<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



年末に大阪千日前にあるビックカメラへ買い物にでかけた。

私の地元大阪も気がつけば家電販売店は東京資本はほとんどを占めるようになっており、かつてのプランタン難波のビルディングにはビックカメラが店を構え、梅田にあるヨドバシカメラと大阪での覇権を競い合っている。

この千日前からほどちかい日本橋の電気街も東京秋葉原と同じく電気街としての機能はそのほとんどを失いつつあり、オタクの街として確固たる地位を築いてきている。

このビックカメラの南側の出口を出てみると向かい側に映画館「千日前国際劇場」があったことに気付いた。

気付いた、というと聞こえはいいが、すっかりその存在を忘れていたのだ。

この千日前国際劇場は中学高校生の時に良く訪れた劇場で、上映の合間にハモンドオルガンを弾くオジサンが現れるのが特長だった。
オジサンはおもむろにオルガンを弾く。
聞いている観客はいるのかいないのかわからないが、上映時間を知らせるスポットライトが点滅すると、オジサンは演奏を客席に向って礼をした。

パチパチパチ。

まばらな拍手が聞こえる時と聞こえない時があったが、聞こえる時の方が多かったことを考えると、オルガン演奏を聴いていた人は少なくなかったのだと思う。
私も聴いていた方だ。

その国際劇場がシネコンのラッシュに押されて昨年の3月末に閉館。
今も使い道が決まらず、シャッターを閉めたまま放置されている。

千日前にはかつてこの国際劇場と国際シネマ、大劇シネマ、千日前セントラル、東宝敷島といった大形館が点在した。
東宝敷島はすっかり規模が小さくなって敷島シネプレックスというシネコンとなって生き残っているが、メジャー系ではない他の映画館は姿を消した。
(但し、エロ映画館は残ってます。AVの時代にエロ映画。エロ映画の生存力恐るべしです)

姿を消すのは映画館だけではない。
もうすぐ難波駅前の奇っ怪な建物、「新歌舞伎座」も姿を消す。

現在盛んにサヨナラ興行が公演されている。
多くは演歌歌手や、それにちかい俳優の演劇もの。
若いものは見る機会の少ない出し物だ。
新宿歌舞伎町のコマ劇場が消えるように、ここなんば新歌舞伎座も消えるのだが、あまり報道されることもない。

難波といえば、日本の舞台芸術の発祥地ともいえる道頓堀を控えていて、現代だけではなく江戸時代からのエンタメの中心地だ。
しかも興行としての映画も日本では難波が最初で、今の丸井、TOHOシネマズ難波の場所が日本初の映画館の場所でもある。

ということで、大阪の中心繁華街なんば。
ここのエンタメはこれからどこへ行ってしまうのだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )