走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

いよいよ本番!

2013年07月04日 21時47分13秒 | 職場の出来事

 明日からの期日前投票(松山市三番町 選挙管理委員会のみ)に備え、設営をした。
 ここまでにさまざまな準備をしてきた。

 そして、明日から期日前投票。
 並行して不在者投票事務も始まる。

 さらに、当日投票、開票と21日までは休みなしで、夜遅くまで仕事漬けである。
 部下たちの健康状態が気にかかるが、致し方ない。
 選挙が終わればゆっくりと休んでもらおうと思っている。

 本当にここまでよく頑張ってくれた。
 だが、まだこれからである。

 忙しくて体力が落ちるだけではない。
 気分的にも差し迫ったものがあり、なんとなくギクシャクする。
 そんな中、お花の差し入れがあった。

  

 ホッとする気分になる。
 ありがとうございました。

 よーし、明日からもがんばるぞ!!

 皆さんも投票に行ってくださいね。

国際舞台

2013年07月03日 19時43分11秒 | つぶやき

 私の友人のご子息が、この秋に、ある国際スポーツ競技に出場するためにヨーロッパに行くことになった。
 まだ中学生なので、保護者同伴である。

 親子初めての海外遠征。
 ジュニアクラスでは、ラストチャンスだろうと云われていた。
 中学時代のいい思い出にもなるだろうと参加を決めたという。

 会話もできない、海外旅行もはじめて、不安だらけだという。
 アドバイスを求められ、「大和魂と武士道の精神で臨めば何とかなります」とは本当にいい加減なアドバイスである。

 「申し込んでから、後悔ばかりしているんです」と言われたので、立命館大学のモンテ・カセム教授の話を教えてさしあげた。

 若い時期に異文化に触れる意義について説明してくれています。

 「まず自国の文化を見直せます。
  生まれ育った国の、よいところ悪いところがはっきりと見えてくる。
  また、自身の強さを得ることができます。
  一度弱みを知らなければ強さは得られない。
  若いうちにそれが見える『不慣れな場所』に身を置いた方がいいのです。
  恵まれた環境の中で満足に暮らしているばかりでは、自分の可能性すら気づかないことがあります。
  異文化体験に挑戦する、そして己を知ることで、本当の意味で人生を豊かにする自分の感性が磨かれるのです」

 と言われてますよと紹介すると、大変喜ばれて、「確かにそうですね。決断した甲斐がありました。」と礼を言われたので、つい図に乗って会話についても次のように紹介してしまいました。

 グローバル化に伴って必ず問われるのが、日本人が苦手意識を持つコミュニケーション能力である。
 時に語学力と同義に語られるが、カセム教授の見解は少し違う。

 「こんな話を思い出します。高校生の頃、私は先生に『どうすれば英語が上手になりますか?』と尋ねたのです。
  答えはこうでした。
  『面白い人間になりなさい』----と。
  この本を読みなさいとか、こんな練習をしなさい、という答えを予想していた私は驚きました。
  『面白い人間になれば、その人の話す内容に人々は耳を傾けてくれます。
   人が耳を傾けてくれれば、一生懸命伝える努力をするようになるから、言語は自ずと上達するのです』と先生は言ったのです。

 私はこの先生に今も感謝しています。
 なぜなら、それが真実だったからです。
 面白い人間というのは、funny(ファニー)という意味ではなく、話すべき内容を持つ、興味深い人間という意味です。
 言葉の勉強は確かに大切です。
 でもその前に、内容のある魅力的な人間になること。
 それが、異文化の中でのコミュニケーションの極意だと思うのです。」

 なかなか、いいお話でしょう?

