<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



「EVカーって、CO2も出さないし、エコなんだ!」
と思っているあなた。
あなたはたぶん、良い人です。

電気だけで走るEV。
ガソリンも軽油も要らないので排ガスも出さないクリーンエア。
エコカーの代表。
だから脱炭素に貢献している。
というのが表向きの顔。

でもこのEVが利用する電力はどうやって作っているのか。
そこを考えておく必要があるけれども、不都合があるのかあまり伝えられることがない真実なのだ。

EVで使用する電力の殆どが石油、石炭を燃やして火力発電で生まれている。
だからEVは石油を燃やして電気に変え、それを送電したり充電したりして利用している「ロスの多い」乗り物。
決して現状は「エコな」移動手段ではない。
エコを考える場合は圧倒的に電車に軍配があがる。

しかも高性能の電池を製造するときにも大量のエネルギーを必要とするので、どこまでエコなのか理解が難しい。
燃料電池車も水素ガス自動車も水素を生成するためには大量の化石燃料が必要だ。
水素というエコクリーンな燃料を使っているからといって、それは見かけだけ。
その背景には多くの課題が堆積している。

その課題を解決できる安直な方法が原子力であることも、今は言いにくい。

再生可能エネルギーで先行していたドイツが原子力利用に大きく舵を切ったことが最近伝えられるが、理由はこのあたりにあるのかも。
原子力は二酸化炭素をほとんど出さない。
原子力はE=mc2で少ない燃料で膨大なエネルギーを生み出せる。

しかし福島原発事故で原子力には大きなリスクがあることを我々は学んだ。

でも、ことCO2削減を声高に叫んでEVを中心とするエコカー推奨を叫ぶなら、そこに原子力は欠かせない。

EVと原子力。

この組み合わせは表裏一体の不都合な真実なのだ。


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「2035年までにはすべての自動車をEV化」
とは勇気ある発言で、政府もメーカーも販売店も何を考えているのかよくわからない、ということを証明するような動画が最近Youtubeに上がっている。
ちょっと見始めたら面白いので最後まで見てしまうというものが多いのが特徴だ。

例えばEVカーで帰省をしてみた人のレポートは秀逸だった。
関東の自宅を出発して愛知県の実家までの300km少し。
この距離、かかった時間が9時間。
多くは年末年始の渋滞が影響すると思いきや、そのうちのかなりのパーセントが「充電に要した時間」だったのでたまげた。

EVカーは容量の半分を充電するのに30分程度必要という。
その半分で走行できる距離は100km少し。
テレビのCMやカタログでは走行距離が200kmを越えるようなことが書かれているが、それは自宅で数時間かけてフル充電して、渋滞も信号も無い道路を走った場合。
しかし実際の道路は渋滞もあるし信号もある。坂道もあるし、一定の速度で走ることなんかありえない。夏は冷房、冬は暖房で走る以外のエネルギーも必要なので畢竟実際に走れる距離は短くなる。
これはガソリン車でも同じだ。

問題はEVカーはエネルギーをチャージする場所が少ない上に時間がかかること。
ガソリン車は燃料が少なくなってくるとスタンドで燃料を入れるだけ。
その時間長くても5分。
ところがEVカーは半分充電するのに30分。
しかも充電スタンドが少なく、あっても先客がいると何十分、何時間も待つ必要がある。
長距離を走ると余裕が欲しいので早めに充電することになるが、それだけ停車回数も増える。

充電問題はスマホやデジカメよりも深刻だ。

スマホなら必要に応じて予備バッテリーから充電することもできる。
デジカメなら予備のバッテリーと交換することができる。

海外を旅行すると電力事情もままならないところが多い。
そのためデジカメのバッテリーを複数持ち歩き、しかも夜充電のできるホテルなどでは忘れずチャージして旅行期間中に電池切れをすることの無いように注意する。

スマホもバッテリー切れを起こさないように使用方法を考え、充電のできる新幹線や飛行機のUSB端子やコンセントがあると充電することを忘れない。

しかし、EVカーはこのようなことができない。
EVカーで予備バッテリーを引きずって走るわけにもいかなし、予備のバッテリーの積み込んで走ることもできない。
充電スタンドは数が限られ、家庭用コンセントがあっても無意味だ。

