山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

キッズミュージカル「かぐや姫」【1】

2011-09-29 23:55:10 | ワークショップ
清水まちづくり交流室・公民館 主催事業

挑戦!
キッズミュージカル
「かぐや姫」(舞台劇)

「かぐや姫」を題材に歌って踊る子どもたちで劇を発表します。

発表会■11月5日(土)熊本市清水市民センター2階ホール(入場無料)



昨年に引き続き、「子ども劇を作る」公民館講座が始まる。
前回は「ふしぎの森」だったが、今回はキッズバージョン「かぐや姫」をお送りします。
いよいよ10月(土)(日)pm2:00-4:00、子どもたちのための講座開始。
劇団員(3名)と子どもたち(小学生~中学生)で「劇遊び」をします。
近所(熊本市清水町周辺)の子どもたち、稽古見学自由です。

(問)清水市民センター清水公民館 ☎096-343-9163まで

おいで~☆夢の中へ(2)

2011-09-27 04:11:08 | No.56「KAGUYA」
今、10月末の大阪公演“野外劇”を想定しながら稽古をしています。
12月は鹿児島県指宿市、居酒屋が会場になっており、“野外”と“室内”、極端に違う会場である。

野外での経験は今年の7月、8月に参加した河原町「アートの日」での駐車場を使ってのパフォーマンスを経験したばかり。
昼と夜の差。それは太陽と月の差を感じた。いずれも、劇場で観賞するような作品の発表というものではなかった。祭事になった。身体ごと「劇」の原点を経験した。水を使い、火を使った。劇場では厄介なことになるが、野外ならではの醍醐味を経験した。劇と自然界がつながった。

大阪では神社、高津宮(浪速の守護神として仁徳天皇が祀られている。)が会場である。
声がどこまで届くかが心配だった。街の騒音があれば声はかき消されてしまうが、意外にも静かな会場。しかし、声は鍛えておいた方が良い。MIC機械に頼ることもしない。役者の肉体が原始に戻る。ここに原点を求めたい。

幻想的な劇になるだろう。そして、シュールな夜を!



上の絵は(左)higomaru.(右)sakiがイメージした「KAGUYA」イメージ画。
下の写真は劇団☆流星群さんが昨年公演した同会場のもの。
今回は流星群さんの舞台セットで夢桟敷の公演をおこなうことになっている。
二本立ての違う話だが、同じ空間である。結果、クロスオーバーすることを目指す。





第11回大阪野外演劇フェスティバル参加
演劇エクスプレス大阪⇔熊本 第2弾!
於:高津宮 特設野外劇場 (最寄り駅:地下鉄谷町線「谷町9丁目」駅)
劇団夢桟敷「新☆KAGUYA」+劇団流星群「まほろば」
10月28日(金)-29日(土)

詳細は劇団☆流星群さんのホームページ http://ryuseigun.com/top/index.htm

おいで~☆夢の中へ(1)

2011-09-25 23:58:20 | No.56「KAGUYA」
■9月25日(日)

am11:45熊本空港発-伊丹へ息子が単身で帰った。息子嫁は出産のために熊本の実家へ残る。新婚1年半、寂しいだろうが生まれたら喜びも大きくなる。故郷、実家は本人も安心できるところ。1ヶ月余りの辛抱。これは現実のこと。

さて劇の方は「おいで~、夢の中へ。」

じっくり焦らずに稽古は進んでいる。
この劇の骨格はいつもの中心メンバー(座長、サキ、田中、クドシン、肥後丸)で形を作るが、これに卓さん、名古屋からの客演てんぷくプロの矢野健太郎さん、ダンサーのまみちゃん、大輔さん、はる君(劇団魂)で脇が固まる。尚、海幸大介(劇団の創立メンバー)も12月指宿公演で復活する。層も厚くなった。加えて新人が急成長している。総力戦である。ワンポイントだが、大阪公演では、あのマシマンも参戦。豪華キャストを自負したくなる。

