山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

そして【この頃】

2010-02-24 23:26:00 | モノローグ【エトセトラ】
■2月19日・「小劇場」流行

「演劇大学in熊本」が終わって、「山南ノート」はご無沙汰していました。
具合でも悪いの?・・・という声もチラホラ聞こえて参りました。

フツーです。

「薔薇色之病室」名古屋公演(4月)に向けて台本を修正中。
更に舞台技術自主講座(仮)も稽古とは別に企画して定期的にやっています。

「薔薇色~」シリーズは昨年9月からの熊本公演から始まり、12月大阪公演、そして4月の名古屋公演は「三部作」目になります。
今回は登場人物の差し替え、誰もが想像もしていなかった意表をつくような!座長=夢現(ゆめうつつ)からの提案を稽古場で展開しています。
名古屋からは「てんぷくプロ」さんの客演もあり!・・・それで台本の構成をいじっているのです。

ところで先日、「新劇団を結成しました。」と挨拶されました。
「えっ?劇団名はタマシイ?」・・・お寺の息子さんらしい!
彼とは昨年2月、劇団笠戸丸ブラジル公演の仲間。仏(ほとけ)のハル君のこと。

いずれ詳細は熊本地区で明かされるでしょう。
数の上では流行の兆しです。
昨年から熊本で3劇団は増えたことになる。

可愛がっちゃおうかなー、イジメちゃおうかなー。

いずれにしても、海のものとも山のものともわからない、馬の骨のような新劇団=若者たちには期待します。

私は流行を否定する者ではございません。


■2月22日・ニャンニャンの日

H2.2.22

どうやら、「猫の日」だったらしい。
ニャンニャン=2が並んだ日。

我が家は猫好きばかりのファミリーです。・・・私だけ、犬好き。

猫を飼ってはならない集合住宅で、リンタローと名付けた黒猫を飼ったことがある。
バカ息子が公園で子猫を拾ってきた。
私は可愛いと虐める癖があって、洗濯籠に閉じ込めたり、足の裏にガムテープを貼ったりして遊んでいた。
笑い転げていた。・・・サディストだろうか。

2年後のある日、リンタローは腎臓病にかかって亡くなる。

今は庭に骨を埋めている。
思い出して、拝んだ。


2月24日・(仮)舞台技術自主ゼミ

先々週の土曜日の午後から劇団内部で「戯曲・演出・制作・照明・音響・美術・衣装メイク」など舞台技術に関する自主ゼミナールをすることにした。

稽古場ではじっくりできないことを、テーブルを囲んでテーマに応じてレポートを作ったり、議論したり、・・・舞台の裏方がすべき内容を全体的に捉えてみようと考えたからだ。

演技については稽古場でできるが、スタッフワークの各分野については各人の得意苦手意識はある。
とりわけ得意分野を進化させるためだ。何らかのキッカケや環境を作らなければ進化することはない。

一言で舞台技術と言っても幅も広ければ奥も深い。

劇団に入団してくる者のほとんどは俳優志望だが、私たちのような小さな劇団では業者を雇ったりすることもなく、全部を自分たちでやることになる。俳優と裏方の仕事も兼ねる二役が要求される。

私と座長の浅はかな経験や知識も劇団員たちと共有したいと願っている。と同時にニューリーダーを出現させる必要を感じている。

私は、いつポックリ逝くかもしれない。

2月末までは次回公演4月の脚本を使って、具体的にスタッフ講座(ゼミ)をおこなう。
知識のための知識ではなく、あくまでも演劇実験ゼミである。

今日の日記は確認の意味を込めて。

ルポ3

2010-02-07 23:50:09 | 演劇大学
「演劇大学in熊本」3日目~4日目

■2月6日(土)

am10:00より劇場入りする。
「夢十夜」の稽古に入る。4班に分かれているため、他のチームの進行状態が見えない。
わがチームは「一話・二話」のミックスバージョンで40才以上のシニア9名。
演出担当は幸太君だが、実質はドラマドクターである流山児さんがやっている。
歌あり!流山児演出である。
なんと、劇中で指揮者のような、劇を進行させる役どころとして幸太君は役付けされる。演出家養成としては新しい試み。

