は「ねじ式」Vシネマを作ろう!を提案した。スタジオ版と廃墟をロケ地とした野外版。
DVDを2組セットでアピールしようというもの。
あの手この手で演劇実験はつづく。

遺書

2011-01-29 23:24:57 | 稽古動画2011
■1月29日(土)
今日の稽古風景は「ねじ式」の青年役、工藤慎平の1コマです。

青年はゴミを漁る大きな鳥を見ていた。
その鳥はビルの屋上から飛び立とうとしていた。
飛べ、飛ぶのだと叫ぶ青年。

これより「ねじ式」稽古動画の日記を断片的にお送り致します。

微熱の「ねじ式 復活」

2011-01-25 18:00:06 | 企画2009~2015
先週1月21日(金)~23日(日)の稽古で感じたこと。・・・それは出演する役者たちが微熱を発しているということ。インフルエンザにかかっているということではなく、動きも台詞もふわふわしている。まるで海に浮かんでいる海月(くらげ)のように見える。闇で発光する海月。しかも、人をかみ殺す毒を持っている。危険な微熱を感じる。

「ねじ式」(原作・つげ義春)漫画を読むとそのふわふわ感があって、それが心地良い。

漫画の読者として解釈し、それを伝えることが劇だろうか。ならば、漫画を読めば済むのではないだろうか。何故、劇にするか。・・・私は作品として解釈し伝えることが演劇ではないと思っている。
劇にする場合、もうひとつの「ねじ式」を漫画から抜け出しひとり歩きさせることだと思う。

ほらほら、大風呂敷を広げよ!・・・活字や絵では納まらないないではないか。台本以上のことが起こらなければ劇ではない。劇は読み物ではないのだよ。

1月末まで微熱は続く。2月からの稽古は高熱に犯されて妄想と幻覚の舞台にススメテ行こうと企んでいる。ふわふわした役者たちの身体から発する熱を火のようにできれば!
ここは火の国クマモト。・・・ここから復活は始まる。

大風呂敷御免。

ふるさと下関にて

2011-01-22 23:35:41 | モノローグ【エトセトラ】
いつもそうなのだが、演劇公演に向かうとそのことばかり、頭の中が支配される。私はこころの狭い人間である。

先日(1月20日)、父の33回忌で下関に帰って来た。昨年4月、息子(冬馬)結婚式以来の親族が集まる。
親族とは兄姉たちとその連れ合い。私が一番下だから、上は72才から64才まで。定年退職した者たちばかり。過去の話では盛り上がるのだが、「元気で何よりです。」を確かめているような感じである。
それぞれの家庭には孫たちがいて、すっかりお爺ちゃん、お婆ちゃんぶりである。

待てよ、・・・。
この何気ない平和の中に次回公演「ねじ式」に登場する、青年や天狗堂の御主人、菊池さよこ、チヨジ、新田のマサジ、産婦人科の女医などがいるではないか。
はは~ん、これが日常の演劇というヤツか。ふんふん、ここで突然、宴席のテーブルをひっくり返したら昭和のホームドラマになる。33年前に64才で亡くなった父はよくお膳をひっくり返していたなぁ。・・・くっくっと忍び笑いしたくなる。

テーブルにはふぐ刺し、ふぐ天ぷら、ふぐ味噌汁などが並んでいる。おひとり様1万円くらいの料理である。日頃の恨み?(意味はない。)を晴らすべく、毒が盛られているのではないだろうかと妄想が膨らむ。毒に当たって死ぬのは私の役。・・・くっくっと忍び笑いしたくなる。

おい、そこの熊本人!という声で我に返る。どうやら、親族では私がクマモトの代名詞になっているようだ。・・・やっぱり、親族はたんたんとしていた。

ちなみに、同行者は座長とサキ。しかし、サキは同席せず下関海峡館でイルカショーなどを楽しんでいた。
その帰り道、脳梗塞で入院中の母を見舞う。言葉はないが、「元気でね。」の座長の呼び掛けに口元で笑っていた。母95才。
夜、毎日新聞社のカメラマン(和田さん)と小倉で会う。カンボジアの旅や熊本の飛行機事故などの話を聞いた。彼の現場写真(空撮)が配信されていた。

ゼロスタート【理想と現実】

2011-01-16 23:08:08 | 企画2009~2015
1月末までは週に3回の稽古となっている。ゆったりしたペースです。
次回公演3月「ねじ式」と5月「かぐや」については、過去に上演したから余裕がありそうだが、実際は完全なる新作のようなもの。つまり、時間の経過とともにイメージは変容する。進化させなければならない!プレッシャーがある。

一度、ゼロからスタートすればどんなに楽か!新鮮な気分に立ち戻り、まっさらな状態で劇に取り組んでみたいと思うことがある・・・。結局、過去のことを全部捨てる勇気はないと気付いてしまうから大変。過去のことを比較しながら、やっぱり未来は前に進めようとするのだ。要するにケチ。貧乏症とも言う。