「KAGUYA」新人さん走り書きメモ。ご紹介します。

赤井彦犬 箱男
台詞を喋ることに専念する。彼は動作が可笑しい。個性的で良い。身体の動きが強烈である。シャイなのだろう。それがバレナイように動きが滑稽になってしまう。言葉を先行して身体が追いかけてくるような仕掛けを作る。気配りの男子。夢桟敷にピッタリする俳優だ。類を見ない存在。
東田まなみ 雪女
2年前のユニット笠戸丸(ブラジル公演)からの付き合いだが、当時に比べると笑顔が多く見られるようになった。開けてきたのだろう。見られる快感を味わって欲しい。今は出べそを歓迎したい。その仕掛けは繰り返しの慣れのみ。気持が強い女優だ。はい、もう一回でくじけない。
KAREN 座敷童子
劇団では最年少の中1、12才。かわいい~。前途有望!笑い方に独特なパワーがあり周りを巻き込む。原石を磨く楽しみ!大阪公演には行けないが、12月の鹿児島県指宿でデビューする。尚、10月からの公民館講座「キッズミュージカル・かぐや姫」では子どもたちのお世話姐さんになる。

秋、萌える。

2011-09-24 23:47:25 | No.56「KAGUYA」
■9月24日(土)

10月から始まる「キッズミュージカル・かぐや姫」熊本市清水公民館講座(発表会は11月5日)の進行案を練った。
劇団では「KAGUYA」大阪(10月)→鹿児島県指宿市(12月)、3本の事業に取り掛かっている。
そろそろ来年2012年の活動に向けてスケジュール・企画も具体化しなければならない時期になってきた。
来月から秋も深まり集中するには良い季節となる。健康であること、精神的にポジティブであることが問われる。
そして、ハングリーである。追い込まれると意外な力が湧いてくる。最後の最後まで無い知恵、無い財力を振り絞って「演劇人生面白かった!」と笑って死んでやら~。←文法がおかしいが、無手勝流。

気持は未だ若い。押し相撲だったら女子中学生には負けないだろう。
反面、秋だな~、呼吸が荒くなったな~、走ると骨の節々が痛いな~、こぶ茶が美味しいな~、同世代の友人たちは退職したな~、第二の人生を歩み始めた者もいる。
何だか、秋の涼しさが心の中を淋しく吹き抜けるそよ風のように感じる。

稽古場へ向かう車中、タバコの火が股間に落ちたのも知らず窓を開けて走っていた。痛い!チクっとする局部的な痛みと共に目の前に一本の煙。ジャージのズボンが燃えていた。男の一物先端部分が萌えた。
痛いのではなく、正確には「熱い!」と叫ばなければならなかった。
稽古中は何度となく股間を握りしめることとなった。忘れていた刺激を感じたからだ。ヒリヒリの痛みが熱を帯びていた。
このチクチク、「ほーっ、男ってまんざらでもない。」と思っていたら、ある女優が「男が欲しい」と叫ぶ。ある女優が「脱いでもいいよ。」と誘惑する。劇の稽古である。
ズボンを下ろして冷たいタオルを押し当てたい気分。

稽古の休憩時間、股間を冷やそうと思っていたら電気が消え「ハッピバースデー」♪。
劇団員、赤井犬彦39才の誕生日祝いになった。・・・おめでとう!
39才と言えば紅葉をしみじみ美しいと思える年頃。

思わず、ダンサーで出演するまみちゃんと大輔さんに、「大阪の人は目が肥えている。セクシーでいこう!」とお願いした。
犬彦さんの鼻の下がノビタ。・・・大阪公演の稽古途中である。

引き算の劇【2】

2011-09-23 23:18:31 | No.56「KAGUYA」
■9月23日(金)

昨日に引き続き「引き算の劇」について。・・・

おっと、その前にプライベートなことだが、冬馬夫婦が伊丹から出産準備のために帰って来た。故郷クマモトで産むことになっている。初めての子だから、その方が安心できる。可愛い嫁さんだ。大きなお腹をさすりながら、口癖が「よいしょ。」と言う。私にとっては初孫。生まれたら一回、目の中に入れてみようと思っている。みんなから止められるだろうな~。目の中に入れたら失明してしまうだろうな~。

