山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

とうめい・消える・無視

2013-10-31 22:47:38 | キッズ劇2013-2014講座
大詰めである。明後日が発表会。
ピンクレディーの「透明人間」を楽しく歌える劇であればよし、と思っていた。
歌って踊って、劇の面白さを子供たちに経験させることを目的にしていた。
「うちの子は大丈夫だろうか」と親御さんの中には心配している方もいる。
「大丈夫!お客さんたちは温かく迎えてくれる。」
失敗があっても、一生懸命な子供たちの姿を見ているだけで許される、と思っていた。
ところが、本番前になると要求が高くなる。
それは、
この劇の意味を子供たちなりに理解していると思ったからだ。
子供だからと言ってなめてはならない。
小さな心で子供なりに考えているのである。

今日は2回の通し稽古だった。
完全に台詞は入っている。ラストに近いところから手直しをした。
意味を理解していると融通は利く。素早く変更が形になる。

稽古が終っての帰り際、「透明って消えることではなく、無視されることなの?」とある少女に問われた。
感受性が豊だと感心する。

いよいよ明日はリハーサルである。
会場も出来あがって緊張する子もいるだろう。
だが、委縮することはないだろう。子供たちに意志があることがわかった。
表情が生まれてきた。役に入ると表情が変わる。

【ご案内】

熊本市北区清水公民館講座キッズミュージカル
「とうめい人間」
作:坂本咲希/演出:山南純平
演技指導:坂本真里/音楽:工藤慎平
舞台デザイン:肥後丸.
■11月2日(土)午後2時40分~
■清水公民館ホール(熊本電鉄はけのみや駅)
(入場無料)

動画へリンクYouTube10.19市街劇
「ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
次回公演「遊戯療法」ご案内

キッズ直前の・・・。

2013-10-30 23:49:16 | キッズ劇2013-2014講座
とうめい人間?・・・キッズたちは面白さと謎に包まれていた稽古である。
悪い子どもたちがいる、仮に暴走族という設定であるが舞台では悪い子供に見えないだろう。
誰が見ても可愛い舞台になる。
稽古場では、子供たちはとうめい人間になれたら「悪いこと」ばかりしたいと楽しんでいた。
だが、そうだろうか。・・・この劇は後半になると「淋しさ」が浮かぶ。
本番直前になってそれを理解できる子供たちがいる。
それが味噌だ。・・・もし、とうめい人間になれたら!を投げかける。

子ども達の想像力はバラバラである。年齢差は小1から中1まで。
押しつけない教育もある。
教育と演劇は違うだろうが、だから演劇の意義を見出しているのです。
今日は肥後ちゃんが来た。劇団員が子供たちの稽古場に来ると心強いものだ。
キッズ担当は座長とサキとクドシン、私だった。
明日は通し2回の予定。明後日はリハーサル。
この時間で子供たちの進化を共有できることが楽しいのである。



キッズミュージカルの稽古も明日でラスト2になった。
「どうしたら台詞を覚えられるの?」と小3の少女から尋ねられた。
忘れることを恐怖と感じている。小さな胸の内は繊細だね~え。
「おまじないをしてあげよう。」と言って「もう一回!」と言ってやった。
「おまじない」というより「くすり」に近い。
この薬をばらまいている自分はケッキョクヤッキョクである。

劇団では「台詞を覚える」では通用しないようなことを言っている。

子供たちにとっては「覚える」ことが大切?人の話を「聞くこ」とが大切?・・・子供とはいえ、受け身では辛かろうに!
遊びたいのだ。演劇をまっとうに遊び道具と思ってくれたらしめたものだ。

「人の話を聞け!」と声を荒げたくなることもある。その直後、寂しさに陥る。
小さいものに大きな力を振りかざすことをみっともないと思うのだ。そんな大人が増えている。大きな力には従順になる大人。
それを子供たちは感じているのではないだろうか。

教育現場では「考える力」云々が課題になっていると聞いている。
考えたり、ものを作ったり、表現することの方が悩みは大きくなる。
悩むことをロボットはしない。
ロボットは言われる通りに動けばよいからである。人間じゃあない。