熊本学園大学のK先生62才が「大学入試」と日程が被っているにも関わらず、時間を工面してこのシニアチームに参加してくれている。明日の発表会の参加は無理だが、常連の受講生としては「演劇大学」の顔。

台詞が入らずいら立つ受講生たちだが、「こら!純平。もっとしっかり喋れ、何を言っているのかわからない。」の激に、みんなは大笑い。
私は頭があがらない。台詞を喋ろうとすると、他の妄想が湧きあがってくる悪い癖がある。・・・あ、カリガリ博士が見える。夏目漱石の文学に現れては困る。コマッタちゃん。

午後6時からのシンポジウムは「地域演劇」をテーマにドラマドクターの4名の講師と市民舞台の五島さん、劇団石の堀田さん。・・・それに瓜生先生が戦後の新劇の流れを語る。
職場演劇の台頭、プロレタリア演劇の流れなど、若い演劇人には耳慣れない話。逆に新鮮である。
古城さんが「芸術文化振興」の話になった時は、自民党から民主党に政権が変わってからの変化に考えさせられる部分もあった。

政府に声が届くだろうか。・・・地方からの文化発信とは何だろう?まだ具体像が見えないのである。
根っこに政府に対する不信感があるからに違いない。

講座が終わって、飲み会の席では古城さんとこの話で延長になった。
おっ、古城先生を追っかけて広島から高校1年生の演劇小僧が参加して来た。

明日は午後3時より「発表会」である。

■2月7日(日)

ドキドキである。1チーム15分程度の短編劇ではあるが、発表会となると緊張する。
受講生の各人が友人知人には「見てね!」と呼びかけたものの自信はない。
今まで通り、本番では感動する場面ができあがるのは分かっているのだが落ち着かない。

午後からのリハーサルではじめて他チームの劇を見ることができた。
感動するね。・・・短期間でよくもまぁ。
4日間、正味13時間の稽古である。これが「演劇大学」の成果なのだ。
内心、とんでもない講座だと思っていても、できちゃうから、あらあら不思議。そして夢の話。

発表会の15分前。午後3時からの開演だと言うのに、お客さんはパラパラ。
えッ?と思っていたが、直前になって席は埋まる。あ~、一安心。前列には一般のお客さん、入口近くに講座生。形になった。

一話(坂本咲希演出・ドラマドクターは和田さん)
これまでの講座で二年連続、講師を務めてくれた少年王者舘の夕枕ダンス(天野さん、夕枕さん)を取り入れていた。
ハル君を除けば、女性だけのチーム。ワカナちゃん(高校生)も楽しそうにやっている。・・・ラストに向かって胸が熱くなる。歌と踊りで客席から手拍子が!
口に花を加える咲希と肥後ちゃんを見て、このネタを次回公演で使えると思った。

一話二話(田中幸太演出・ドラマドクターは流山児さん)
大ちゃんの台詞で笑い。初体験のSさんの表情動作で笑い。常連のNさんの死で笑い。みんなの固い表情が笑いの対象になったのだろうか。そこまで計算していた流山児さんは流石だった。
「楽しく遊ぼう」とは、お客さんと劇を遊ぶことができたように思う。・・・ふっと、「もう一度、熊本で演劇大学を楽しみたいわ。」と苦労した女性陣から声が漏れた。

三話(真嶋隆志演出・ドラマドクターは古城さん)
初日は戯曲講座のようになったらしい。演出担当は台本を書き直す。
その成果は、とても丁寧な仕上がりになった。登場人物たちは経験者が集まっており、中でも鈴木メッソッドの歩行では流石、木内さんは身に染みていた。大迫君と二日しか参加していない大分からの受講生(女性)の方との息も合って、目が見えない役のゆかちゃんには惚れたね。工藤君もすっかりキャリア組に見える。落ち着いていた。

七話(田中瞳演出・ドラマドクターは坂口さん)
初心者コースであるが、初心者のギクシャクしているところはなく、特に小学6年生の女の子に目が奪われる。かわいい。口では「大スター」と言って冷やかしていたが、その要素は冗談ではなく、半分本気。
どうみても二人の女性は初心者には見えない。この講座では相当の集中力で臨んだのではないだろうか。若い男子君は女性陣に囲まれて楽しかったのではないだろうか。
この劇のラストの章として、初心者チームで大正解。純粋に「演劇大学」としての成果がここに現れていたように思う。

