「えーみなさん、大切なお知らせがあります。歌丸はまだ生きております」
と高座の枕で話だし笑いを取ったのは三遊亭円楽。
昨年8月に大阪岸和田の浪切ホールで開催された歌丸・円楽二人会での一コマなのだ。
「もしかすると歌丸さんを見れなくなるかもしれないね」
と言ってチケットを買ってカミさんと出かけたのがこの落語会。
予想以上に面白く、江戸落語が若干苦手な私も大いに楽しめたひと時なのであった。
この時、桂歌丸は舞台の袖から歩いてくるのが困難だったのか、幕が開くとすでに高座に座っていて、噺が終わると幕が閉じるという演出だった。
鼻にはチューブが付けられていて、
「お見苦しいものを付けて申し訳ありません」
などと言いながら噺を始めたのだが、客から見て、
「あ、無理してやってるな」
という雰囲気は微塵も感じさせない、これぞプロの噺家といった語りを聞かせてもらって楽しんだのであった。
あれから1年。
今はあちらで三遊亭小圓遊と再会して、
「あら、歌丸さん、遅かったね」
なんて言われて罵り合いを始めているかも知れないと想像したら、悲しいこともちっとはマシになる。
そういうところが噺家さんのトクなところかもわかならいな、と思った。
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お父さん、落語好きだったんですね。
歌丸さんの落語は穏やかな語り口で上品でした。
私も落語はテープでたくさん持っています。
といっても全部上方落語の噺家さんたちばかりですけど^^