発表会本番直前になって子供たちは焦り始めた。
それがよくわかる。
ここ一番。人間同士の劇を仕上げる。

密室劇へ

2013-10-29 23:48:13 | 遊戯療法~レミングより
やっと秋らしくなってきた。
体質が変わったのか、やたらと芋が欲しい毎日。甘いものを身体が欲しがっている。
芋を食べると形の良いうんこが出る。腸の調子が良くなる。
これからは風邪をひかないように細心の注意が必要になった。
対策としてみかんを食べる。マスクをして外出すること。手洗いうがい。一日一万歩で汗をかく。

クドシンとサキが次回公演「遊戯療法」の会場であるギャラリーADOの図面を作って持ってきた。
狭い!これは経験済み、前提でこの狭さを活かす。
次回公演では舞台と客席の配置をこれまでとは変えた。
まるで舞台の中に客席はある。そんな空間になる。
円形劇場ならば客席が舞台を取り囲むが、逆になる。舞台が客席を取り囲む。
5年前の「疫病流行記」(寺山修司)の時も同じような発想で取り組んだ。会場は熊本市上通りの同仁堂スタジオだった。
箱馬と平台で舞台を組み立てて客席を取り囲む。前後がわからなくなる。
まるで、押し入れの中で秘密めいたことをしている錯覚に陥る。
都合の良いことにギャラリーADOにも押し入れがある。 
当初はこれを利用して舞台に使用するつもりだったが、視覚的に見切れてしまうために断念する。
錯覚を生みだせば良いのである。会場全体が押し入れであるような感覚を生み出せば面白い。
集中治療室ー診察室を妄想の中でエロチックな場面として浮かび上がっている。
今回の登場人物は2の線、3の線(二枚目、三枚目)をはっきりと区別する。
滑り出しは笑いを求めない。これは苦しい。逃げたくなるが逃げる通路もない。だから3枚目が必要になる。
ピエロは悲しい。悲しみの中に生理的な笑いを!行き過ぎよ、影。
犬彦、manami(看護婦)がその役割になる。診察室がソープランドのようになってしまう。
密室だからと言ってじめじめすることはない。明るい闇を演出する。
「盲人書簡」(寺山修司)のように意図的に「見えない劇」を作ろう!
「観客席」(寺山修司)のように客席で事件が発生する。
「疫病流行記」(寺山修司)のように閉じ込めいておいて解放する。

今日までの稽古で一旦「遊戯療法」に区切りをつけて明日(水)よりキッズの連続稽古に入る。

【ご案内】

熊本市北区清水公民館講座キッズミュージカル
「とうめい人間」
作:坂本咲希/演出:山南純平
演技指導:坂本真里/音楽:工藤慎平
■11月2日(土)午後2時40分
■清水公民館ホール(熊本電鉄はけのみや駅)
(入場無料)

動画へリンクYouTube10.19市街劇
「ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
次回公演「遊戯療法」ご案内

KAWAII(世界語)

2013-10-27 23:27:06 | キッズ劇2013-2014講座
いよいよキッズミュージカル「とうめい人間」発表会11月2日まで間近になった。
昨日(土)今日(日)は午後キッズ、夜は次回公演「遊戯療法」の稽古ダブルヘッダーだった。
スイッチの切り替えは容易ではない。
体力気力、沸点である。・・・疲れも充実した二日間。

■10月26日(土)

昨日練ったプランを持ち込んでの稽古だった。
透明人間とのやりとりがテーマだ。
台本通りに進行しているのだが、台詞を聞いていると劇としてつまらない部分もあり、シュールな手法を持ち込んだ。
このシュールな手法とは、・・・。ある意味、夢桟敷では得意な分野ではある。
子供たちに通用するだろうかと心配だった。
ところがどうだ!活き活きとしているではないか。これには驚いた。
指示も会話も通用する。
むしろ、大人より吸収が早いのだと驚いた。
脳がやわらかいスポンジのようだ。
子供だからと言って子供らしさの見本を決めつけない方が良いのだ。
明日の稽古は衣裳を持って来るように伝えておいた。なければ劇団の衣裳を使うのだが、ちびっ子たちには大きいだろう。
どんな可愛い衣裳を持って来るのか楽しみである。

■10月27日(日)

キッズ、ラストまで強行突破した。
ここからが勝負。気が休まらない。油断禁物というやつだ。
ある子は家庭に戻ってもキッズ劇のことを楽しそうに延々と話していると親から聞いた。
遊びの中から引き出したつもりで、この点はうまくいっている。
本番になると委縮してしまうのではないかという心配はある。
小学低学年が半数はいる。遊びは元気だ。
蓋を開けてみて、遊びではなかったと気付いたらどうだろう?
お客さんに受けたところで戸惑わないようにしなければならない。確実に受けるからだ。
お客さんとの関係をイメージさせなかれば!これが残り僅かとなった稽古の課題。
幕が閉まる。カーテンコールが鳴り止まない。
「どうもありがとうございました。」まで念を押した稽古をして今日のところは終わる。