現実問題としてゼロスタートという理想は対立してくる。これまでのことは「や~めた!」にはならない。引きずる。引きずりながら壊して行く部分はないだろうか?それが進化だ。この言い訳で続けてきた。

こっそり心の内を明かせば、次回公演は「解体と構築」が大きな作業になった。

次回公演ご案内【3月・5月】

第55回公演「ねじ式 復活篇2011」
原作・つげ義春「ねじ式」「紅い花」より/作 演出・山南純平
3月11日(金)pm7/12日(土)pm3・pm6/13日(日)pm3

第56回公演「KAGUYA 幻想篇」
作・夢現/構成演出・山南純平
5月13日(金)pm7/14日(土)pm3・pm6/15日(日)pm3

ギャラリーADO
http://galleryado.com/contact.html
会場はいずれも熊本市河原町2河原町問屋街通路・熊本市電「河原町」下車

★前売り1500円/3月5月通し券2500円
発売開始:2月1日。尚、完全予約制になっております。ご注意下さい。
発売先行メール予約もあります。yumesajiki@ybb.ne.jpまで。

3月・5月の熊本公演をスタート後
鹿児島ー福岡ー大阪ー名古屋ー東京ー札幌の旅公演を計画中です。
海外公演・韓国(ソウル市)又はフィリピン(マニラ市)の公演もススメています。
随時、決定次第発表致します。

劇ゲージツ?

2011-01-10 04:34:05 | 企画2009~2015
「ねじ式 復活篇2011」はゲージツ路線で往く。芸術ではない。芸術への洒落。この洒落を通用させたい。ゲージツだ。漢字に直せば、「芸」の「実」。しかし芸実とは書かない。あくまでもカタカナが過激であり滑稽である。そして、やさしい。
稽古場では「ゲージツ」なる謎めいたラッパが吹き荒れる。宗教ならばお経みたいなものだ。ありがたや、ゲージツ!・・・刈り上げとオカッパが目に浮かんできた。

つげ義春さんの漫画を読んでいると、その過激さとやさしさが同居しているから面白い。
劇にも過激さとやさしさを同居させたい。ここに美しき狂気が浮かび上がってくる仕掛けを作る。
狂気と正気は表裏一体。醜い正気もあれば、美しい狂気もある。劇が現実を超える瞬間があるとすれば、謎が謎を呼ぶところにある。台詞や活字を超える感情が爆発する瞬間にある。

その起爆剤が役者だ。悲しい時に笑う。可笑しい時に泣ける。・・・つげ義春に繊細なこころのひだを感じるのだが、劇ではそのひだが役者の肉体や表情で表現されることになる。
台詞を覚えるだけでは追いつかないのだ。それ以上のことが起こらないと劇にはならない。
それを楽しみに見てくれるお客さんがいる。お客さんが気付いてくれて、私たちを支えてくれるようになった。今がその時だ。

「ねじ式」のラストは謎めいている。人の血でボートは動いているのである。それを伝えるだけの劇にはしたくない。理解を超えたところにゲージツはある。
ならば、血とは何だろう。ここに謎がある。
青汁を飲みながら、最後の場面に台本は辿りついた。後は稽古場で練ろう。まずは、役者へのラブレターとする。

血の復活。2011年はロボット演劇に反旗を。

稽古開始1.6~

2011-01-08 23:26:40 | モノローグ【エトセトラ】
■1月6日(木)熊本市清水市民センター

新年明けて初稽古である。次回公演「ねじ式 復活篇2011」台本22ページまで渡すことができた。つまり完成できなかった。後8ページくらいで終了する。それにしても劇団員は誰も不平不満を言わない。忍耐力は超一流だ。陰で悪口「提出期限を守れない」と言っているのであろうか。不満は何処かで出しておかないと調子が狂うからね。
登場人物、配役が決まる。今度の主演はクドシンである。原作の青年と似ているからが理由。劇団では20代の若きエースが5人揃っている。誰でもが主演を張れる存在になってきた。脇役の重要性も認知してくれている。
読み合わせをして稽古は終了して、お楽しみの新年会。この場で書き初めをする。私は「旅」と書いた。

■1月7日(金)亀井公民館

彩音ちゃん(冬馬の新妻、つまり娘)からジュースや菓子などを頂いた。明日には兵庫に帰るとのこと。辛かったらいつでも熊本に戻っておいで!と心の中では思っているが口には出さなかった。辛そうには見えない。
稽古はオープニングから半立ちになる。音のイメージは湧いてきた。電波に音はない筈だが電波の音が劇では重要な気がする。海の波打ち際と電波音が重なる。気持良くなる耳鳴りである。
唐突に「明日は稽古前に南阿蘇どんどこ湯(天然温泉)に行こう!」・・・決定。すごい団結力だ。