畢竟長距離を走るとなるとEVカーには様々な障壁があり、これらは容易に解決できるとは思えない。

そもそもEVカーは明治時代には登場しているが、普及しなかった理由はバッテリーの問題があったから。
いくら高性能のバッテリーが登場し始めたとはいえ充電時間が30分、自宅で8時間、などということになると簡単に使うことなどできるわけがない。

ある動画では日産リーフの実際がレポートされていたが、運転席に表示される残り電気容量と実際の容量には差があるようで信頼性はない。
短距離を走るのはままアリとして、それでも雪の中、酷暑の中は超不得意で、もし豪雪に出会ったりすると低温下でバッテリーの能力もぐんと落ちるので、場合によっては運転者の命に関わることになるのだろう。

2035年まであと13年。

バッテリーの問題は解決できるのか。

もっとも2035年には私は免許を返却している可能性が高い年齢ですけどね。


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トンガの「なんじゃらかんじゃら」という海底火山が爆発してその上に乗っかっていた島が消滅。
世界に衝撃とまではいかないまでも「ビックリ」が拡散している。
一夜で島が無くなってしまうのはB級SF映画でもないとなかなかお目にかかれない現象だ。

そこで俄に注目を浴びているのは富士山大爆発。

今朝もテレビを見ていたら「もし富士山が噴火したら」という昭和なネタが掘り返されており、
「そんなこと心配するんやったら首都を京都に戻さんかい」
などと思いながらホットコーヒーでバナナを食べていたのだった。

今回のトンガの火山噴火が他人事ではないことは日本人ならよくわかること。
日本は富士山だけではなくちらこちらに火山があって噴火するもの静かなものと千差万別である。

私の住んでいる大阪にも火山がある。
二上山という名前で大阪と奈良の県境にあり、その裾野には河内飛鳥や大和葛城など日本の歴史がスタートした地点が点在する。
山の頂上には天智天皇のお孫さんにあたる大津皇子の墓陵もあり山として安定しているため大阪府民の多くはここが溶岩の山であることを知らないし、1000年以上何もないので知る必要もないのかもしれない。

そんなほぼ死んでいる火山などどうでもよく、実は日本人にとって最も恐ろしいのは阿蘇山が大噴火することなのだ。

学生の時に読んだ科学本(芸大生だったのになぜか科学本が好きだった)なので情報が古いかも知れないが、日本列島における最も恐ろし火山は阿蘇のカルデラ。
あそこ(洒落ではない)の地形がなぜカルデラになっているかというと、数万年前まで何度か大噴火を生じ、九州の大部分が阿蘇の火山になるということになったのだという。
噴煙、火山灰は地元九州はもちろんのこと中国・四国を埋め尽くし、関西・東海
も焼き払い、関東まで堆積することになったのだという。
今も関東の地層を掘ると場所によっては阿蘇の噴火の残滓があるとのこと。

この記事を読んだとき、ホンマかいなと少々疑ってみたけれども、実際に阿蘇にいったり海外の事例を見るにつけ、
「これはありうる。こわ〜」
となるに至ったのだ。


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昨年読んだ書籍で最も印象に残ったノンフィクション作品が「クラカトアの大噴火」だった。
1883年にインドネシアのジャワ島とスマトラ島の間にあるクラカトア火山が大噴火した。
その爆音は香港はもちろんインド洋を横断してスマトラ島でも耳にすることができ、しかも衝撃は地球を6周回ってロンドンでも気圧の変化が観測されたという。

この規模に匹敵するのだろうか。
昨日発生した南太平洋にあるトンガの火山島の大噴火で日本と米国は津波警報を発令。
日本では実際に津波が発生して太平洋沿岸のほとんどに津波が押し寄せた。
幸いなことに東日本大震災の時のような10mを超えるようなものはなく高くても2m以下なので被害もほとんどない。

