みなさん こんにちは
大阪府が「府在日外国人施策に関する指針の改定案」に対するパブリックコメントを募っています。前回の指針に比べて、在日韓国朝鮮人の歴史的経緯があいまいにされたり、在日外国人の地方参政権についての記述が無くなったり、明らかに後退しています。今夜12時までですが、府民のみなさん、ぜひ意見を上げてください。少しでも住みよい大阪にするために。
以下にその指針の改正案とパブリックコメントの提出先のアドレスを載せます。その下に私が先ほど送った意見を書いておきます。私が参考にした志水さんの意見もご覧ください。
改正案
意見提出先
私の意見
・在日韓国・朝鮮人に関する記述については、現行指針通り「過去の植民地支配により、多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ、その中の多くの人々が 軍需産業や建設作業などに従事させられた。今日の在日韓国・朝鮮人の多くは、戦後帰国できず、日本 にとどまることになった人々とその子孫である。」と、その歴史的な経緯を記述してください。「植民地支配により日本に来た」経緯を踏まえてこそ、在日韓国・朝鮮人の方々への真に実のある施策が実施できます。
・「在日外国人を含めた多様な住民の意見を府政に反映することが求められている」とするなら、なにより多様な意見を反映できる地方参政権を認めるべきだとの指針を示してください。
・「外国人学校に対し、外国人学校振興補助金により、教育条件の維持向上及び外国人学校に在学する生徒に係る修学上の経済的負担の軽減を図ります」とあるのに、どうして朝鮮学校へは補助金を与えないのでしょうか。大阪府が民族や国籍、主義主張の違いから子どもたちに平等な教育の機会を与えないということは、大阪府民みなに関わる問題です。大阪府が子どもたちの人権を侵害し続ける地域であっていい訳がありません。朝鮮学校にも外国人学校振興補助金を与え経済的負担の軽減を図ってください。さらに加えて、朝鮮学校を高校無償化の対象から除外する省令を改正するよう文部科学省に求めてください。
注、提出したのをほんの少しだけ変更しています。
志水さんの意見
改正案は、極めて不十分であると考えます。在日韓国・朝鮮人の歴史と問題について記載されているのは、「2 大阪で暮らす在日外国人の状況(2) 国籍・地域別の状況」のみであり、その内容も現行に比して甚だ不十分です。
現行には、注釈として「過去の植民地支配により、多数の朝鮮の人々が日本に来ることを余儀なくされ、その中の多くの人々が 軍需産業や建設作業などに従事させられた。今日の在日韓国・朝鮮人の多くは、戦後帰国できず、日本 にとどまることになった人々とその子孫である。」と、短くとも歴史的な経緯が書かれています。
しかし、改正案は、「その多くは、歴史的経緯により、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後、様々な事情から日本にとどまることとなった方々です。」と、過去の植民地支配や戦後帰国できず日本にとどまることになった歴史もまったく書かれていません。
日本社会で暮らすニューカマーの抱える問題は、オールドカマーと呼ばれる在日韓国・朝鮮人が抱え続けた問題と同じであると考えます。つまり、在日外国人施策の指針を定める時、真っ先に考えなければならないのは在日韓国・朝鮮人の問題です。
改正案に、教育・福祉や年金、国への法制度の改善等、現在も解決しているとは言い難い問題について触れられていない点も納得できませんが、ここでは、特に教育の問題について、改正案に記載すべき点を3点挙げます。
① 日本社会では、在日韓国・朝鮮人が「その意に反して本名ではなく日本名(通名)で生活せざるをえない」状況がまだまだあります。現行にある、「大阪府として、在日外国人児童・生徒が、自らの誇りや自覚を高め、本名を使用できるよう環境の醸成に努め るとともに、とりわけ在日韓国・朝鮮人児童・生徒については、『在日韓国・朝鮮人問題に関する指導の指針』に基づき指導に努める」を記載してください。
② 「外国人学校については、その振興を図るため一定の支援を行っているが、学校教育法上各種学校と位置づけられていることから国庫補助制度がないことや、卒業生に国立大学等の受験資格が認められていないなどの課題がある」も記載してください。
③ 「在日韓国・朝鮮人の児童・生徒については、これまでの歴史的経緯を踏まえ、課外の自主活動を活用して歴史・文化等について学習できる環境を醸成する」も必要と考えます。