山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

身体のドラマ

2018-02-08 02:08:24 | がん治療日記2015-
軽薄で想いを流す。

2/7(水)3ヶ月に一度の定期検査の日だった。
血液検査→CT検査→診断結果で、午前午後の時間が費やされる。殆ど待ち時間になる。
時間の潰し方は慣れたもので、院内喫茶、病棟巡り、短編創作や予定表のメモ、メール連絡などで有効に使う。
今日は脱腸手術をした方が良いと主治医さんから勧められた。
命に別状はないが、このまま放置すると大きく膨れ上がるという。大腸ヘルニアと手術の説明を受ける。
私は主治医さんのことを心の中で「ねじ式」先生と呼んでいる。
口に出したことは一度もない。
死ぬ時が決まったら、「あなたは命の恩人だった。」と言おう。

2015年2月に直腸とその周辺のリンパ節に癌が見つかる。
ステージ3Bだった。ほぼ末期に近いと診断された。
その前月まで東京ー熊本で演劇公演「透明人間 三部作」第2弾「火の君 鳥の物語」を終えたばかりだった。
死ぬのか?と思ったと同時に第3部作完結篇を「ねじ式」(原作 つげ義春)熊本ー札幌公演を5月-6月に実施した。
その期間は癌を小さくするための化学療法で携帯用の点滴瓶を取り付けるために心臓近くの太い静脈にバイパス手術を行った。
化学療法は成功し、直腸と周辺のリンパ節を切除する手術をしたのが8月。11時間の大手術で人工肛門になる。
12月、人工肛門を外して小腸と大腸を繋ぐ手術をする。
その後、2016年1月「声優A子の犯罪」公演。
この間、身体の異変と手術3回で演劇とビョーキがドラマチックに通り過ぎた。

2016年4月が熊本地震に遭う。…はっきり言ってビョーキを忘れる。
劇団の事務所が半壊状態に陥り、引っ越しを余儀なくされて、劇団員や親戚に力仕事をしてもらったのだが、この作業が脱腸になった原因か?自分では軽い物運びのつもりだったのだが…。
つまり、腹筋が切れて大腸が飛び出したという訳だ。

今のところ癌の再発と転移は見つからない。

云々。実は密かにビョーキドキュメントをノートに綴っているのです。
発表はくたばった時か?…誤字脱字を笑え。

秘密ルートの献体契約が嘲笑われた。犯罪であると。
一切、白い巨塔やヤクザのルートではない。
身体のドラマである。

空っぽになる身体

2017-11-07 23:47:23 | がん治療日記2015-
劇団会議が終わって夜10時に下剤を飲む。
効果てきめん!
シャーッ。空っぽになっていく快感。
明日は大腸検査で朝から2ℓの下剤を飲まされる。
その後、内視鏡カメラを肛門から挿入しての検査。
担当医が美人女医さんであるため、性的な興奮が高まる。…こころの中を覗かれないように気をつけい、礼。

お元気ですか?ぼくは元気です。

2017-11-07 11:19:33 | がん治療日記2015-
2年前、「ぼくはこれで一巻の終わりだ。」とドラマチックな日々を白い巨塔で送っていた。
成功率60%の直腸・リンパ節の切除手術を3回。
今や術前よりも元気である。
1番の楽しみは禁酒と言いながらの一杯。
苦しみは大腸検査のための絶食。今日の夜から絶食である。後3年、人体の観察がつづく。
今夜は劇団の会議。…生きる力になる。

からだ

2017-08-04 16:37:32 | がん治療日記2015-
定期検査の日だった。
CT検査の結果、癌の再発転移なし。…低血圧と低体温も回復。大腸ヘルニア(脱腸)は今のところ、命に関わるようなことはないらしい。
ホッ、ホッ、ホルモン!白い巨塔で詩人の叫び。
次は大腸の内視鏡検査をすると言われる。女医さんを希望です。
台風5号接近中。

ないぞぅ。

2017-01-27 14:39:45 | がん治療日記2015-
不摂生が続いていたが、異常なし!と言われて一安心だった。
がん細胞の再発と転移は見つからなかった。毎日、笑うように心がけている。抵抗力をつけるためだ。落ち込んだり、暗い気持ちになるとがん細胞は喜ぶらしい。
今日は午前中、3ヶ月に一度の検査の日。血液検査と造影剤投与による腹部CT検査だった。
あと四年、このサイクルで検査は続く。CT、MRI、PETなど、私は医療の映像と数値によって健康状態が図られる。
はい、どうぞ !と何でもさらけ出して診てもらう。
ニンゲンは穴で成り立っている。
そう思いながら、大穴狙いの計画を進めよう。
今夜の会議は数字の検討だ。…イッセンマン。念仏ではない。

