近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

奈良県御所市の巨勢山古墳群とは!

2010年09月23日 | 歴史
ここからは暫く、奈良県下の古墳群を巡る中で、最新古墳情報を提供します。

巨勢山古墳群は、古墳時代中期中葉から終焉期にかけて、奈良県御所市の巨勢山丘陵に所在する、5世紀から7世紀にかけての古墳で、約700基余りが築かれた国内最大級の群集墳。







写真は、秋津原ゴルフクラブ創設前の巨勢山古墳群遠景と近景及び本古墳群の一つ、708号墳石室。

本古墳群は、2002年12に国史跡に指定されたが、ほとんどが小規模な円墳で、古墳時代豪族の墳墓とみられる。

同古墳群は、市南部の東西約3.3km・南北約3.5kmの丘陵地帯に約700基の小古墳が集中し、国内最大級の規模で、地元有力豪族の葛城氏や巨勢氏との関連が指摘されている。





写真は、練習場の増設中に削り取られた巨勢山古墳先端の墳丘遠景と近景。

1995年9月にオープンした、“秋津原ゴルフクラブ”は、2009年11月に、打ちっ放しの練習場を増設するため、所有地である史跡指定地の山の斜面を約5,4000㎡にわたって崩してしまった。

この際、直径10m余りの円墳4基の一部を壊し、半壊したものもあるというが、4基とも未調査の古墳であったと云う。







写真は、本古墳群の一部が削り取られた秋津原GC練習場の光景と同古墳群とゴルフ練習場の空撮。

市民からの通報を受けた市教委は、2009年11月、工事中止命令を出し、斜面の崩落を防ぐため、防護ネットを張るなどの仮復旧工事を、2010年5月末までに実施したと云う。

国の史跡で工事をする際には、国の許可を取ることが文化財保護法で義務づけられているが、当ゴルフ場は許可を取っていないらしく、市側は市民からの通報で、工事に気づいたという。

ゴルフ場側は、史跡の範囲について分かっていなかったと釈明しているが、文化庁は復旧するよう求めている。

市教育委員会は今後、専門家の意見を聞きながら修復方法を検討したいとしているが・・・・・・。

国指定史跡・巨勢山古墳群が国内最大級の古墳群であるならば、古墳群発見時に“秋津原ゴルフクラブ”に対して増設工事禁止などの対処をしても良かったのではないか?

今回の巨勢山古墳群の損壊は、国指定史跡に対する認識不足と甘さに起因し、ゴルフ場経営陣が、古墳を破壊しても構わないという安易な営利主義が生みだした、国指定史跡文化財の破壊であり、許されるべきではない。

経営陣の「知らなかった」などという詭弁を決して許してはならない!





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