降りてゆく生き方

2013年06月29日 22時33分57秒 | 映画

 今日は、ボランティアで映画上映イベントに参加してきた。
 タイトルは、「降りてゆく生き方」

   

 場所は、松山市の荏原公民館。
 この映画は変わっていて、映画館では上映しない。
 DVDも出さない。
 商業的なことが皆無な映画として希望する地に行き上映する。
 昔の巡回映画館のような感じである。

 いつものように代表の思いつきのよな発想で上映することになった。
 本当にタイトなスケジュールでの上映開催。

 「もう少し時間をくれ!!」と心に思いながら、それでも何とか時間調整をしてこぎつける。
 他のメンバーも恐らくそうだろう。

 入りを心配していたが、予想以上に(人が)集まった。

   

 紹介DVDは事前にチェックをしていたが、本編を見て涙した。
 胸につかえていたものが、「スー」と抜けていくような感じがした。
 肩の力も抜けた。

 つくづく人は登っていく生き方しかしていないんだということを改めて思い知らされる。
 宇宙から銀河系、そして太陽系、地球、日本、四国、愛媛、松山、そして家族、自分へと降りてゆく。
 なんだか自然体になれるような気がした。

 この映画は愛媛県では初めての上映。
 希望すれば来てくれる。

 売上金のほとんどは、東日本など無料で上映したいところのために使われているとのこと。
 心が荒(すさ)んだり、折れそうな時にぜひ観ていただきたい。

 上映後、この映画の音楽プロデューサーの柴木さんに登壇していただき、この映画の製作エピソードや思い入れについてお聞きした。

   

   

 そして、代表の佐伯康人とちょっと絡んでもらう。

  

  

 ぜひ、ぜひ、我もと思われる方、本映画を誘致してください。

 

ネット選挙運動解禁でとっても心配なこと

2013年06月25日 20時38分26秒 | 職場の出来事


 今回の参議院議員通常選挙からインターネットを活用した選挙運動ができることになりました。
 ただ、自宅からインターネットを使って投票できるようになったと勘違いしている人もいるようです。
 これは、できませんということを付け加えさせていただきます。

 また、未成年者の選挙運動も緩和されたわけではありませんから、当然、未成年の方はインターネットを活用した選挙運動はできません。
 インターネットですから、パソコンだけでなくスマホなどの携帯電話もダメなんです。

 ただ、何もわからずに特定の候補者を応援するようなメールを送るだけでも公職選挙法違反になります。
 公職選挙法違反は、かなり厳しい処罰を受けますので絶対にしないでほしいのです。


松山市選挙管理委員会、フェイスブック開設

2013年06月21日 19時53分15秒 | 職場の出来事

 来月行われる予定の参院選を前に、松山市選挙管理委員会では、6月21日(土)からインターネットの交流サイト「フェイスブック」(FB)上に、公式ページを設けました。

     

 開設の目的は、投票率の低い若者に選挙を身近に感じてもらうことが狙いで、投票所の場所案内や投票速報を行うほか、選管職員が〈裏方〉として事務仕事に追われる様子も紹介しています。
 開設して初めて知ったのですがFB導入は四国の選管では初めてということでした。
 気を付けてみていただければ、「へぇ~」的な情報が発信されているかもしれませんので、こまめなチェックと『いいね!』ボタンの押下をお願いします。



ポスター掲示板の設置スタート

2013年06月17日 20時54分14秒 | 職場の出来事

 今朝から参議院議員通常選挙の選挙区用ポスター掲示板の設置が始まりました。
 選挙の風物詩(?)の一つであるポスター掲示板はニュース性が高いため、たくさんの報道機関の皆さんに取材に来てもらえました。

 また、この掲示板の板の部分は再生紙でできています。
 昔は、ベニヤ板で一回使うと廃棄するしかなかったのですが、世の中のエコ意識が高まる以前からリサイクル意識が取り入れられていたような気がします。
 そして、ベニヤ板の次に出てきたのがアルミ製でした。
 アルミ製の板の上にシールを張り、終わったらシールをはがせば再利用できるというものです。
 ただ、(アルミ製なので)コストがかかることと、両面テープでしかポスターが張れないため候補者側の作業負担がかかりすぎるということで、次に出てきたのが再生紙だったようです。