両日ともキッズ後の稽古は劇団夢桟敷次回公演「遊戯療法」部分に続いた。
キッズかわいい~の余韻を残しつつ・・・。


動画へリンクYouTube10.19市街劇
「ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
次回公演「遊戯療法」ご案内

雨だった一日

2013-10-24 23:42:01 | 遊戯療法~レミングより
昨日決めた筈の舞台図面が大幅に変更した。
座長=夢現が首を傾げている内はまとまらない。この劇団の力関係である。
演出(私)の口数は多いが、座長の一声が効く。最終的には舞台監督クドシンが整理する。2時間で決着した。演出は制限された自由の中で応用する。この方法には慣れている。

新しいダンスの振り付けに入った。
メインはMamiちゃん(ダンサー。薔薇色の花嫁)、肥後丸.(女優、景山影子)、サキ(景山影子の影女)三人で踊る。振付は中村大輔さん(ダンサー)。
「タンゴ」の場面だったところが「頭足人」に変わった。
全員で「犬の水蒸気」を歌うことにした。

何を言っているのだろう?・・・要するに稽古場は男も女もポロリと露出するのである。

それを察知してか予約の問い合わせが多くなってきた。

妄想する舞台は治外法権である。
16時~22時までの打ち合わせと稽古でプチ錯乱している。
心地よい脳疲労で血糖値が下がった。甘いものを食べて夜の活動に入ろう!
老いて盛ん。・・・何がじゃ。妄想する力のこと。
「遊戯療法」の舞台は病院である。


動画へリンクYouTube10.19市街劇
ポータルゲート 1M国家」

市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
合言葉は「集団の力」だ。
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マッタあり!書きなおし。

2013-10-23 23:54:35 | 遊戯療法~レミングより
劇団夢桟敷は1979年に立ち上げたのだが、その大きなきっかけとなったのは1978年の唐十郎率いる状況劇場が「ユニコン物語」を熊本の子飼橋下河川敷で上演した時だった。
当時、悶々としていた20代の青年たち10数名が文芸サークルを作って状況劇場受け入れを手伝っていた。「ユニコン物語」と立ち会ってからというもの、演劇への志に火がついてしまった。元々、学生時代に学園祭でお芝居をしていた連中だった。黒テントの赤いキャバレーでは「馬 安倍定」にも受け入れで関わっていた。
受け入れや追っかけでは物足りずに劇団を立ち上げよう!ということになった。意気盛んな時だった。
その内の4名(夢現、上村源太、浦上女史と私)が東京へ出て行ったのが1979年4月。その年に天井桟敷の演劇「レミング」を晴海ふ頭で立ち会う。

その「レミング」を寺山修司没後30年で上演したのが今年の4月。寺山死後、生まれたメンバーたちが大半の集団で上演する。
7月ー8月はワークショップ「寺山修司研究会」を週1回のペースでおこない、1960年代からの日本の演劇史を捉えることになった。
この研究会でお世話になった崇城大学芸術学部の三枝先生(寺山修司学会所属)よりSTREET ART-PLEX KUMAMOTOへの参加を呼びかけられ市街劇を10月19日に決行する。流れ的には「寺山修司」の世界で繋がった。
寺山劇の公演としては次回は第2弾になる。しかし、「レミング」-「研究会」-「市街劇」-「遊戯療法」の4段跳びで、今年の演劇活動はテラヤマ一色となった。

ここにきて「マッタ!」である。
私たちの演劇は作品発表だろうか。つまり、テラヤマを作品(テクスト)として紹介するに止まってよいのだろうかという疑問が膨らむ。
元々、演劇は戯曲の再現ではないと思って取り組んできた。恐れ多いことだが、空論を恐れずに言うと「戯曲以上」のものが舞台に現れなければならない。上演する集団の今を浮かび上がらせたい。
戯曲の命は<いつ><だれが><何を>が時間と空間を超えるものだ。それを確認しようと思った。
この時代、ここの人間たちが次回公演では<何を>形にするかが見え隠れしてきたのである。
寺山修司と天井桟敷の人々が実験してきた演劇を、その延長として公演に臨む。
作らなければならない。壊すべきものは壊さなければならない。
ひとつ、「ことばの時代」「静かな演劇」に私たちは叛乱する。