できるのである。

打ち上げでは、演劇大学のお客さんも含めて30人集まる。
流山児さんは、この夜、東京へ帰るつもりだったが、急遽変更。飛行機をキャンセルして参加して下さった。
7月には流山児事務所の公演が熊本にやって来る。

ドラマドクターの方々に感謝します。演出者協会のこれまでの熊本への温かいご支援ありがとうございました。期間中、事務に追われていた協会の斉藤さん、本当にお疲れさまでした。
音響や記録で協力してくれたスタッフさんたちにも支えられました。
受講生、お客さんには最後の「演劇大学in熊本」で関われたことを、心よりお礼申しあげます。

ルポ2

2010-02-06 07:06:09 | 演劇大学
演劇大学・・・第2日目。

2月5日(金)

今日の講座は18:30ーの為、午前・午後は講師の方々はフリータイムとなる。
昨夜の交流会で南阿蘇温泉ツアーを提案していたが、講師の参加者は流山児さん、瓜生先生、坂口さんの三名となった。
和田さん、古城さん、斉藤さん(演出者協会制作)の三名は書類整理や原稿書きなどのため参加できず。
それぞれ多忙中、熊本に来られている。流山児さんにしろ、自分の劇団は只今公演中。坂口さんは脚本作成中であり、瓜生先生への取材も兼ねているようだ。
実行委員会の私、咲希、工藤、肥後の4名が加わり、いつもの南阿蘇アーデンホテル「どんどこ湯」に行く。・・・課外授業のようなもの。

さて、夜の講座である。
発表会まで時間がない。これはいつものことだが、短期集中実践セミナーの宿命。
台詞を覚えることにしろ、テキストである「夢十夜」の解釈にしろ、じっくり!という訳にはいかない。ひたすら、疾走する。
受講生の戸惑いは、ある意味、自らの力をパワーアップすることが要求される。集中力だ。

知らず知らず、「夢十夜」へ吸い込まれていく。体験者でないと味わえない「染まる。」感覚である。
夏目漱石の脳、小宇宙を肉声、身体とリズムで泳ぐ感じ。

「ことば」に向かい合いながら、もうひとつのリアル=夢の中を形として見せていく作業である。
平面を立体化する。物質化する。劇は肉体。・・・想像力が要求される。
迷路にハマッタ者でしか味わえない、「不思議の国」へご案内!



6日(土)18:00よりシンポジウム「地域演劇の可能性」

熊本からは劇団石の堀田さん、市民舞台の五島さんが参加。
その後、pm7:30からは、セミナー稽古見学へ流れていくことになる。
現場の熱気をより多くの方々と共有したいものです。

ルポ1

2010-02-05 10:06:20 | 演劇大学
2月4日(木)

演劇大学がいよいよスタートした。・・・第1日目。

今回は講師5名。熊本の実行委員長である「アングラの帝王(笑)」の流山児さん、、新劇の重鎮、瓜生大先生(青年劇場、85才)、世界の原住民文化を追求する和田さん、黒テントの輝ける星、坂口さん、そしてルポルタージュ演劇を展開する古城さん。
いずれも一筋縄ではない方ばかり。

こちら側で準備していたタイムスケジュールは大幅に変更され、講座第一日目からキャスティング、本読みに入る。
私としては講座生の自己紹介や全体の演出プランなどで1時間は掛ると思っていたのだが、全部カット!
時間がない。スピードが問われる。
すぐに4チームに分かれて、実践的な稽古となる。早いチームはいきなりの半立ち稽古。

