<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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大阪天保山の代表的なアートスポット「サントリーミュージアム天保山」が閉館されるというニュースが流れてもうすぐ一年。
安藤忠雄設計の建物で、開催されるアートエクスビジョンも優秀なものが多く、

「あ~、なんちゅうこっちゃ、大阪のアートスポットがこれまた消える」

と悲嘆に暮れていたら、閉館後の行き先がきまったと先週報じられた。

「サントリーホールディングスは休館するミュージアムを大阪市に寄贈すると発表」

なんとなく、そうなるんではないかと思っていたら、そのとおりになった。
大阪本社のサントリーが東京のサントリー美術館を残して天保山を簡単に潰してしまうなんて。
今後、山崎も、オールドも、角瓶もトリスも(だんだん安もんの酒になっていってますけど)飲んでやらないぞ、と思っていたところで、大逆転。

そもそも、大阪市立の文化施設には寄付されたものが多く、代表的なものが現在の大阪城。
昭和のはじめに「天守閣を復活させよう」と市民の寄付で建築費が集められ建設された。
尤も、大阪市民の寄付、ということになっているのだが、大半は住友家が出していると言われており、大阪城は秀吉の手で開かれて、今は住友が建てた大阪城が街の真ん中にそびえているというわけだ。

さらに住友が寄付した建物は他にも多く、古くは天王寺公園の敷地、新しくは安宅コレクションをまるごと引きとってそのまま住友が建設して市立にした大阪市立東洋陶磁美術館が挙げられる。

ということで、サントリーも大阪の会社だったというわけ。
自前の美術館は全額寄付。
しかも7億円の運営資金とロートレックなどのポスターコレクション付き。
至れり尽くせり。

と、思うものの、CMやイベントもトップのサントリーが経営する美術館から、自治体が運営する美術館へと。
なんとなく、オシャレのレベルが下がるのではないか、と思われてならないのだが。

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