市街劇ではそれを経験した。
明かすと、台本はなかった。出演者たちはどんなに不安だったろうか。個人差はあるが、その不安が爆発したように思えた。
結果、それが台本通りだったのである。結果、出演者も立ち会ってくれた方々(観客)も共同の創作者となった。
寺山修司の台本はそれが起爆剤としてある。その仕掛けがある。
人間の想像力、演劇は死なない。
只今、構成台本、書きなおし中である。

今日の稽古は午後4時ー6時まで仕掛け会議。6時ー9時半まで稽古。その後、酔ってふらふらするだろう。

市街劇動画ご案内

2013-10-21 23:56:45 | 遊戯療法~レミングより
浅川浩二さんが先日の市街劇をYouTubeでアップしてくれていました。
動画へリンクYouTube10.19市街劇
ポータルゲート 1M国家」


市街劇から次回公演「遊戯療法」は密室劇に代わります。
今日22日(火)の稽古では、新しい発想が生まれた。
合言葉は「集団の力」だ。


次回公演「遊戯療法」ご案内

市街劇◎終了、大感謝!

2013-10-20 01:33:43 | 遊戯療法~レミングより
受け入れて頂いた実行委員会の皆様、協力して頂いた皆様、ご来場頂いたお客様に心よりお礼申し上げます。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO◎市街劇
ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家
■10月19日(土)18:45-19:45 場)熊本市上通りアーケード&上通りパビリオン


天候が心配だった。
最終稽古の(金)はセットを組み立てるために稽古場まで道具運びをする時、雨が降り出したからである。
市街劇当日(土)は晴天!天は味方してくれた。

22ユニットが参加した熊本市中心部の商店街、下通りー上通りで繰り広げられたSTREET ART-PLEX KUMAMOTOも今年で11年を迎えたとのこと。
私たちは初参加である。
例年だと公演活動に追われている時期だった。今年もキッズミュージカルや11月公演「遊戯療法」に向かっている。
10月-11月は熊本も演劇ラッシュである。

2013年は寺山修司没後30年で、この1年は追悼の意も込めて劇団としてはテラヤマ演劇に取り組んでいる。
4月「レミング」では客演さんも含めて20名以上の大所帯で「壁の消失」に挑戦した。
その延長として市街劇「ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家」に取り組む。
20名を超える出演者となった。「仮面工房」の賀久さん、「みちくさ」の玉垣君に加えて「モノクローズ」や崇城大学芸術学部、コスプレ少女たちも加わる。
7月-8月の「寺山修司研究会」ワークショップで理論的バックアップをしてくれた三枝先生がプロデュースしてくれた。

当日の午後1時にユニット参加者の顔合わせの時、20年ぶりのジェフさん(尺八奏者のカナダ人)と再会する。彼とは「地球の日」イベント共演以来の再会だった。お互い歳もとったが活動を続けていることに喜びを感じた。日本語がうまくなっていた。

2時より搬入ー会場(上通りパビリオン)でのセット組み立て、4時ー6時で衣裳メイクに入る。6時よりスタンバイ。
試しにパスポート(異界へ入場する券)をパフォーマンスとして配布する。
これは本番であがらないための「おまじない」として度胸試しのつもりだった。
通行人は無関心を装うことを想像していたが、現実、反応は上々だった。
6時45分のストリートでのスタートまでにはパスポート(200枚)が無くなってしまう。
パビリオンでは7時開演なのだが6時半には着席のご来場者が埋まりかかっていた。
6時45分、ストリート開演の案内をして一旦出てもらった。
通行の妨げになるほど輪ができた。これは予想通り!・・・実行委員の整理で事なしだった。