すごい熱気が漂う。

夏目漱石「夢十夜」は1話・2話・3話・7話で構成される。
脚本は演出希望者が書いてきた。

講座が終わり、20名ほどの講師、受講生で近くの居酒屋で飲む。
講師を含めると40名のメンバーだが、半数は台詞を覚えるために帰宅する。

不思議なもので酒を飲んで講師先生方と飲んでいると、もう劇はできあがってしまったような錯覚に陥る。

これは「落とし穴」だ。

ちなみに、私も第二話で出演することになった。
役は和尚さん。・・・丸坊主になるか。

あれから一年。

2010-02-04 06:26:09 | 演劇大学
今日2月4日から7日までの4日間、いよいよ「演劇大学in熊本」開催です。

丁度、一年前はユニット劇団笠戸丸がブラジルへ飛び立った日。
あの時も、そうだった。
周辺の人たちは半信半疑でブラジル公演の企画を遠くから眺めていた。
本当に心配してくれた人は僅か。・・・そう思っていた。
ユニットのメンバーでさえ、初の海外公演を現実のこととして実感していた者も少なかった。

若い!
チャラチャラした気分で本当に大丈夫だろうか?
自他共に思っていただろう。

ユニット内部では稽古中に泣き出したり、劇作りに於いて、その苦労は外部には言えないし、理解してもらおうなどとも思わなかった。
ユニットの弱さもあった。

しかし、実際にブラジルに着いてからの2週間4会場の公演で、どれだけの多くの方々の支援があり、そして、異国での文化の違いや人間の温かさを感じたことだろう。

若さ故の冒険心が活力となっていた。
ブラジルでは新しい日本の若者たちの演劇を心の底から受け入れてくれたのである。
感動が響き合った。


今回の「演劇大学」が、ブラジルへ飛び立った日から一年ということで、何か因縁のようなものを感じる。

このセミナーを通じて「国際感覚」のようなものを輪郭として掴むことがあったような気がする。
逆に言えば、自分たちも含めて、熊本の演劇の狭さ。ヘタな仲間意識。


日本演出者協会から送りこまれて来る演劇人講師の方々から何を学ぶか。
大きな意義を「演劇大学」で学べたのである。

さて、熊本では最後の「演劇大学」。
次へ、どう、つなげるか。・・・思いはある。

まずは、今日からの4日間を楽しもう!

シンポジウム■2月6日(土)pm6:00-「地域演劇の可能性」
発表会■2月7日(日)pm3:00-夏目漱石「夢十夜」

これは、どなたでもご覧頂けます。
会場は熊本県立劇場 和室。

お気軽にお越し下さい。

「夢十夜」は・じ・ま・る

2010-02-02 23:16:05 | 演劇大学
いよいよ「演劇大学in熊本」が熊本県立劇場で2月4日からスタートします。
今日(2月2日)の講座生募集締め切りで30名となった。
他にシンポジウムや発表会などもある訳で、一般のご来場者も追加される。
会場のキャパは80名入ると身動きがとれなくなる狭いところです。

注)演劇ホール地下の「和室」がメイン会場。畳の部屋にステージがあります。温泉を掘れば劇場運営も潤うであろうに!
  サブに「中会議室」。ここも稽古場に変貌します。

今日2月2日に募集を締め切り。
それでも時間調整に手間どり返事待ちが数名。肥後時間(時間にルーズなのが熊本です!)

劇場にて事務的な最終チェックをしてきました。
「指定された場所以外では暴れないで下さい。」・・・だと。
「へへーっ、お代官さまー。」

えっ、暴れる?

「はい、はい。」
返事は「はい。」の一回がよろしい。

どうやら、歌やオドリのことです。

還暦を超えた方々のチームもあり、この方々が暴れる=歌やおどりは楽しいと思いませんか。
生きる希望や人間の味わい深見があっていいと思います。

そういえば、前回、前々回、と・・・ロビーやら正面玄関でも「発表会」やらかしたのだった。
ご迷惑やらかしたら、私は大好きな熊本から出て行きますよ。

まぁ、そんなことにはならないでしょう。
だって、善良な人ばかりですもん。
迷惑なんて・・・とんでもない強迫観念。

大丈夫ですよ。

さぁ、これから4日間のセミナーはお祭りになる。
4回目、最後の「演劇大学in熊本」・・・歴史に刻まれるであろう。

シンポジウム「地域演劇の可能性」
■2月6日(土)pm6:00-

発表会/夏目漱石「夢十夜」テキスト
■2月7日(日)pm3:00-

ほとんど劇作りのための実践的なセミナーになります。