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おとなのけんか


監督 ロマン・ポランスキー
出演 ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー

 最初は子供のけんかだった。ザッカリーがイーサンを棒で殴りケガをさせた。被害者イーサンの親ロングストリート夫婦は、加害者ザッカリーの親カウマン夫婦を家に招く。子供のケンカであり、ここは水に流して穏便に和解するつもりであった。
 最初は、コーヒーにご自慢のデザートをふるまったりして、なごやかに話し合いが進む。双方納得のいく落しどころを見つけ、では明日ザッカリーを連れて、改めてと、カウマン夫婦が帰ろうとすると、まあ、いいじゃないですか。コーヒーもう一杯どうですか、と、ロングストリート夫婦が引き止めたのがいけなかった。そういうことでしたら、と2組の夫婦がまた一室に。
 ロングストリートの夫マイケルは雑貨商。膝を痛めている母親を持っている。妻ペネロピは作家。アフリカの貧困をテーマに本を書いている。カウマンの夫アランは弁護士。薬害訴訟をかけられている製薬会社が依頼主。妻ナンシーは動物愛護家らしい。
 舞台はロングストリート家の室内だけ。登場人物は2組の夫婦4人だけ。これだけで、ものすごく面白いコメディに仕上がっている。
 4人はもちろんおとな。最初はニコニコと建て前で会話を交わす。そのうち、だんだんと本音が出て、感情的になってくる。人のけんかほど面白いものはない。カンカンに怒っている人はハタで見ていてものすごく面白い。
 夫婦VS夫婦、夫VS妻、夫VS夫、妻VS妻。もつれた感情の糸がこんがらがってくんずほぐれつのバトルを繰り広げる。その合間に、絶妙のタイミングでアランに携帯電話がかかってくる。そうこうしているうちにナンシーがゲロ吐いて、ペネロピが大切にしている画集をベタベタに汚す。マイケルの母から膝を手術するのどうのとごちゃごちゃ電話。ナンシーはペットのハムスターをマイケルが捨てたことを根に持つ。さらには、マイケル秘蔵のスコッチをみんなにふるまう。アルコールが入って混乱はさらにヒートアップ。
 映画のラスト。大人たちが大混乱を演じているのに子供同士は仲直り。ハムスターも元気だった。出色のコメディであった。
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