小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

大木トオルさん主宰のセラピードッグ活動を見学

2012-10-14 | 犬&猫との暮らし

 今日は中央区晴海にある老人介護施設に、セラピードッグ活動の見学に行った。招いてくださったのは、国際セラピードッグ協会代表の大木トオルさん。

 大木さんは、東洋人ブルースシンガーとして初めて米国労働省の認可を受けて永住権を取得した、日本を代表するブルースシンガーで、「ミスター・イエローブルース」と賞賛されている著名な方なのだけど、シンガーである一方、セラピードッグの育成や動物愛護法の改正などにも力を注いでいる稀有な人です。

 実は、ブルースシンガーとして名前は知っていたけれど、その歌声を聞いたこともない私が、そんな有名な人に直接会ってお話をするというのも失礼な話なのだけど、セラピードッグの現状も勉強不足なまま、いろいろな質問をしても無知な人間を見下すこともなく、紳士的に丁寧に対応してくれるその態度に、大木さんの懐の深さを感じたのでした。

 大木さんが進めているセラピードッグの活動は、単に「癒し」を与えるセラピーではなく、動物介在療法として「治療」や「医学的な予防」を行うもので、個々の患者の症状を見ながら進めていくという意味では医療従事者と連携が必要であることから、生半可な知識では進められないものだということを改めて知った。

 アメリカに在住している大木さんが、日本国内で診ている患者数は1万2000人に及ぶそうです。認知症の高齢者から障害者、疾患を持つ子どもたちまで幅広く、特に高齢社会に突入している日本では動物介在療法が成果を上げる一方、セラピードッグを必要としている高齢者数にセラピードッグに数が追いつかない状況になっているといいます。

 大木さんが教育しているセラピードッグは、すべてガス室で命を絶たれる寸前の捨て犬たち。大木さんに見込まれて拾われた犬たちは生き直して、人のために施設で活動する。そして、認知症などによって家族の名前さえ忘れてしまった人たちの記憶と力を呼び起こし、再びその人たちが生き直す手助けをしているのです。

 1頭をセラピードッグに育成するのに2年半、200万円以上のお金がかかるそうだが、大木さんはそれを続けてきた。
 いのちのバトンが渡され、見えない輪がつながっていく現場を直接この目で見て、自分では自力で立つこともできないような、要介護4、5という高齢者の拍手の音を聞き、大木さんの活動の大きさを感じた1日でした。

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