<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



面白い映画が必ずしもヒットするとは限らない。
また面白くなくとも映画はヒットすることもあり、興行物というのはえてしてなにがなんだか分からないことが少なくない。

ロバート・ゼメキス監督の新作「Disney'sクリスマスキャロル」は前者に該当する面白いけど外れている映画なのであった。
なぜなら冒頭からラストまで全編息を継がせないスリルと驚きの連続のワクワク作品であるにも関わらず、私が観た回の上映では、私の家族を含めても全観客は10人程しかいなかったのだ。

これでは興行的に失敗であろう。

それにしても大胆な映像だ。
ゼメキス監督の前作「ポーラ・エクスプレス」も同じようなモーションキャプチャー技術を使った3DCGの映画だったが、今作はその時の技術を上回る表現力で観るものを圧倒する力を持っていた。

いわゆる「不気味の谷」はすでに通り越し、不自然さはほとんどない。
観客もその世界にどっぷりとはまりこみクリスマスキャロルの世界を自身も同じ場所にいるように十二分に体験できる仕上がりなのだ。
アラン・シルベストリの音楽もテンポが良いし、主演のモデル(?)ジム・キャリーもなかなかだ。

正直「クリスマスキャロル」の物語は有名だ、程度しか知らなかった私だったが子供のように単純明快なクリスマスの物語をじっくり堪能できたのは言うまでもない。

これだけ質の高い映画なのに、人気のないのは何故なのか。
映画ビジネスは難しいと思ったのだった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )