森歩き 事務局日誌

森に山に、森林ボランティア活動に、面白い物があれば何でも見に行きます。

絵でわかる 寄生虫の世界  長谷川英男 著

2016年12月21日 | 書籍紹介
寄生虫の本  再び

この本の監修が あの目黒の寄生虫博物館館長の 小川和夫氏となれば 目についたら読まねばならんでしょう。
で 長谷川氏は大分大学の名誉教授で 大分にお住まいなのだ。もっとすごいのはこの本たくさんの図が掲載されているのですが
すべて長谷川氏の描かれたもの。回虫・条虫・蟯虫などの緻密なイラストは もう愛ですな。

始に寄生とは というところから始まります。 いつも一緒にいなくても依存してれば寄生 寄生がいつの間にか関係が変化して共生のようになったり
いつもながら 自然界は 一言で言えないところが面白いのです。
でも 長谷川氏は真面目な方だから 寄生獣ミギー などには言及しない。  ミギーは共生といってもいいんじゃね

ほんとに世の中にはよくわからん生き物がたくさんいるのだと 改めて感じ入る。
まあチョウチンアンコウのように 雄が雌にくっいて 体の一部になるのは仕方ない(?)けど 
オスがメスの子宮内で生活しているってどうなのよ  ネズミの膀胱に寄生するトリコソモイデス・クラッシカウダとかいう線虫。

昔(19世紀ごろまで)は人の体にもともと虫が住んでいるのだと思われていて 「腹の虫」ということになっていたらしい。
 機嫌が悪いのも虫のセイ(虫の居所が悪い) 何かの予感も虫のセイ(虫の知らせ)、、、
今の日本人には ほとんど虫(回虫・蟯虫)はいません。 虫のセイにしてはいけません。
今年までで 小学生の蟯虫検査(お尻の穴にテープを貼って調べるヤツね)は終わりになったそうです。

後半は 虫たちの 解説になって ちょっと学術的になり 専門用語も飛び交って しんどくなった。
高校生や教養課程の大学生向きとあるではないか  やっぱりぃ

そういう時は ところどころにあるコラムがお楽しみです。
で 同じ回虫でも 豚につくもの イヌにつくもの 猫につくもの みな違うそうです。
で人につく回虫は やはり人で実験するしかないそうで  あとはお約束の、研究者 体を張っての実験です。
400種類以上いる寄生虫 そのなかで 人にしか寄生しないのが 40種もあるそうです。

だいたい 生物の本を読むとたいてい書かれている生き物が好きになります。 ミミズも蚊もモグラも サバクトビバッタも
でも 寄生虫はあきまへんでした。 絶対体の中には入れたくありません。 
生ものは食べないようにしよう といってもほかの経路もあるし もうすぐお正月だし お刺身あるし 困ったなあ
もしかしたら 密に私の体に住んでいるかもしれないし 困ったなあ
「意識はいつ生まれるのか」が思ったほど面白くなくて(知りたいことが書いてなかった)お口直しと思って読んだのに、、。