夜は劇団の霊界、否、例会をした。いわゆる企画や制作などの会議は何度となくやったことはあるが、例会と位置付けて集まったのは初めてのこと。30数年、定期的な例会の習慣はなかった。必要に応じて臨機応変に!これがモットーだった。
改めて、月1回やることにした。この定期的な例会をもって、弱小劇団だが最高決議の役割を果たそうということ。

第一回目の例会の大きな議題は「大阪公演(指宿も含む)旅公演の制作と役割」について。
予算の件やスケジュールの確認、細かいところまで言及して決める。個人の役割、仕事の分担も決まる。形式的ではなく実質的に責任ある自覚が生まれることを願ってのこと。自分の意思を大事にしたい。失敗があってもフォローはできる。

長崎から「KAGUYA」音楽の中村のわーるさんも参加してくれた。新曲2曲持参してくれた。ちょっと行き詰っている場面があり、その音を聞いて閃くものを感じる。音楽と演劇の出会いに不思議な力を感じたのだった。運命的な一瞬。行き詰まりが解決した。ことばを削るメドが立ったのである。

さて本題の「引き算の劇」。・・・旅公演での悩みの種は大きな道具の運搬である。これをなるべく削れないか。
今回の大阪公演では劇団流星群さんとの競演(二本立て)になるのだが、彼らの劇空間をできる限り使わせてもらおうと思っている。舞台図面を見ながら共通のモノ探しをする。共通の舞台で響き合える舞台を!
(1)では時間の引き算。(2)では空間の引き算。モノを引き算すると、裸の美しさをも妄想してしまうのである。暴言だが、納得いかなかったら裸になれ!とある女優に言った。問題は心意気なのであります。
実際はどうであれ、引き算の究極が見えてきた。・・・大阪野外演劇、面白くなります。面白くしなければ熊本から旅する意味もない。

引き算の劇【1】

2011-09-22 23:16:41 | No.56「KAGUYA」
大阪公演まで5週間となった。今回、制限時間60分の劇である。今の状態だと90分かかる。
私の嫌いな算数の問題が生じた。つまり、引き算をしなければならなくなったのだ。引き算は難しい。ここで暴露すれば、私の計算能力は小学校低学年程度だと認識している。



<間>を省き、台詞回しを早くしてみた。どうもおかしなことに見える。台詞の洪水である。ことばが氾濫する。
稽古終了後に台本をチェックしてみた。確かに必要ではない台詞はある。それを整理して消してみるか。おや?失語症?放送事故?場が持つだろうか?不安を感じる。必要でない遊び、ナンセンスも生きているのだ。
無言を肉体で見せる業は得意であるのだが、役者の力量はどうだろうか。ある!と信じなければならない。だが、役者にとって負担は増す。できる役者を絞り込む。いる。劇団夢桟敷は表情で勝負する。強烈な表情を生み出さなければ!

演劇実験である。厳しい条件が私たちを鍛えてくれる。今後の稽古は時間を短縮することに神経は使われる。結果、凝縮したことが劇の濃度を高めることに専念する。

一切、ダラダラ感はなくなる。もやもやを消す。スピードアップではなく、テンポの良い劇とは・・・。悲しみも苦しみも爽快感に転じよう。公演当日ギリギリまで役者とのにらめっこはつづく。

脳に咲く花、らんらんらん

2011-09-18 23:23:16 | No.56「KAGUYA」
9月15日-18日の4日間の稽古で脳に花が咲いてしまった。この花なんの花?不思議な花だ。
名付けて「らんらんらん」。
この数日の睡眠不足と不規則な時間の中で、脳内は大阪公演に向けての「KAGUYA」劇世界で一杯になっていた。想いは大入り満タン。入れ過ぎでプシューッと目、鼻、耳、口、尻、穴という穴から七色の花弁が噴き出したような気分になった。甘い香りがしたが糖尿とは違う。加齢臭の酸味でもない。大器晩成の香り?・・・いいえ、劇が発酵する匂い。

