<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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2014年に勤続20年表彰で会社からもらった報奨金の一部を利用してカミさんが買ってくれたクロスバイク。
昨日、この自転車のタイヤを自分で初めて交換した。
タイヤ交換は2回めだったが前回はショップで交換してもらっていたのだった。

愛車は入門用クロスバイクでルイガノTR-1というカナダのメーカーのもの。
価格は約5万円。
当時は自宅近くのスポーツバイク専門店でも扱っていた製品で、見初めたときは「なんて軽くていい自転車なんだ」と思ったものだ。
もちろん5万円もする自転車など買ったことがなかったので、非常に高価なものをカミさんにご褒美として買ってもらったと当初はとても満足していた。
ところが自転車のことを知るに従って5万円の自転車は入門用。
走りを追求するなら、もっと上を選ぶべきだったとの後悔が募るようになってしまった。
つまりだんだんと物足りなくなってしまったのだ。
でも、自転車をそんなに簡単に買うわけにはいかない。
すでに会社は辞めていたし、かといってしょっちゅうサイクリングに勤しんでいるという状態でもなかったので、我慢してずっとTR-1に乗り続けていた。
だから3年前に少しは機動力をあげようと思って折りたたみ自転車を購入したときは思い切ってダホンK3を買い求めた。
一度買うと新しいものを買う許可がなかなか出ないこともわかっていたからで、少しは自転車に関する知識も上がっていたこともあり業界最軽量のK3を思い切って買ったのであった。

TR-1は暫く買ってもらっただけで満足していた。
あまり乗らなかった。
あまり乗らなかっただけではなく、少しの間だが手入れも怠っていた。
台風で倒れても他の自転車と一緒に倒れたままにしていたことも正直あった。
今になって思うと可愛そうなことをしていたものだと思うことがある。

で、せっかくのクロスバイク。
これに頻繁に乗るようになったのは大阪北部地震がきっかけだった。
阪神大震災で動いた地層の続きの部分が少し動いた大阪北部地震では高槻や豊中では大きな被害が出たが私の住んでいる泉州地区は大したことがなかった。
なかったが電車が軒並み運休になった。
地震当日。
私は母の介護施設入所の件でかかりつけの病院と打ち合わせが入っていたのでどうしても堺市にあるその病院まで行く必要があった。
自宅から片道20km。
歩いてはとても無理なので自動車で、ということになるが阪神大震災のときの経験から地震でインフラが止まっているときに自動車で移動するのは無茶ということがわかっていた。
大震災の時は50ccのバイクで難波の事務所と連絡が取れない同僚の西宮の家に向かったのでたどり着くことができたが、今はバイクは持っていない。

そこでクロスバイクの登場。
自転車で行くことにしたのだった。

最初の片道20km往復でクタクタになったものの、これが自転車乗りのきっかけになった。
最近では月に200km以上走ることもあり体重も血圧も下がってきたので、いい趣味ができたと満足しているところなのだ。

ところが長い距離を走るようになるとTR-1は果たしてこういう走りに向いているバイクなのか。
そういう疑問が大きくなってきた。
初心者向けのクロスバイクとは良いなが、ネットで調べると評価はそんなに悪くなく、スピードと言う点からいうとかなり苦戦しそうだが日常使い「街乗り」には快適という評価もある。
たまの私のように、そこそこの距離を走るときが問題だ。
街乗り向けの自転車で1回で50km以上走ることもあるし、山道を走ることもあるので、
「果たしてこれで良いのか」
と思うようになった。
巡航速度は20km/h前後。
スピードを出すこともできるが長時間の維持は無理。
山登りでの体力もついてきたものの、なんとなく重い。
すでにTR-1には「相棒」的な愛着も生まれてきているので何らかの対策を考え始めていた。

TR-1は街乗りを想定していることがあるからか幅35mmのタイヤが標準でついていた。
これはシティサイクルと同等のタイヤ幅。
つまり「軽くはないが、衝撃に強い」という性能のものなのだ。
だから歩道への段差やマンホールなどの障害物もらくらくスムースに通過できる。
ところが私はロードバイクのように距離を走りたいので、もっと軽くいきたいというのが希望なのだ。
そこでタイヤ幅32mmか、できれば28mmぐらいのものに変えたいと思った。
調べてみるとTR-1のホイールには24mmはつけられないが28mmのタイヤは嵌めることができるということみたいなので、前回交換してから4年近くが経過するヒビだらけのタイヤも交換時期に来ていたこともあり、買ったスポーツバイク店へ出かけて新しいタイヤを購入した。
アマゾンのほうが安いのはわかっていたが、文句を言いにくいし交換に失敗したとき、
「すんません、やっぱ無理でした」
という恥晒しもできないこともないと思いリアル店で購入したのだ。

えいやっ!でやったタイヤ交換は半年前にパンク修理したときの経験が活きて1時間少しで前後を交換。
キレイに収まったのだった。
タイヤを交換しただけなのに35mm幅から28mm幅に変わるというのは大きな意味があったようで、遠目に見るとTR-1が少し若返ったように感じられた。

翌日。
タイヤ交換効果を確かめようとちょっくら走ってみるとにした。
海が見たかったので箱作の「ピチピチビーチ」(ほんとにこんな名前です)を目的地に和歌山方面に向かって国道26号線を走ることにした。

国道26号線は片側2〜3車線の国道で自転車で走るには路面はいいが大型車が多いので少々注意が必要だ。
26号線は起伏はあるものの高低差は大阪和歌山府県境を除くとあまりない。
走り始めてすぐに気づいたがタイヤの抵抗がググッと減ってすごく軽くなったことを感じた。
走り出しはあまり変わりはないものの巡航するときの軽さは以前なかったものであった。

国道26号線が和泉山脈越えの自動車専用道になるところで海方向に進路を変え、南海電車と平行に走る旧26号線を走るとすぐに海が見えてきた。
青い空。
青い海。
大阪湾は想像以上に美しい。
海の向こうには淡路島の稜線がくっきりと見え、その手前には関西空港島。
関空の向こう側には六甲山が見えて、淡路島との間の明石海峡大橋が美しくそびえている。
箱作駅のちょっと手前では南海の線路が海辺を走り、沖合に白い三角の帆を見せるヨットが数艇。
さらにその沖合には紀淡海峡を出入りする超大型のコンテナ船などが見えて清々しい姿なのであった。
帰りは海辺を走り、りんくうアウトレットモールを通過してから紀州街道を一路家路に向かった。
この間、約50kmちょっと。
これまでにない、快適な初春の走りで大満足。

街乗りクロスバイクでもタイヤを交換するだけで、すっかり乗り心地が変わってしまう。
素晴らしい効果なのであった。

ちなみにこの素晴らしい効果を大々的に家の中で喧伝すると、ロードバイクの購入がさらに遠のく可能性があるので注意が必要だ。



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