lizardbrain

だらだらぼちぼち

継続は力

2006年02月22日 23時32分47秒 | 音楽

木村充揮が憂歌団でデビューして、早くも30年が経ったのか。

木村充揮 30th Aniversary
継続は力 ~オ・カ・ゲ・サ・マ・デ~
と題して、豪華なゲスト陣を一堂に会したライヴイベントが2月11、12日の2日間に渡り開催された。

今回のライヴは、11月6日の串本のライヴの折にも告知されていた。
あの時、2時間に渡り、ほんの2メートルほど先のステージで唄い、しゃべり、楽しそうに酒を飲む生身の木村充揮を目にして、そして彼の歌を堪能して、すっかり満足していたので、NHKホールまで出かける予定は無かったのだ。

だが、1月になって、木村充揮30周年ライヴのゲストに泉谷しげるの名前が追加されているのに気づき、突如として行く気になった。
ワタクシが中学生時代に、生まれて初めて買ったLPレコードは、泉谷しげるの春夏秋冬だったからだ。
春夏秋冬は、アレンジャー、ギタリスト、及びプロデューサーとして加藤和彦を迎え、ギター&ベースに高中正義、ドラムスにつのだひろ、キーボードに柳田ヒロ、セレステという名の訳のわかんないキーボード楽器に仲井戸麗一(チャボ)、etcをバックに従えた名アルバムで、しばらくはこのLPレコード1枚しか持っていなかったため、このアルバムを何百回聴いたことだろうか?

そんな事を思いながら、遅ればせながら2月11日のチケットだけを買った。
座席は1階の2列目。
もちろん、後ろから2列目だったが、、、、、

初日のゲストは、
大西ユカリと新世界、近藤房之助、永井”ホトケ”隆&塩次伸二、金子マリ、鮎川誠&シーナ、泉谷しげる、加川良、甲本ヒロト&三宅伸治、BIGEN、、、、、
え~っと、もっと他にも出てきたような気がするが、、、、
何しろゲストが多すぎて覚えきれない、、、、
そうそう、金沢出身のロックバンドめんたんぴんのギタリスト、飛田一男(ひたかずお)もサポートメンバーとして出ていたなぁ。

憂歌団時代の曲「嫌んなった」が会場に流れる中、ステージサイドから登場した木村充揮の手には、いつものようにお酒の入ったグラスが
ステージに立ってもすぐには唄い出さず、ニコニコしながらグラスのお酒をじっくり味わうように飲み続ける。
こういう雰囲気で始まるのは、去年の串本でのソロライヴの時と同じで、いつもの木村充揮を感じさせたのだが、、、、、この日のステージの内容には、ちょっとばかり消化不良を感じた。
ゲストが2~3曲演奏し、木村充揮と1曲ジョイントする、、、、、、
基本的にこういう進行だったのだが、この日のメインのはずの木村充揮の出番が少ない。
ゲストが多すぎるので、ゲストが唄っている時間の方が長い。
ジョイントする曲も、昔からの持ち歌だけでなく、春に発売されるニューアルバムからの曲を演奏したりもするので、ちょっとなじみが薄い。(ま、これは、ニューアルバムを買えば解決する事だが。)
出演するゲストが交代する時のセットチェンジの時間も、いまひとつモタモタしているように思えた。

例えば、NHKホールのステージ上でバックバンドを従えた木村充揮が、ゲストを1人ずつ呼び入れてセッションを展開する。もちろん、木村充揮自身はステージに出っぱなし、、、、、、、
当初、ワタクシが勝手に想像していたのは、こういう演出だったのだが、、、、、

上記のようなたくさんの豪華ゲスト陣の中で、ワタクシがナマで聴いた事があるミュージシャンはと言うと、少ない。
大西ユカリと加川良と、そしてもちろん木村充揮。
他は、全くナマで聴いた事がない。
聴いた事が無いミュージシャンのおいしい所だけを、毒見(?)してみるにはいい機会かも知れない。

問題の泉谷しげるは、第2部の最初に登場した。
エレアコギター1本の暴力的な弾き語りで、「おー脳」「春夏秋冬」を演奏。
「春夏秋冬」では、ギターで弾き語りするというより、まさしくギターで叩き叫ぶ、、、、、
という表現がぴったりか。
かねがね、「春夏秋冬」という曲については、一つの謎を感じている。
この謎については、機会を見ていずれ検証してみたい。

この泉谷しげると対照的だったのが、甲本ヒロト。
もっともっとツッパッたシンガーだと思っていたのだが、意外な事に、礼儀正しい好青年で、気に入った

まだまだ若いなぁ~と感じたのが、鮎川誠 & シーナ(シーナ・イーストンじゃないよ~ 笑)。
シーナって、今いくつだ~?
50歳は過ぎてるのは確かなのに、まだまだ若く見えたのはメーク技術のなせる技か、それとも、後ろから2列目という座席位置がなせるマジックか?