 
 今の再生紙だとポスターを張ったままでも溶かせるらしく、回収後の手間も軽減されるようです。
 また、紙ですから直接印刷もできるため前準備も楽なようです。

 ただ、紙なので雨などに弱いと心配される方もおられるかもしれませんが、私たちが思っている以上に紙は加工の仕方などでかなり強度が増すようです。
 例えば、選挙備品の中でも牛乳パックの再生紙で投票箱を作ったり、投票用紙計数機などを収納するケースなどが作られています。

 そういえば選管の用品は、軽量化とリサイクルの両面からの改良だったような気がします。
 一人で運べない投票用紙計数機、大量に運べない記載台やマットなど、その重さに腰を痛める人も出るほどでした。

 しかし、今では信じられないくらいそれらが進化し、かなり扱いやすいものになっていることにおどかされます。
 選挙というニッチな市場で、よくここまで進化したものだと感心しきりであります。 

参議院議員通常選挙(その3)

2013年06月08日 22時39分33秒 | 職場の出来事

 機械点検、第二弾は、開票所で使用している投票用紙計数機です。
 この計数機もかなり進化しており、昭和50年代中ごろまでは大人二人でないと抱えきれないくらい、大きく重たいものでした。
 そして、だんだんコンパクトになり、軽くなり、計数スピードも飛躍的に伸びました。
 今の機械は、OCR機能が付いていて分類と計数両方をする機能がついています。
 最新の機能では、投票用紙が表裏が混在していても読み取って、分類・計数するそうです。
 本当にびっくりです。

  
 機能が高まったため、点検作業も綿密かつ慎重に行われます。

  
 これが読み取って分類された後、候補者ごとに整理されるところです。

  
 本番で壊れたりしては困りますから、徹底して点検します。中は、まるでロボットのようです。

  
 サンプル紙を使って、円滑に計数できるかどうかをチェックしております。

 このように、選管の仕事は目立たないところでたくさんの人の力を借りて、完璧を期すよう日夜汗をかいています。


参議院議員通常選挙(その2)

2013年06月08日 22時00分11秒 | 職場の出来事

 選挙の前には期日前投票や投票当日投票所で使用する機会の点検を行います。
 日々使っている機械なら、癖や調子がわかるのですが、選挙の時しか使わないため事前の点検が欠かせないのです。

 このコーナーでは、投票用紙交付機の点検について紹介します。

  
 このタイプの交付機は30年前に誕生したもので初代の投票用紙交付機です。予備機として点検しています。

  

  

  

  
 こちらのタイプは二代目の投票用紙交付機で、かなりコンパクトになっています。サンプル紙を使って稼働チェックをしています。

  

  
 こちらが現役バリバリの最新鋭の投票用紙交付機です。機能も高まり、投票用紙を交付するときには音声ガイダンスが流れたり、男女別集計がしやすくなっています。

参議院議員通常選挙(その1)

2013年06月08日 21時19分45秒 | 職場の出来事

 久しぶりの投稿です。
 古巣に戻って少し安心しすぎていたためかプレッシャーを受け、日々、なにかと忙しく過ごしています。
 よくよく考えてみると、20年ぶりのカムバックなので新人と同じであるという自覚が足りなかったと後悔しています。

 ただ、20年前と変わっていないのは、「選挙管理委員会(略して、「選管」)て、どんな仕事をしているの?」という問いかけです。
 そこで、若い部下(ほとんど子どもと同じ世代)たちと選管の仕事について情報発信していこうということになりました。

 そこで、スポットライトの当たらない選管の仕事にあえてスポットを当てることで、投開票までにどんな仕事をしているのか、公開できる範囲で発信していこうとなりました。
 このブログは私の個人的なブログですが、サポーターとしての位置づけで、部下たちの情報発信を助けたいと思います。

