yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

山田博士の再主張に接しての条

2009-06-24 02:05:20 | yaasan随想
 日本考古学協会での「歴博」の発表をめぐる報道のあり方、発表者のあり方について、先に山田博士のブログにかみついたところ、先ごろ博士から再批判、再主張が掲載された。

 14C AMS法も問題、年輪年代も怪しい、となると弥生時代の年代の基準は何処にあるんやと思うのですが・・・そう思う人はこいつをポチッと押して下さいね→人気ブログランキングへ


 追伸 このブログをアップして直ぐに、友人からいろいろな詳しい意見や情報を頂いた。それを読ませていただくと「なるほど山田博士が感情的になるのもわからんではないな!」と思いました。もしそうだとすると「大問題」です。たまたま今週末に全く別の研究会で歴博に行きます。きっと資料はあるでしょうから、もらってくることにします。その上で自分なりに、これだけの厳しい批判のある「資料」がいかなるものなのかきちんと把握して再度見解をまとめることにしようと思います。ただそうであればある程、思うことは、関係者が今回の件について学術雑誌で全面批判するべきではないかと思うのです。博士、是非『古代文化』で緊急特集を組んで問題点を明らかにして下さい。2009年6月24日11時12分追記

 
 今回の件については私はかなり冷静なので、新たな博士の主張についても、感情的になることは何もない。そして、博士が仰りたいであろうことは基本的に予想することができていた。一言!! 冷静に!冷静に!

 ただ誤解の無いようにして欲しいのは、私は協会に出席したわけでも、問題になっている弥生時代の年代観についての研究をしているわけでもないので、内容に立ち入って議論する資格はほとんど無いということである(そのことについては先にも述べた)。だから、「14Cが平均値」で示されたことも知らないし、どの様な測定経緯があるかについても全く関知しない。いずれ論文という形で公表されると思っている。だからその時点で私にも少しだけ議論に参加する資格が出ると思う。

 私が気にしているのは、どうもこの問題については両当事者共にえらく感情的なことだ。まさかそこに山田博士が参入してくるとは思ってもいなかったので、珍しく私の方が「少し冷静に!!」と諫めたに過ぎない。

 今回の新たな主張の展開にしても、相変わらず、「邪心」だの、「前期旧石器遺跡捏造事件」だの、ちょっと博士にしては感情的な言葉が乱舞しているところが気になる(どうもいつもの博士と私の立場が逆転しているようにも思える(笑))。これではお互いに感情的になって冷静な批判、反批判が展開できず、結局空しさ、徒労だけが残ることになってしまうように思うのである。

 特に、「前期旧石器遺跡捏造事件」まで例に出してこの問題を批判すると、なんだかこの報道をした新聞社が「捏造」に与しているかの如き印象を与え、きっと当事者はとても不愉快な気持ちになっているに違いないのである。私は関西版の記事しかみておらず、聞くところによると関東地方の記事はそうではなかったらしいので、それぞれの受け止め方は異なるのであろうが、自分が見た関西版の記事に関する限り、様々な異なる意見を同じスペースを割いて紹介しており、それほど一方的に意見を伝えていたとは思えないのである。
 ましてや、「捏造事件」を例に出すと、彼らの研究が「捏造」に近いと聞こえてくるし、博士の新たな批判でも、「平均」で出すのは恣意的であると書かれているから、少しそんな雰囲気も読み取れる。そしてそれを真っ先に伝えた新聞社はかの「捏造事件」と同じように「偽情報」に踊らされて一般の方々に誤解を与えている、と聞こえてくる。これはちょっと言いすぎではないだろうか。

 「平均」で示したことが問題であるならば、それこそ本質に迫る問題なのだから、会場にいらっしゃった博士(同じ意見を持つ人々)が堂々とその点を批判するべきだったと思うのである。その上で、彼らの「平均」がやはり恣意的だと考えざるを得ないのであれば、その様に批判し、撤回を迫り、平均でなければどの様な数値なのかを確かめ「得られた数値から言えることはこうだ!」と主張すべきなのではないだろうか。そうすればマスコミもその主張の正しさを理解し、反論のあることを記事にしたのではないだろうか。それをなさらないのに、終わってから「ああでもない、こうでもない」と言うのはちょっと??なのである。
 仮に考古学協会がそう言う雰囲気がないとするとそれはもう学問論争の場ではないということにもなる。
 事実に沿って、冷静に、論理的に追究するのが学問の道なのだから。
 
 勿論「邪心」の塊のような、揚げ足をとるだけの「説」を唱えている者がいることは事実だと思う。私もそうした者に気分を害されている一人である。こういう者に反撃を加えるのはとても難しい。なぜなら、反撃を加えれば加えるほど自分が惨めになるからである。だからどうしても感情的になる。感情的になると向こうの思う壺である。しかしそんな「言動」は放置できない!「どうしよう?」となるのである。
 せめて自分だけは「邪心」などなく研究するんだと言い聞かせるのだが、思い出す度にむかついてくる。何となくそんな博士の胸の内が判らないではないのだが、門外漢の私がいうのは適切ではないが、もう少し冷静に、客観的に、論理的に論破することを望みたい。

 私もいつか「邪心」の塊に冷静に鉄槌を下したいと思っているので。

 最後に老婆心ながらもう一言。やはり「前期旧石器遺跡捏造事件」を例に出すのはちょっと言いすぎではないですか。謝罪した方がいいと思いますよ。

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 山田博士の主張に接したので「備後国を訪ねて-3」はまた明日。