病院でイクイク

2016-10-28 15:34:38 | がん治療日記2015-
白い巨塔にて採血検査を受ける。
今のところ、癌の再発や転移、腸の癒着などは認められず。後、4年の検査は続く。完治するまでには他の病気が見つかる可能性もあり 、今からは加齢を意識しなければならなくなった。へいへいほー!である。次の検査は身体全体の透視だと。
ここまで身体の検査・管理をされると、五臓六腑、血管、脳までも数値化され、数字によって一喜一憂するのか?それも変な気持ちだ。
先日、早稲田のお客様より気功を施されたのだが、あれ以来、性欲が増大した。気持ちの問題かもしれないが、気持ちも大事ですね。
12月熊本公演まで良い気持ちで向かおう!今から3ヶ月かけてブラジル台本も書かなければならない。

モンスター

2016-07-22 18:30:58 | がん治療日記2015-
3ヶ月に1度の定期検査の日。
「再発しています。」「転移が認められます。」この二言を言われることに怯えながら、白い巨塔・大学病院に行って来ました。
「とりあえず異常は認められません。」に胸をなでおろした。
癌のステージ3Bの直腸とリンパ節を切り落として1年が経過した。その後、6ヶ月の人工肛門生活と人工肛門を閉じるために小腸と大腸を連結する手術をして7ヶ月。只今、排泄が命のバロメーターになっています。うんこが出れば元気がわかる。
私の内臓はモンスターとして復活しつつある。死を身近に感じることは生きることに貪欲になることです。
生きている内が花よ。劇作りで仲間と切磋琢磨することに希望を見出しています。日々、ドラマチックだね。
今日は血を抜かれて身体が軽くなった。CT検査で血管に造影剤を注入されて熱くなった。ヨイヨイのモンスターたるジイジイが往く。

検査の日

2016-04-13 17:04:31 | がん治療日記2015-
4月13日(水) 白い巨塔 改メ 熊大病院

外来は大入り満員だった。駐車場案内スタッフは頭を深く下げ「もう暫くお待ち下さい。」を繰り返す。
この病院は完全予約制である。1日に千人以上の外来がある。言わば、熊本市では人気の千客万来病院。
過日、胃がんと間違い、胃を切除してしまい訴訟されたニュースが流れた問題を抱えている。裁判ではその保証金を巡ることになるのだが、損害賠償として患者さんは1500万円を要求していると言う。お金の問題ではないのだが、この成り行きには注目したい。検査技術と処方の間に問題はなかったのか。ここに関心があるからだ。他人ごとではない。

直腸がんとリンパ節がん切除の手術をして、ここに3ヶ月に一度の定期検査に通っている。今日は採血と担当医さんとの面談(検査報告と今後の相談)だった。
採血の結果は 異常なし!だった。採血ではCEA 腫瘍マーカーの項目があり数値で再発や転移などの可能性が見られると言う。50~60の項目で健康状態が数値化されるのである。
術後5年間は定期的な検査を続けなければならない。
主治医さんより、「何か困ったことはありませんか?」と毎回のように問われて、「はい、お金がありません。」と毎回のように答えて笑ってお暇するのだが、今回は誤診による手術の件を聞いた。
「安心して下さい。。。」流行語のように聞こえて笑った。

誤診?

2016-03-23 04:16:01 | がん治療日記2015-
「胃がんと誤診され、手術の必要がないのに胃の3分の2を切除されたとして、益城町に住む40代の男性が熊本大学医学部附属病院に対し1500万円の損賠賠償を求める裁判を起こしていることが分かった。病院側は「訴状の内容を確認中のためコメントは控えたい」としている。」
3/22 23:04 熊本県民テレビ

私のがん治療している「白い巨塔」である。
「白い巨塔」は洒落のつもりで言っていたのだが、今後はそのような表記は辞める。
冷静に成り行きを見極めたい。

この大学病院は1日の外来数が1500~2000人、ベッド数は1000くらいある大病院です。
昨年は手術のための入院を3回おこないました。消化器外科では東病棟・西病棟共にすっかり顔馴染みなりました。
医療ミスの場合、内部からの告発もあると言われています。医療に関して、素人である患者にはわかりませんからね。患者にとっては自分の命を委ねる場と言っても過言ではありません。
このような医療事故によってマルチ商法や新興宗教がはびこらないことを願うばかりです。
市民や国民がヒステリックになり科学的ではなく感情的に袋叩きするような傾向も出てきます。
命をかける場は、プラスもマイナスもあります。
だから、そう簡単に「命がけで!」とは言わないように心がけようと思います。言えば言うほどに命が軽く見えてくるからです。
命は守るものよ。

退院 即 劇へ!

