<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





普段大阪と東京の間の移動は飛行機または新幹線を利用している。
関西空港が自宅から近く、逆に新大阪駅が自宅から1時間以上もかかる関係でどちらかというと飛行機を利用するほうが圧倒的に多い。
このため今回ドライブをしている付近というのはいつも上空から眺めていた場所でもある。

数年前、北窓側の座席を確保したときに地上を眺めていると、山の中に道路が建設されているのが目に留まった。
「どこを結ぶ道路なんやろ」
と考えながら眺めていた。
ところどころ海岸付近を走る東名高速道路と思われる筋から北に延びる分岐線が見えたりしたので、
「山梨とか長野と太平洋側を結ぶ山岳ドライブウェイなのかな」
と考えたりした。

この山の中を走るドライブウェイと思っていた道路が実は新東名高速道路なのであった。

伊勢湾岸道から新東名高速道路に入ると周囲の景色が真っ暗になった。
明らかに山の中である。
時折通り抜けるトンネルも半端な長さではない。
中にはいつ抜けられるのかわからないような長さのトンネルもあり、未明とはいえ実に詰まらない景色なのだ。
トンネルは最新のドライビング工学に則って設計されているのだろう。
やたらでかく大型車やトレーラーだけではなくタイムボカンやスターウォーズに出てくるジャワ族のサンドクローラー、モスラの幼虫でも通り抜けられそうな大きさである。

設計速度が120km/hとかで日本のアウトバーンを目指す道路ということで斜線幅が広く、時速80km/h程度の速度で走っていると、体感速度は時速40km/h程度といったところだ。

ここ20、30年のあいだに作られた高速自動車道はこのような道が多く、私の父の故郷・岡山(おきゃーま)へ向かう山陽自動車道もこういうトンネルばかりの山陽新幹線のような道なのだ。

大阪の自宅を出発して4時間ほどが経過しようとしていた。
車は愛知県の岡崎付近を走っていた、と思う。
ちょっと疲れも出てきたところで、この退屈な新東名高速道路に突入してしまったためだろうか、俄に睡魔が兆し始めた。
これはいかん。
私としては昨夕は早く寝て自分自身を6時間の時差ボケ状態にして今回の未明ドライブに備えたつもりになっていた。
が、当たり前だがたった一日ぐらいでそんな調整ができるわけがなく、体は正直だったというわけだ。
高速バスや長距離トラックの運転手のみなさんはどうやって調整しているのだろうか。
にわかにそういう仕事をしている人たちに尊敬の気持ちが生まれたのであった。

ともかく浜松ぐらいまでは走らなければ、都内に入るのが遅くなってしまう。
渋滞もあるかもしれないし、見て回る予定のスポットを削減しなければならなくなってしまうかもしれない。
数年前に仕事で大阪から浜名湖まで自動車で移動したことがあるが、あのときはたった3時間しかかからないのでビックリしたものだ。
浜松は浜名湖の少し東側のはずだし新東名は浜名湖を通らずにはるか北側をすり抜ける。
もう浜松に着いても良さそうなものだ。

そんなことを考えているうちに眠気が少しマシになってきた。
時刻も午前5時を過ぎた。
腹が減ってきたのであった。

そんなこんなで眠くなったり腹が減ったりしているうちに我がマイカー・マツダMPVは浜松SAに滑り込んだのであった。

つづく



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )