山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

シルバーの日々

2009-09-23 23:04:39 | モノローグ【エトセトラ】
 シルバーウィークなる連休も終わった。
 只今、ミュージカル公演受け入れと次回公演計画などを同時進行で取り掛かっているため、浮き足立っている。
 まっ、足が地に着いていないことは日常茶飯事ではあるが・・・。

 さて、近況の徒然日記です。

■9月16日(水)

 秋の夜風は快眠ですね。最近、寝不足で今夜こそは寝なければ!と思い布団に潜ると・・・ぶんぶぶんぶ。
 
 蚊が一匹、耳元でうるさい。力一杯叩くと耳がキーンとなって目まいがした。まさに、自虐行為である。
 夏も終わって蚊取り線香も切らしている。

 「世の中に蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶというて夜も寝られず」

 これは寛政の改革を風刺した狂句ですが、民主党の組閣もうるさいねえ。・・・わたしゃ、それどころではない。蚊だ。秋の蚊は強い。
 政治家も官僚も無縁の存在。無縁仏みたいなものだ。蚊がいかん。

 一時間近く、一匹の蚊と格闘する。なかなか叩けない。こうなったら部屋ごと爆破すると気持ちいいだろーなー。と、思っていたら手のひらに噛みついてきた。血を吸っている。
 じっと眺めていると蚊の奴、体中が私の血で真っ赤に膨れていく。

 美味いか、そうだろうね。満足したか、栄養たっぷりだからね。
 人生楽ありゃ、苦もあるさ。

 「パチン!」である。

 南無阿弥陀仏。合掌。

■9月17日(木)

 デスクワークが昨夜から続いている。
 完全な「ひきこもり」という訳ではないが、PCに向かい合う時間に費やした。
 お陰で、目がチカチカ、ヒンガラモンジャラ、チョウチョガイッパイトンデイルヨ状態。
 
 集中力が弱くなった故か、時々、TVをみて「民主党鳩山政権」のニュース等も眺める。
 TVを見ながら独り言を言うようになって30年。
 自分でも危ない!と自覚している。
 「日本の政治家はユーモアーがないな。」と何回も言っていた。
「ブツブツブツブツブツブツブツブツ・・・」である。

 ひきこもっていてもTVやインターネットなどで洪水のように情報は舞い込んでくる。耳を塞いでもダメ。
 「みて、みて。」が多すぎる。

 35年前の学生時代は官能エロ青春「変」愛小説を書くのに完全に山籠りしていた。誰とも会わない時間があった。下界で何が起こっているのか、さっぱりわからない。世捨ての時間である。
 今はそれは不可能に近い。
 もし、一ヶ月も山籠りしたらどうなるだろうか。

 今、世捨て人にはなれない大人になったもんだ。
 気になる。他者=社会の関係は断ち切れない。

■9月18日(金)

 am4 熊本発-北九州
 am10 北九州発-宮崎
 pm3 宮崎発-熊本

 走行距離=900km

■9月21日(月)

 熊本市の秋祭りは「藤崎八旛宮秋季例大祭」で大騒ぎである。今日は「随兵(ずいびょう)」と「飾り馬(かざりうま)」の奉納行列で骨折者が二名。・・・それでも昔に比べるとおとなしくなった方だ。

1971年の時に私は、この祭り=「ボシタ祭り」(注:今では「ボシタ」と呼称することは禁じられている。)を初めて見た。
その年は下関から大学へ熊本にやって来た年である。
熊本市内の繁華街を「ボシタ!ボシタ!」と叫びながら、ラッパと太鼓などで馬を追う。馬は酒を浴びるように飲まされ、目がつり上がり狂ったように暴れる。屋台に突っ込み破壊される。破壊された屋台や傷ついた人々が大勢いた。

「暴動のような祭りだ!」と私は、興奮して見ていた。
これは民衆の不満が爆発する、一種の内乱かとも思って見ていた。

この祭りの起源は歴史的背景があり、加藤清正が朝鮮出兵して無事に帰還した際に神前に感謝したいわれがある。
清正軍が朝鮮に戦争に出かけて行き、勝ったものと思われていたようである。
一説には「ボシタ」は「滅ぼした」という理由から、この祭りの俗称がついたと思われる。

