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マイケル・サンデル教授の「白熱教室」に感化されたわけではないが、「ハーバード流交渉術」というタイトルが目に入ったので思わず手にとりパラパラとめくってしまったのがいけなかった。
なんのことかというと、三笠書房「ハーバード流行交渉術 イエスを言わせる方法」という文庫本の話だ。

かねがね私たち日本人は交渉事が下手くそな民族だと思っている。
揉め事があっても、話し合いで解決した例はなく、
「なんとなく雰囲気で分かってもらおう」
という気持ちが強いためか、直接的な表現はできるだけ避け、婉曲に表現して「相手に分かってもらおう」と努める。

例えば、自分の国の巡視艇に酔っ払った船長が操縦する他国の船がぶつかってきても、その模様を録画している証拠テープを公開することなく、「こんなテープもあるんだよね。」と婉曲に伝えて分かってもらおうと努力するのに似ている。

でも、こういう方法は相手が同じ日本人である場合にのみ通用するやり方で、異民族の場合はなかなか当てはまらない。
価値観が違うので通じないのだ。
で、湾曲に言っても無駄だと悟ると、いきなり実力行使に踏み切ったりして失敗してしまったりするのだ。

例えば、自分の国の巡視艇に酔っ払った船長が操縦する漁船がぶつかり、迷惑をかけた録画テープが存在するのに、上の命令でなかなか公開できずにイライラしていたのだが、堪忍袋の緒が切れて、「ほら、みんな見てくれろ!」とばかりにいきなりユーチューブに録画テープをノンカットでアップロード公開してしまうのに似ている。

このように、日本人は国際的な交渉術が苦手で、とりわけ相手がアメリカ人だとか中国人といったヤーさん民族の場合はその苦手さが一層顕著になってくるのだ。
ビジネスシーンでもありもしない自動車のクレームを付けられると、世界最大の自動車メーカーの社長でも、子供のようにメソメソ泣くしか表現方法を知らない国でもあるのだ。

この「気持ち」の通じにくい二つの国のうちの一つ、アメリカ合衆国の最高学府であるハーバードの交渉術とはどういうものなのか。
大いに気になったのであった。
アメリカ人が真剣に「交渉すること」について考証した本だけに、かなりのノウハウが秘められた本ではないかと思ったのだった。

で、実際に読んでみると、なるほどアメリカ人の交渉上手なところがよくわかる、というところまではいかなかったが、論理的な部分は理解することができたのであった。
なんのことはない、揉め事を揉め事と捉えずに、いくつもの出口を用意しておき、妥協できる道筋を常に考えるという、ごく当たり前のことが記されていたのだった。
交渉は喧嘩ではない。
どのように相手と自分の共通の利益になる部分を探し出し、結論を導きだすのかというのが、ポイントのようだ。
いずれにしろ、それでも一方的に自分の利益しか目に見えていない中国人には、このハーバード流の方法をもってしても通じることはない、と思えてしまう昨今のニュースはイライラする。

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