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とつぜんSFノート 第84回

 今年もあと2日で終わる。小生は今年もSFファンとして過ごしてきた。もう、ずいぶんながい年月SFファンをやっている。いちSFファンとしての2016年はどうだったのだろうか。
 まず、SFマガジン。1967年9月号を買ってから、1号も欠かさず現在まで買い続けている。この雑誌とのつきあいも50年になる。半世紀のつきあいだ。しかも、おどろくべきことだが、各号をちゃんと読んでいる。小生の周辺のSFファンでSFマガジンを毎月買っている人は少ない。読んでいる人となると、小生の知ってる限り小生だけだ。
 そのSFマガジン、2015年に隔月刊になった。で、隔月刊になって内容は充実したかというと、まったく逆である。2016年になって劣化はますますひどくなった。小生はSFを文芸と考える。だからSFマガジンは文芸誌であるべきだ。ところが昨今のSFマガジンは、文芸作品たる小説は長編の連載ばかりで、読みきり短編の掲載は非常に少ない。だいたいが隔月刊の雑誌に連載して意味があるのだろうか。2ヶ月も前に読んだ中途半端な小説のすじなんか覚えてない。雑誌の連載なんてもんは、出版社が単行本の原稿をストックするためのものだろう。出版社の都合でやっているもので読者を考えてのものではない。だから、小生は、原則として連載小説は読まない。読みたければ単行本になってから読む。ところで飛浩隆の「零號琴」はどうなったのだろう。単行本になるのを楽しみに待っておるのだが。たぶん飛さんがあれこれ手を入れているのだろうと、おもうのだ。
 新人のSF作家だが、2016年は、これという新人は出てこなかった。早川、創元、日本のSF2大供給源で新人コンテストをやっているわりには、もひとつ強力な新人は出てきてないような気がする。だから早川は7年も前に亡くなった伊藤計劃にいつまでも頼るのだ。
 公募ガイドで若桜なにがしとかいうおっさんが、盛んにSFは商売にならんといっているが、谷甲州の「コロンビア・ゼロ」は版を重ねている。SFでも良い作品はちゃんと売れるのだ。
「星群」や「風の翼」の友人たちとは定期的に会ってるが、SF関係のイベントは「京都SFフェスティバル」に行っただけ。日本SF大会にも出たいが、最近は関西での開催がない。日帰りで行けるのなら参加したいが、宿泊を伴うモノは仕事の関係で難しい。それに、SF大会の合宿。若いころは楽しかったが、さすがにこのトシになると、夜通しワーワーどんちゃん騒ぎはしんどい。
 来年は、トシはトシなりのSFファンでありたいものだ。それに創作に力を入れたい。
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