史実は清正軍は朝鮮から追い返されたのである。清正軍の負け戦であった。

「ボシタ」の由来にはもうひとつ俗称があるが、これはあまり知られていない。
「ボボシタ!」である。熊本弁で「ボボ」とは「オメコ」や「おまんこ」を意味する。
こちらの掛声は色っぽい。大らかでもある。
馬上の飾りは「陽陰(ひのかげ)」と呼ばれ男女の性器を模った作りになっている。
「子孫繁栄」のお祭りだ。・・・「ボボシタ祭り」。

私の三番目の息子はこの祭りに参加するために、この数カ月、太鼓叩きの練習をしていた。
祭りのために髪型も変え、粋な兄ちゃんになった。

内乱や暴動好きの私の血を受け継いでいるのではないだろうか。

お祭りと劇は似ている。

韓国ミュージカル「明成皇后」ご案内

2009-09-13 23:07:41 | ワークショップ
韓国の代表的ミュージカル
明成皇后特別ハイライト公演

2009年10月8日(木) 午後7時 開演(開場 午後6時30分)
熊本学園大学 14号館ホール



ミュージカル<明成皇后>は、約100年前の大韓帝国最後の皇后であり、朝鮮の国母であった明成皇后の波瀾万丈の一生を描いた作品です。
1995年ソウルで初演され、すでに10余年間公演が行われています。米国ではニューヨーク,ロサンゼルス、英国ではロンドン、カナダではトロント等での海外公演を通じて多大な賛辞と好評を受けました。
2009年現在1000回公演を突破し、100万人以上の観客動員を記録するなど、多くの方々に親しまれている韓国の代表的ミュージカルです。さらに2001年には、李美姸(イ・ミヨン)主演で、KBS韓国放送でドラマ化され大ヒットしました。
今回の公演は、まさに日本で初めての歴史に記される公演です。
明成皇后と縁の深い熊本公演であると共に、<明成皇后の息吹を訪ねて>というイベントの一環として約1時間の短縮公演を行います。
明成皇后役のニューヨーク ブロードウェイ出身の李泰苑(イ・テウォン)を始め主役の俳優達が、熊本でオリジナル公演のハイライトをご覧にいれます。
高い芸術性と華麗な舞台衣装、そしてオリジナル公演の実況映像に至るまで、世界レベルのミュージカル作品を堪能することができます。何よりも韓日間の近代史を芸術作品として体感することで、私たちの未来を展望する「理解」と「和解」のための貴重な時間となるでしょう。多くの皆様のご来場をお待ちしております。

*この公演は入場無料で、当日席は先着順となります。席数に限りがありますので、ご容赦下さい。
鑑賞申し込みは・・・
メール→yumesajiki@ybb.ne.jp
tel 096-343-0334

主幹 ミュージカル明成皇后熊本実行委員会
主催 (株)エイコムインターナショナル

グラフィティー

2009-09-12 23:02:31 | 「薔薇色之病室Ⅰ」三部作








 熊本公演が終わって一週間が過ぎた。
一週間ぶりのご無沙汰、劇団夢桟敷「次回公演会議」をおこなう。

 どうもいかん。
 会議中に「女好きの私としては・・・」なる余計なことを言いながら、議事進行である。
 座長の目は攣り上がり、sakiは「ふん、」と鼻で笑い、yukaちゃんは口を尖らせ、higoちゃんは聞きザル、yamatoya言わザル、である。
 男性陣は「ご愁傷様」と心配そうな顔でニッコリ笑った顔が硬い。

 こういう時は「月が出た出た~」と踊りたくなる。
 会議は踊る。

 さて、議題は熊本公演の制作整理と次回公演<大阪>に焦点が絞られる。
 熊本公演の内容をそのまま持っていくことにはならない。
 つまり、稽古を続行していけば、当然、変化・進化する。
 