 今回は、選管倉庫の中を少し紹介させていただきます。

 
 投票所には体の不自由な方や歩くのが不自由なお年寄りも来られます。車いすもかなり準備しています。

 
 この投票箱は、折りたためない投票箱です。しっかりしているのですが折りたためないために場所を取ります。

 
 こちらは折りたためる投票箱。昔はスチールだったので運搬時に重かったのですが、今はアルミになっており、かなり運ぶのが楽になっています。

 
 投票所用マットです。こちらも軽い素材になっています。前のマットは一本で20キロもあり、それを数百本運ぶといつも腰痛になっていました。

 
 このジュラルミンのケースは、投票所に送る消耗品などを入れる箱です。もう30年以上使っています。

全国選挙管理委員会連合会

2013年05月27日 19時27分50秒 | 職場の出来事

 先週一週間は、ほぼ東京出張でした。
 そして、今日は、その余波でいなかった一週間分の仕事に忙殺されました。
 正直、まだ追いついていません。

 今回の出張は、全国の選挙管理委員会の委員長や職員が集まる会で6年ぶりという公職選挙法の改正が主なテーマでした。
 ネット選挙の解禁や成年後見人制度の改正など、新しい制度改正もともない休憩時間にはどのようになるのかという話をしていました。

 法改正は何でもないことのようですが、これがボディブローのようにじわじわ地域社会に影響を与えるのです。

 特に、ネット選挙の解禁では、むしろ選挙時に候補者が情報を発信する量が限られていましたが、自分の思い(マニュフェスト)を十分伝えられる機会が増えるということです。
 ただし、その反面いいぱなしは許されませんから、ある程度実現可能なものを取り上げる必要があり、そのための日頃の勉強が支持者獲得につながることになると思います。

 そういう意味では、各候補者は選挙人にいかにわかりやすく自分のマニュフェストを伝えるかといったプレゼンテーション能力が求められるようになるでしょう。

 そして、そのマニュフェストも社会情勢などの変化から変えなければならない事態が生まれてくると思いますが、そのときに明確に説明できる説明責任能力といったものがあわせて必要になることでしょう。

 どちらにしても、今、政治活動や選挙運動が大きくかわる歴史のターニングポイントのような気がします。

映画 奇跡のリンゴ

2013年05月20日 23時13分31秒 | 映画

 皆さんは知っていますか。
 木村秋則さんを?

 りんごを自然栽培で育てると決めて11年目にやっとリンゴが実り、そのりんごが「奇跡のリンゴ」と呼ばれているのを
 インターネットで販売すると数分で売れてしまうというシロモノです。
 自身もNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出ておられました。
 私たち、NPOユニバーサルクリエートの自然栽培の師匠でもあります。

 その師匠のお話が映画になり、6月8日から封切りになります。
 内容は次の通りです。

 阿部サダヲ、菅野美穂が夫婦役を演じ、不可能と言われたりんごの無農薬栽培に取り組み続けた木村秋則さんの実話を映画化したドラマ。
 日本最大のりんご畑が広がる青森県中津軽郡で生まれ育った秋則は、りんご農家の娘・美栄子とお見合い結婚して婿入りし、りんご作りに携わるようになる。
 しかし、りんごの生産に不可欠な農薬が美栄子の体を蝕んでいることがわかり、秋則は、絶対不可能と言われていた「りんごの無農薬栽培」に挑む。
 私財を投げ打ち、10年にわたり挑戦を続けるが、無農薬のりんごが実ることはなかった。
 周囲からは白い目で見られ、家族は貧困に打ちひしがれるが、そんなある時、荒れ果てた山の中で果実を実らせた1本の樹を見つける。
 原作は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班が監修した「奇跡のリンゴ 『絶対不可能』を覆した農家・木村秋則の記録」(石川拓治著/幻冬舎文庫刊)。
 監督は「ゴールデンスランバー」「チーム・バチスタの栄光」の中村義洋。

