えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

2020年えべっさん

2020年01月11日 14時46分18秒 | 幸せ
みなさん こんにちは

 昨夜、えべっさん(大阪・今宮戎神社)にお参りしてきました。以下は18年前の2002年にえべっさんに詣でた時の体験を、その一年半後に友人へ伝えた手紙です。毎年えべっさんの時期に再掲載しています。
「えびす顔の造花卸売り問屋社長からの手紙」恒例の幸せ自慢、長文です。酔狂な方はお付き合いください。

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 一年半ほど前に、生まれて初めて体の中からこみ上げてくる「幸せ」を体験しました。きっかけは些細な出来事なのですが、40数年の人生の中でたった一度の体験です。

 父と当時中一の息子と「今宮戎」に詣でた時です。お参りを済ませ、スマートボールで息子が景品を当て、ジャンジャン横丁の串カツ屋で食事をしました。

 突然、「ああ、俺はなんて幸せなんだろう。世間は不況で、みなさんは苦労されている。商いは大変だけど、まずまず人並以上の生活をさせてもらってる。こうして親子三代揃ってえべっさんに参って、遊んで、食事して。こんな幸せなことはない。有り難いことだ」。
幸せって、頭でなく胸の奥から込み上げてくるんですね。体がじーんと震えるんですね。

 実は、それまでの二年間、親族に関してかなり困難な問題があり、解決の目途がやっとついた時でした。そして、親しい人たちが数ヶ月の間に4人もお亡くなりになり、その傷が癒された時期でもありました。体も不調で、2年ほど体温が37度を下らない日がありませんでした。

 私は恵まれた家庭の中で育ち、何不自由なく大学院にまで行かせてもらい、第一志望の新聞社に就職。記者としても自分の目指すことの幾ばくかをこなしました。父を手伝うようになってからも、会社を順調に伸ばしました。よい妻がいて、長女、長男も順調に育ち、両親も元気で、六人一緒に世間並み以上の暮らしをしている。端から見れば、とても幸せなのでしょう。しかし、幸せと思ったことは一度もありませんでした。記者時代はいつも何かに追われ、今の仕事についてからも、どうも自分が望んでいることと違う。そんな風に自身を眺めていました。

 その私が、初めて「幸せ」を感じたのです。あの時から、段々段々、その幸せが大きくなってきています。今は、ちょっとしたことをしても、「有り難いことだ。幸せなことだ」と思うようになってきました。

 この手紙を書いていても、「こうして、Kさんに手紙が書ける。有り難いことだ」と感じます。先日も、会社の周りを掃除して、ウンチを拾っていて、「こうして、綺麗にできる。ありがたい」と心が言っていました。今月は売上がかなり落ち込み、掃除をしている暇があったら、専務として他にもっとすることがあるんじゃないかとも思いながらですが。

 公私とも毎日、トラブルや問題が起き、その都度、悩んだり、怒ったり、めげたり、他人を羨んだり、妬んだり、そして、この幸せがいつまで続くのかと心配しながら、それでもなお、日々幸せを感じて、暮らしています。

 ただ、その幸せの危うさも感じています。「幸せ」って、全てに満たされている状態ですよね。それ以上のものはありません。もう、向上する必要がないのですね。と言うより、その先がないのだから、上がることはできないですよね。「幸せ」って不思議です。

 こんな時代に悠長なことを言っている。「ノー天気、アホぼん」なのかも知れません。 

 写真は今年のえべっさんの帰り道、満月に近いお月さんに笹をかざして。

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