ストリートからパビリオンへお客さんを案内する流れはスムーズに運んだ。
(0)
パビリオンで開演する。
賀久さんがロボットのように「入口」「出口」をエンドレスで語りながら門番として無機質にゲートに立つ。
ボディーチェック(危険物持ち込み禁止)では男は女性の身体を触らないように!と言っていた本人(私)だったが、調子にのって若い女性を触りまくってしまった。セクハラで逮捕?事なしだった。
(1)
音響席ではタカハシユウジ(電子ドラムの男)がライブを始める。クドシンが「国家」を叫ぶ。熊本の固有名詞が並ぶ。この町のパズルが始まった。
(2)
影から湧いてくるように全員で歌う。やさしさが溢れる。
(3)
意味不明の異常行動に見えるダンスが始まる。振付が統一されているとこのダンスも意味があるように思われるのだ。
(4)
玉ねぎを片手に持ち「これを預かってくれ」と全員で一対一の訪問劇をする。言われた方は錯乱するのではないかと思っていたが、ニコニコ笑って見てくれていた。事なしだった。
(5)
ストリートでアンケートを集めた「汚い言葉」を新人、太郎ピーチマンションが叫ぶ!
ケーキの洋菓子店「スイス」と中華料理の老舗「紅蘭亭」の間にある中庭である。空間的にはミスマッチを仕掛けたのだが、事なしだった。
(6)
ダンサーまみちゃん(花嫁ドレス)のタップダンスにつながり、ご来場者の方々もそのセクシーさにお褒めの言葉を頂いた。
(7)
ドアから天文学者(玉垣君)が語り始める。「超理論」は宇宙の誕生と消滅を説明しているのだが、看護婦(まなみ、犬彦さん、柏山弘明君)
に囲まれているため気が狂ったように見える仕掛けだった。天才か狂人か。
突然、客席にいたコスプレ少女を担ぎ始める男三人、中原中君の緊張はほぐれていた。その後を蝋燭を持ってついていく看護婦たち。稽古の時は「葬式」をイメージしていたのだが、カーニバルの行進のようにも見えた。
(8)
ドアから記憶喪失の女優(サキ)が映画出演者のように登場する。背後にはエキストラたちがポーズを決めて立ち並ぶ。
ドアの上から白塗り学ラン少女(みきちゃん)が浮かび上がる。肩車で上げる縁の下の力持ちは村野君である。
(9)
タンゴを踊る。女優の記憶の中で!
(10)
ドアから壁女のつもりだった座長が野球でフライを追いかけた少年の話が始まる。
場面は野球場のように膨張する。何十年も外野フライを追い書けて世界を旅する少年の話。
(11)
ネズミの歌。ソロで歌う肥後丸,。意味不明のダンス。統一されており、意味があるように想像力を駆り立てる。

国家とは何だろう。「私」の範囲、ハジマリは1メートルだった。生成し膨張し消滅する国家とは何?他人との衝突や関係で大きくなったり小さくなったりする。
生まれて死滅することを繰り返す宿命がある。繰り返すのである。恐怖か希望か。隣合わせになっている。
ドアの向こう側には異界が広がっている。向こう側は入口か出口か。異界と正常な世界の境界がゲートになっているのか。ここではドアは異界への迷宮そのものであり、安全な場所としての<日常>そのものが異型のように見えたりする。
哲学ではなく劇は怪物のように歌い踊り、そして、劇は夢から醒めぬ夢の形でもある。

11月28日~12月1日の次回公演No.63「遊戯療法」では市街劇から密室劇、場面は病院へつづく。お楽しみに!
夢のつづきは熊本市中央区河原町ギャラリーADOで上演します。
寺山修司没後30年「レミング」より第2弾としての公演になります。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【12】

2013-10-17 22:55:19 | 遊戯療法~レミングより
Japan Kumamoto city play on street
Imagination is not dead.
ENGEKI also not die.
Finally, 10.19 sut 18:45-19:45
STREET ART-PLEX KUMAMOTO
YUME-SAJIKI
■■■
市街劇STREET ART-PLEX KUMAMOTO
「ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家」
10.19.18:30-19:45■熊本市上通り
■■稽古ラスト2.10.17(木)

(1)「訪問劇」テキスト

タマネギの人
「お久しぶりです。
私のことを覚えていらっしゃいますか。
あの時の私ですよ。・・・あの時です、岡本さん。
あなたはあの時の岡本さんですよね。
(いいえ、と答えると)いいえ、あなたはあの時の岡本さんに間違いないのです。
・・・好きでした。あの時、どうしてもその一言が言えなかったことを悔やんでおります。

(相手が逃げたら追わないこと。「愛していました。」と叫んでthe endにすること。絶対に執拗に追いかけないこと。・・・面白がって反応があれば。)