 ぜひ、ご覧ください。


映画 県庁 おもてなし課

2013年05月19日 09時19分41秒 | 映画

 昨夜、映画「県庁おもてなし課」を観に行く。
 あらすじは次のとおり。

 全国が観光ブームに沸く中、高知県庁は観光促進を目的に「おもてなし課」という新部署を設立した。
 ……が、やる気はあるが空回りする若き職員・掛水(錦戸亮)をはじめとするメンバーたちは、何から始めていいのかわからず戸惑うばかり。
 そんな様子を、地元出身の人気作家・吉門(高良健吾)から"スピード感のないお役所気質"だと強烈にダメ出しされる。
 掛水は、指摘された"柔軟な民間感覚"を補うべく、優秀なアルバイト・多紀(堀北真希)を他部署からスカウト。
 二人は吉門の言う、かつて独創的な観光プランを提唱しながらも県庁を追われた伝説の元職員・清遠(船越英一郎)の力を借りるべく、彼を訪ねる。
 しかし、父親を追いやった県庁を憎む、清遠の娘・佐和(関めぐみ)に追い返されてしまう……。

 二人は数々の壁を越え、ふるさとでの本当の「おもてなし」を見つけ出すことが出来るのか?
 掛水と多紀、すれ違ってばかりの恋の行方は?? 
 高知に戻ってきた吉門の秘めた想いとは???
 今、ふるさとから日本を元気にするためのビッグプロジェクトが動き出す!!

 映画を観て、久しぶりに原作も読もうかなという気がしました。
 人にはさまざまな思いがあり、その思いを貫くためには様々な障害が生まれます。
 その障害を乗り越えられるかどうかが、その思いをカタチにすることだと思います。
 そして、どのレベルで妥協するかも大切な要素です。
 この映画には、そのようなことが凝縮されているような気がしました。
 
 
 
 

私の履歴書 安藤忠雄(建築家)

2013年05月16日 23時59分43秒 | つぶやき

 BSテレビ東京で毎週木曜日に「日経スペシャル 私の履歴書」というのを上映している。
 もともとは、日経新聞の「私の履歴書」を映像化したものである。
 この番組がなかなか面白い。

 今は、建築家の安藤忠雄さん(4回シリーズ)だ。

 安藤さんの人間性がよく出ていて興味深い。

 今日の特集の中に表参道の同潤会青山アパートの再開発について紹介されていた。
 同アパートは、関東大震災(1923年)の復興事業として昭和2年に建てられたものである。
 当時としては先進的な建物や設備が施され鉄筋コンクリートで建てられた。
 しかし、昭和40年頃から老朽化が指摘され始めていた。
 そして、1995年の阪神・淡路大震災を契機に同アパートの建て替え再開発の議論が起こった。

 そして、入居者との話し合いを安藤さんは始めるわけだが、危険だとはわかっていても入居者は愛着を持っているため大反対されるのである。
 私自身も友人がこのアパートに住んでいたことがあり、連れて行かれたことがある。
 その友人は懐かしそうに蔦の絡まるそのアパートを誇らしげに紹介したものである。
 正直、私にはその価値が見出せなかったが、手摺りを障りながら愛おしそうに説明するその友人の姿が思い出される。

 話を戻すと、安藤さんは建築だけでなく再開発の問題にも巻き込まれたのである。
 当初、地権者150人中賛成者はわずか10人。
 聞く耳すら持たない人も多くいたという。
 安藤さんは愕然としたという。
 安藤さんの顔すら見たくないという人も出た。
 多くの反対者を相手に意見を交わすのは、地獄のような時間だったという。
 そして、地権者とともに悩み、苦しんだという。

 出てきた答えは、「記憶の継承」

 地権者一人ひとりの思い出を引き継ぐことだった。
 計画から10年。
 同アパートは表参道ヒルズにその姿を変えた。
 建物の高さは同アパートとほぼ同じ。
 それはアパート前にある欅(けやき)並木を心のシンボルとする人たちが多く、アパートの高さが見事に調和していたからである。

