<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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結局のところ駿河湾沼津サービスエリアからは富士山を望むことはできなかった。
ちなみに帰りにも寄ってみたが下り線のサービスエリアからも望むことはできなった。
ここは高台になっていて見晴らしはものすごく良かったのだが、やはり北側に大きな山があり、それが壁になって富士山を見ることはできなかったのだ。

ここで娘が私とカミさんが浜松でうどんを食べたことに感づいた。
カミさんがiPhoneで撮影した写真を共有で見つけたのだ。

「え、こんなんいつ食べたん?」

と愕然。

「起こしても『寝てる』と言うからお母さんと二人で食べた」
「ガーーーン」

ということで娘はこの駿河湾沼津で何かを食べることになった。
時間はすでに午前8時前。
もたもたしていると東京への到着が遅くなってしまうので簡単なものを食べるように勧めた。
もちろん本人も食っちゃ寝てるという状況に陥ることを大いに警戒しているので簡単なお菓子と珈琲ぐらいと判断したのだった。

この駿河湾沼津SAにはスターバックスがあった。
まもなく8時には開店するという。
そこでスタバの開店に併せてSA内の店を物色することにした。

ここには地元名産の生わさびやケーキ、お茶など。静岡らしいものが土産物として並んでいた。
ちょうどバレンタインデーの季節ということもあり、そっち系のプレゼント用としてもいろいろなお菓子がならんでいた。
ひとつひとつに様々なポップが飾られていた。
が、我が家族の注目を集めたのは断然「寿太郎みかんサンドクッキー」なのであった。
見た目は大変美味しそうで、実際に買い求めて食べてみたところなかなかイケる味なのだが、我々の注目を惹いたのは味ではなかった。
このお菓子には箱詰めタイプと袋詰タイプが有り、袋詰の方にはなんと、

「HAPPY VALENTINE! 大人数の方へ ばらまき用にオススメ!」

と書かれてあったのだ。

「露骨やわ」
「これだけストレートに書かれると、なにかこう吹っ切れているというか」
「それにしても『ばら撒き用』って」
「おもろいな」

ということなのであった。

確かの世の中バレンタインの義理チョコはバラマキなのかもわからない。

このばら撒き用みかんサンドクッキーとスターバックスでラテなどを買い求めていざ終着点目指して出発。
暫く走ると新東名と東名高速が合流した。
制限速度110km/hというのも、結局はほとんど意味はなく、殆どの車は制限速度など守ってもいなかったのであった。
で、首都圏ということもあり交通量も各段にアップ。
ラジオもすでに大阪には無いJ-WAVEや文化放送などの電波が届いていた。

まもなく、東京に到着だ。

私たちが予約していた宿は日暮里近くのインバウンド宿なのであった。
日暮里にしたのは下町ということもあり宿泊費が安く、かつ近くにあるコインパーキングも安かったからというのが第一の理由だ。
山手線だとどこへ行くのも便利でもある。
それと私は仕事で宿泊する時は浅草エリアに滞在することにしているのだが、日暮里からはそこらも近く私自身に土地勘があることも大きな理由になっていた。

ここで1つ不安な要素があった。

いつもは飛行機と電車で移動しているために「道路の土地勘」が少々頼りないところがあった。
それもこと「首都高」となるとほとんど自力で走ったことはない。
直近で走ったのは3年ほど前、筑波山の北側にある某大学の研究施設に行くために勤めていた会社の東京事務所の自動車を運転して出かけた時だった。
この時は往路は良かったが復路が難儀した。
なんといってもどこで混雑するのかよくわからないためカーナビゲーションの指図するまま進んだところ、箱崎なるインターからの渋滞に巻き込まれ、筑波から吾妻橋のアサヒビールの雲みたいなビルが見えるまでの所要時間と、そこから馬喰町にある東京事務所までの所用時間がほとんど同じというひどい目に遭った。
浅草橋の上あたりを走っていた時は、正直ここで飛びおられればよものをと思ったぐらいだった。
聞きしに勝る首都高の渋滞を体験したのだが、今回はそんなことにならないことを祈るばかり早朝に移動していたのだ。

ところがさらに、ここに1つ大きな問題があった。
私んちの車のカーナビゲーションはかなり古く、新東名高速道路がデータに無い。
このため駿河湾沼津を出発する時に目的地を入力したらカーナビが道を探し煩いのでセッテングしなかったのだ。
海老名SAにでも入ってセッティングすればよかったのだが、もう時間が勿体なく感じられそのまま東京料金所を通過して首都高に入った。
目指す出口は入谷出口だった。

そんなわけで結論から言うときっちりと経路を間違えてしまったのであった。

曲がらなくていいジャンクションを曲がり、現在位置もさっぱりわからないという状況に陥ったのだ。
道路は地下に向かって続いていた。
しかもクネクネと曲がりまくっているために益々方向がわからない。
行先には「東北道」と書かれていた。
「これはいかん。このまま走ると仙台へ行ってしまう。」
などと冗談を言う余裕はあった。
さらに、
「昔、ソビエトの映画で「惑星ソラリス」というのがあって、その映画では未来都市の風景は東京の首都高で撮影されたんやで」
と解説する余裕もあった。
しかし冗談抜きにこのまま走るとどこへ出るのかさっぱりわからないのでなんとかしなければと思い始めていた。
こんなところでモタモタ遊んでいては肝心の美術館巡りの時間に支障がでる。

そうこう走っているうちに「初台南」という出口を見つけた。

「ラッキー!」

初台なら私もどのあたりか見当がつく。
初台には東京オペラシティがあり、そこのNTTのミュージアムには時々足を運ぶのだ。
しかも京王線ひと駅をケチってたいがいは新宿から歩いていくので景色を見ればどこだかだいたいは見当がつく。

初台南を出るとすぐに場所がわかったので、あとは新宿から靖国通りに出て東へ進路を取り、昭和通りまで来たらなんとかなるだろう、と思った。

つづく





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