今回、劇では音楽のライブ感覚を演出することになったのだが、思ったよりスムーズに出来上がりつつある。役者兼楽器奏者のクドシン(キーボード)が自分なりに音を出してくれているではないか。中村のわーるさん(作曲)の「かぐや」音楽があったからできることだろうが、これにパーカションが加わると音が更に進化するだろう。田中幸太+クドシンのコンビネーションは10月に入ったら形になるだろう。

18日は藤崎宮秋の大祭(ぼした)だったが、あのリズムも大阪へ運ぼうと思いついた。どーかい、どーかい♪馬追いのお祭り騒ぎを大阪でやろうではないか。天変地異がおどって歌い出すのである。アングラ+メルヘンの劇がメルトダウンする。
私は何を言っているのか自分でも理解していないが、そんな劇になる。テンションは上がった。

脳内フェロモンが花のように、らんらんらん。
明日「敬老の日」は街に出て「反原発」に顔を出してみよう。ガス抜きである。台風の影響があるだろうが、花嵐の予感はある。

そろそろ10月が近付いてきた。キッズミュージカル「かぐや姫」(清水公民館、子ども劇を作る講座)もスタートする。二つのバージョンで取り掛かる訳だが、こころと身体にとっては良さそうである。

改定の改定へ

2011-09-16 23:13:39 | No.56「KAGUYA」
(1)

昨年の12月に上演した「かぐや」(作・夢現)は今年の5月「KAGUYA」として改定され、次回公演10月28日-29日の大阪公演では改定の改定として「新☆KAGUYA」野外公演でおこなわれる。更に12月は鹿児島県指宿市の居酒屋で改定の改定の改定として公演することになっている。
改定を繰り返すことによりイメージは進化する。深まる。洗練される。戯れる。

これまでにも「梅川事件・四畳半夢の下張」/「1945漂流記・星砂がくる海」(原作・下嶋哲郎)/「ねじ式」(つげ義春)/「アリスの証言」/「薔薇色之病室」なども改定版として1979年から2011年までに上演した。改定版は過去の上演でも強烈に刻み込まれる。劇団では代表作に値することになる。
これからも思い出して再演、改定版をすることになるだろう。上演するネタには困らないところまできた。改定版とは言え、劇作りは新作と同様のエネルギーを使う。油断禁物である。役者が入れ代ったりするとあて書きを付け加え新たな登場人物を生み出すことになる。だから飽きることはない。新鮮な気持ちで取り組める。

「新☆KAGUYA」では新人3名(赤井犬彦、まなみ、KAREN)と、客演としては名古屋から「てんぷくプロ」の矢野健太郎さん、はる君(劇団 魂)、それに友情出演としてダンサーの山本真実さん、中村大輔さん、・・・更に劇団の旗揚げメンバーである海幸大介が30年ぶりに復活出演することになった。
大阪ー鹿児島は劇団夢桟敷にとっては総力戦といった様相になる。私は口が軽いため天下無敵と言ってしまうのである。だがそれがいけない。天下無敵どころか、マイナーであるが故に胡散臭さは隠しきれない。まだまだ、胸を張っていられないところもある。だが、上を向こう。胡散臭いところはない。アングラ劇は健在であることを示したい。胸を張る。

上は61才から下は12才、中心メンバーは20代半ばのバリバリであり、層も厚く幅も広くなった。実質的に世代を超えた劇団になってきた。だから発想やセンスも一見まとまり難いが、方向だけは同じところを向いていくように心掛けている。

さてKAGUYA、大阪公演は野外バージョンへ変貌する。
改定の改定は空間が新しい劇を生み出してくれるのである。会場は神社。それ自体が舞台なのである。
競演するのは劇団流星群「まほろば」。今年の流行語になりそうな「絆」で結ばれている。
演劇エクスプレス大阪の第2弾。そして第11回大阪野外演劇フェスティバル参加となる。・・・関西の方々との交流を広げよう!