 そして、ヒルズの横に一棟ですが同アパートを見事に復元した。
 
 安藤さんは、何よりも「心の風景」を残すことにこだわったというのである。
 その根本には、「決して妥協したくない」という精神が脈々と流れているからでありましょう。

 そのためには、「時間をかける」というのだ。
 時間をかけて相手を説得する。

 このことは、私たちまちづくりを行うものが最も忘れてはならない精神なのである。

 そして、同氏が設計した建物「坂之上の雲ミュージアム」がこの松山市にあるのはとても誇らしいことである。

地域を支える情報提供  愛媛・松山・daiki通信 No.8

2013年05月14日 21時12分40秒 | 地域情報/その他

 最近、知己を得たダイキ(株)社長の高橋宰さんから次のようなメールをいただいた。
 月二回、全国に向けて高橋社長自身がこのような内容で情報発信しているとのこと。
 驚きであり、アグレシブルにご活躍されておられるので、どうやってこの時間をねん出されておられるのか脱帽である。

 「元気な町だよね」とうれしい言葉を掛けていただくことが多くなったと言われる「今治市」。
 「今治ってどんな町?」…愛媛県内第2の東予地方の都市ですが…。
 今治タオル、ゆるキャラ・バリィさん、ご当地グルメ焼豚玉子飯…。
 全国区の人気となった「ゆるキャラ・バリィさん」初め、市の代名詞となる特産品が話題を集めています。
 週末ごとに県外ナンバーの車が増え、まさに市街地再生に一歩近づきつつあります。
 その中で元気を取り戻しつつある商材の1つが、「今治タオル」。

 昨年は東京など各地に今治タオル専門店が相次ぎ開店。減少を続けてきた生産量も品質の良さが再評価されて上向いてきました。
 今治市は、工業出荷額が年間152億円と国内最大のタオル産地です。
 温暖な気候、良質の水を生かした綿花栽培と、江戸時代から白木綿などの織物業が盛んでありました。
 1879年(明治12年)に四国で初のキリスト教会が今治に設立されて西洋文化が広まり、新しい商品作りに取り組む気風が生まれたと
 伝えられています。
 1894年(明治27年)に今治でタオル製造が始まり、綿織物を手掛けていた業者が生産するようになり、大正時代には高級なジャカード織りの導入で生産額が拡大しましたが、平成になると海外産の安価なタオルに押されて出荷額が急減し、一気に市街地も廃れ始めます。

 2006年度には今治商工会議所が四国タオル工業組合や今治市と連携し、国の「JAPANブランド育成支援事業」として採択されてプロジェクトを開始。
 ブランド商品の開発やタオルソムリエ資格試験で注目され始めました。
 アートディレクター佐藤可士和さんデザインの統一ロゴマークを制作。
 独自の品質基準で高い吸水性と安全性を備えた製品をブランド認定し、PRしております。
 最近では、製造工程などに天然染料を使用したオーガニックタオルや生産過程で廃棄されるタオルの端切(はぎ)れに着目し、バスマットや座布団などを作る材料として紹介され、「捨てみみ」という端切れ廃棄材をエコ活用して、厚手で吸水性に優れるなどの品質の良さを生かして毛糸のかぎ針編みと同じ要領でマットや雑貨を作る「布編み」でも注目されています。

 さらに平成23年から欧州市場の開拓を目指し、イタリア・ミラノで開かれる世界最大のインテリア雑貨見本市「マチェフ」に参加し、「IMABARI」の知名度向上を展開して参りました。
 今年も今治タオルの特長である柔らかさや吸水性が高く評価されたことやイタリア国内に販売網を持つ現地代理店と契約できたことに加え、円安効果もおくってくれま寄与し、会期中の成約額は昨年の約3倍に上ったと報道されています。