 タイトル「薔薇色之病室」はそのままにすることは確定した。
 「薔薇色~シリーズ第2弾」である。
 キーワードは「病室」「見世物小屋」「秋葉原事件」「沖縄の戦争」と欲張り過ぎていたので、もう少し焦点を絞り込もう、とも考えていた。
 イメージとして「病室」か「見世物小屋」かいずれかを大幅に削除するつもりだった。
 だが・・・妄想の世界を表していくには複雑怪奇な方が謎めいて面白い。この中に感動も生まれる。・・・劇団夢桟敷の「奇妙奇天烈」「狂気の沙汰」は特徴だ。
 
 世界で最低の劇作家・演出家の立場からすると、・・・登場人物の入れ替え、新たに登場人物を加える、という小細工を思い立ったのである。
 
 朝日新聞のS記者(演劇の記者としては業界TOP)さんから「犯罪」と「戦争」の重複する場面が荒い、と言われた。
 これは演出責任である。責任をとらなければならない。
 大阪事務所のkojimaさんからは、大阪で宣伝する際には「役者の美顔を露出した方が、お客が動く。」とも言われた。
 もっと出演者の顔を出そう。

 など。

 大阪公演は・・・
 
 ■12月25日(金)26日(土)
 ■路地裏の隠れ家 天満天六・音太小屋(ねたごや)
  〒530-0031 大阪市北区菅栄町3-15

 ひとつ。
 私の女好きは芸の肥やしである。洒落です。
 ご安心の程。

公演つれづれ

2009-09-11 15:01:15 | 「薔薇色之病室Ⅰ」三部作
 劇団夢桟敷 第51回公演「薔薇色之病室」(9月4日・5日)終了しました。ご来場頂きましたお客様、公演にご協力頂きましたスタッフ関係者様には御礼申し上げます。
 尚、この日記は「つれづれ」となっております。後日、改めて公へ「旅計画書及び公演報告」を行います。




 ■怪奇現象 9月5日

 「薔薇色之病室」熊本公演終了しました。
 ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
 
 最終日の夜の公演では影絵を映し出すバックライトの電源がOFFになっていました。前半の15分程度ですが・・・。
 客入れ前の点検では点いていたのです。調光室はパニック状態。
 公演中に電球、電源コンセント、コードの接続等の確認作業をして、すべて異常なし。しかし点かない。

 結局、配電盤のスイッチがOFFの状態だと判明。
 いくらなんでもここは誰も触らないところです。
 電気量にも問題はなく、ブレーカーが勝手に落ちることも考えられません。

 結論。
 悪霊の仕業です。
 演劇は時として、悪霊が悪戯をすることがあります。
 まず、開演前には「悪霊退散」の儀式をするように心がけます。

 ますます怪しい集団になりつつあります。
 もう科学の力に頼っている場合ではありません。

 ■肥後丸.「ビフォー&アフター」
 
 ご来場のお客様に衝撃!・・・これが「タマゴ頭の女」の種明かしでした。

怪しい関係「ちっとも怖くありませんよ。」


 ■今日は楽しい遠足です。歌って踊って悲劇の劇へ。打ち上げもありました。

 

 ■只今、旅計画中

 「薔薇色之病室」大阪・名古屋公演 他に向けて台本構成のチェックに入りました。
 登場人物たちの入れ替えも構想中です。
 日本小劇場に一石を投じられるか。
 日常の劇、私小説に「愛のテロ」をもって旅に出ます。

 ■公演終わってリハビリ中 9月11日

 熊本公演が終わって5日目です。
 いつものことながら「後遺症」に悩まされています。
 いわゆる麻痺状態。
 只今、清く正しい生活を送るためにリハビリ中。

 公演終了後から飲む機会が多くて・・・。
 自分で種を撒いています。
 「枯れ木に花を咲かせましょう!」と花咲じじいの気分です。

 道具類を片付けて「お疲れ!」の一杯。
 客演で出演してくれた女優kayaちゃんが「東京に帰る」と言って一杯。
 スタッフで手伝ってくれた方に「次も宜しく!」の一杯。
 劇団員たちと阿蘇の温泉に行ってマッサージ機でもまれて「痛い!」と叫んで一杯。
 お客さんが思ったより多くて、その喜びで一杯。
 なんやかんやで一杯。・・・お礼は果てしなく続くでしょう、一杯。