2015-12-16 09:40:36 | がん治療日記2015-
退院です。
昨夜から「退院したらアレもコレも!」と考えていたら微熱が出た。37.9℃だったから「まずいぞ、退院は先送りか?」と思っていたら、担当医から「尿に菌があります。熱はその故です。」と言われ、抗生物質を渡される。
今、飲んでいるクスリは、痛み止め 胃薬 下剤 腸製剤 などなど。
退院は予定通り今日の許しを頂く。
無理をせず、のんびりするように!は聞き入れられない。「はいはい。」とは答えるも、この12日間の入院で次回公演の演出プランや原稿書き(実は公演当日に手作り出版する。)が遅れている。
今日からエンジン全開といきたいところです。
声が弱くなった。声のリハビリも必要だ。体力がないと大声をあげると怒っているように見える。和に角が立つ。言いたい放題、やりたい放題の劇を作るためには信頼関係が前提にある。
怒るー怒られるの関係では劇にならない。
病人が奮い立つ!ひひひ、1日1勃起である。

明日(水)退院

2015-12-15 16:12:30 | がん治療日記2015-
グッドモーニング コーヒー。
今朝はコーヒー牛乳だった。風呂上がりが美味しいと思っていたのだが、病院食ではコーヒー牛乳が際立つ。明日、退院したらブラックに戻りましょう。
退院後の栄養管理の講習を受けた。
1ヶ月は貝類、イカ、タコなど控えるように言われた。
楽しみにしていたお好み焼き(海鮮)を見直さなければならなくなった。シンプルに豚肉か!ネギともやしを散らして、あっさり出汁醤油で食べよう。
とても食い意地が張るようになった。一週間の絶食の反動はつづく。
前から気になっていたのだが、窓から見える建築中のビルは研究棟にするそうだ。
研究の中でも癌が一番の分野になっているらしい。今の研究棟では手狭になったと聞いた。
癌患者は増え続けている。白い巨塔は大繁盛しているから、ビルの増設もなんのそのという訳か。

不謹慎な

2015-12-14 12:52:25 | がん治療日記2015-
入院して10日が過ぎた。こんな生活が続くと、確かに怠け者になる。食べる、排泄、身体拭きなど、看護師さんがやってくれる。過重労働ではないかと思う。一日中駆け回っている。
私は落ち着きました。完食、快便。
直腸を失ったら排泄のコントロールが難しいと聞いていた。
3回目の手術で肛門から排泄できるようになり、術後3日間は便座に間に合わなくて失敗ばかりしていた。
オムツはしているものの、看護師さんから尻周りをきれいにしてもらう時、申し訳ないやら、不謹慎なことを言いたくなるやら。
明後日16日(水)の退院が決まりました。
さてさて、大往生するために劇を続けます。

幽霊

2015-12-13 12:50:14 | がん治療日記2015-
昨夜、夜中零時頃に美女の幽霊を見た。
多目的トイレに入室して「うんこうんうん」と唸っているところへ、背中側から声が聞こえた。
「早く出して。」というのである。
背中側はコンクリートの壁になっており、振り向くと!
確かに、この世の人とは思えない程の美女だった。
壁女だ。

五分粥から全粥になった。明日から普通食になると言われた。早ければ16日(水)には退院か?
退院したら稽古に参加できる。

五分粥【絶食解禁】

2015-12-12 12:32:01 | がん治療日記2015-
自分にとっては長い絶食期間(7日)だった。
絶食といっても点滴で栄養と水分は身体に入れているので問題なし。インチキだが、口からモノを食べなかったのは絶食の認識です。
空腹で苦しむことはなかった。食べ物に対する執着心は強くなった。
体重を計ると67kg。今回の入院で3kg痩せた。元々は75kgだったから癌手術して13kg痩せたことになる。
理想体重は65kgだから、ほぼ標準の体型になった訳だ。
腹回りがスッキリしたように思える。そりゃそうだ、腹に穴を空けたり三箇所も開腹した。その時に脂肪が流れ出たのではないだろうか?
延命である。生きたいから化学療法と癌細胞切除を選択した。
今や対処法を何通りもイシャが提示し、それを患者と家族が選択できるようになっている。
私のブログ「山南ノート」を発見して読んでいるイシャもいます。「白い巨塔」と名指しても笑ってくれているから余裕を感じていますよ。
朝からバタバタと採血とレントゲン検査を行い、「食べてよーし。」となり、
「ワン!」と吠えてシッポを思いっきり振っています。
嬉しいね。・・・普通食が食べれるようになると退院か?