<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地




新型コロナウィルス禍が今急速に社会にもたらしているものの一つに生活スタイルの変革がある。
とりわけワーキングスタイルが劇的に変わりつつあり、それに引きづられるように家庭での生活スタイルも変わりつつある。
会社で上司から「なんで売上があがらないだ」と責められるスタイルから自宅でカミさんから「なんでずっといるの〜うっと〜し〜。たまには自分で御飯作って」と責められるスタイルに変わりつつあるのだ。

このように世の中の一部では自宅でほとんどの仕事をこなし、出勤という行為がなくなりつつある。
テレワークが常態化しつつあるのだ。

これまでもテレワークで業務の大半が処理できると考えていた人は少なくなかった。
ところが今回の騒動でまさか本当に対応でき、しかも出勤するよりもかなり効率的に業務をこなせるとまで考えていなかったのだ。

確かに単純に考えても通勤や出張に使っていた往復3〜4時間以上の時間を自由な目的に当てることができる。
これは本人にとっても会社にとっても小さくないメリットなのだ。
移動しなくなったりオフィス空間が不必要になって余った費用は、業務の効率化や研究開発、社員の福利厚生に当てることもできる。
本人にとっとは自由な時間は仕事に使ってもいいし、趣味に使ってもいいし、家事に使ってもいい。
もちろん睡眠に使ってもいい。

これらに関連してさらに変化がでてきた。
時間に余裕ができると食事のスタイルも変わるかも知れない。
外食は都心部ではなく住んでいる近所のところ。それがきっかけで地域の活性化につながるかも知れない。
通過していたシャッター商店街を再発見するかもしれない。
もちろん自宅での食事も増えるだろう。
そうなると食器やキッチンツールにこだわりを持ちたくなってきたり、雰囲気も変えたいので家具や雑貨の選定も大量生産大量消費物では無くなるかも知れない。

とまあ色々な可能性が生まれてくる。

生活スタイル。
考え方。
時間の使い方。
などが劇的に変化するかもしれないのだ。

その劇的変化に対応する最も重要なエッセンスがデザインかもしれない。

柳宗理は日本のデザイン界に大きな影響を残した。
彼が関わったプロダクトやサービス、アーキテクトは今もなお私達の身近に存在する。
日本がまだ欧米の真似しかできず自分の考え方を十分に持っていなかった時代に日本の民藝に着目し、手作業で生み出されるものとマシンを使った工業製品の接点を導き出しジャパニーズデザインの礎を整えた。

ここ数年、柳宗理が関わったデザインに注目が集まっている。
日本がまだよちよち歩きだった頃の戦後すぐの時代。
デザインといえば絵を描くことと思われていた時代。(今もそう思っている勘違い人が多いです)

そんなころから物事を調査して取りまとめ、文化や歴史といった背景を吟味して、その地の特性を生かし、多くの専門家・専門業者・技術者を取りまとめ製品やサービスを作り上げる。
そういったデザインの本質であるプロセスの考え方を記した随筆や記事をまとめたのが「柳宗理エッセイ(平凡社)」。

この、柳宗理の考え方を知りたくて読んだのこの本。
新旧様々な随筆が収録されていて、それぞれの時代背景も感じつつ、しかしその本質は同じである。
その驚きを感じつつ、これからの時代を考えることのできる一冊なのであった。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« ファクターXの... 国際機関はえ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。