(2)

劇「KAGUYA」では<胎児幻想>としての<月の子>をイメージしている。
<月>を<子宮>に見立てているのである。
かぐやは堕胎された母への怨霊として登場する。あるいは妖怪。
恐ろしくも悲しい物語になってしまう。
怨みと愛は相対立するが、ここは、たかが演劇である。されど演劇である。

怨みと愛が同居することがある。・・・そう見せることによって妖怪が人間に見えたり、人間の方が恐ろしい妖怪に見えたりする。
立場が変わると、怨みも愛も完全にひっくり返ってしまう。

日本昔話を裏側から読むと、つまり、ひねくれて読んでしまうと「めでたしめでたし」どころか、結末を不幸に感じてしまうのは私だけだろうか。
「かぐや」の原作である「竹取物語」は疑問や謎を残したまま物語に幕を閉じてしまう。
一体、誰がハッピーエンドになったのだろうか。ハッピーエンドがない。

ここには日本特有の美しき閉鎖性を感じてしまう。・・・残された者たちの耐える美しさ。我慢する美学。欲望を押える民の力。このようなマイナーな美学が根強く村社会を形作ってきたのである。

今回の公演では堕胎を間引きに置き換えて捉えることにした。
間引きされた子どもは生きていたのである。
こころ優しい人に育てられた。
人が優しくなれるのは不幸や悲しみ、怨みを知っているから。叩かれ、傷つき、どん底に堕ちた者のみ培ってきた愛がある。



そのような思いを込めて劇作りに励んでおります。

ひきこもり

2011-09-14 15:38:06 | モノローグ【エトセトラ】
今週の月曜日から水曜日の今日まで原稿書きのために2泊3日、部屋にひきこもった。
外部からの侵入を拒否した。
演劇に関係しない人間関係の訪問を絶った。
外で食事することも酒を呑むこともしなかった。
つまり、一歩も外に出なかったのである。
一部の劇団員を除いて、完璧に他人を見ることはなかった。

こうでもしないと原稿が進まなくなる。純粋に作家生活。純文学あるいは私小説そのもののような精神生活だった。
原稿を読み返すと「井戸端会議」のような、団地の奥さま族の会話が溢れ出ているではないか。笑えると同時に違和感も覚えた。
それは削除。書き直すことに手間がかかる。夢がない。風も吹かない。

社会との関係はテレビとインターネットのみ。これには流石に集団で生きる者にとって不自由さを感じたのだった。
皮膚感覚も人間の呼吸さえも感じなくなる。・・・パーソナリティーを失うと、国家や家族、大小様々な共同体に無関心になってしまう。

ひきこもりとはこのような感覚になるのか。
不安が「私」だけのミクロ世界で増殖する。他人の悲劇が面白く見え、反動で自分を悲劇の中心に置いてみたくなる。

これまでも台本を書いたりする時は、このようなひきこもり生活を繰り返してきたのだった。
不健康な気持で落ち込んだりすると、その反動でテンションを上げる。この幅が大きい程、活字では表せない肉体が反応する。

さて、明日より劇の稽古がつづく。来週中には手作りの本も出版する。
200部作家の内向に幕を閉じよう。

9.11 悪魔のつぶやき

2011-09-11 23:08:08 | モノローグ【エトセトラ】
9.11・・・米同時テロから11日で10年を迎えた。私の周辺ではこれに関する日常会話は出なかった。
テロってな~に?劇団内では天然ボケが流行している。
てろてろ、ぼけぼけ!である。
これは狭い日常に毒された疫病のようなアッパラパパパーと関係しているのだろうか。そうではない。
米国のテロ報復にもうんざりしてきたのである。

ニッポンは東北震災、原発爆発から半年が過ぎた。この度の台風、土砂崩れで近畿では大被害も喰らった。遅々として進まない復興、天変地異にもうんざりである。
うんざりしながらも、大乱の兆しを感じている。
口に出したりすると悪魔が自身の中に棲みついているのではないかと驚く。大乱内乱を期待しているのか。
危険ですね。
たかが演劇の人ですから湯の中の屁であります。鼻をつまんで息を殺していればいいのです。

今、劇団夢桟敷のキャッチコピーとして「日本の恥・熊本名物(逆説あり!)の旗を上げて旅公演(大阪ー鹿児島)の準備に取り掛かっている。
このコピーは自虐的ではありません。ポジティブに発しているのです。
ある意味、劇団は日本や地元熊本を意識した劇団になってきた。
田舎文化人ナショナリズムではありません。ナショナルキッドです。(昔のオタクでないとわからない七色仮面?月光仮面?)