 ご祝儀のお酒は劇団員のために手はつけていません、と言うより、座長が何所に隠しているのかわからない。

 呑んで、人生全部リハビリだったのです。

 内面、弱くなりました。
 外面だけが強気です。

ごあいさつ

2009-09-04 03:05:58 | 「薔薇色之病室Ⅰ」三部作
劇団夢桟敷「薔薇色之病室」
ご来場、ありがとうございます。

熊本の新聞、情報誌、マスコミでは「アングラ劇」として紹介されている劇団夢桟敷です。大人も子ども老若男女からも隔たりなく受け入れられたいと思う、いわゆる市民劇団とはちょっと違う劇作りに挑戦して30年。毒気や悪意なども表現に取り入れて参りました。

この度は「明るいアングラ、愉快なアングラ、踊って歌うアングラ、悲劇のアングラ、びっくりするアングラ」へようこそいらっしゃいました。

ここで一言、お断りしておきます。

私たちの劇の「アングラ」という立場は、現実的で自然な演劇を批判するところにあります。それは「劇的」なエネルギーがリアリズムや日常感覚の中にあるのではなく、外側との関係で爆発・対立することにあるからだと思っているからです。
内向的な時代に、劇は生理的に外向的になっていきます。
地中に潜っているモグラが見る地上世界とは。・・・痛いほど眩い闇だ。
 
読んだ以上のものを表現できなければ劇ではない、と過激に思っています。
「台詞(せりふ)の劇」と言われる昨今、身体(からだ)に注目しています。
音、明かり、美術と絡まった肉体の言語を劇として捉えています。
劇作家のための文学から、テッペンに立つ役者(俳優陣)にご注目下さい。
ナマの舞台ではこれが全てです。

あなたは夢桟敷の俳優・女優が好きになります。
どうぞ、宜しくお願い致します。

(文責:山南 2009.9.4)

追伸:
尚、この劇は一年をかけて改訂しながらの旅公演を計画しています。
2009年12月、大阪・2010年3月、名古屋・・・鹿児島・福岡・沖縄・韓国ほかを予定しています。お呼びがあれば地の果てまでも。

■坂本冬馬&タカハシユウジ(音楽)/特別出演は元劇団員の香西佳耶。
熊本大学演劇部の有志の皆様のご協力を頂いております。

まな板の上の鯉

2009-09-02 23:47:12 | モノローグ【エトセトラ】
 稽古場での稽古は今日(9月2日)で最後となった。
 明日はスタジオ(劇場)へ搬入→仕込み。

 私の演出の仕事は今日で終わり。

 後はまな板の上の鯉。
 さあ、召し上がれ!である。

 日常感覚、さようなら。
 劇的とは何かを・・・お見せできれば最高です。
 感動して頂ける自信はあります。

 4日(金)ほぼ満席です。
 5日(土)昼・夜は席に余裕あります。

 一押しは、劇団夢桟敷の役者がテッペンである!

不適切な言葉

2009-09-01 23:24:21 | モノローグ【エトセトラ】
 一回くらい指摘されたいと思っています。
 その時、真剣に考えてみたい。何を批判しているのか。
 今までのところ、真剣に批判されたことがない。
 同じようなセンスの持ち主が「不適切な言葉」を楽しんでくれています。

 「天皇を引きずり出せ!」と叫んで、「梅川事件」でデビュー(旗揚げ公演)した30年前に早稲田右翼学生数名から囲まれたことはあったが、「劇のシュールリアリズム」を語り始めたら、頭を抱えて帰ってしまった。「シュール」が理解できなかったようだ。
 
 今回の劇も「不適切な言葉」と思われることを吐く。
 会場に来られたお客さんはどう思うだろうか。こればかりを企みながら劇で出会うことを楽しみにしています。

 テレビドラマのように「不適切な言葉があったことをお詫びします。」と簡単には済ませない。

 これは意図的な「不適切な言葉」である。

  

 「ですますしましょ、敬語でセックス。」