まさかこんなところでお会いできるとは・・・これは運命ですね。
それはさておき。
私のお話を聞いて下さい。・・・5分で済みます。いえね、私はモノ売りでも宗教の勧誘でもありません。けっして怪しい者ではありません。
私がお話している間にコレ(タマネギ)を預かって下さい。これは愛の絆です。これが人間関係というものです。コミュニケーションの潤滑油です。
あなたは孤独ですか。私は孤独だった。・・・
それはさておき。

(と言いつつ、「レミング」の物語へ。締めくくりは本日のイベント案内へ。)」

以下、寺山修司の「汚い言葉収集」のための訪問劇です。
このようなことをして、ステージで発表して帰結します。

(2)「アンケート」テキスト

町でよく見かける「アンケート調査」です。
色々な質問を投げかけますが、ここでは(五)の汚い言葉収集のためのアンケートなのである。
汚い言葉を町で発表するための質問訪問劇。

質問内容(この中から、一人に三つずつ選択して質問する)
質問者は鼠算式に増える。
いわゆる「不幸の手紙」のように、最後に「あなたも質問者になって最低10人に質問して下さい。」と言うこと。そうでなければ不幸になるのです。

一、今日、何人にメールを送りましたか?
二、上通りは喜劇的ですか、悲劇的ですか?
三、あなたは、どんなとき親指を使いますか?
四、熊本大地震は起こると思いますか?
五、あなたが知っている一番汚い言葉は何ですか?
六、あなたが最初に寝た相手の名をどうぞ
七、日の丸は朝日にみえますか、沈んでいく夕陽に見えますか?
八、バスルームでは体のどこから洗いますか?
九、最近もっとも美味しいと思った食べ物は?
十、無人島に一人で行くとしたらどんな何を持っていきますか?
十一、幸福は何だと思いますか?
十二、あなたの知ってる英語を一つ

<ト書き>
 
汚い言葉のコレクション!

 バカ/アホ/クソ/ボケ/ウンコタレ/ゴミ/ファック/バケモノめ/ブス/タコ/ブタ/イカのキンタマ/マヌケ/ウスラトンカチ/シネ/ノミの脳みそ/ダニ/ゴキブリ/悪質な滞納者/ビンボー/ペテン師/詐欺師/ハゲ/歯ヌケ/ガキ/・・・アングラなど。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【11】

2013-10-16 23:35:19 | 遊戯療法~レミングより
昨日今日、半袖Tシャツでは肌寒くなった。やっと、秋らしくなった。
注意すべきことは風邪対策。これからの季節は本番に向けて身体の管理に神経を使う。
身体が基本!本当に<基本>である。バリっとした役者体で迎える。

市街劇STREET ART-PLEX KUMAMOTO
「ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家」
10.19.18:30-19:45■熊本市上通り


■稽古ラスト3.10.16

「夢から覚めるとまた夢で、夢の夢でみた・・・」
このフレーズは劇団夢桟敷が35年前旗揚げをした「四畳半夢の下張~梅川の死のような微笑み」だった。
今回の市街劇と次回11月「遊戯療法」でも用いる。
無意識の内に「夢の夢」は一貫していた。「夢のつづき」は果てしなくつづく。
突如、現れる1メートル国家は突如として消える。消えては現れ、現れては消える。
前回4月公演、寺山修司「レミング」では「壁の消失」だった。
没後30年でこの国は消失しかかっている。
そのような時代に私たちは生きている。そして、これが劇の力だと発信するのだ。
私にとって「日常」とは何か。あなたにとって、私たちにとって!
ポータル=<異界>を<日常>に対置すると、日常の<狂気>が襲いかかって見える。
それが劇の業でもある。

☆メッセージ
崇城大学 芸術学部 三枝泰之

これは夢の話です。
上通りの商店街に現れた謎の扉が置かれた場所がポータルになって異次元へつながっているというものです。
この扉はドラえもんのどこでもドアのように取り出し可能ではなく、黒子のようなまたはミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる時間どろぼうのような男が守衛になっています。
そして地球のポータルつまり異次元への入り口として、例えばハリーポッターのホグワーツ特急の始発駅キングス・クロス駅のホームのような入り口なんです。
なんでこんなポータルとしてのゲート(扉)が現れたかというと現代の社会は、お金という神様とその神に仕える、デジタルテクノロジーという王が「あの世」とか「個人の夢」を見えなくしているからです。
このプロジェクトでは、山南さんと夢桟敷の方々がゲートをくぐった先で新しい町づくり、新しい国家を作るというもので、それが白昼夢なのか正夢なのか吉夢なのか悪夢なのかはそれぞれの異次元への旅ということです。
チャネリングで有名になったバシャールは「夢が現実で、現実が夢だ」と言っています。「パスポートを手に入れて下さい。」