問題はメカニズムがわからないことにあるという。

日本の周辺国家では潮位の変化は観測されず、なぜ日本だけで津波が発生しているのか今のところ不明なのだという。
クラカトア大噴火のときのように気圧の変化が観測されているが、それが影響しているのか。
単に大噴火だけでは説明がつかないのだという。

今回の爆音は太平洋を半分横断してニュージランドでも聞こえた。
クラカトアの時代と違って衛星写真もあるので科学的分析は大きく異るものになるに違いない。
しばらくこの分野の科学から目が離せないのだ。


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朝のNHKニュースを見ていたら、また腹立たしいトピックが流れた。

「高校のタブレット端末一人1台、保護者の負担が都道府県で大きな差」

という。
なんでも無料で配布する自治体もあれば5万も10万円も負担させる自治体もあるという。
これって不公平だというのだ。

確かに不公平だろう。
だからと税金で無料配布せよ、という。

アホなこと言うな!
責任者出てこい!
と、私は瞬間人生幸朗になっていたのであった。

まず、高校は義務教育ではない。
それでも自治体によっては授業料は公立私学の別なく免除(例:大阪府)している。
ありがたいことではないか。
このうえさらにタブレットを無料で提供せよとはよく言えたものだ。
わがままにもほどがある。

しかも最近の高校生はほぼ全員がスマホを持っている。
スマホは自分で買ったものか、親が買い与えたものだ。

「スマホは買えるのに授業に必要なタブレットは買えないなんてありえない!」

というのが普通の感覚だ。
しかもスマホは通信費など維持費もかかり馬鹿にならない。
そのスマホ代のためにタブレットを買えないからタダでくれろとは。
自治体が無料提供するということは税金で買えと言ってるのに等しい。
私はそんな学生のためにあくせく働いているのではない。
しがない売上から税務署にむしり取られた税金を使ってそんな遊びに必要なスマホは買えて勉強に必要なタブレットは買えないという奴らのために使ってほしくなどないのだ。

それに他人にタダでもらったもので真面目に勉強をするとも思えない。
遊び道具になって、つまらないゲームのツールになるのが落ちである。
汗水たらして稼いだお金で買ってこそ価値がある。

こんな無駄金使わせることを考えてテレビを使っているのは、どこぞの宗教与党の議員と同じではないか。

ニュースを見ていると鳴門教育大学の某という教授が「等しく受けられる体制が必要だ」とか主張していた。
鳴門教育大学も国立だそうだが大阪に住んでいる私が聞いたことがない教育大。
教育大はたとえ国立大学であっても予算がまわってきにくいから、「ちょっとかき回したろか」という感覚で意地悪をしているのかもしれない。
それともこの人の頭の中では鳴門の渦潮が回っているにちがいない。

ということで、スマホ時代の高校生諸君。
タブレットは自分で買いなさい!
夏休みに10日ほどバイトしたら簡単に買える価格だ。
中古なら2日働いたら買うこともできる!


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私の地元JR阪和線では2種類の特急が走っている。
一つは関西空港と大阪・京都を結ぶ特急はるか。
もう一つは和歌山方面と大阪・京都を結ぶ特急くろしお。
コロナのパンデミックが発生してから特急はるかは回送状態。
駅から通過する姿を見ていると空気を運んでいるんじゃないかと思えるくらいお気の毒な乗車率だ。

はるかは国際線に搭乗するお客がメインだろうから、今や関空は一日に10便以下しか国際線が飛んでいないので(国際貨物便はひっきりなしに飛んでいる)利用客は朝夕の通勤客になっていてさながら通勤特急の様相だ。
最近通勤用の特急料金も設定されたので、あながち関空特急から通勤特急に様変わりするのもそう遠くないような気がする。

一方特急くろしおも似たようなものだが、こちらは南紀白浜や串本・新宮方面の乗客が利用するので休日中はそこそこの乗りである。
でも平日日中ははるかと似たようなもんで、これもお気の毒状態。

で、この年末年始はコロナも少し収まっていたので南紀方面への乗客は2.5倍ほどに増加。
そこそこの乗車率だったようだ。
このまま推移するとこれから南紀は梅のシーズンでさらには海のシーズンに突入するし、パンダを見に行く人も増えることだろうから元に戻るのも意外に早いかも知れない。

