<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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突然大学時代の友人から、
「なんばグランド花月のチケットが入ったんですけど一緒に行きませんか?」
とのメッセージが入った。

なんばグランド花月というと大阪のお笑いのメッカ。
よしもと興行の本拠地だ。

ここでは先週、「舶来寄席」というスペシャル興行が開催中で夜の部は海外からのマジシャンやサーカスなどの芸人さんが6組登場して吉本新喜劇のメンバーらと大いに盛り上がるという企画を公演中なのであった。

実は花月に行ったのは20年以上ぶりで、前回はグランド花月はまだできておらず、古いなんば花月の劇場でサブロー・シローの漫才を見て以来なのであった。

で、驚くことにその友人に舶来寄席に誘われたあくる日に、得意先の部長から、

「花月行きません。実はチケットが余っていて」

とのオファーを貰ったのだ。
数十年ぶりのなんば花月がなんと2日連続となり驚くやら感激するやら。
部長からのお誘いは夜の部の舶来寄席ではなく、昼の部の漫才+よしもと新喜劇なのであった。

落語はよく聞きに行くが生の漫才は久しぶりであった。
出演者は、

キングコング
銀シャリ
月亭方正
まるむし商店
ザ・ぼんち
大助花子
オール巨人阪神

なのであった。

久しくテレビも見ていないので最初の二組、キングコング、銀シャリは全く知らない若手漫才師だった。
全く知らないので、まったく面白くないかといえば反対で、二組ともに実に面白く、伝統的なしゃべくり漫才だった。
しかもいっとき島田紳助あたりから始まった他人を中傷して笑いを取るというスタンスは微塵もなく、滑稽さでしっかりと笑いを取る不快感の無いしゃべくりで大いに満足した。
とりわけ銀シャリの二人はネタも洗練されていて今後に期待ができるのではないかと思って、帰宅後に娘に話すと、
「銀シャリはめちゃ面白いんや」
と変な自慢をされてしまった。
もしかすると娘は漫才ファンなのかもしれない。

月亭方正も落語家になってから芸が洗練されてきていて、過去のダウンタウンの番組で見せていた痛々しさはなく、米朝一門の名前に恥じない落語になりつつあり見ているこっちも満足。
まるむし商店のしりとり芸、ザ・ぼんちの狂気とも言えるわけのわかならなさ、大助花子の夫婦漫才に魅了されたのだった。

でも、圧巻はなんといってもオール巨人阪神の二人だった。

もともと巨人阪神の漫才は若いときから名人芸で同じネタを何度見ても笑える漫才なのだが、久々に見た生の芸は名人を超えて私は話芸のアートだと思った。
客の笑いの間のとり方。
雰囲気を敏感に感じ取って即座に応答する掛け合い。
客席と一体になって構成される笑いの空間はもはや他者を寄せ付けない楽しい凄みを感じさせるものがあった。

「もう、アートですね」

と言ったのは私を誘ってくれた部長なのであった。

ゴルフで交流すのもいい。
飲んで意気投合するのもビジネスだ。
でもお笑いで、しかもオール阪神・巨人の漫才アートで楽しさと笑いを共有することはビジネスの最高の交流方法なんじゃないかと強烈に感じたなんばグランド花月の漫才三昧なのであった。

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