 今回は、海外でその「ブランド」を確立しつつある「今治タオル」をご紹介します。
 これからの汗ばむ季節の必需品…「ふれるとやさしい気持ちになれる」その肌ざわりの良さ、使い心地の良さ、ご利用いただいて「なるほど」と合点がゆく商材としてご提案申し上げます。
 是非お試しください。

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 もう、すっかり愛媛の人になった感がする高橋社長。
 もっともっとがんばって地域資源を世間に送り出してもらいたいものです。

プロフェショナル 仕事の流儀 酒向正春

2013年05月13日 23時56分30秒 | うれしい

 今夜のNHKの「プロフェショナル 仕事の流儀」はリハビリ医・酒向正春医師だった。
 このブログでも何度か登場いただいた。
 先生の人間性が出ていたすばらしい番組だったように思う。

 番組の内容についてはホームページ(http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0513/index.html)から引用しよう。


 脳の力を引き出す。

 

 脳卒中によるマヒなどの後遺症を治療するため、できる限り早い段階から、積極的に体を動かしていく“攻め”のリハビリテーション。
 この分野の最前線で闘う酒向が武器にするのが、脳の画像分析だ。
 脳卒中の専門医としての経験を生かして、患者の脳の画像を詳細に検討し、傷ついた脳に残された回復の可能性を見つけ出す。
 そして、読み取った情報に基づいて理詰めのリハビリを繰り返していくことで、失われた体の機能は驚くほどの回復を見せる。

 リハビリ 人生の再出発

 リハビリの現実は、決してなまやさしいものではない。
 脳卒中による後遺症を抱えた患者の中には、せん妄やうつ病など、精神的なダメージを負ってしまうケースが少なからずあり、それがリハビリを難しくする。
 しかし酒向は、どんなに困難なケースでも、最後の最後まで粘り抜く。

      

 リハビリには、患者の人生を取り戻すという大切な役割があると、信じているからだ。
 「リハビリは、まさに再出発。
  おいしいものを食べる、見たい景色を見る、それで自分が生きてるということを実感し、新たな人生を送ってもらう。
  それをサポートするのが私たちの医療。」

 命が助かった、リハビリをして、それで終わりじゃない

 「こんなに患者の気持ちを分かってくれる先生はいない。」そう評される酒向の医師としての姿勢は、
  自らが味わってきた苦しい経験の中で培われた。
  中学1年の時に交通事故で重傷を負い、人を救う医学の力に憧れを持つようになった酒向。
  やがて、多くの患者の命を救う脳神経外科医となったが、一命は取りとめても重い後遺症に苦しむ
  患者に対し、何もしてあげられない無力感にさいなまれるようになった。
  そして、40代にしてリハビリ医に転身したが、今度は父・正信さんが脳梗塞で重い後遺症を負った。
  酒向は自らリハビリを手がけて回復させたが、退院後に再び悪化。
  「リハビリ後」も体の状態を維持し続けることの難しさを、家族という立場で嫌というほど味わうこととなった。
  酒向は今、すべての経験を糧にして、患者と家族を支える医療を目指している。
 
 
 番組はこのように展開していた。
 この内容の中で、感動したのは人間臭い酒向正春医師が出ていたことであろう。
 通常ならかっこいいところだけを見せて当然なのだが、自分の限界を見事というくらい露呈している。
 特に、自分の父親を公開してでもである。
 ただ、先生の真摯な姿勢は、人間の成長は限界を知るところから始まるんだということを言っているような気がした。
 そして、そこから学び取る姿勢こそ本当に大事なんだということを教えていただいたような気がする。

 結びの「プロフェッショナル」とは、

  どの仕事でも、ひたむきに仕事をしていると
  2~3年で限界が見えてきます。
  そのときに、しっかりと情熱をもって、使命感を持って
  その限界をクリアしようと努力して、
  アクションを起こせる方がプロフェショナルじゃないかと考えてます。

  先生らしいお言葉でした。