はるかもコロナを避けるために乗る特急になれば、それも乗客増につながるだろう。

特急列車の乗車率の復調はコロナの終焉のサインなのか。
しばらくは通過する特急の乗車風景からなんとなく目が離せないのだ。


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メディアがほとんど伝えないニュースというのは、どこかに理由があるのだろうか。
というのも先週、理化学研究所が興味ある研究結果を発表。
なんでも日本人が外国に比べて新型コロナで重症化しにくい謎の原因を発見したということで、新薬につながる重要発表だったという内容だった。
その「A24」という形の白血球。
これを持っていると新型コロナのウィルスが侵入してくるとTキラー細胞というのが活発化してウィルスを攻撃するのだという。
この形の白血球をもつ日本人の割合は6割で欧米では1割から2割弱だという。
10数年前にパンデミックが発生したSARSのときに日本人だけが1人も感染者を出さなかったのも、もしかするとこの辺のメカニズムにあったのかもしれない。

不思議なのは、こんな重要な科学ニュースを伝えるメディアがほとんどなく、扱っても小さな記事だったこと。
科学記事はひと目を惹かないと感じたのか。
それはどうかわからない。
割烹着を着た女性研究員ならインチキでも注目するのに、メディアは真面目な研究にはもしかすると冷たいのかもしれないと、思った。


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今朝のニュースで、
「国がJR三社に橋梁補修工事の1/3を補助することになったと発表した」
と伝えていた。
なんでもここ数年頻発する豪雨災害などの対策を急ぐためということなんだそうだが、たぶんコロナの影響で経営にダメージを受けている大手鉄道会社を支えることも目的にしているのだろう。

2年前の台風で南海電車の橋梁が傾いて数日間電車が止まったことがあった。
鉄道の橋が傾いて、そこを無事に電車が通過したのは不幸中の幸いだったが、何に驚いたかというとその橋梁は建築されてから100年以上経過したお年を召した建築物だったからだ。
南海電鉄は国内で最も古い私鉄で創業約120年。
多くの鉄道施設が100年超えをしているようで、その耐久性が大いに心配されているところでもある。

考えてみれば建築物の耐久年数というか寿命はどのくらいなのだろう。
真剣に考えたことがあまりなかったので、ここは改めて思いを馳せてみる必要がありそうだ。

例えば木造建築。
世界的な建築物に奈良の法隆寺や唐招提寺があり、これらは築1000年を超え、今も現役だ。
火災で焼けさえしなければヒノキなどの良質な建築材料を用いると年輪と同じだけの年数を建物は耐えるとかで、以前耳にした話では法隆寺の金堂はあと1000年は大丈夫なのだという。

コンクリートや石積みの建築物としてすぐに思い浮かぶのはフランス・パリの街の情景。
パリ中心部の洒落た風景は開発が厳しく制限されていて19世紀の景観が今もしっかりと機能している。
地震が殆どないことも有利に働いているのかもしれないが、100年以上しっかりとその姿を保っているのだ。
ニューヨークの摩天楼も齢100年ものが少なくない。
あれだけの巨大建造物も100年単位でしっかりと大地に根づいているというのは素晴らしいテクノロジーと言えるだろう。

一方、身近なところで大きな問題となっているのが集合住宅。
これが古くなると耐震性、大雨性、その他諸々が課題となっていてじわじわと社会問題化しそうな様相だ。
例えば1970年前後に建築されたマンションは耐震基準が古いままで阪神大震災や東日本大震災の巨大地震に耐えることが難しい。
またその頃と現在とは電気や通信の使用レベルと品質が違うため設備の問題がある。
古い設備に新たな設備を追加することが難しく、大規模な工事をするくらいなら建て替えたほうがマシという物件も少なくないという。
建て替えるとなると住人の経済的負担がにわかに大きくなり紛争が発生する原因にもなる。

一戸建ての家にしても100年ものはあまり見たことがない。
私の生まれた大阪堺や京都、奈良には江戸時代に作られた町家が今も現役のところが少なくない。
今の建物と根本的に作りが違うのか、それとも単に運が良かったのかわからない。

