<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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出張の多い私は普段は自分の泊まる宿は自分で予約するようにしている。
会社のルールでは総務課に依頼して宿を確保することも可能なのだが、絶対に依頼しないことにしている。
というのも、ずーと以前に東京での宿泊をお願いしたら、浅草雷門近くの宿を予約してくれたのは良かったが、「窓を開けるとそこはホテルの中の通路だった」という、まるでカラオケボックスのようなホテルを確保されやことがあったからだ。

窓の外が通路というのは落ちつかない。
なんといっても、カーテンの向こう側を人が行き来していると思うと神経質ではない私も寝付けないのだ。

東南アジア大好きな私もいろいろな宿に宿泊したが、浅草のこのホテルのようなわけのわからない間取りになったところは、ここしか経験が無い。
東京というのは、本当にラビリンスだとつくづく思ったものなのであった。

で、先日、山梨に出張することになり宿をどうしようか悩んでいた。
訪問先は山梨でも少々静岡県寄りのところで、甲府からは自動車で45分ほどかかるところなのであった。
ところが山梨のビジネスホテルというと甲府近辺に集中していて、私が落ち着いて宿泊できそうなところも甲府駅前のホテルなのであった。
そういうことで、山梨県内の移動にレンタカーを申し込み、甲府駅近くのホテルを予約して大阪を出発した。

ちなみに山梨は大阪から最も移動時間のかかる地域で、正直言ってタイのバンコクやベトナムのホーチミン市へ行く方が移動時間が少なく楽でもある。

ところが山梨県の訪問先に到着したら、先方の担当者が、
「今夜の宿、お取りしていますよ」
と言うではないか。
「結構です。甲府駅前に予約していますから」
とは言えずに、
「そうですか。ありがとうございます。」
と先方の機嫌を損なわないように甲府駅前のホテルをキャンセルし、訪問先が予約してくれていたホテルに宿泊することになったのであった。

正直、どんなホテルか心配ではあった。

で、その心配は意外な形で否定されたが、それでもかなり「普通ではない」ホテルに宿泊することになった。

ホテルは完成したばかりの奇麗で清潔なホテルなのであった。
フロントスタッフは親切だし、愛想もいい。
料金も一泊五千円以下だったので、出張費の安い私は助かった。
ところが、このホテル。
部屋の作りが一般のビジネスホテルとは異なっていたのであった。

なんとベッドが「2段ベッド」なのであった。

2段ベッドのホテルなんぞ高校1年生の時に友達6人と旅行した淡路島のユースホステル依頼の経験であった。

シングルルームで2段ベッドは予想していなかっただけに、落ち着かない。
寝てみると確かにベッドは広々としているのであったが、天井が低い。
当たり前である。
上の段の下面がベッドの天井なのだから低くて当然だ。

全室インターネット。
安価な宿泊料。
飲み物おつまみ、全品200円均一。
フロント前には100円ショップも。

ぎりぎりまでコストを切り詰めた宿でまさにびっくり。

しかも経営が九州の名門ホテル「亀の井ホテル」の系列だというのだから、何か旅館業界のものすごいものを感じるのであった。

で、宿は予想通り観光客でいっぱい、というよりも東京や静岡、名古屋からやってきた職人さんが宿泊客中心のホテルなのであったが、そらもう、繁盛していたのであった。

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