私たちの劇団は民間、個人から助けられている。顔がわかる人たちから支えられている。感謝の気持ちが活動範囲を広げていけるのです。
暴力団とは一切関係ございません。
市民です。友人です。恋愛感情にも近い。この人たちのために。

いずれにしても旅公演は定着してきた。
小劇場は裸一貫、ビンボーではあるが小回りが利く。
もぐらのように地中に潜ることもできる。
陽が当たらなくても生きる術は学んできた。

芯がなければ、演劇はできないもの。

さて、この天変地異とテロ対策、危険な大乱を予感することは劇つながりである。台詞になってしまいそうである。オドリが暴動のようにも思える。オドレヤ、ウタエ。
外に向けると受ける側が癒される。これが劇だ。こんな関係が成り立つ。
ピーンと緊張ばかりしていると、人間、壊れますよ。
どちら様もお身体は大切にしておかなければなりません。


悪魔のつぶやきはつづく。
「もうじきこの世はおしまいだ。」・・・これはあくまでも演劇の面白さだと思うのであります。

9.11につぶやく。

さて、明日より2泊3日(座長が居ない日)、引きこもり作家に堕ちます。
原稿締め切り3本、9月15日。余裕のよっちゃんである。

新☆KAGUYAチラシ

2011-09-08 23:25:19 | No.56「KAGUYA」
■10月28日(金)-29日(土)
大阪⇔熊本エクスプレス第2弾!+第11回大阪野外演劇フェスティバル参加
於:高津宮 特設野外劇場 (最寄り駅:谷町9丁目)
劇団夢桟敷「新☆KAGUYA」+劇団流星群「まほろば」

(表)

(裏)

宣伝チラシ、ポストカードができました。これより配布します。
尚、大阪の地下鉄駅などでもポスターやチラシが配置されています。
関西地区の方、予約はお早めにお願い致します。
予約■劇団☆流星群 TEL:06-4398-4332 E_mail:tic@ryuseigun.com
(注)尚、熊本からのツアー観劇ご希望の方は交通手段・宿泊なども含めて受け付けております。

劇団夢桟敷からは総勢14名で臨みます。
演劇は旅そのものです。・・・人生が旅に例えられるように、演劇そのものが「旅」であると実感します。
芸能界への憧れ、メジャーな商業としての舞台を夢見る大半の挫折の中で、
小劇場や新劇、アングラ劇は独自な道を築きあげている最中です。
大阪では野外演劇フェスティバルの開催により、その流れを歴史に刻もうとしています。
私たち劇団夢桟敷は今、熊本市河原町を劇場化しようと地域レベルで取り組んでいますが、これは「旅する演劇」とも同義であり新たな指標を目指すものとして位置付けています。

天変地異、大乱の兆しがあるニッポン。演劇には大きな役割があります。
生きる勇気。避難場所としての劇場。そして、ここに新たな創造する力を生み出す人間たちとの出会いがあります。
出て来いや、次世代の破天荒。これは小劇場=アングラ劇の方向性でもあり日本の伝統芸能、悪意の権威にもなっていくのです。

指宿下見レポート☆9月5日

2011-09-05 23:29:03 | No.56「KAGUYA」
12月3日(土)の「新☆KAGUYA」公演を予定している鹿児島県指宿市まで下見をして来ました。
ここは劇団員=肥後丸.のふるさとでもある。これを機会に劇団員ふるさと公演シリーズをおっぱじめようかと調子にノッテいるのです。
指宿と言えば温泉、砂風呂、池田湖のイッシ―、菜の花マラソン、かつお、おくら、そして肥後姓が多いことでも知られている。海あり山あり!道路脇にはソテツやフェニックスが植えられており、日差しが痛い南国情緒溢れる街です。
今日9月5日(月)は座長、サキ、コータ、肥後丸と私の5人での日帰りの旅となった。



