近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

兵庫県多可町の東山古墳群とは!そのⅠ

2009年05月21日 | 歴史
多可郡多可町の妙見富士カントリークラブと多可高等学校の西隣一帯の丘陵に、うねる様に丸い芝生の小山の起伏が点在する「東山古墳群」がある。
東山古墳群は、妙見ゴルフ場や県立多可高校西隣に位置する。

此処には調査を終え「北播磨田園空間博物館」として公園整備された東山古墳群史跡公園がある。





写真は上から、妙見山をバックにした東山古墳群及び古墳群墳頂から望む多可町街。

平成16年には、標高693mの妙見山山麓の、東山古墳公園内に「那珂ふれあい館」が完成し、東山古墳群をはじめ町内から発掘された出土品などが展示されている。

妙見山は、多可町中区の最高峰で、中区の盆地に立つとほとんどの地点から北正面にそびえる山容を拝むことができるらしい。

野外の大自然には、県内最大級の石室をもつ古墳など、古墳時代後期の円墳16基を復元した東山古墳群公園があり、いにしえの文化を感じることができる。





写真は、テラスが巡っている、直径約25mの東山1号円墳及び県下でも最大級の石室。

羨道から玄室まで約12.5m・玄室部の長さ6.25m・高さ約3mの規模。

写真のように、横穴式石室が築造当時のまま残っている。内部に入ると、天井には3m以上の巨石で覆われ、床面は平たい石が敷き詰められている。





写真は、東山1号円墳から出土した、金製耳環、銀製空玉、勾玉、水晶玉、小玉などの装身具。

本円墳からは、装身具のほかにも、須恵器・土師器など土器類、刀・矛・鉄鏃などの武器類などが出土している。

東(ひむがし)には、「日の向う風(日向風=ひむかし)」という意味があって、古代人の崇拝する太陽を、毎朝真っ先に仰ぐ妙見山の麓にある東山こそ信仰と豊穣の地として、早くから開拓が進んでいたと云う。

鉄製農機具の普及と共に生産が増大する古墳時代後期までに、多可町の妙見山麓一帯には、4世紀頃~7世紀の大化改新頃に築かれた10群200基以上もの古墳が確認されている。

大型の石室をもつ古墳が纏まって存在しているのが、東山古墳群の最大の特徴で、古墳群内には石室の長さが10mを超える古墳が5基もある。