<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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たまたまインターネットで観た予告編が面白そうだったのでカミさんと連れ立って見に行った映画が「世界でいちばんのイチゴミルクの作りかた」だった。
ドイツ映画ということで多少の文化的違いを覚悟していたが、多少の覚悟では済まされない映画なのであった。

アメリを思い起こさせる色彩計画。
ダウンタウン物語を彷彿させる子供の演出。
名犬ラッシー並みの動物の演出。

それぞれに独特の色合いが出ていてギドギドなのだ。
従って個性が濃すぎて想像を絶する異色性が溢れていたのだ。

中でもストーリー展開そのものが最も取っ付きにくく、中で展開される奇想天外なミニエピソードとミュージカルシーンの数々はもしこれがテレビであったらチャンネルを変えていたぐらい、違和感いっぱいなのであった。

しかしダメな映画ではない。
それぞれが面白さを感じる神経をくすぐり、クスッとした笑いを生み出してくれる。
それはそれで楽しい映画ということもできる。

主人公は幼稚園の子どもたち。
セリフも演技も拙いが、それはそれで巧みな大人の出演者や演出がカバーしており違和感はない。
全体が違和感の塊なので違和感を感じないのかもしれないが。

この映画を観た観客は恐らく2つのグループに分かれるのに違いない。
ひとつは、
「おー、変わった映画やなー。やっぱりヨーロッパやから作れる映画やな。面白いわ。」
というグループと、もうひとつは、
「金返せ」
というグループだ。

ともかく観に行くのならそれ相応の覚悟が必要な映画ということができるだろう。

なお、私はそれなりに楽しめたが、後ろの方のカップルが途中退席したのを私は忘れることができない。

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