<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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大阪の難波をひさしぶりに訪れた。
正確には訪れたのではなく難波の地下街を通過したのだ。
この日、神戸の打ち合わせの帰り道に三宮から近鉄奈良行きの阪神電車に乗って難波へ到着。そこで南海高野線に乗り換えた関係で近鉄難波から南海なんば駅まで歩いたのであった。
その歩いている最中に思わずつぶやいたのが、

「懐かしい〜」

の一言。
近鉄大阪難波駅から南海なんば駅までは300mほどの距離があり地上でも地下街でも連絡することができる。
私は地下鉄御堂筋線のコンコースでもある地下通路の方を歩いていたが、その光景を見た途端、急に懐かしさがこみ上げてきたのだ。
ここを通ったのは久しぶりだったがそれでも昨年は何度か道頓堀松竹座へ歌舞伎を見に行ったりしたので、そんなに昔ではない。

「なんでだろう?」

と考えてみた。
通路眺めるとスーツケースをコロコロ転がして歩く観光客の姿がまったくない。
さらにグループで大声を上げながら歩く中国人観光客がまったくいない、ということに気がついた。
つまり、昔の難波の姿に戻っていたのだ。

そもそも私が芝居見物以外に難波に行かなくなった理由は南海なんば駅近くに事務所のあった会社を退職したことが大きい。
しかしそれ以上に外国人があまりに多くてそのマナーの無さに嫌気がさしてしまっていたから、というのが大きな理由だった。
会話の声も聞こえない騒音けたたましい居酒屋。
路地に溢れる外国人。
外国語の看板に張り紙。
そんな場所、訪れる気力が消失するのは当たり前だ。
道頓堀や心斎橋筋なんか絶対に行きたくない場所になっていて、よく通った法善寺の飲み屋さんにも足を向けなくなってしまっていたのだ。

観光業界は新型コロナで観光客が消えてしまい深刻な打撃を受けている。
気の毒なくらい仕事が無くなっているのだ。
かといって外国人観光客があまりに増えると行く気が失せて自分の街ではないような感覚に囚われていたことも、これまた事実。
だから今の難波は安心してぶらぶら買い物や食事のできる雰囲気が戻っていることに、懐かしさを感じたのだ。

インバウンドの無い大阪難波。
全国一の売上を誇った高島屋大阪本店も今はどうなのだろう。
新しい生活はインバウンドに頼らない商業、観光を求めている。
それにはインバウンド以前の活気を取り戻せるのかどうかが経済復興の大きなカギなんだろうな、と思う難波なのであった。



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