サプライズゲストに、「ぐっさん」こと、元ドンドコドン(解散したんだっけ?)の山口智充。
ぐっさんの任務は、場つなぎ。
セットチェンジの間をもたせるために、いくつか物まねをやっていたが、木村充揮のしゃべり方の物マネで一番受けていた。
が、場つなぎというより場違いな感じにとまどう観客も多かったのかも。

最後に、ゲスト全員が登場して、和太鼓まで持ち出してお祭り騒ぎの大合奏、大合唱。
そう、木村充揮の歌だけを目当てに来た大半の観客には消化不良の演出、進行に感じたが、このイベントはお祭りだったんだ
木村充揮を囲む、たくさんのミュージシャン達が集まったお祭り。
言うなれば、木村充揮がホストを務めるNHKホール版の春一番コンサート
最初っからそう考えていれば、違和感をいだかなかったものを。

今思えば、出てくるゲストが年上であろうと年下であろうと、木村充揮が、ゲストに対して深く気を使っている様子に、彼の人となりを見たように思う。
聴き手達、そして時にはライバルであるはずの共演者達皆に愛され続けて来た、天使のダミ声を持つ兄ちゃん、
それが木村充揮の魅力なのだろう。

さてさて、全ての曲が終わり、アンコールを求める拍手が長~く長~く続く。
その間、暗転したステージ上では、大掛かりなセットチェンジが行われている模様で、たくさんの人影がせわしなく動きまくっているのがわかる。

長~い長~い拍手を続け、ようやくステージに照明が入ると、バックバンドと総勢約22名のストリングスセクションが待機。
ネクタイこそしていないが、白いジャケットとパンツ、白いハンチング帽にお色直しした木村充揮が、アンコール曲を唄う。

1曲目が君といつまでも
次にケセラ
ケセラといっても、ヒチコックの映画「知りすぎていた男」で、ドリス・デイが必死に唄っていた曲ではない。サビの部分で「ケセラ、ケセラ、ケセラァ~ァァ、、、、、」となる曲である。
そのサビのところで、ステージ一番奥のカーテンが開いて、大西ユカリが指揮する総勢約80名の女性コーラスが現れて大合唱。
バンド、ストリングスを合わせると、ステージ上のミュージシャンは、ゆうに100人を超えている
なるほど、こういう機会でなければという演出は、さすがNHKが絡むだけの事はある。

何しろ、長いコンサートであった。
鮎川誠&シーナのステージが終わって、第2部の前の休憩がアナウンスされた時には、開演から既に1時間40分が経っていた。
予定の17時から10分余り遅れて始まり、全てのアンコールが終わったのが21時30分を回っていた。
聴く方はともかく、演奏する方も、スタッフ関係者の皆さん一同も、さぞやお疲れだったろう。
「長くても3時間で終わるだろう」と予想して間食をとっていなかったワタクシは、空腹のあまり、行き倒れになりそうだった。
「楽しかったが、疲れた」というのが、正直な感想か。


ちなみに、2日目の12日のゲストは、

かまやつひろし
BAHO(石田長生 & チャー)
リクオ
上田正樹
有山じゅんじ with 藤井裕&正木五郎(いずれも元サウス・トゥ・サウス)
などなど、他にもたくさん登場した模様で、
元憂歌団のメンバーからは、ドラムスの島田和男とベースの花岡献治が参加したようだ。

2日目のライヴにでかけた友人によると、最後まで、ギターの内田勘太郎の姿は見られなかったそうだ。

上田正樹と、有山じゅんじ with 藤井裕&正木五郎は、この日のステージ上で共演を果たしたらしい。

情報量の少ないイナカのファンには、上田正樹とサウス・トゥ・サウスのメンバーの間に何らかの亀裂があるらしいという噂が伝わっていたので、元サウス・トゥ・サウスのメンバーと上田正樹のこの日の共演は、大いに嬉しいニュースとして歓迎したい。

だが、憂歌団の顔とも断言できる、木村充揮と内田勘太郎の間にも、現在、(どういう原因なのかは不明だが)大きな亀裂がある事が噂されている。

勘太郎が現れなかったという事実が、何やら、とても寂しい。


関連情報が2つ。

この2日間連続ライヴの様子は、3月2日、NHK-BSで放送されるそうだ。
ただし、たったの90分しか放送しない。
初日が約4時間30分、2日目が5時間にも及んだライヴを、たった90分の放送でお茶を濁そうとは、NHKも姑息ではないか?

ワタクシは、地上波ファンを公言してはばからない。
現状では、我らBSレジスタンスの道のりは、険しい。
連日連夜、敗走に次ぐ敗走が続いている。
だから、この2日間のライヴをNHK-BSで観る事は無い。
決して、衛星アンテナを買えないからではないので、誤解の無きように。
どなたかが、ビデオに録画した物を鑑賞するだけならば、やぶさかではないが。

さらに、2つめ。

会場で受け取ったチラシの束の中に、なんとも気が早い事に10月のライヴインフォメーションが入っていた。
ジャズピアニスト松永貴史と木村充揮がジョイントして、JAZZを唄うらしい。
極めて魅力的な企画なのだが、残念ながら、この日、ワタクシはF1日本GP観戦のために鈴鹿サーキットに車を走らせている予定なのだが、、、、、、