STREET ART-PLEX KUMAMOTO【10】

2013-10-15 23:11:40 | 遊戯療法~レミングより
市街劇STREET ART-PLEX KUMAMOTO
「ポータル ゲート プロジェクト 1M四方国家」
10.19.18:30-19:45■熊本市上通り


■稽古ラスト4.10.15

市街劇は何が起こるかわからない。様々なことを想定しながら詰めに入った。
カウントダウンをしながら新しいことを発見する。
異界への入り口は異界への出口にもなる。
表なし「お・も・て・な・し」とは表も裏もない世界。
(1)ストリート~
呼び込み・アンケート収集・タップダンス・全体ダンス⇒
(2)⇒スイス・紅蘭亭の中庭に移動する。
LIVE・オドリ・歌・彷徨い・語り・ドア移動・観客席と舞台の壁消失・・・
明日の稽古へつづく。



この企画は崇城大学の三枝先生より頂いた。ある意味、先生とのタッグマッチによる市街劇である。
今年の7月8月に寺山修司研究会を劇団で自主講座している時だった。
今年は寺山修司没後30年である。記して「レミング」を4月に上演をした。
その延長として市街劇も「遊戯療法」(11月28日-12月1日・ギャラリーADO)も位置付けている。

「レミング」で客演してくれた賀久さん(劇団仮面工房)や玉垣君(劇団みちくさ)も参加する。
崇城大学の学生や他劇団、フリーのメンバーも加わっている。
人が集まり、わいわいやっていると思いがけないことも思いつく。
寺山修司の「日常を劇空間にする」市街劇の意図を確認する。
果てしない構想も生まれた。
35年つづけてきた演劇生活も初心に戻り、スタートラインに立った心境である。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【9】

2013-10-14 23:48:01 | 遊戯療法~レミングより
朝から崇城大学芸術学部にて市街劇「ポータルゲート~」の道具作りをおこなう。

クドシンの父親が設計士という理由で彼が現場監督である。
仮面工房の賀久さんたちも参上。
この大学のMurano君と犬彦さんがペアになって男同士の怪しい関係だった。
細かい仕事はサキ、筋肉を使っていたのはダンサーMamiちゃんだった。

むかし、崇城大学は熊本工業大学だった。
私が学生だった40年前はグラウンドも整備中で校舎も小さかった。
芸術学部は本館とは別棟になっている。芸術学部の製作室は別棟の別棟!
大きな大学になっていた。

市街劇では崇城大学の先生や学生たちが参加してくれており頼もしい。

私は道具作りが苦手だ。
作業するメンバーに邪魔にならないようにしていた。
私が口を挟むと手が止まるから、なるべくおとなしくしていた。
我慢できない時はコンビニまで走って「ジュース。」と叫んでいた。

明日より稽古もカウントダウン!どんどん進化する。
(日)の現地打ち合わせではステージングに変更あり!
(月)の道具作りで配置の変更あり!

ナマモノである。

10月19日(土)18:30-熊本市上通りでお待ちしてます。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【8】

2013-10-13 23:34:57 | 遊戯療法~レミングより
昨日今日(土)(日)は午後キッズの稽古、夜は市街劇の準備稽古とロング過重労働(笑)だった。
市街劇は一週間後に迫っている。キッズの発表会は11月2日である。
追いこみ追い込まれている。・・・うっかりすると飯抜きである!
スイッチの切り替えon/offは公演を区切りにしているから容易だが、チャンネルの切り替えは訳がわからなくなる時がある。
キッズ/市街劇は別世界であり、テンションがあがると子供たちに大人向けの言葉を用いることがある。
子供たちに「国家とは!」とかとか・・・言いそうになる。小学校低学年には「何じゃそりゃ?」である。
1メートル国家は一時的に現れるが、一瞬にして消滅する。・・・市街劇の世界をキッズに言いそうになる。
「国家の消滅」がキッズの「透明人間」に重なってしまう。
小学校高学年と中学生が大人に見えてしまう。夜のお店に誘いたくなるのである。
逆に、市街劇出演者を子供扱いしてしまうこともある。
○○ちゃんに飴を配りたくなってしまう。飴より酒だろうが!
いかんいかん!相手をちゃんと見て接しなければならない。