それでも長生きしている建物に共通しているのは手入れが良くて使い続けられているということ。

橋梁しかり、役所の庁舎しかり、美術館博物館、企業の建物しかり。

手入れを怠れば多大な損害を生み出してしまう。
政府の修理補助は公共の財産として鉄道施設を解釈していることなのだろう。

なお、リニアなんか作っているJR東海に補助する必要はないと思うのだが、いかがか。


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米国籍の真鍋淑郎プリンストン大学上席研究員がノーベル物理学賞を授賞したことは新聞の第一面、テレビのトップニュースで伝えられた。
「ああ、また日本人がノーベル賞を穫ったのね」
と感動している人も多いことだろう。
このアメリカ人になってしまってアメリカの研究機関で研究し、ノーベル賞を受賞した元日本人はトップで扱う。

でも、あなたご存知ですか?

日本で研究している北海道大学の特任教授がノーベル化学賞を授賞していることを、ですけど。

少々仕事が忙しくてバタバタしているうちにニュースを見逃した、というのとはちょっと違う。
大きな記事としては扱われず、私はこのビッグニュースをFBでFB友達の一人が大きく採り上げていたことで初めて知ったのであった。

ノーベル化学賞を授賞したのは北海道大学特任教授のベンジャミン・リスト先生。
ドイツ人ではあるものの、長らく日本で研究活動を行っている科学者だ。
これは大いに名誉なことであって真鍋博士と同様に大きく扱って然るべきビックニュース。
もしかすると札幌では大きく報道されているのかもしれないが、私の住む大阪ではテレビで採り上げられているのを未だ見たことがない。

北海道大学のウェブサイトを見てみると当然のようにトップに「ベンジャミン・リスト先生 ノーベル化学賞授賞 お祝い申し上げます」と出てくる。

なぜ、我が国のマスメディアにそれができないのか。
日頃「日本はもっと国際化しないといけないね」と叫んでいるのはマスメディアなのに、国際化されていないことがはっきりした。
非常に民族主義的マスメディアなのだ。

もしかするとお隣のアジアの盲腸の国の人がノーベル賞をとるようなことがあれば騒ぐのだろうか。
民族主義なのでそういうことは大いに有り得るかもしれない、と思った。



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CNNにネット記事にスペースX社のCEOイーロン・マスク氏が、
「火星への有人飛行は生きて帰れないかも」
と言ったとか。

これはかつての南極探検や北極探検になぞらえた発言で注目されているが、飛行士が生きて帰れないような計画を米国や欧州連合、日本などの先進国家が承認するわけはなく、このような無謀に挑戦させるのはロシアか中国ということになる。
ということは、人類最初の火星上陸が中国人かロシア人で現地にはプーチンや習近平の肖像が翻るのかもしれない。
そんな計画を宇宙船を作っている会社のCEOが語るなんて。
きっとこの人はトレッキーではない。
ロシア人かもしれない。

実はロシアにはそういう無謀なことをやった前科がある。
ソユーズ1号が打ち上げられるとき、その宇宙船は地球に帰ることが技術的に無理だったにも関わらず米国との競争に勝つという威信があり、発射。
結果的に唯一の乗組員だった船長のウラジミール・コマロフはパラシュートも開かず減速もできないソユーズの帰還カプセルの中にで管制センターを罵りながら地上に激突。
カプセルは30m近くものめり込んだという。
管制センターとの交信は録音されていてYoutubeで聞くことができる。
なお、音声はロシア語なので何を言っているのかわからない。

これは宇宙開発史に残る最大の悲劇の一つだ。
もっと大きな事故、例えばチャレンジャーやコロンビア、アポロ1号の事故はあるものの、いずれも不可抗力によるものだった。
わざわざ死ぬことがわかっていて旅立ったのはソユーズ1号だけ。

そういうことで「帰れないかもしれない」火星旅行を口にするCEOがいるスペースX社というのはなんなんだ。
もっと夢のあることが言えないのか。
企業の威信であるのなら、技術を持っていてもこの会社は危険だ。


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