今年6月、92歳で他界した絵本作家のターシャ・テューダーさん。ターシャさんの暮らし方が好きで、彼女の足元にも及びませんが、庭いじりが好きな私に、最近妹が買ってくれた本です。
写真集なのでこれくらいは当たり前なのですが、定価3,000円はちと高いと、買わずに我慢していたものでした。妹よ、なんと太っ腹な!と口に出す前に、彼女、「それがね」と話し出しました。
とあるテキストを求めて「古本市場」という古本屋さん(まあ「ブックオフ」のような本屋さんですね)に入店するやいなや、平積み状態になっているこの本が目に飛び込んできたのだそうな。彼女曰く「買ってくれと言わんばかりに!」。まったく新品に見えたのだけど、値段の表示もない。でも、古本屋なのだから定価ということはあるまいと思い、恐る恐るレジに持っていくと、なんと「750円だったのよ~、新品同様の写真集が!」。ということで、彼女は自分が読んだあと、私にプレゼントしてくれたのでした。
ターシャさんの経歴に他界されたことが添えてある13刷目のこの写真集は、9月24日に発行されたばかり。本屋さんで万引きした高価な本を古本屋に売りに行く輩がいるというご時世。「盗品かしら」と二人でちょっと疑ってしまうほど、新品に近いものでした。
そんなふうに眺めてはせっかくのターシャさんの世界が台無しなので、早々にそんな気持ちはもみ消して、彼女の、凛としてぬくもりに溢れた暮らしぶりにたっぷり浸ったのでした。
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