還暦を過ぎると子供に帰ると言うが、時々、子供たちに嫉妬を覚える。
ライバル心がある。
子供から「かわいい!」と言われると安心する。可愛く振舞いたくなる。

今日(日)の夜は市街劇の現場である上通りで打ち合わせる。
スペースや動線の確認をした。
昼間は冷房を効かせても汗が噴き出てしまうほど真夏日だが、夜になると冷え込む。
鼻水が出て止まらない日が昨日からつづく。
明日(月)は市街劇道具作りの日。10:00-17:00。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【7】

2013-10-11 23:44:46 | 遊戯療法~レミングより
■1メートル四方国家

市街劇では「国家」のタイトルが踊っている。
演劇で言う「国家」は「日常を疑う」ところから捉える。

1971年、演劇実験室天井桟敷では「1メートル四方1時間国家」がフランスのナンシーとオランダのアーヘムで市街劇「人力飛行機ソロモン」として上演された。
1時間毎に2倍に膨張する「見えない劇場」として市街劇が行われた。言い換えれば市街の日常を丸ごと演劇として抱え込む実験だった。
1975年には市街劇「ノック」として東京都杉並区阿佐ヶ谷で上演される。30時間同時多発的市街劇として!
膨張する見えない劇場は一般市民や警察までもを巻き込むことにより「事件」と化した。
ある意味、演劇の革命でもあった。

今、それは許されるであろうか。社会環境の問題ではなく自己規制の面から許されなくなっている。つまり、自己責任として処理できなくなった。日常生活第一。群れから外れると生きていけないぞ。働き口がないぞ。食っていけないぞ。
若者たちは夢を見る前に怯えているのが現実。そのような強迫観念に怯えている日常に包まれて見える。

稽古が終って、座長=夢現とうどん屋で「1メートル国家って何なのよ。」と語り合った。
二人で語る時は技術論になる。具体化する。「見えない劇場」では済まされない。見えることを作る。それが前提になる。
座長から<案>が出た。・・・私の仕事が一つ減った。
最近、私は身軽くなっているように感じる。背負っているものが少しずつ減ってきている。

明日(土)の昼間はキッズ「とうめい人間」の稽古である。消える話。身に詰まされる。喜劇にしよう!
夜は市街劇の稽古でロングランになる。二つのバージョンで総勢40名と取り組むのだ。
荷が軽くなったと喜んでいる場合ではないのだが、内部では次世代の力が増してきているのである。

日常批判を考える、行動する。それが劇だ。1メートルは原点である。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【6】

2013-10-10 23:11:08 | 遊戯療法~レミングより
コスプレ女優参加キマル。
音楽LIVEタカハシユウジ、

明日(火)より、もう一つの「1メートル国家」の詰めに入る。
(1)四畳半の物理学(天文理論)
(2)女優「鉄路の情熱」
(3)壁女「国家の消失」

デザイン&プロデュース/三枝泰之
構成演出/山南純平(寺山修司 作「レミング」より一部抜粋構成)
【出演】・・・劇団夢桟敷とその仲間たち
夢現(壁女:国家の秘密)
工藤慎平(出口君:キーボード)
坂本咲希(女優:鉄路の情熱あるいは記憶喪失)
山本真実(ダンサー:花嫁)
肥後丸.(オドル女優)
山南純平(カリガリ博士復活)
赤井犬彦(マイク持ちの看護婦)
東田まなみ(羽根の看護婦)
タカハシユウジ(電子ドラムの男)
太郎ピーチマンション(屋根裏のアンケート・新人)
玉垣哲朗(四畳半の天文学者・劇団みちくさ)
柏山 弘明(おかまの看護婦・劇団みちくさ)
賀久秀之助(無料のパスポートを配る紳士・劇団仮面工房)
村野大生(アニメっぽい通行人クロ・フリー)
中原中(上下から読んでも同じ通行人・フリー)
岩井美樹(白塗り学ラン・モノクローズ)
早野 優里亜(空中に浮かぶコスプレ女優・フリー)
カメラマン
エキストラ
(協力:崇城大学芸術学部有志&演劇キャンプ参加者有志)
■10月19日(土)18:45-19:45
■熊本市上通り⇒スイス中庭