熊本ー(九州自動車道)-鹿児島ー指宿スカイラインで約3時間のところ。
途中、桜島パーキングに寄ると「トビマス、トビマス」の(故)坂上次郎さんがさつま揚げを持って「たべます、たべます」と待ち受けてくれていた。桜島からは噴煙が吹き上がっている。海の向こうは広大な南太平洋!眺めているだけで人は大きくなります。海と空の青で包み込まれている。
こんなところで肥後丸は育ったのか!・・・前回6月の下見では美味しいものばかり呑んで食べていたが、今回は環境面から精神的な部分まで見渡せる心の余裕さえあった。日差しは射すが影は心地良い。カラッとしている。

公演会場は和風居酒屋「かわき」。日本酒ソムリエのマスターとママさんが経営する店。肥後丸の父上がオアシスと言っている芸能人も訪れる店である。下の前歯が無くなっているマスターに親しみが湧く。ママさんは目がクリクリしている。癒された。
スイカを振舞ってくれて、公演の打ち合わせとなった。公演ではドリンク付きである。うちの劇団はビールでも呑みながら見てもらうのが良い。ヨイヨイで見ると涙が溢れてくるお芝居になるのです。悲しくも可笑しい、感情は高まります。
ここでは昼・夜の2ステージとなるが、居酒屋の特性を生かしてお客様にもお食事をしてもらいたいと思っております。和風料理の腕は超一流、値段も安い。熊本からも鹿児島料理を食べに来るツアーとしては最適な会場になります。特に、魚料理はオススメ。演劇は二の次だ!と暴言を吐いても暴言にならない。日本酒好きの田中コータは会場をチェックしながら、全国の高級日本酒陳列を見てよだれが止まらなくなっていたのだった。・・・「KAGUYA」打ち上げ会場であります。できれば鹿児島の演劇人にも見てもらいたい。観光客にも!
肥後ファミリーと劇団、熊本と指宿、観光と演劇、入り乱れたいものです。



「かわき」での打ち合わせも終わり、近くにある肥後丸の実家で小休止する。犬二匹に猫一匹がいる。お姉さまの子どもさん2才は昼寝の真っ最中。病院を経営する親の御殿である。・・・こんなところで育ったのか!ビンボーの「び」の字も見当たらない。アングラ劇団=夢桟敷の秘密が深まるばかり。不思議だからいいのです。
実家の裏手は海、太平次公園で散歩した。太平次さんは日本の造船業を起こした人と記してあった。銅像を手本に指を立てた。指宿では指が動く。トビマス、トビマス。




肥後丸ファミリーにご挨拶して熊本に帰る途中、菜の花館に立ち寄る。・・・今は閉館中で粗大ゴミと言う人もいたが、民間企業がこの施設を引き継ぐことになっており、これは指宿の宝だと思った。
建物の形や機能は人の妄想をかりたててくれる。想像力が湧いてくる。これを設計した人は?どうしても会いたくなってしまう。野外ステージに立ち会って、来年は演劇キャンプか九州野外演劇フェスティバルを企画したくなった。夜になると星や月と繋がる。隣には大きな温泉旅館もある。絶景な場所である。文化庁や演劇の諸機関に企画書を作って相談してみようと思った。
宇宙感覚のフェスティバルになるだろう。

8月末から今日まで大阪と指宿の公演下見をした。やる気満々である。これより劇作りに集中する。旅公演に向かいます。旅は人。人との出会いがあって面白い。

大阪下見レポート

2011-09-01 23:15:13 | No.56「KAGUYA」
10月末に「新☆KAGUYA」大阪公演下見&打ち合わせ、お世話になっている方々へお会いするために大阪へ行って来ました。2泊3日のヨイヨイひとり旅。お会いできた方々には美味しいものや楽しい時間を頂き、心より感謝申し上げます。

■8月30日(火)

熊本は日本晴れ。秋を思わせる鱗雲が浮かんでいる。熊本空港まで海幸大介さん(劇団の旗揚げメンバー)に送ってもらった。
空港ラウンジでコーヒーを飲んでいたら、出発時間の15分前、ぎりぎりセーフで搭乗することになった。
大阪伊丹空港着14:10着。リムジンバスで新阪急ホテル前で劇団流星群のiwakuraさんとmacさんと待ち合わせ。その足で谷町線で谷町9丁目にある高津宮(公演会場)へ行く。宮司さんとのご挨拶をする。この町はお寺や神社が多い。劇団員たちが宿泊するウィークリーマンションの下見もできた。ホテル並みである。




