<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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私の東京出張時の宿泊場所は「浅草」だ。

「浅草って、観光地みたいなところに泊まるんですね」

と言われるかも知れない。
が、東京もあちらこちら宿泊してみた結果、浅草が最も落ち着くところと判明し、以後、その他の地域には余程のことがない限り宿泊しないことにしている。

思えば社会人になって20数年。
東京出張を幾度と無く繰り返してきた。
宿泊する場所も様々であった。
初めの頃、場所は定まっていなかったが、月島や築地、東陽町のあたりにランダムに宿泊していたが、やがて神田、水道橋あたりのビジネスホテルに宿泊するようになった。
バブルの頃は都内でのビジネスホテル確保が難しくなり、国立や八王子、千葉、横浜などに宿泊し、出張なのにホテルから1時間もかけて東京へ通勤するという事態に陥った。

やがてバブルが弾け、月日は流れて池袋、新宿、品川、蒲田などにも宿泊したのだが、どうも落ち着かない。
とりわけ新宿歌舞伎町と池袋北口に宿泊した時は、大いに後悔したのであった。
ちゃんとしたビジネスホテルにもかかわらず、白いワンピースをまとい、派手派手の化粧をした「いかにも」なお姉さんが廊下をあっちへウロウロ、こっちへウロウロしているし、外は外で呼び込みの声や酔っぱらい、救急車にパトカーの音がうるさく、

「お、ここはロサンゼルスのダウンタウンか」

という雰囲気でちっとも落ち着けなかったのであった。

浅草に宿泊しだしたのは3年ほどまえからで、この今は寂れた歓楽街が、東京らしく、それでいて片意地張らない、物価も安い気楽なところなのですっかり気に入ってしまったのだ。
大阪のように気さくに人が話しかけてくる雰囲気もいいし、寄席もあり、周囲には渋谷や新宿では感じられない「粋」さも辛うじて生き残っている。
祭りや縁日。
江戸文化が息づいている唯一の東京の歓楽街、という感じがして大阪人の私にも満足できる環境が揃っている。

ただ、欠点もある。
それは、この浅草のホテルの欠点は観光客が多いことであった。
日本国内だけではなく、世界中様々なところから多くの観光客が東京見物の観光拠点として浅草を選択し、宿泊する。
確かに周囲には東京を代表する観光地が点在する。
浅草寺。
雷門。
上野公園。
秋葉原。
神田古書店街。
そして最近はスカイツリーが加わった。

この観光客のうち、騒々しくて汚い、という人々がいた。
中国人観光客だ。
中国人観光客はうるさいだけではなく、ゴミを撒き散らし、部屋や廊下を汚し、ロビーを占領するという、他の地域の観光客ではありえないマナーレスな人々なのであった。
しかも個人では動かず、必ず集団だ。

団体観光旅行はかつての日本も同じじゃないの。

と言言いたい人もいるだろう。
私は1978年に高校生の時に海外旅行で初めてアメリカに行って以来、ずーと個人旅行を通してきた。
従って団体旅行を知らないが、それでも買い物以外の日本人のマナーの悪さは聞いたことがない。
だから同じ団体旅行でも中国人とは根本が違うと思っている。

仕事で疲れ、ホテルに戻ってくるとロビーで宴会をしている。
夜中、時間に関わらず廊下に出て大きな声で話をする。
今ではそれはすべて中国人。

「かなわんな~」

と思っていたら尖閣諸島でトラブル発生。
中国人旅行者が一斉に姿を消した。
ホテルにいる外国人は、韓国人か台湾人かタイ人か白人か。

かくてホテルに平和が戻った。

静かで清潔。
中国人がいないだけで、これだけ快適にあるとは。
予想していたとはいえ想像以上だ。

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