■1月8日(土)南阿蘇温泉→武蔵ヶ丘教会

昼から南阿蘇の温泉へ行く。肥後丸ちゃんだけは仕事の都合で行けず。温泉と焼き肉などの食事、マッサージを楽しむ。稽古前で当然、ノン飲酒。フロントの本田君(劇団員)から大量の缶ビールを頂く。嬉し過ぎる。劇団員で分け合う。
温泉後の稽古は気合が入らない。しかし、そんなことは言っていられない。稽古が終わったら缶ビールのお楽しみが待っている。・・・旅公演など打ち合わせの仕事がある。
温泉に入った故か、肌がツルツルしている。ビンボー♪と言っているが、なんて豊かな劇団なんだ。只今新人募集中です。








2011年企画案

2011-01-05 16:05:13 | 企画2009~2015
2011年の活動アウトラインです。

3月より■No.56「ねじ式~復活篇」公演スタート
5月より■No.57「かぐや~幻想篇」公演スタート
12月■No.58「劇☆イメージの展覧会2011」

「ねじ式」「かぐや」は旅公演の予定です。期間は12月まで。
尚、3月・5月と12月は熊本でおこないます。九州各地→大阪・名古屋・東京・札幌・ソウル(韓国)・マニラ(フィリピン)などを予定しています。
但し、各地との交渉段階であり予定変更もあります。あくまでも「案」です。あるいは、要請があれば急遽何処へでも出かけて行く体制で臨みます。乞うご期待の程を!

No.58「劇☆イメージの展覧会」については昨年の暮れにおこないました「演劇エクスプレス」を進化させたものとして取り組む予定です。できれば熊本在住の若手美術家とのコラボレーションを考えています。総合的な演出については秘密ですが、あっと驚くような仕掛けを考えています。続いて2012年の熊本県立美術館での試金石にするつもりです。県外、国外のアーチストの参加もあり得ます。

1月5日■新人オーディション受付開始(定員5名)
4月2日-3日■オーディション実施

詳細
http://www.geocities.jp/yumesajiki/bosyuu.html
新しい、個性的な感性を求めています。劇団としては独創的な劇を追求しています。天然でユニークな人材が必要です。これが夢桟敷32年の伝統です。



これからの一年は「旅」がテーマになります。しかし、劇団員たちは働きながらの演劇活動をやっており、生活との調整の困難さも予想されます。
何かのCMでありましたが、あなたの職業は何ですか、「劇団員をしております。」が軽薄なお笑いに止まらないような劇団の運営も視野に入れながら、私の仕事としなければなりません。
ユニットやフリーの気軽さは求めません。劇の集団力を追求します。
更に劇団員各自のスタッフワークも強化して参ります。
昨年の「子ども劇を作る」や「劇イメージトレーニング」ワークショップなども引き続きおこないます。

本年も
隅から隅までズズズイっと(カチン:拍子木の音)
御奉りまするぅ

年頭所感代わりの日記としました。1月5日

謹んで2011年

2011-01-02 19:09:54 | モノローグ【エトセトラ】
謹んで新年の
お慶び申し上げます

2011年 元旦



朝、目が覚めると銀世界でありました。昨夜は積雪1mmだったが、3cmは積もっている。
これより、家族総出(7名)で座長の実家(熊本県山都町:旧、矢部町)まで行くことに!
ヤバイのです。チェーンがない。・・・どうにかなるさ。行くのです。九州山地のド真ん中に向かってGo!
全員で車に乗り込むと一家全滅になる場合を考えて二手に分かれる。生き残りをかけてサバイバルの大冒険。新年早々、私たちらしい大冒険のハジマリ。
結局、途中の御船町(山の手前)でタクシーに乗り換える。ここから先が雪深くなるからです。
プロのドライバーでも緊張するらしい。ツルンツルンとスリップしながら、1時間で到着の予定が倍の時間をかけて到着する。
生きていて良かった。縁起がいいわい。
娘息子たちのお爺ちゃん、お婆ちゃんも無事に着いたことを喜んでくれた。



到着するや否や、子どもたち夫婦は雪合戦やら雪だるまを作り始める。元気がいいね。
さて、新年会。これだ、これだ。
とにかく食べる。これがお正月の醍醐味だ。食べて寝る。他は何もしない。最大の怠けが許される日。それが恒例の元旦の過ごし方。







ところで、通潤橋(橋から水が飛び出す石橋。)の温泉に行く予定であったが辞めた。雪が深いために諦めた。
これだけ美味しいモノを食べて呑んだら、魂が抜けた。新年、魂を抜いておかないと次にモノが入ってこれなくなる。

今年も宜しくお願い申し上げます。