第5回大阪野外演劇フェスティバル参加、劇団流星群とのコラボ公演会場である高津宮である。「KAGUYA」にはふさわしい環境が整っている。大道具がそのままある。大阪公演は環境そのものが舞台になると感じた。イントレを組み立て照明機や映像などを写し出す紗幕を吊り、想像するだけで心オドル。




夜は劇団流星群のみなさんと梅田の居酒屋で過ごす。大阪事務所のマシマンも合流する。昨年の暮れには「大阪-熊本 演劇エクスプレス」でご一緒させてもらっているので家族同然のお付き合いとなった。来年の秋には熊本の河原町で野外演劇フェスティバルを企画しようと思う。これは「町の劇場化計画」の必然を感じる。県外からの参加劇団で盛り上がると行政も立ち上がるであろう。演劇のパワーだ。

■8月31日(水)

宿泊は息子夫婦のマンション。はっきり言って親の住むマンションよりもリッチである。一室、専用の音響室がある。劇団の音を息子に頼むことがあるが、こんなリッチなところで作られているかと思うとアングラ劇を名乗るのが嘘のようである。
この日は午前中に近畿大学に走る。6年前、「唐十郎フェスティバル」参加でお世話になったS先生と会えることができた。大阪でもアングラ劇は化石の文化と位置付けられているようだが、反面、伝統文化?として権威?だけは大きくなっているようである。・・・流石に関西、演劇や芸能の歴史は大切にされている。アングラ劇の流れが新たなものへ繋がる動きがあると話が弾んだ。
午後1時に「舞台俳優倶楽部」の関西地区のお二人様(akoさん、yokkoさん)ともお会いする。会ってガッカリされるのではないかと心配していたが、大阪の女(ひと)は漫才のノリがあるので軽い。これが気取りなく私も気楽にアホになれる。ガッカリされなくて良かった。軽いは良いです。ところで、「お若い!」と言われて気分が良くなったのであります。公演の時も仲間を誘ってくれるとのこと、嬉しい限りです。
夜は、新阪急ホテルのレストランにてkojimaさん、マシマンの大阪事務所との会食をする。柄にもなく高級感ある食事に手が震えた。熊本では稽古後に飲食するが手が震えることはない。kojimaさんとは大阪で会うとこのレストランに案内される。ファミレスとは大違いである。ネットで熊本のことを調べているらしく、熊本事情は私よりも詳しい。今度、来熊された時は路面電車と熊本電鉄をご案内する約束をした。



短い二日間であったが皆さまとお会いすることができて楽しかった。豹柄のおばちゃんは見かけなかった。
宿泊先の息子夫婦のところは帰宅時間が遅くなり迷惑ばかりかけた。この秋、出産予定の孫を胎内動画で見た。胎内の孫は無心に真面目に生きている。生まれて、この動画をみると感動するだろうな~。

■9月1日(木)

大型台風が近付いている。九州方面は影響がないようだが熊本⇔大阪の空の旅は39人乗りの小型プロペラ機だった。
ジェットコースターに乗っていると思えば楽しめる。新幹線よりは格安で、1時間半、遊園地で遊んでいるような気分。
窓の下は四国、中国地方、そして瀬戸内海が眺められる。九州山地を横断していると地元に帰ったような気分が味わえる。雲の上の人ではあるが下界を上から眺めると気持ちが大きくなれる。



熊本空港着15:10。大ちゃんと399円の寿司ランチ(寿司8カンとうどん)を食べて満腹になる。
夜は大阪名物「お好み焼き」「たこ焼き」「串カツ」のせんべいを劇団員たちと分けて食べた。稽古である。流石に熊本の日常にあっさり落ちた。
「日本の恥」=「熊本名物」(逆説も方便!)劇団夢桟敷は今年末まで大阪ー鹿児島に打って出ます。海外公演は夢の夢を夢見ながら・・・。